時代のキーパーソンの“声”をフレッシュに伝える番組「1on1」。
今回は2月公開の動画で「トランプ2.0」時代の趨勢を言い当てた哲学者の東浩紀さんに「リベラルデモクラシーの終わり」をテーマに話を伺いました。これまで自由民主主義国家の屋台骨だったリベラルの理念を人々が信じられなくなるなか、人類が再び1つになるため必要なものとは?いま、時代はどんな哲学・思想を要請しているのか、日本の採るべき針路とは?東さんにたっぷり語っていただきました。
00:00 番組開始
01:51 「歴史の終わり」の終わりとは?
07:44 『ヒルビリー・エレジー』で読み解くリベラル不信
10:48 「家族」の社会的機能
13:19 リベラル 歴史的「勝利」の勘違い
15:39 トランプ後にリベラルは復活する?
17:25 時代がまた思想・哲学を必要としている
20:56 「観光客」が今後のカギに
24:05 友敵を超える「ゆるさ」が哲学の使命
28:26 ユーゴ内戦からウクライナ戦争を考える
35:46 日本なりの自由と民主主義の要とは?
43:50 リベラルには「政治の外」が必要だ
48:31 どうせ人類はいつか1つになるが…
49:50 AIは僕たちを幸せにしない
54:05 人類はどう連帯すればいい?
59:28 リベラルこそ「仲間」で共同体拡張を
01:03:34 「下半身」が平和を導く
◆出演◆
▼東浩紀
1971年東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』など。
▼竹下隆一郎
朝日新聞を退社後、2016年から2021年6月までハフポスト日本版編集長。2021年8月にビジネス映像メディアPIVOTの創業メンバーに。2024年11月よりTBSテレビ特任執行役員、「TBS CROSS DIG with Bloomberg」のチーフコンテンツオフィサーを務める。
X(旧ツイッター):@ryuichirot
メール:
takeshita.ryuichiro@tbs.co.jp
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@林道理想
「ゆるい人たちはsnsにはいない。」
これはすごく大事だと思う。
実際snsやっててで政治的な事柄に強い考えを持ってる人なんて実際かなり少ないはず。
そのマジョリティのゆるさを保存したり、政治に活かすことがどんどん難しくなってきてる。
賢い人たちがどんどん喋らなくなってしまった。
@bnnnt
俯瞰的かつ多角的でありながら地に足が着いていて
とても参考になる話だと思いました。
東さんがこういう話をする人だとは知らなかった。
竹下さんのおかげかな。
@etsuranyou908
世界が混乱状態に陥ることで、皮肉にも死に体だった哲学と思想が息を吹き返したということかな。東さんが生き生きしてますね。
誰が誰に向けてどのような物語を作りたいと思っているか、本人はどういう物語を信じているか。とても大事な視点で勉強になります
@procedurallygenerated
非常に面白いお話でした。このバックラッシュはリベラルが焦りすぎたことによる不可避のもの、と捉えればいいんですね。メディアやネットではウクライナや斎藤知事の問題など、リベラルも保守も社会的に相手をぶちのめす不毛のチーム戦に熱中しておりこの世の終わり感がすごいですが、こういう一段高い議論を聞くと本当に心の底からホッとして癒されます
@MJ-gr6tl
久しぶりにキレッキレの東浩紀さんを見た気がします。今までゲンロンなどいろいろな所を見てきましたが、正直どうしてもすっきりしきれませんでした。しかし今回、私が思っていながら言葉にできなかったことを東浩紀さんが言語化してくれました。やっぱり哲学者、東浩紀ですね。ありがとうございました。そしてこの機会を作ってくれた竹下さん、このチャンネルにも感謝です。
@クック-q7z
もうPIVOTなんかより全然こっちの方がいい、最高
@oltoruko6563
昔の荒れていた時代の政治家や経営者の逸話などを読むと、真剣に思想家の本を読んでいたり、大真面目に思想っぽいことを主張していることがあって驚きます
ある意味では不幸なことですが、ふたたびそういう時代が来たのかもしれません。東さん経営がんばってください
@rarara1045
竹下隆一郎さんは聞き手として信頼しているので東浩紀さん少しキレが戻ったね。まだ納得というまでにいかないが。混迷の時代に入ってきたのであずまんはもっと発信していただきたい。会話はスパークしているね、竹下隆一郎さんリベラル側の言説の劣化がひどすぎるのでまともなリベラルの考えを聞きたい。唯一信頼できるので。誰かが大きな物語を語れることが大切な時期だと思います。
@jibushoyu
あずまんはやっぱおもしろい。リベラルを盲信せずその欺瞞を厳しく批判する。それは一筋の希望を見いだしてるからこそ、だと思う。この部分、イデオロギーにどっぷり浸かった人やポジショントークに安住する人からは理解されないんだろうね。
@tutomushimoyama9886
51:45 東浩紀氏「僕たちがしなくちゃいけないことは」以降の明言連射が言い得てる。AIがってみんな言うけど、AIを評価するのまだ早くて、AIが戦争を止めてくれて、初めてAIを評価できる、みたいなの、すごくいい。
@utsumiseto3187
保守の自己認識を持っている者として、たいへん示唆に富んだ良いインタビューでした。聞き手の竹下さんあってもものなのでしょうね。左右の先鋭化が酷い昨今、「まぁ、落ち着け」と諭す保守・リベラル両方の論者は貴重です。そういった保守・リベラルによる対論が聞いてみたい。保守からは誰ですかね。私は三浦小太郎さんとの対論を聞いてみたいです。
@troimcoa
東さん、以前から他のリベラルとは少し違う雰囲気を感じていましたが、ここに来て、はっきりして来ましたね。
リアリストの視点から離れることができないリベラリストの苦悩と情熱を見せていただき、大変勉強になります。
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共産党は癌なのか 「紙屋研究所(2013.7.23)」より
(※ 前後略)
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東のもっている問題意識をもう少し健全に言い換えると「原理原則でこりかたまった勢力ではなく、さまざまな政策課題の実現のために柔軟に対応して政治・政権に関与してほしい」ということになるだろう。
これは、先のぼくのエントリでもとりあげたけど、たとえば民主党議員を応援した市民運動の人たちなんかの思考方法でもある。
湯浅誠が、反貧困という個別問題に深くかかわり、その体験の中で民主党議員を応援してしまう、というのは、その一つ。民主党は、消費税増税に手を貸しただけでなく、湯浅自身が懸命にとりくんできた生活保護についても根本的に改悪させてしまう法案を衆院通過させ、参院でも部分修正で推進させてきた。
東と正反対に、運動に深くかかわってきたがゆえに、部分にとらわれて、根本的な大義を見失ってしまったのが湯浅のこの間の行動だろう。
ただ、湯浅のハマりこみようは、同意できないけども、理解はできる。そうなっちゃうのも仕方がないよね、とは思える程度には健全だ。「じっさい、参院では生活保護の改悪法は廃案になったじゃん」という言い分もあろう。
ところは、東の方は、間違い方がひどい。
「リベラルな~」を標榜して、古くさい改憲案をつくってみたり、石原慎太郎や猪瀬某を応援してみたり、橋下を擁護してみたりしている。
東チックな物言いを借りれば、そういう「右」の人々を支える言動をしているから悪いというのではない。
東自身が何を実現したいのかが、何も見えないことである。
動物化したりポストモダンだったりすりゃあ、そりゃそうだわな、と妙に納得されてしまうだけだ。
東が擁護した勢力や東がまとめた改憲案だけをみれば、「現実政治を追認していれば現実的なリベラルっぽくてそれで(東的には)OKなんじゃね?」と言いたくなるのである。
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