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● ゲノム編集〔Wikipedia〕
ゲノム編集(ゲノムへんしゅう、英: genome editing)とは、部位特異的なヌクレアーゼを利用して、思い通りに標的遺伝子を改変する技術である。ヌクレアーゼとしては、2005年以降に開発・発見された、ZFN(ズィーエフエヌ、または、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、TALEN(タレン)、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)を中心としている。従来の遺伝子工学、遺伝子治療と比較して、非常に応用範囲が広い。
+ 関連ニュース
★ デザイナーベビー、潜むリスク ゲノム編集の限界は 2018年10月29日12時00分
★ 受精卵ゲノム編集、春にも ルール案、不妊基礎研究限定 2018年9月29日11時00分
★ blanklink プラグインエラー: URLかページ名を入力してください。2018年9月20日18時00分{https://www.asahi.com/articles/ASL9N45H2L9NUBQU00F.html?iref=pc_extlink
※mono....遺伝子組み替えとの違いを知る記事
◆ ゲノム編集・CRISPRとは?図や動画でわかりやすく簡単に原理・応用例や倫理的問題を解説 「ダーウィン・ジャーナル(2021.04.05)」より





&blaqnklink(PIVOT 公式チャンネル){https://www.youtube.com/@pivot00}
2023/07/18

<目次>
00:00 ダイジェスト
10:29 「生き物」を理解する
13:03 クリスパーキャス9の可能性
22:30 クリスパーキャス3の登場
38:49 PAM配列
44:18 ウイルスとは何か
58:54 医療に生かす
1:13:11 AIとゲノム編集
1:18:22 多様性の深い意味
1:23:54 ゲノム編集とスタートアップ
1:30:11 人類の寿命を伸ばせる?
1:43:35 ゲノム編集はどこへ向かうのか
1:52:14 最後のメッセージ:好奇心ドリブン


<出演>
茂木健一郎|脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員
東京大学大学院理学研究科で博士号を取得。クオリアを中心テーマに、脳科学や心の理論、自由意志など様々な領域の論考や著作を多数発表している。東京大学大学院客員教授も務める。

<ゲスト>
真下知士|東京大学医科学研究所 教授
京都大学農学部、京都大学大学院人間・環境学研究科を修了、博士号を取得。パスツール研究所でのポスドクを経て京都大学助教授に就任。大阪大学招へい教授を経て2019年より東京大学医科学研究所教授。

PIVOT 公式チャンネル
2023/07/18 #pivot #東大 #ゲノム
EXTREME SCIENCEはこれからもサイエンスの専門家をゲストに迎えます。チャンネル登録をよろしくお願いします。

<目次>
00:00 ダイジェスト
10:29 「生き物」を理解する
13:03 クリスパーキャス9の可能性
22:30 クリスパーキャス3の登場
38:49 PAM配列
44:18 ウイルスとは何か
58:54 医療に生かす
1:13:11 AIとゲノム編集
1:18:22 多様性の深い意味
1:23:54 ゲノム編集とスタートアップ
1:30:11 人類の寿命を伸ばせる?
1:43:35 ゲノム編集はどこへ向かうのか
1:52:14 最後のメッセージ:好奇心ドリブン


<出演>
茂木健一郎|脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員
東京大学大学院理学研究科で博士号を取得。クオリアを中心テーマに、脳科学や心の理論、自由意志など様々な領域の論考や著作を多数発表している。東京大学大学院客員教授も務める。

<ゲスト>
真下知士|東京大学医科学研究所 教授
京都大学農学部、京都大学大学院人間・環境学研究科を修了、博士号を取得。パスツール研究所でのポスドクを経て京都大学助教授に就任。大阪大学招へい教授を経て2019年より東京大学医科学研究所教授。

ーーー
■ さらば「キャス9」 日本独自のゲノム編集技術「キャス3」とは何か 「ゲンダイメディア(2020.05.28)」より
/
遺伝子組換え技術にはすでに半世紀の歴史があり、数多くの組換え作物やバイオ医薬品などが作られてきました。ただ従来の技術では精度が高くないうえ、膨大な時間と手間が必要でした。

これを解消したのが、米国で開発されたゲノム編集ツールCRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)です。しかしながらCas9は特許権をめぐって係争中であり、産業利用が難しい状況です。

