小沢一郎被疑者が「民主党幹事長を続投する」決意を固めたことで、民主党の内部抗争がさらに激化する。
はじめに
23日午後、東京地検特捜部は4時間半にわたって
小沢一郎から事情聴取した。小沢一郎は東京地検の取り調べに対し「容疑」を全面否認した。想定通りの展開である。同日午後8時過ぎから小沢一郎は記者会見で「身の潔白」を表明したが、言葉に力がなかった。これまで小沢一郎は「東京地検特捜部と全面戦争する」と豪語していたが、昨日の記者会見では「今後とも要請があれば、特捜部の事情聴取に応じる」と答えた。殊勝な発言に終始した。むろん、これは小沢一郎の本音ではない。「ハラワタが煮えくり返っている」はずであるが、「衆寡敵せず」と感じ「隠忍自重」しているのであろう。「反転攻勢」の機会を窺っているはずだ。
小沢一郎の記者会見をテレビで見ていて気になったことがある。「係官から、告発があった旨の説明があり黙秘権を告知された」ことと、「調書2通を作成され署名押印した」という点である。この話をした時、小沢一郎の口調が突然乱れた。心理的動揺が顔に出た。小沢一郎は「任意の事情聴取のつもりで出頭したが、任意の事情聴取の実態は被疑者扱いだ」と感じた訳だ。
刑事訴訟法第198条(被疑者の出頭要求・取調べ)は以下の通りである。
第1項・・・検察官、検察事務官または司法警察員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。
第2項・・・前項の取調べに際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げなければならない。
第3項・・・被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。
第4項・・・前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、または読み聞かせて、誤りがないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立てをしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。
第5項・・・被疑者が、調書に誤りのないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。ただし、これを拒絶したときは、この限りではない。
以上、小沢一郎に対する今回の東京地検特捜部の事情聴取は、口実はともかく実態は「刑訴法第198条に基づく取り調べ」であって、単なる参考人の事情聴取でないことは明らかである。東京地検特捜部にとって「被疑者が全面否認するのは想定の範囲内」であるから、「被疑者小沢一郎の供述調書を作成した事実」が必要なのだ。起訴へ向けた作業を一歩進めた。
世間では「小沢一郎が全面否認した」ことをあれこれ詮索し講評しているが、確信犯を対象とする捜査は「被疑者が全面否認する」ことを前提に行われるから、検察官は「被疑者の全面否認」を証拠によって如何に覆すことができるかが勝負である。「(犯罪)事実の認定は、証拠による。」(刑訴法第317条・証拠裁判主義)
犯罪者は通常、「逮捕・勾留され刑罰を課せられることを回避したい」と欲するから、悪質な犯人であればあるほど「犯罪事実を否認する」ものである。世間ずれしていない単純な犯罪者は「申し訳ありません。私がやりました。」と告白する。刑事事件で逮捕された被疑者の大半がこれに属するが、腹黒い
政治家の場合は自供する確率は極端に低くなる。正直な人間は「権謀術数渦巻く政界」でのし上がることができない。
第1:小沢一郎の秘書および元秘書(
国会議員等)の処遇並びに小沢一郎の逮捕許諾請求について
石川知裕衆議院議員および池田光智元秘書は1月15日に逮捕、16日に勾留決定がなされた。さらに、
大久保隆規公設第一秘書は16日逮捕、17日勾留決定を受けた。3人はいずれも東京拘置所に収容中である。
マスコミ各社の報道によると、3人の供述が食い違っていること、監督責任者であった小沢一郎が被疑事実を全面否認していることを考慮すると、3人は10日間の勾留延長となり2月4日前後に起訴される可能性が高い。つまり、前述した3人はまず、容疑が固まった「政治資金規正法違反(4億円の不記載等)の罪」で起訴されると思料されるが、その後、水谷建設から5千万円×2回=1億円や他のゼネコンからの裏献金等については証拠が固まり次第「あっせん収賄罪(刑法第197条の4・懲役5年以下)等」で追起訴されるのではないか。
