■ 既に過剰生産設備は国内に無いという事実・・・円安で景気が悪化する? 「人力でGO(2013.2.23)」より
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ところがバブル崩壊以降、建築分野は大幅な縮小を余儀なくされ、建築照明の分野でも競争が激化しました。
各社は、国内生産ではコストが見合わないので、台湾や中国での生産に切り替えました。

最初の頃は、まともな品質の商品が出来ず、さらには工場の経営者が突然ドロンしたりして苦労しましたが、
結局、現在では中国生産なくしては業界が成り立ちません。
大手の一部は、1990年代からタイの工場を稼動に成功しています。

その結果どうなったか・・・・。
国内の中小零細工場が次々に潰れて行きました。
それぞれの工場は、生産を縮小させながらも、何とか短納期や特注製品の生産で経営を続けていましたが、
経営者が高齢化したり、病気で倒れた後、誰も工場を継ぐ人が居なかったのです。

こうして、私の知っているだけでも多くの工場が消えて行きました。
今では、国内で何か作ろうとしても、作れなくなってきています。
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さて、円安になったとして、これらの国内生産は戻って来るでしょうか?
多分、戻って来る事はありません。

失われた20年の間に、多くの職人さん達もリタイアしました。
工場が閉鎖されたために、技術の継承も出来ず、腕の良い職人さんたちも減りました。

そして何よりも問題なのは、今の若い人達は、工場での労働を嫌います。
ですから、求人をしても、若い経験者を集める事が難しくなっています。
多くの若者が、貴重な若い時期をフリーターとしてコンビニのバイト程度しかしていないので、技能の継承が断たれてしまっているのです。
(※ 中略)
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ところが、日本のデフレの原因は海外からの安い輸入です。
もし、為替レートがあまり変わらないのであれば、需要の拡大は、輸入の拡大という結果を招きます。
この過程において、国内の製造設備の稼働率は上がりませんし、製造が増えないので、雇用の改善もあまり見られません。
私達がデフレの原因と考えている過剰な供給力は、国内にあるのでは無く、国外に存在しているのです。
(※ 中略)
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しかし、3月までは、国内勢も株を買い支えますし、海外のファンドももう一儲け狙うでしょうから、株価はストンと下げては、またジリジリと上昇するパターンを繰り返します。
3月末に1万3000円は無理としても、1万2000円を伺う状況では?

ただし、そこから先はジェットコースター状態でしょう。
ここら辺は、日本の個人投資家も読んでいるでしょうから、一気に売りが売りを呼んで、恐ろしい事が起こるかも知れません。

ここで、アベノミクスが単なるミニバブルで終わるのか、それとも、未だ国民の支持を得られ続けるのかが決まります。

いずれにしても、当たらない事で有名な「人力予測」なので、話半分という事で・・・。








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最終更新:2024年10月10日 10:36