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■ 中国が顔認識技術で世界最大の輸出国に。「監視社会」の拡大に高まる懸念 「WIRED(2023.03.25)」より
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バングラデシュ政府がベンガル湾に人工知能(AI)を活用したスマートシティを建設する目的で、とある社名非公表の中国企業からの提案を検討し始めたのは2022年初旬のことだった。このハイテク都市の建設はまだ始まっていないが、もし計画が進めば、公共のカメラを利用して群衆から行方不明者を探したり、犯罪者を追跡したりできる顔認識ソフトウェアが導入される可能性がある。これは中国の多くの都市では、すでに標準的に導入されている技術だ。

このバングラデシュ政府の計画は、中国が顔認識技術の輸出で世界を牽引する存在になったことを示す事例のひとつであることを、シンクタンクのブルッキングス研究所が23年1月中旬に発表した調査結果は示している。この研究にはハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が参加した。

調査結果によると、顔認識技術を含む中国企業の輸出案件は201件、次いで米国企業は128件と、中国企業が顔認識技術で世界を牽引していることが明らかになっている。また中国は、全般的なAIの分野でも世界のトップに立っている。136の輸入国に対する1,636件の輸出案件のうち、250件は何らかのAIを含むものだったのだ。2番目に多い輸出国は米国で、215件のAI関連の取引があった。

こうした輸出によって他国の政府は監視を強化でき、市民の人権が損なわれる可能性があると報告書は主張している。「中国がこれらの国に技術を輸出しているという事実は、より民主的になれる国々を独裁的に変えてしまう可能性を示しています」と、AIなどの新技術と政府の政策、マクロ経済との関係を研究しているMITの経済学者のマーティン・ベラジャは語る。

顔認識技術には、スマートフォンのロック解除やアプリでの個人認証、ソーシャルメディアの投稿から友人を見つけるといった実用的な用途が数多くある。そこでMITとハーバード大学の研究者らは、いわゆる“スマートシティ技術”にかかわる取引に着目した。こうした取引では動画による監視を強化する顔認識技術がやりとりされることが多いのだ。

今回の調査は、カーネギー国際平和基金の世界的な監視プロジェクトに関する情報と、中国のAI企業からスクレイピングで取得したデータを分析に使用している。

米国で加速する「中国の技術」の規制
米国の大統領や立法者らは近年、中国がAI技術で米国より優位に立ちつつあることに懸念を表明している。この報告書は、すでにそれが起きている分野があるという確かな証拠を提示しているようだ。

「これはなぜこの種の技術に関する指標を設ける必要があるかという根拠を増強するものです」と、新アメリカ安全保障センターでAIの政策的な影響を研究しているアレクサンドラ・シーモアは語る。

米国では、世界的に中国の技術を制限することへの超党派の関心が高まっている。前大統領のドナルド・トランプの下、米国政府は米国やほかの地域におけるファーウェイ(華為技術)の5G技術の使用を制限することを目的とした規制を導入し、中国のAI企業に狙いを定めた半導体の禁輸措置を講じた。







※ 奥の院の構想 ~監視社会化か?反権力・反権威か?~ 「金貸しは、国家を相手に金を貸す(2021-12-05)」より



すべての人が公人になってしまう社会の到来。





自分の購買データや視聴データを使われることで「さらにいいサーヴィス」が得られるのなら、それは構わないと多くの人は思っている。テクノロジーによって「飼いならされた監視」社会が到来するのか、あるいは「個人の情報の権利」が確立されパブリック/プライヴェートを自主的に決められる社会が到来するのか、現代社会はその岐路にある。

科学やテクノロジーと人類との関わりを考え続ける稀代のBig Thinkerであり、『WIRED』創刊エグゼクティヴエディターを務めたケヴィン・ケリー(Kevin Kelly)が語る未来(全7回)

【WIRED.jp: 第6回の見どころを日本版編集長・松島倫明が語る】
https://wired.jp/2019/01/25/get-wired-kevin-kelly-6-videos/












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最終更新:2024年07月26日 16:38