本件の場合は3人の供述が食い違うほか全面自供していない模様であり、かつ3人の監督者であった小沢一郎が容疑を全面否認しているため、短期間で保釈すれば「罪障を隠滅するおそれ」がある。
裁判所も保釈の請求(刑訴法第88条)を許可するのに相当躊躇するのではなかろうか。裁判は、これから3年、5年と続く。控訴審・上告審で争うとなれば「10年裁判」を覚悟しなければならない。
被疑者小沢一郎に対する「政治資金規正法違反(4億円の不記載)」や「あっせん収賄罪」の証拠固めが終われば、金額の大きさから見て「在宅起訴」ということは想定できない。という訳で、「小沢幹事長が居座り、
民主党内で議論が沸騰しない」自浄能力のなさに対して国民の怒りが爆発する。遠くない将来、鳩山内閣と民主党への支持率が20%を割り込むのではないか。このような情勢となったとき東京地検特捜部は「小沢一郎に対するの逮捕許諾請求」を
衆議院に提出するのではないか。現在、東京地検特捜部は小沢一郎の政治資金規正法違反(4億円の不記載)」とあっせん収賄等の被疑事実について「証拠固め」を急いでいるはずだ。諸般の事情を勘案して「逮捕許諾請求の時期を探る」段階と推察できる。
なお、石川知裕衆院議員については憲法第50条で「・・会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない」と規定する。
内閣府政務官を含む民主党2回生議員十数名が徒党を組み、衆議院で釈放の可決をするよう策動したが、
平野博文官房長官がこの動きを抑え込んだ。仮に、民主党が衆議院で「石川議員の釈放決議」を行って東京地検特捜部の捜査を妨害したときは、国民の怒りが爆発すると心配したのであろう。「鳩山政権がもたない」と恐れ、2回生議員の蠢動を抑え込んだ。
第2:鳩山内閣および民主党支持率は今後とも「右肩下がり」になる
民主党は「約束手形」を濫発して「子供手当の支給」「ガソリン暫定税率の廃止」「高速道路無料化」等の大盤振る舞いのマニュフェストで衆院選の票を買い占めた。窮迫する財政事情を勘案せず、大量の国債(借金)を積み増す政策である。一部の政策を、短期間に限って実現するであろうが、長続きする政策ではない。1・2年でチャラになるはずだ。子供に借金を背負わせ「子供手当を支給」しても喜ぶ子供はいない。親が
パチンコに行って遊ぶか、焼酎を飲んで浪費するかであろう。中所得層以上の家庭では預金を積み増すか、家族でレストランに行って食事する。国民大衆から集める税金を「子供のいる一部の家庭にばらまく」政策は、損をする国民の方が多いから不満が沸騰する。
さらに、民主党は「
外国人参政権問題」で、在日韓国「民団」に強請(ゆす)られている。民団は地方参政権を突破口にして「日本国民と同等の被選挙権を与えよ」と強訴している。民主党左翼系国会議員とつるんで、我が国の国益を侵害する主張を平然と行っている。「民団」の主張に迎合し、選挙運動を支援してもらった民主党は「売国政党である」との認識が徐々に広がるはずだ。国民は馬鹿ではない。愚弄すべきではない。
その他、民主党の主要な支持団体である部落解放同盟が「同和対策事業」の復活を狙って人権擁護法の制定を画策している。部落解放同盟元大阪府委員長、元部落解放同盟中央書記長「松岡徹民主党参議院議員」らが、利権復活の策動に励んでいる。
民主党は「国民生活第一」というスローガンを掲げ、国民政党らしい仮面をかぶっているが、その実態は社会保険庁労組や全農林労組と同じ体質を持つ、
日教組、自治労等の
公務員関係労組、部落解放同盟、在日韓国系「民団」などの外国勢力が牛耳っている利権政党なのだ。今後、民主党の実態が徐々に露呈するから国民は「騙された。民主党はこんなにも、反国民的、反大衆的政党だったのか」と気づく。メッキはすぐにはげ落ちる。
さらに、「反米・親中」の外交路線が、我が国の国益を棄損し、我が国の外交力を低下させる。国民は「民主党を第一党にしたのが間違いだった」ことに気づき後悔する。「民主党に投票しなければよかった。失敗した」と考える。
筆者は若い時、老父に訊ねたことがある。「なぜ、農民は社会党や共産党が嫌いなのか?」と。老父は語った。「戦後まもなくの社会党政権の時、農地に過大な税金をかけられひどい目にあった。絶対許せないと思った。以来、社会党や共産党は農民の敵になった」と。つまり、社会党や共産党等の社会主義者が行った愚かな政治が、自民党の長期政権を築いた背景なのだ。今回も国民は「二度と民主党には投票しない」と怨念を抱き続けることになる。一度あったことは二度ある。
