グランツーリスモWiki

レースゲーム進化の歴史のコーナー

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本物と見間違えるほどと言われるグランツーリスモ7といった昨今のレースゲーム。
だけど、そんなリアルなレースゲームっていつからリアルらしくなったのか?
そんなレースゲームの歴史を辿りつつ、リアルなグラフィックへの進化を辿ってみたい。

〜エレメカの時代〜 ミニドライブ(1959年)

まだビデオゲーム機というものが無かった時代のレースゲームと言えばこれ。機械式に動く「エレメカ」の時代のゲーム機で、ベルトコンベア式のコースに、自機であるミニカーの自動車を走らせポイントを稼ぎどれだけ走破出来るかというゲームで、その外観もステアリングが採用されており、デパートの遊技場を中心に全国的にヒットし、子供の心を掴んだ作品。当然、バーチャルな空間の後のビデオゲームと比べるとある意味リアルなのだが……。

〜ビデオゲーム創世記〜 グラントラック・10(1974年)

ビデオゲーム機が初めて登場した時代のゲームだが、白のドットのみで描かれるという今とは全く別物の世界であった。世界初のレースゲームは「スペースレース」だが、それは宇宙船を障害物に当たらないで上手く奥まで通せるかという内容だった。初めて自動車レースを扱った作品がこのゲーム。
ラジコンを動かす感じで、少しリアルさは薄いが、これでも自動車レースを扱ったという点は評価したい内容である。

〜もうちょっと進化すると〜 ポールポジション(1982年)

もう少し色の違いとかが表現出来るようになると、こうなる。クルマの形がハッキリしてきた感じだろう。ようやく立って歩き始めた感じで、まだまだリアルと言うには程遠いが、グラントラック・10と比べるとだいぶ進化したのがわかるだろう。
余談だが、グランツーリスモ4にも収録曲として入っているジューダス・プリーストの「Freewheel Burning」のPVにもこのゲームが登場している。

〜こんなものも〜 GP World(1984年)

今では絶滅種だが、レーザーディスクゲームというのがあった。実写映像にドットの絵を組み合わせてプレイするゲームで、このゲームでは再生される実写映像に合わせて、ドットで描かれたクルマを運転するというもの。
限られた範囲内で、上手くリアルさをなんとか表現しようと努力した感じが窺える。

〜ビット時代の最高作〜 パワードリフト(1988年)

もう少し表現出来る画像の数などの制限が緩むと、2Dでもこうした立体的な交差を作れる事も可能になる。このゲームではまるでジェットコースターのような激しい勾配のコースや、連続するコーナーのあるコースを、スピード感がある演出で走る感覚が味わえた。

〜ポリゴン登場〜 ウィニング・ラン(1988年)、バーチャレーシング(1992)

上のパワードリフトと同じ頃、ナムコがコースを立体的なポリゴンで描いたゲーム「ウィニング・ラン」を登場させた。まだテクスチャが無いのだが、立体的に描かれたコースを走る感覚はリアルさにだいぶ近づいて来た。
それから約4年後。今度はセガが「バーチャレーシング」を登場した。クルマもポリゴンで描かれていて、今までビットとドットの世界から、立体的なポリゴンへと革新が起こった時代であった。

~3Dレースゲームが家庭に~ リッジレーサー(1994年)

1994年、ソニーが送り出した当時の次世代ハード機、プレイステーションが発売。そのローンチタイトルの一つであったナムコの『リッジレーサー』を省いてレースゲーム史を語れないだろう。
1993年にアーケード(ゲームセンター)で先に稼働していた本作は、2点のグラフィックの進化要素を持っていた。
一つはテクスチャーマッピング。ポリゴンの面に絵を張り付けることで、つるぺたなポリゴンよりも圧倒的に視覚の情報量が増えた。
もう一つは疑似的にサスペンションと荷重移動があるような挙動をゲーム内で導入し、それを少ないデータ負荷で実現している。
先にアーケード(ゲームセンター)で話題を呼んだ作品であたが、それを1年の間隔があるとはいえ、ごくわずかな劣化で家庭用に移植というのは3Dのゲームが、家庭で遊べるという確信を、そして自動車の挙動のタイナミックさが魅力になることをユーザーに抱かせるのに十分な代物であった。
そしてそのリッジレーサーを後追いする作品も多数生まれた。このSEGAによる『デイトナUSA』もテクスチャーマッピングや疑似的なサスペンション挙動を盛り込みつつ独自の魅力を打ち出したもので、リッジの軽快なステアリングの挙動とは真逆の重いステアリングで、パワーをねじ伏せながら曲げていく挙動が特徴。リッジと人気を二分し、特にモデルであるNASCARの地元、米国の定番アーケード機種として20年経ても設置されている名作である。
テクスチャーマッピングや自動車の傾きの表現は3Dレースゲームの基本要綱として定着していく。

~3Dレース付加価値競争と物理演算~ (1995年~1996年)

高性能な基盤を用意できるアーケード機のみならず、プレイステーション、セガサターンを筆頭とする3Dグラフィックエンジン搭載のコンソールはゲームメーカーの新規参入を促し、必然として3Dレースゲームも研究が進んでいく。
なお、メーカーの技術力もピンキリで、本wikiの小話として出てくるようなクソゲー扱いのレース作品が多数生まれ、散っていった時代でもある。