そこで東京大学・真下知士教授らのグループは、新たにCRISPR-Cas3を開発しました。Cas9とは異なるメカニズムに基づくCas3は、ゲノム編集に新たな可能性を拓く日本発の技術です。

本稿ではこの技術を開発した真下教授にゲノム編集の現状と今後の展望、バイオサイエンスひとすじの研究者人生と、その究極の夢を教えていただきました。

(※以下略)





風見匠@HKIunvkAuTBvBic
TFにおける一過性でも安定発現でも
プラスミドDNA(環状)で行われるのが通常なので
制限酵素処理で線状にしたらどうなるかという検討

4700bpの下図のプラスミドを
カットせずそのまま
Bsa1の部位で1ヶ所カットしたもの
Ssp1で2ヶ所カットし、長鎖4150bpと短鎖550bpの2本に分けた3タイプを用意

風見匠@HKIunvkAuTBvBic
結果
線状DNA(Bsa1)は環状DNA(uncut)より3倍ゲノムに組み込まれた
2ヶ所カットした場合(Ssp1)は、逆に環状の1/4

これは、長鎖(4150bp)のゲノム組み込みしか検出されないため、短鎖(550bp)の組み込みと競合したためではないかとのこと

風見匠@HKIunvkAuTBvBic
一方、GFP-は環状、線状で差がなく一定数検出された(下図の左側)

TF後に、細胞内でEGFP領域は含まないがneo/kanR領域を含む断片に分解され、ゲノム組み込みを起こしたと考えられる

風見匠@HKIunvkAuTBvBic
ゲノム組み込みはまず起こらないと言ってる(た)お先生方の話は、長大な環状DNAのほぼ全長が細胞に組み込まれたケースのみであり
元から線状、分解された断片の組み込みは全て無視している(検出しないため)

『ゲノム組み込み』だけで考えれば、もっとずっと頻度は高いだろうと推測される



■ 遺伝子編集を発端としたヒトを含めたあらゆる生物種の完全な絶滅への道筋が見えてしまった 「In Deep(2021年9月29日)」より
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遺伝子の編集ということ自体の大きな問題
(※mono....以下数行のみ抜粋、詳細はサイト記事で)
/
どんなものであれ、遺伝子編集技術で編集した遺伝子は、「染色体破砕 (クロモスリプシス)」という現象を引き起こすことがわかったものです。以下が論文です。

Chromothripsis as an on-target consequence of CRISPR-Cas9 genome editing
CRISPR-Cas9ゲノム編集の結果としてのクロモスリプシス (染色体破砕)

これについてメルマガで少しふれたのですが、それを一部抜粋します。そこでは、カナダのメディアの内容を引用して以下のように書いていました。引用した記事は、ワクチンとは関係ないもので、「遺伝子治療すべて」です。

これを書いていまして、すでに懸念は人体を超えていることに気づいたのです。

自然環境すべての問題となっています。
/
クロモスリプシス(染色体破砕)とは、
「染色体の崩壊と再編成によりガンなどに結びつく現象」
であり、注目すべきは、
長い時間をかけてゆっくりと遺伝子の再編や体細胞の変異が起こり、それが蓄積して癌化が起きるという既存の概念と、相反する現象である。

という部分です。
つまり、このクロモスリプシスという現象が起きた場合、
急速にガンが発生する
わけです。

アメリカ環境医学アカデミーによる論文より

いくつかの動物実験で、遺伝子組み換え食品に関連した深刻な健康上のリスクが示されている。その中には、不妊、免疫の異常、加齢の早まり、インスリンの抑制、主要な臓器や消化器系の変化などが含まれる。また、妊娠中のメスと新生児に大きなリスクが見出された。

…遺伝子を組み換えたエサを使った動物での実験では懸念となる結果が出た。遺伝子組み換えの大豆をメスのラットに給餌すると、そのメスから生まれた赤ちゃんのほとんどは 3週間以内に死亡したのだ。遺伝子組み換えではない天然の大豆を与えた対照群の死亡率は 10%だった。

遺伝子組み換え大豆で育てられたラットの赤ちゃんは、サイズも小さく、そして、その後、不妊になりやすかった。

オスのラットに遺伝子組み換えの大豆を与えると、それらのラットの精巣は実際に色を変えた。通常は、ラットの精巣はピンク色だが、それが濃い青となったのだ。

そして、遺伝子組み換え大豆を与えられた若いマウスは精子が変化した。遺伝子組み換えのエサを与えられた親のマウスの胚でさえ、その DNA には有意な変化があった。 (cornucopia.org