小沢一郎が幹事長に居座り続けるならば、早ければ3月末、遅くとも4月下旬頃までに、自民党支持率が民主党支持率を逆転し、鳩山内閣支持率は30%を割り込む。そして、7月の参議院選挙に向けて民主党支持率はさらに低落する。国民大衆は馬鹿ではない。いつまでも「民主党の詐欺話」に騙されることはない。
第3:民主党参議院議員が「小沢幹事長おろし」に手をつける
鳩山首相は「小沢幹事長の弁明を信頼する」と言いながら、反面「一蓮托生ではない」と予防線を張った。つまり「小沢一郎が起訴されても、自分は関係ない」と言う訳だ。
鳩山由紀夫の執事長である平野博文官房長官も(小沢幹事長の問題は個人の問題であるから)「内閣には全く影響がない」と火の粉を振り払うのに一生懸命である。
昨年3月、小沢一郎代表(当時)の公設第一秘書大久保隆規が逮捕・起訴されたとき民主党支持率は急落した。これに危機感を抱いたのは選挙を目前に控えていた民主党衆議院議員各位であった。
岡田克也、渡部恒三、
前原誠司、野田佳彦、
原口一博らが「小沢おろし」に立ちあがった。結果、小沢一郎は意に反して「代表職」から引きづり降ろされてしまった。鳩山由紀夫に「千載一遇の好機」が到来した。鳩山幹事長は(当時)、昨日まで「小沢代表と私は一蓮托生」といっていたのに手の平を返した。最後まで「小沢一郎を支えるふり」を装いながらチャンスが到来するのを待っていた。今回も同様の動きを見せている。「目の上のたんこぶ」小沢一郎が失脚すれば、民主党は鳩山由紀夫が自由に差配できる。鳩山長期政権も夢ではない。
民主党支持率がさらに低下し自民党支持率に逆転された時、「小沢一郎を幹事長からひき降ろす」役割を担うのは「民主党参議院議員各位」である。誰でも我が身が大事だ。落選すれば「ただの人以下」である。選挙を目前に控え参議院議員各位はあせる。衆議院議員各位は「選挙は4年後」と考えているから余裕綽々である。高みの見物ができる。
民主党
参議院会長は興石東(日教組・山梨)。興石はこれまで「小沢の右腕」と言われ権勢を誇示してきた。だから小沢一郎を裏切ることはできない。興石東は「ハムレット」と同じ二律背反の選択を迫られ苦悩しているはずだ。民主党参議院議員各位の不満を集約できない。そこで、登場するのが、最近力をつけてきた民主党参議院幹事長兼筆頭副幹事長高嶋良充である。
興石東は日教組(組合員約26万人)の中の山梨教組出身である。高嶋良充の出身は大阪府枚方市職労委員長を経て、自治労本部書記長(組合員約90万人)である。つまり、高嶋良充は民主党支援団体最大の組合をバックに持つ。自ずから発言力も高まる。かって自治労は総評議長を送り出したこともある。
だが「地方自治体
労働組合(自治労)が組合員や一般庶民の味方である」というのは幻想である。労組幹部は地方自治体の首長(とりわけ民主党推薦の)と癒着し甘い汁を吸っている。あの腐敗した社会保険庁や農林省の労組がほぼ同じ状態にあった。税金に寄生する害虫であった。高嶋良充が委員長を務めた枚方市職労組と二人三脚にある枚方市では先般、入札談合事件にからむ贈収賄事件で副市長が逮捕された。市長にも嫌疑がかけられた。
つまり、上は小沢一郎・鳩山由紀夫から始まり、下は労組・部落解放同盟・
在日韓国人「民団」と癒着した地方自治体職員に至るまで「金権と腐敗」で満ち溢れているのだ。自民党は「政・官・業の癒着の問題」があったが、民主党はこれに加え、大企業・
官公庁労組、部落解放同盟、韓国人「民団」等の税金泥棒のイカガワシイ組織が「コバンザメ」の如く食らいついている。「自民党が綺麗に見える」ほど悪臭が紛々なのだ。
民主党参議院議員は約120人いるが、その内約21人しかいない左派(新政局懇談会)が牛耳っている。いずれも、公務員や大企業労組の代表として政界に進出してきた社会主義青年同盟、
革マル派等の極左暴力集団、労農派マルクス主義者の末裔である社会主義協会向坂派等の混在部隊だ。いずれも、
従軍慰安婦問題、外国人参政権問題等に積極的に取り組み、
外患誘致を策動する売国勢力である。人権擁護法という名の「人権抑圧・言論封殺制度の導入」を画策する等、その体質は、我が国を内部から掘り崩そうと企てる反国家・反民族勢力である。朝鮮労働党や韓国の容共左派政党との結びつきが濃厚である。
