「ココから先は戦うコトでしかわからない―― それしかわかり合える方法がない――」
概要
『湾岸ミッドナイト』の主人公。本作と同じ講談社のヤングマガジンで連載されており90年代のクルマ漫画人気を二分した『頭文字D』の藤原拓海と同じ高校生だがサザエさん時空に生きているためか年は取らない。
生活のすべてを愛車であり「悪魔のZ」と呼ばれるS30型のZにつぎ込む悪魔に取り憑かれた男。そのため、高校3年時に留年している。拓海の方はきっちり卒業して就職しているのに…(*1)。
そのZもL28型エンジンを3.1リッターへとボアアップしツインターボを組み込んだ怪物である。
Z31に乗るごく普通の高校生だったアキオは、ある日、廃棄寸前のZに出会い、一瞬でその姿に魅入られる。
だがそれは「悪魔のZ」と呼ばれた車だった。
周囲の制止を振り切り、Zを自分の物にしようと躍起になるアキオ。
しかし、大破と再生を繰り返すうち、力で押さえつけるのではなく、ただ従うだけでもなく、
車と乗り手が一体になることが大切だと理解していく。
そして数々のライバルと走ることで大きく成長し、Zの永遠のパートナーとなる。
走りの頂点を目指す者たちにとってアキオとZは、希望であり、そしてターゲットなのだ。
だがそれは「悪魔のZ」と呼ばれた車だった。
周囲の制止を振り切り、Zを自分の物にしようと躍起になるアキオ。
しかし、大破と再生を繰り返すうち、力で押さえつけるのではなく、ただ従うだけでもなく、
車と乗り手が一体になることが大切だと理解していく。
そして数々のライバルと走ることで大きく成長し、Zの永遠のパートナーとなる。
走りの頂点を目指す者たちにとってアキオとZは、希望であり、そしてターゲットなのだ。
ちなみにアルバイトを掛け持ちしているのだが、特に炎上からの復活時などどう考えてもそれでは足りないほどの費用がかかっていそうだがその辺の事情は不明。一応、親は割と裕福な方ではあるらしい。
まぁ、北見がZの修復費用確保のために平本に何人か客を紹介するよう依頼したり高木がワンオフのカーボンルーフとアンダーパネルを突然用意してきたりするあたり、アキオからはあまり金を取っていないようなフシもあるのだが。
まぁ、北見がZの修復費用確保のために平本に何人か客を紹介するよう依頼したり高木がワンオフのカーボンルーフとアンダーパネルを突然用意してきたりするあたり、アキオからはあまり金を取っていないようなフシもあるのだが。
アキオの関係者の方々
- 島 達也
アキオのライバルにして、黒のポルシェ911(最初は930型で、後に964型に変えた)に乗り、「首都高速湾岸線の黒い怪鳥・ブラックバード・湾岸の帝王」と呼ばれる。
アキオが持つ悪魔のZの元オーナー、朝倉晶夫の友人であり、当初は前オーナーとの因縁から悪魔のZに関わっていたが、そのうちにアキオ本人と悪魔のZそのものに惹かれるようになる。この人は職業はお医者さんで、実家は美容整形外科であるが、現在は大学病院に勤務している(父親はアフリカで医療ボランティアをしている)。過去には腕の立つ消化器外科医としてイシダの緊急手術も執刀した。現在は形成外科に所属しているが、免許を取ってからずっとポルシェ911に乗り続けている生粋のポルシェ911オーナーで、作中のセリフから最低限の生活費以外の全てをポルシェにつぎ込んでいるこちらも怪鳥と言う名の魔物に取り憑かれた男。
(だがゲーム作品ではかつてポルシェがEAと独占契約を結んでいたせいで、主要人物でありながら車種ごと登場しなかったり、ゲンバラやRUF、しまいにはゲンバラのライセンスが得られなかった海外版においてはZ33型フェアレディZに乗せられるハメになった。)
余談だが、アニメ版での中の人は『頭文字D』の藤原拓海と同じ三木眞一郎氏。
- 朝倉 晶夫(あさくら あきお)
悪魔のZを持っていた元々のオーナーで、如何なる偶然かアキオと同姓同名。島とは友人同士であり、走り屋仲間でもあった。悪魔のZを手に入れてからはその魅力に取り付かれ、周囲を引き込むような過激な走りをするようになって首都高速湾岸線で事故を起こし、19歳の若さでこの世を去ってしまった。
悪魔のZに乗り換える前の愛車はスープラ(MA70)。余談だが、こちらは中の人が高橋啓介と同じ関智一氏。敢えて意図的に狙ったキャスティングの可能性があるが…。
悪魔のZに乗り換える前の愛車はスープラ(MA70)。余談だが、こちらは中の人が高橋啓介と同じ関智一氏。
悪魔のZの影響力