■ ゲノム編集技術が共産国家中国を滅ぼす?-‘超中国人’の誕生 「万国時事周覧(2019-02-09 13:36:09)」より
/
昨年11月、中国において人類初の遺伝子操作ベビーが誕生しました。ゲノム編集技術を使って生まれた双子の女児の名は、‘ルル’と‘ナナ’と名付けられたそうであり、中国の伝統的な女子の名前とは些か趣を異にしています。姉妹の名前を合わせると‘ルナ’となりますので、ラテン語の‘ルナ=月’を意識しているのかもしれません。

(※mono....中略、詳細はサイト記事で)
/
 そして、もしかしますと、倫理的な拘束を受けない中国の遺伝子改変技術は、今般発表されたレベルよりもさらに先に進んでいる可能性もあります。習近平国家主席は、かねてより‘中国の夢’の実現を訴えていますので、その目標の中には、人類進化の最高レベルに到達した‘超中国人’の出現も含まれていてもおかしくはありません。つまり、人類最高レベルの能力を有する‘デザイナー・ベビー’は、中国人として誕生する可能性が極めて高いのです。そして、人工的に生まれた‘超中国人’は、これもまた先端的なクローン技術によって‘量産’されることでしょう。

 しかしながら、ここで中国共産党の誤算が生じるとすると、それは、人類最高レベルの‘超人中国人’が、その並外れた能力の高さ故に共産主義の欺瞞を容易に見抜いてしまうことです。ソ連邦を含め、共産主義国家では、国家イデオロギーの正当性を守り抜くために多くの知識人が強制収容所に閉じ込められたり、最悪の場合には公開、あるいは、秘密裏に処刑されてきました。共産主義国家にとっては、論理的な思考力に長けた賢い国民は‘国家の敵’となるのであり、文化大革命にあって知識人が標的にされたのは、毛沢東が理想とする独裁体制の維持にとってこれらの人々が脅威となるからです。天安門事件も、自由化や民主化を求める若い学生という思想上の脅威を予め抹殺した事件とも言えます。つまり、‘超中国人’の登場は、共産政権が体制維持のために排除してきた高い知性を備えた国民を自らの手で生み出してしまう行為に他ならないのです。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


★ 中国のゲノム編集批判=平井科技相 「ニコニコニュース(2019/01/22 12:56 時事通信社)」より
/
 平井卓也科学技術担当相は22日の閣議後記者会見で、遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」を用いた双子の誕生が中国で事実認定されたことについて「やってはいけないことだ」と批判した。 


■ 中国でゲノム編集された双子の実在を確認、臨床実験を行った中国の科学者は警察の捜査対象に 「GIGAZINE(2019年01月22日 12時00分)」より
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世界で初めてヒトの胚に対してゲノム編集技術を用いる実験を行った中国の科学者について中国・広東省が予備調査を行った結果、ゲノム編集を受けた双子が実在していたことがわかりました。さらに他にも臨床実験によってゲノム編集済みの赤ちゃんを妊娠した女性がいることが判明。広東省は科学者の行った臨床実験が事実だったことを正式に認めました。実験を行った科学者は大学を解雇され、処罰対象として中国警察の捜査対象になると報じられています。

2018年11月25日、南方科技大学の研究者である賀建奎(He Jiankui)氏が、YouTube上で「ゲノム編集技術『CRISPR-Cas9』を用いて、先天的にHIV耐性を持つ双子を生み出すことに成功した」と発表しました。ヒト胚を用いた実験には倫理的問題が多く、いまだに議論が多く重ねられてるにも関わらず、それらを全て無視した賀氏の発表に世界中の科学者から批判の声が集まりました。


こうした世界からの大きな批判を重く受け止めたのか、中国の科学技術副大臣が「遺伝子編集ベビーの実験は違法であり、容認できない」とテレビ番組内で発言。中国当局が賀氏率いる研究チームに対して研究の中断を命じ、捜査のメスを入れたことが明らかになっています。










