☆ 藻類バイオ燃料 「株式会社日立総合計画研究所」より


☆ 藻類バイオ燃料 「株式日記と経済展望 コメント欄(2012.4.3)」より
実用化へ向けた課題
筑波大学 渡邉信教授によるとオーランチオキトリウムによるオイル生産の実用化は、10年後をめどに実現する見込みです。実用化に向けた課題は、図に示した「培養」「収穫」「抽出」「精製」を含め、さまざまな工程にあります。

例えば「培養」ですが、微細藻類はあらゆる場所に存在するため、ほかの種類の藻類が混入し、繁殖しないようコントロールし、オーランチオキトリウムのみを培養することは容易ではありません。また、藻を培養装置内で攪拌(かくはん)する際に多くのエネルギーが消費されるため、最適な培養システム・培養装置を設計しなければなりません。藻を収穫し、オイルを抽出する場合にも、エネルギー消費を抑えたプロセスを構築する必要があります。

藻類バイオ燃料を実用化するためには、今後大規模商業化に向けた研究開発と実証(RD&D)が必要であり、米国エネルギー省が行っているような官民一体となった規格や基準作りなどの支援が求められます。

現時点では、技術的な課題は多く存在しますが、藻類を原料とするオイル生産を排水処理プロセスに適用することができれば、排水処理の省エネルギー化と輸送燃料代替の両面で、日本のエネルギー自給率の改善に貢献し、世界におけるエネルギー資源の偏在に対する解決策の一つとなり得る可能性を秘めています。

最終更新:2012年04月03日 20:46