その中で各メーカーも3Dレースゲームもまた、セールスポイントとなる要素を試行錯誤した時代と言える。
特にリアル志向の作品においてはいよいよ物理演算を持ってくる作品も出始め、「静的ではなく動的な美しさ」という価値観が定着していくこととなる。
例えばこの「セガラリーチャンピオンシップ」は、自動車の体重移動の表現という部分的なものであが、物理演算エンジンが盛り込まれ始めてくる。
だが、キャラクターの“見た目以外”への物理演算の本格採用はまだまだ一般的ではなく、一部のマニアックなPC用ドライブシミュレーターに留まっていた。

ちなみに、あのヤマウッティらも悪戦苦闘していた時期でもある。
初代のページでもあるように、『実車ライセンス取った本格レースゲー? 売れねぇだろ』と一蹴された後に、コミカルなレースゲームである「モータートゥーン・グランプリ」を発売し、利用できるプログラムコード…暗号資産を蓄えていた時期である。
ちなみに「モータートゥーン・グランプリ」の初代はあからさまな狂動やバグ技が存在し、評価が低く、苦い経験だったといえる。そのあたりは「~2」で改善し、我らがあの作品のための下地が作られてきた時期と言える。

~リアル系レースゲームという市場の産声~ グランツーリスモ (1997年)

そしていよいよ我らが初代が発売されることとなる。
本作の最大の特徴は物理演算エンジンをゲームシステムとして積極導入したことといえる。
それまでのレースゲームはゲーム的にデフォルメされた挙動という形で演算が省略されるのが普通で、その結果として一部のエリア以外は路面にピッタリ張り付いていたり、車体の体重移動がステア操作に対して画一で機械的なのが普通であり、機械の処理能力の限界を前にした妥協点であると考えられていた。
そこに「タイヤのグリップ力と足回りのスタビリティ、そして路面の凹凸といった要素が操作に・グラフィックに運転される」ことが当時の家庭用コンソールだけ遊ぶユーザーとしては革新的だった。テクスチャーなどの表面的な解像度にこそアラはあるものの、縁石や道のうねりで跳ねる自動車の上下動はそれ以前のデフォルメ作品よりも「再現度が高い」ものであった。
他にも車体の光沢表現が簡略な物ではあるが導入され、森林や夜の市街の陰影の中で疾走する。更にまだまだポリゴンの角があからさまではあるが、張りつけられるテクスチャーはモデルとなった実車の特徴を捉えており、リアルへの価値観を変えた要素といえるだろう。

本項はあくまでグラフィック面の進化を語るページであるが、物理エンジンに支えられた結果、「アウト・イン・アウト」「スローイン・ファストアウト」といったリアルな走法の重要性が嫌というほど高まったゲーム性もまたレースゲームの将来を見せてくれたということも軽くだが触れておきたい。
(ただ、初代の物理演算エンジンはまだ未熟で、特に全ての速度域でオーバーステア寄りだったので、コーナースピードはシリーズトップクラスだったりする。その点は諸説あるが、筆者としては既存のレースゲームの走法との橋渡し的な調整の結果だったのではと愚考する次第。)

~光と影、そしてコマ数の進化~ プレイステーション2 (2000年~2001年)

初代の鮮烈デビューと、その成功を受けて収録車種を大幅に増やした2作目は家庭用コンソール機でも本格的であると視覚で認識できるレースゲームが存在することを非プレイヤー層にすら訴えることに成功したと言えよう。
ただ、初代~2の時点でプレイステーションというプラットフォームのスペックを活かし切っていたためか、明確な進化が訪れるのはハードが次世代に移るまで待つこととなる。

レースゲームとしてプレイステーション2の先鋒を担ったのはやはりローンチとして登場したナムコ「リッジレーサーⅤ」。
シンプルに秒間60FPSというアーケードゲーム機でしか達し得なかった映像の滑らかさは直観的な画質の向上を感じさせた。
グラフィック表現での進化は光源とその反映は先代ハードより大きく進化した点と言える。
例に挙げた動画でもビルや高架の影が輪郭を伴って車体を舐めるように通り過ぎ、トンネルの照明の照り返しが眩しい。車体の影の形こそ若干おざなりなところはあるが、グラフィックの進化を感じさせてくれる作品と言えよう。
(ゲーム性の面ではかなりエンタメ寄りで、『スリップするとレールの上に乗る』と称されるドリフトアシスト機能によりブレーキ不要の高速疾走ができる。筆者としては、そんなデフォルメの効いた挙動でも“もしその走法が可能だったら”という味付けの車体挙動はそれはそれで評価したいところ。)

そんな偉大な先人の成果ゆえに期待を一身に背負う中で、2001年に発売された3作目はユーザーが勝手に課していたハードルを飛び越えることに成功した。
前述した60FPSという多くの人がカク付きを覚えないフレームレート、光源・陰影の処理はちゃんと搭載したうえで、路面の表現もまた一味違っていた。
タイヤスリップの白煙は大抵のレースゲームが備えていたが、本作はダートの泥ハネ、流石に雨天はまだだが、ウェットコースの水飛沫に至るまで表現されており、何よりそれらの視覚情報が明確に車両への挙動(とドライバーの操作結果)へと反映される臨場感はシリーズの地位を確たるものとしたといえよう。

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