■ 遺伝子を改変した子供が誕生? ホリエモン×ひろゆきが「ゲノム編集技術で世界は中国に追いつけなくなる」 「ニコニコニュース(2019/01/19 06:00 週プレNEWS)」より
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"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、昨年末に物議をかもした中国の遺伝子改変技術について議論する。

※ ※ ※

ホリ 中国の研究者が、遺伝子を自在に改変できるゲノム編集技術をヒトの受精卵に使ったという報道があったよね。その研究者によれば、すでに双子の女児が誕生しているらしい。

ひろ この一件でゲノム編集技術は中国に追いつけなくなるでしょうね。ほかの国が倫理的な問題を気にしている間に、中国だけが倫理を無視してガンガン研究を進めちゃって医療技術が進歩する。

(※mono....中ほど略)
/
ホリ いや、今は生まれた人間の遺伝子改変はウイルスベクターとかでしかできないけど、今後は安全な遺伝子改変技術が開発されて、生まれてからでもデザイナーベイビーと同じことできるようになるよ。

ひろ それって、金持ちは遺伝子を改変して病気を治療できるけど、貧乏人は治せないってパターンですよね。

ーーー
■ ホリエモン×ひろゆき「遺伝子改変はより安全な技術になる。そして、"人類2.0的"になるんじゃないの?」 「ニコニコニュース(2019/01/20 06:00 週プレNEWS)」より
/
ホリ でもさ、そもそも今の人類のまま長続きすることに特に意味はない気がするんだよ。

ひろ おぉ、そうなんですね。なら、どんな感じの人類ならいいんですか?

ホリ いやいや、いいとか悪いとかじゃなくて、なるようにしかならんってこと。遺伝子改変はより安全な技術になる。そして、"人類2.0的"になるんじゃないの?

ひろ 中国国内では安全になると思うんですが、その技術が外国に漏れない気がするんですよね。

ホリ もしそうだとしたら中国に行けばいいじゃん。あるいは、中国人になればいいだけのことでは?

ひろ アメリカ政府は中国の電子機器メーカーの製品を使っている会社とは取引しないとかやってますよね。なので、中国も自分たちが違法と認める機械を使う国は中国と取引できないみたいな圧力をかけるのではないかと。なので、結果的に中国が覇権を握ることになると。

ホリ うーん。でも、別にそれでいいのでは?

ひろ  実は、今回のニュースって、中国が人類の覇権を握っちゃうくらいのことが起きるきっかけとなるわけじゃないすか。んで、人類の行く先がだいたい決まっちゃったなと思うのです。

なのに、ニュースとしての扱いが小さいなぁと。韓国の徴用工の問題とかより、長期的にはよっぽどデカい話だと思うんですよ。徴用工の話ってあと50年もすれば風化しますけど、遺伝子治療って50年したらもっと顕著な差になっていると思うんです。

ホリ まあ、既定路線であって、サプライズではないけどね。

ひろ 僕も想像の範囲内だったんですけど、実用化はまだ先だと思っていたんですよね。ちなみに、ゲノム編集をしたという教授は無許可でやっていたらしく、行方不明になったという話もあります。そこも中国らしいなと。

ホリ だね(笑)。俺は時期の予測をしたって意味ない派だわ。だって、技術はすでにあるんだから、誰かが「やる」か「やらない」かなんだよ。

ひろ そうなんですよねぇ。人類にとって「やらない」という選択はないんですよね。僕が寿命で死ぬ頃ぐらいまでは、騙(だま)し騙し平和なんじゃないかと思っていたんですけど、この速度で進むとゲノム編集技術を用いた生存競争から逃げ切れないかもしれないです......。


■ ノーベル賞候補も知らなかったので教えてあげた - 人間の遺伝子の中のウイルスが防御機構になる 「かじヤンの科学する心(2019年01月14日 22:20)」より
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 今日、「人間のDNAにウイルス遺伝子 祖先が感染、受け継がれ 発病防ぐ」というのを出している。
 人間のDNA(ゲノム)の中に8%もウイルス由来の遺伝子が紛れ込んでいて、この内在性のウイルス遺伝子が同じウイルスの感染や感染による発病を抑える防御機構になっているという話。
 これ、最近はやりで、毎年ノーベル賞の候補と言われているゲノム編集の技術によく似たコンセプトなのだ。
 ゲノム編集の元になったCRISPR Cas9は、細菌の防御機構。先祖(分裂で増える単細胞生物で親子という概念はあまりないが)が過去に感染したウイルスの遺伝子RNAの断片を保存している。同じウイルスが細胞内に侵入してくると、保存しているのと同じ配列のRNAを認識して、酵素で切り刻むという仕組みだ。この仕組みを明らかにしたシャルパンティエとダウドナたちが、ウイルスのRNA部分を目的の遺伝子の配列に変えれば、目的の遺伝子を壊すゲノム編集に使えると思いついたわけ。