やはりS30Zという古き良き旧車の外見に反して、中身は最新のスポーツカーを凌駕し、『悪魔』と呼ばれるくらいの恐ろしい性能というギャップのある設定は非常に魅力的であり、パンダトレノに藤原とうふ店の文字を入れなければならない頭文字DのAE86と違い、単にS30Zを青色に塗るだけで簡単に再現出来てしまう事もあって、(AE86の方も無い訳では無いが俄然比べると意外と少ない)パロディにしやすかったのだろう。ここでは主だったところを取り上げて見る事にしよう。
- 首都高バトル
数多くの悪魔のZのパロディといえば首都高バトルのラスボスである「???」は有名だろう。以後シリーズを追うたびに手を変え品を変えて登場したりする。
シリーズを追うたびにマシンは異形化。「レーシングバトル C1グランプリ」ではGT500風エアロを纏ったZ33だが、片方のフロントライト辺りには悪魔のZと同じブルーのS30Zの姿が見える……というものとなっている。
「???」登場以前の初期の頃の首都高バトルでも隠し車両として登場。『R』では(動画では6:50の辺り)坂東親分が解説するのだが、「この車はですねぇ…L型エンジンを積んだ古い車という事なんですけど……あんまり僕でもよくわからないんですよねぇ……」というまさかの坂東親分が悪魔のZの事をよく知らなかったという事実(?)が明らかに。本当は実名が使えないからすっとぼけているだけにも思うが……。
シリーズを追うたびにマシンは異形化。「レーシングバトル C1グランプリ」ではGT500風エアロを纏ったZ33だが、片方のフロントライト辺りには悪魔のZと同じブルーのS30Zの姿が見える……というものとなっている。
「???」登場以前の初期の頃の首都高バトルでも隠し車両として登場。『R』では(動画では6:50の辺り)坂東親分が解説するのだが、「この車はですねぇ…L型エンジンを積んだ古い車という事なんですけど……あんまり僕でもよくわからないんですよねぇ……」というまさかの坂東親分が悪魔のZの事をよく知らなかったという事実(?)が明らかに。
- 頭文字Dのゲーム
同じヤングマガジンで共に連載されていて人気を二分していた頭文字Dとは最近アーケードゲームのコラボイベントで共演したりしているが、実はそれより前に、PS1の頭文字Dのゲームではしれっと隠しマシンとして入っていた。
- チョロQシリーズ
チョロQシリーズでもパロディにされており、チョロQ3ではライバルカーとして「ナイトブルー』という悪魔のZと同じ青い色のZが登場。また、チョロQHG2では『アキオ』ならぬ『ナツオ』というキャラクターがこれまた悪魔のZと同じ青いZのボディで登場している。明らかに両者とも名前と共に意識している事が分かる。
- エトセトラ
また、どマイナーなところではニチブツのレースゲーム『デッドヒートロード』、セガサターンのゲーム『Code−R』(こちらはクルマは悪魔のZだがストーリーは頭文字Dのような峠モノである)でも悪魔のZをモチーフにしたクルマが登場していたりと、メジャーどこ、マイナーどこ問わず、影響力はデカかった事が分かる。
- 番外編 トミカプレミアム

ちなみに右隣のオレンジ色の純正色はタカラトミーモール限定カラーとして販売された。

なお、トミカプレミアムの方のノーライセンス版の方は本家が出た後でもラインナップに残っている(2024年3月時点)ので、絶版になる前に買って比べてみると良いかもしれない。
- 番外編2 タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ

商品名は1/24 NISSAN フェアレディ 240Z ストリートカスタムとしているが外観は上のトミカプレミアムと同じく「明らかに……」と思わせており、もはやこれはもう確信犯である。

8月に販売され¥4,950で販売中。「悪魔のZ」にするかどうかは組み立てる人のセンス次第である。
ともかく、令和の今でも大手メーカーもやらかす程、もはやフリー素材のようになってしまっている「悪魔のZ」こと青いS30Zの影響力は凄まじいものである。
悪魔のZの元ネタ?

作者の楠みちはるが湾岸ミッドナイトを手がける前に連載していた漫画『シャコタン☆ブギ』では主人公のハジメとコージのライバルであるアキラこと、清水明の愛車として悪魔のZと同じくL28を3.0リッターにボアアップしたフルチューン仕様 S30Zが登場。当初は「ウ●コ色のZ」と揶揄される茶色だったが、最終的に同じ青い色に塗られている。

またモデルとなったクルマは、実在する湾岸最高速チーム『Mid Night』に所属している真紅のS130Zだと言われている。製作担当はABR細木エンジニアリングで、'78年式280Z-TをベースにL28改3.1L+KKK社製K26タービンをツインで搭載。最高出力は600psを超えていたとされるこのクルマは、かつての東名レースや湾岸最高速と言ったストリート、そしてクローズドコースである谷田部最高速と言った激動期を乗り切り、ABR代表・細木勝氏の手によって幾度も仕様変更を受けながらも当時の姿を色濃く残しながら今も現存している。
現在は当時のオーナーではなく国内では有名なZマニアの手に渡ったものの、彼自身もMid Nightメンバーの上に既にチューンドのS130Z(こちらは北米仕様)も所有していた為、このZでの最高速ステージへの現役復帰を狙って現代風な制御系への変更をはじめとしてエンジンそのものもやり直したりと改良が加えられている。K26タービンから、かつてのMP4/4にも用いられたF1タービン(IHI RX6)に近い性能を誇るとされるIHI RHC6 VX55への変更、エンジンもHKS89φピストン、L20用コンロッド、LD28用加工のフルカウンターシャフトが組み込まれ、ヘッドも燃焼室加工、ポート研磨などフル・メカチューン仕様も顔負けな程に手が入っている。
制御系も、大雑把で始動の際の儀式も煩わしい追加インジェクターのレビックからフルコンのモーテックM4に置き換えられ、始動時の煩わしさもなくなり安定してパワーを引き出す事に成功した。現在はセッティング途中だが、最終目標はブースト1.0kg/cm2時に680psというのだから恐ろしい……