民主党参議院議員が選挙を控え、民主党支持率の急落に危機感を抱き、この不満を集約した高嶋良充筆頭副幹事長が「小沢一郎を幹事長から降ろす」動きに出る可能性が高い。高嶋良充が事を起こすとき、相談を持ちかける相手は鳩山由紀夫の執事長平野博文官房長官であると推定できる。その理由は二つある。
1.平野博文は
パナソニック労組(松下労組)から政界入りした。選挙区は大阪府と京都府の府境にある人口約40万人の枚方市を中心とする地域だ。この地域は
大阪市と京都市の中枢部から電車で20・30分の距離にある住宅地で、昭和30年代以降の高度経済成長で人口が急増した。京阪電鉄沿線にはパナソニックと三洋電気の本社がある。パナソニックの組合員が大勢住んでいる。
民主党が大敗した4年前の「
郵政民営化選挙」でも、平野博文は自民党候補に圧勝した。それだけ支持基盤が安定している証拠だ。パナソニックのほか、枚方市職労も平野博文の有力な支持団体である。「枚方市職労組」は高嶋良充の出身単産である。両者は利害共有者とみなしてよい。高嶋良充が動くとき、平野博文(鳩山由紀夫)が裏で糸をひいていると考えてよい。
2.平野博文が官房長官としての資質がないことは当初から指摘されていた。各省庁の調整ができない力量不足の平野博文を、鳩山由紀夫が「官房長官に抜擢した」理由はおそらく「尻拭いをする適任者」とみなされたからだ。言行不一致で場当たり的発言を濫発してしまう準禁治産者の鳩山由紀夫は「尻拭いしてくれる人材」を求めていた。その意味で平野博文は「余人に変えがたい人物」であった。つまり、鳩山由紀夫は官房長官の適性さを勘案するよりも、「鳩山由紀夫個人の執事長」を欲したのだ。平野博文は鳩山由紀夫から「一心同体」を期待され「君側の奸」となった。
という訳で、平野博文は「鳩山由紀夫の利益」を第一におく。国家や民主党の存続よりも「鳩山政権の存続」を優先する。鳩山政権を存続するためには何でもやる。「小沢一郎を切り捨てる」ことも厭わない。泥水も飲む。
小沢一郎が自らの意思で「臥薪嘗胆して築きあげた幹事長専制体制を手放す」と想定すべきではない。「最後のアダ花」を咲かすことができなくなるからだ。だから最後まで小沢一郎は「幹事長辞職」に抵抗する。
2月4日前後。小沢一郎の秘書と元秘書3人が起訴される。内閣支持率と民主党支持率がさらに急落する。東京地検特捜部は間欠的に小沢一郎への事情聴取を繰り返し「被疑者供述調書」を積み重ねる。そして「時間を稼ぎながら証拠を固め逮捕許諾請求のタイミング」を窺う。
世論だけでなく民主党内でも「小沢幹事長辞職」と「鳩山内閣総辞職」が連動してくる。両者は「一蓮托生の関係」とみなされる。これを回避すべく平野博文は要所に手配し「小沢一郎幹事長辞任」の流れをつくる。小沢一郎は「内憂外患」となる。外堀だけでなく内堀も埋め尽くされ、裸の城となる。「トカゲの頭切り」が始まる。
まとめ
今後、鳩山内閣と民主党の支持率がさらに低落するのは自然の摂理である。そして、鳩山由紀夫・平野博文コンビと小沢一郎・興石東コンビの利害が「調整できる矛盾」の限界を越え、二律背反の「敵対的な矛盾」に転化する。緊急避難の「カルネアデスの船板」だ。二人一緒だと共に沈没して死ぬ。相手を蹴落として生き残るほかはない。
自民党の
舛添要一が民主党の
菅直人を抜いて「期待する総理候補」の筆頭に踊り出た。自民党が態勢を立て直し、「新生自民党」として再出発することができれば、民主党に幻滅した「支持政党なし」層の回帰を期待できる。自民党に魅力が欠けているから「支持政党なし」が増える一方だ。国民大衆は大海で浮遊し漂っている。避難する港を求めている。
民主党を除く政党には「未来の希望を与えることができるか?」という資質が問われている。「金権腐敗と利権優先」の民主党の現実の姿が明らかになった。他の政党にとって千載一遇の好機が訪れている。
自民党は「
公明党との不純な男女関係」を解消して生まれ変わるべきだ。目先の利益のために、
創価学会・公明党の票に期待し大義を見失うべきではない。自民党が利権政治と決別して、国家・国民の利益を第一におき、民族の伝統を継承する路線を確立するならば、滅びゆく創価学会・公明党との離別で失う得票の数倍の支持が集まる。自民党は目先の利害得失ではなく、10年、20年後を見通した歴史の大河に身を委ね、奮闘してもらいたい。
これが、自民党員ではない「一国民の意見」である。
最終更新:2010年01月26日 08:44