 さて、一昨年、ノーベル賞候補のシャルパンティエとダウドナが来日した時、話を聞きに行ったら、CRISPR Cas9の機構は細菌と古細菌以外の生物では見つかっていないと言っていた。「仕組みは違うが、哺乳類でもウイルスの遺伝子配列を持っていて、ウイルスへの抵抗性になる同じコンセプトの防御機構が存在する」と言ったら、2人は知らなかった。
 「それは抗体のことではないか」というので、「抗体ではない」と。たんぱく質とRNA、DNAの区別も付かないようなド素人と思われたのは心外だったが。

(※mono....以下略、詳細はサイト記事で)


★ ゲノム編集で病気治療、4月解禁へ 厚労省 がんや遺伝病に克服期待 「日本経済新聞(2019/1/16 22:16)」より
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厚生労働省は遺伝子を正確に改変する「ゲノム編集」を使った治療の臨床研究を4月に解禁する。16日、遺伝子治療の臨床研究指針の改正案を了承した。海外では遺伝性難病やがんを対象に臨床研究が進められており、日本でも始まることになる。

遺伝子治療は病気の原因となる遺伝子を破壊したり、正しい遺伝子と入れ替えたりすることで病気を治療する方法。これまでの治療では遺伝子が目的の場所に入らないことがあった。ゲノム編集を使えば狙った場所に遺伝子を入れたり改変したりすることができ、副作用が少なく効果的な治療になると期待される。

改正案では遺伝子治療の臨床研究に関する従来の指針を見直し、患者の体内でゲノム編集を使った治療ができるようにする。研究機関にはゲノム編集に使うたんぱく質や核酸などの情報の提供を求める。患者を治療する場合は研究機関と国の2段階で安全性や効果などを審査。ただ人の受精卵や生殖細胞の遺伝子を改変する研究は禁止する。

ゲノム編集を使った遺伝子治療は海外ではすでに臨床試験が始まっている。米国では遺伝性難病である「ムコ多糖症2型」などで進む。中国ではがん患者を対象に開始されている。

日本ではマウスなどの動物を使った実験にとどまっていた。自治医科大は血友病の治療にゲノム編集を使う。京都大などは、筋肉の機能が衰える「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の原因となる遺伝子のゲノム編集による治療に向けた研究を進める。


■ 【緊急速報】中国で世界初の「遺伝子編集ベビー」誕生! 病にかからぬ最強体か… 世界が禁止するタブーを中国がKY突破! 「TOCANA(2018.11.26)」より
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 中国で世界初となる遺伝子編集ベビーが誕生したという驚愕のニュースが飛び込んできた。AP通信が今月26日付で速報し、すでに世界的な大ニュースとなっている。

 世界初の遺伝子編集ベビーを誕生させたと主張しているのは、中国・深圳市にある南方科技大学のHe Jiankui氏である。AP通信の記事によれば、今月、中国人のカップルを両親とする双子の女の子が生まれた。この双子の赤ちゃんは受精卵の段階でCRISPR-Cas9による遺伝子編集を受けており、それから母親の子宮に移されたという。なお、赤ちゃんや両親の身元は明らかにされていない。


 受精卵はHIVに耐性を与える目的で遺伝子編集を加えられた。遺伝子編集の標的とされたのは白血球の表面にあるCCR5という膜タンパク質の遺伝子で、HIVが感染するとき最初に利用するタンパク質である。このタンパク質に変異を持つ人々にはHIVへの抵抗性があることが知られている。

 この一件を報じた「MIT Technology Review」の記事によれば、He Jiankui氏の実験に参加したのは父親がHIV陽性、母親は陰性というカップルだった。両親から提供された精子と卵子は、HIVの感染を防ぐために洗浄されてから受精に供され、その受精卵に遺伝子編集が行われたのである。遺伝子編集が成功していたなら、双子の赤ちゃんはHIV、コレラ、天然痘などの感染症に抵抗性を持つことになるというが、残念ながら現時点では査読された論文は発表されていない。

 この驚くべき報告は、今月27~29日に香港で開催される第二回ヒトゲノム編集国際サミットに合わせたものと思われる。この会議では世界各国の専門家が集まり、ヒトゲノムへの編集を行うべきかどうか議論される予定であった。He Jiankui氏の主張が議論に大きな影響を与えるのは必至である。

+ 続き
 He Jiankui氏はAP通信の独占インタビューで、「世界初というだけでなく最初の一例を行ったことに強い責任感を感じています」「社会が次に何をすべきかを決めるでしょう」と話している。さらに「このことが家族とその子どもを助けることになると信じています」とも語っている。

 現在、世界中で遺伝子編集技術を使った病気の治療が研究されており、ヒト受精卵を使った実験も行われている。しかし、その受精卵での妊娠は世界各国で禁じられており、もちろん中国でも禁止されているはずなのだ。He Jiankui氏が国から特別な許可をもらっているのかは不明だ。

 遺伝子編集技術はまだ発展途上の技術であり、ゲノム上の意図しない部分を改変してしまう可能性もあり、そのリスクは不明だ。さらに、受精卵の段階で遺伝子編集を受けた場合、その改変はその子どもや孫にも受け継がれる。受精卵への遺伝子編集とその受精卵での妊娠・出産は「時期尚早」というのが多くの科学者の見解だろう。

 果たして、本当に遺伝子編集ベビーは生まれたのか? そして、この「抜け駆け」がどんな事態を招くのか? 今後の発表が待たれる。

(編集部)

参考:「AP通信」「MIT Technology Review」ほか


■ 遺伝子組み換えとどこが違う? 食卓を魅力的に変える「ゲノム編集」 「現代ビジネス(2018.11.23)」より
おなじみハヤシライスもお得になる? 堀川 晃菜(サイエンスライター)
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次々と食材を有用なものへと変えてゆく「ゲノム編集」の成果がいよいよ市場に出現しつつある。これは「いいこと尽くし」の新技術なのか。夕飯のハヤシライスはおいしくなるのか。トップランナーから徹底的に話を聞き出した。

今日の夕飯、何にしよう?

冷蔵庫の中には、トマト、タマネギ、ジャガイモ、マッシュルーム……そうだ、ハヤシライスにしよう!

う~む、トマトがまだちょっと青いけど……仕方ないか。
あぁ~、タマネギ切ってたら涙が…‥。
このジャガイモ、芽が出ちゃってる! イチイチとるの面倒くさいんだよなぁ。
あれ? マッシュルームの色悪くない? 茶色くても問題ないよね?
あ! お米も炊かないと! ……しまった、もうなくなりそう。お米高いんだよなぁ。今年は不作なの?

……とぼやきながら、ハヤシライスを作るこんな日が、数年後には過去の話になっているかもしれません。

ここに挙げた5つの食材(トマト、タマネギ、ジャガイモ、マッシュルーム、コメ)は、どれもゲノム編集技術を用いて品種改良が進められている作物の一例です。

消費者メリットを意識した開発が進む

ここに挙げた食材のうち、最も実用化が近いと言われているのが、マッシュルームです。

時間がたったり、手荒く扱ったりすると茶色く変色し、商品価値が落ちて廃棄されてしまうマッシュルーム。ゲノム編集により「白いままのマッシュルーム」がアメリカで開発されています。

同じくアメリカではデュポン社が、ゲノム編集によりデンプンの組成を改変した「ワキシーコーン」を2021年までに上市予定であると公表しています。ゲノム編集農作物で最初に商品化される可能性が高いとみられています。

冒頭の5つの食材のうち、マッシュルーム以外は、日本で開発が進んでいるものです。

たとえばトマトでは、筑波大学の江面浩氏らが、高血圧の予防につながる成分、そして癒しの成分としても知られるGABA(ギャバ)を多く蓄積させることに成功しています。

他にも、完熟後の収穫でも長距離輸送に耐えられる「甘くて長持ちするトマト」や、「切っても涙の出ないタマネギ」、「毒のないジャガイモ」、収量アップを目指した「多収イネ」などの開発も進んでいます。

これらはいずれも、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「次世代農林水産業創造技術」によるもので、農業のスマート化(省力化・高生産化)や、農林水産物の高付加価値化を目指すものとして研究開発が行われています。

農作物だけでなく、ゲノム編集の対象は動物にも及びます。養殖中の衝突死を防ぐ「おとなしいマグロ」や、筋肉量を増やした「肉厚のマダイ」、卵アレルギーの原因物質を抑えた「アレルギー対策卵」を産むニワトリなど、続々と開発が進んでいます。

ゲノム編集作物にリスクはないのか?

+ 続き
では、農業分野において、品種改良のツールとしてゲノム編集を用いることに対し、そのリスクはどのように考えられているのでしょうか。

動物を対象とするゲノム編集は、技術的には受精卵に直接用いることも可能です。そのため、ヒトにおいては遺伝病などの治療に期待がかかる一方、遺伝子改変の結果が次世代へと受け継がれていくことや、命の萌芽に手を加えることに対する倫理的な問題が議論の的となっています。

「作物におけるゲノム編集を用いた育種のリスクは、従来の突然変異育種のリスクを越えるものでも、下回るものでもないと考えています。

その理由は、ゲノム編集の結果が、使い方によっては『自然に起こりうる変異と同等』とみなせることにあります」

そう話すのは、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)でゲノム編集イネの開発を進める小松晃上級研究員です。

では、従来の育種と具体的にはどこが違うのでしょうか。そして、なぜ人為的に改変をしても、自然に起こりうる変異と同じと言えるのでしょうか?

突然変異を“運まかせ”にしない

これまでの育種の主流は大きく2つあります。

  • 自然に生じた突然変異体から良いものを選ぶ、または放射線や重イオンビームの照射、薬剤により突然変異を誘発し、その中から良いものを選抜する「突然変異育種」 

  • 突然変異等により特徴を持ったもの同士を掛け合わせて雑種をつくり、目的に合うものを選抜していく「交雑育種」

こうした従来の突然変異を導入する技術では、ゲノム上のどこに変異が起きるのかは分かりません。変異を入れる場所を正確にコントロールすることが難しく、なかなか狙い通りにいかないことが課題でした。

90年代後半に登場したゲノム編集は、ほぼ確実に、ピンポイントで狙った遺伝子上に変異を入れることができます。運まかせだった突然変異を「計画的に起こす」ことが可能となったことで、正確さや効率性が飛躍的に高まりました。

ゲノム編集にはいくつかの手法がありますが、特に2013年にCRISPR-Cas9(クリスパー・キャス技術)が登場すると、実験操作がとても簡便になり、対象とする生物種が大幅に拡大し、ゲノム編集は研究者の間でまたたく間に広がりました。

ゲノム編集には3つのパターンがある

CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集の主なツールは2つ。「ガイド」と「ハサミ」です。

「ガイド」は、遺伝子が並ぶDNA上で、変異させたい部分へと「ハサミ」を的確に導きます。ガイド役を務めるのはRNAという核酸物質です。

そして「ハサミ」は、ガイドに指定された場所でDNAの二本鎖を切ります。ハサミの本体はDNAを切断する「制限酵素」です。これは元々、細菌がウイルスなどの侵入者のDNAを切断するために兼ね備えている、いわば武器で、DNA上の限られた部位を切ることから“制限”酵素と呼ばれています。

ゲノム編集では、これを利用して、目的とする場所で切れるようにしています。

そして肝心なのは、“DNAを切った後”です。生物には本来、放射線や紫外線などのダメージによりDNAが切れてしまった際に、それを修復する仕組みがあります。ところが、この際に修復ミスが起こり、遺伝情報をコードする塩基の並び方が変わってしまうことがあります(突然変異)。

この“エラー”も含めてDNA修復の仕組みを巧みに利用しているのがゲノム編集です。ゲノム編集はDNA切断後の過程によって、大きく3つに分類されます。


〇パターン1(SDN-1):再結合の際に、一部の塩基がとれる「欠失」、新たに加わる「挿入」、別の塩基と入れ替わる「置換」のいずれかが細胞内で発生。

〇パターン2(SDN-2):ゲノム編集ツールとともにあらかじめ細胞外で「DNA断片」を仕込んでおく。この断片は、狙っている部位(標的配列)近辺と基本的には同じ塩基配列で、その中の一部に変異(欠失・挿入・置換)が含まれている。切断後に修復される際、この断片がうまく取り込まれることで、変異を導入する。

〇パターン3(SDN-3):パターン2と同様のアプローチで遺伝子を導入する。

※パターン1,2,3は、正式にはSDN-1、SDN-2、SDN-3と呼ばれます(SDN: Site-Directed nuclease;部位特異的DNA切断酵素)。

遺伝子組み換えとの違いはどこか?

勘の良い方はすでにお気づきかもしれませんが、ゲノム編集には従来の遺伝子組み換えと「同じ」部分と「異なる」部分の両面があります。

遺伝子組み換えでは、作物に新たな機能を持たせるために、外来の遺伝子を導入し、ゲノム上に組み込む必要があります(同種内の交配では得られない形質を付与したい場合は他生物の有用な遺伝子を導入します。たとえば「青いバラ」や除草剤耐性のある作物など)。この点は、ゲノム編集のSDN-3にも該当します。

しかしゲノム編集の目的が、ある遺伝子に変異を導入し、その機能を損失させることならばSDN-1で十分です。この場合、変異させる部位を指定すること以外は人為的でなく、欠失・挿入・置換のどれが起こるかは細胞のみぞ知ることです。

そして、この場合はゲノム編集を行うために一時的に外から「ハサミ」の遺伝子を入れたとしても、その遺伝子をゲノム上に残す必要はありません。

そのため、結果だけ見れば、細胞内で自然に起こりうる変異と区別できないのです。

SDN-1以外を行う必要性が生じるときは、たとえば遺伝子の機能を壊すだけでなく、逆に活性化させたいときはSDN-2、(外来かどうかによらず)遺伝子を導入したい場合はSDN-3、といった使い分けになります。

小松氏によると、植物の分野へのSDN-2や3も研究レベルでは行われているものの、育種技術として現在、実用的な効率レベルに達しているのはSDN-1が中心です。

法規制はどうなる?

ひとえに「ゲノム編集」と言っても、使いみちや対象とする生物種、そして具体的にはSDN-1、2、3のどれを行うのか、という操作内容によっても、社会的な受け止め方が変わる可能性があります。

現在、日本でも法整備に向けた動きが急務となっています。

遺伝子組み換え技術を規制する法律である「カルタヘナ法」と照らし合せて、ゲノム編集による品種改良をどう扱うべきか、環境省は2018年7月に検討を開始し、8月には「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について(案)」が公表されました。

(カルタヘナ法:遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)

この案では、細胞外で加工した核酸が含まれる場合(SDN-2およびSDN-3など)は、得られた生物は「遺伝子組換え生物等」に該当するとしています。

一方で、得られた生物に細胞外で加工した核酸が含まれない場合(SDN-1など)は、「遺伝子組換え生物等」には該当せず、「ゲノム編集後に生物に移入した核酸またはその複製物が残存していない場合」もカルタヘナ法の対象外としています。

さらに、カルタヘナ法の対象外とされた生物の使用についても言及されており、その生物の特徴と生物多様性への影響に関する情報提供を求めた上で「取り扱うこととする」としています。

2019年3月には、方針案に対するパブリックコメントの結果を踏まえた正式な指針が示される予定ですが、この流れで行けば、少なくともSDN-1カテゴリーにおいては、国内の大学、研究機関、種苗会社においてゲノム編集による品種改良が実施できるようになる見込みです。

育種の新たな歴史が幕を開ける

そして食品としての安全性、ルールづくりについては、厚生労働省で9月から調査・検討がようやく開始されました。

日本の食卓に(そしてハヤシライスのルーに)ゲノム編集野菜が溶け込める日が来るのか。数年後には、その答えが見えてくるかもしれません。

人類は長い歴史のなかで、食用に適した形を求めて動植物を変えてきました。その結果、より美味しく食べやすいもの、育てやすいものが生み出されてきました。

そして食のニーズの多様化とともに、育種のニーズも多様化しています。また、水不足や温暖化など、農業環境が厳しさを増す中で、食料生産をより効率的にする必要も生じています。

この先、私たち人類が生きていくために、家畜や作物をどこまで改良していく必要があるのか、見極めていく必要がありそうです。
※実際に「ゲノム編集イネ」を栽培している現場を訪ねる続編は11/29公開予定です。














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最終更新:2025年02月05日 21:48