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フェラーリ

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概要

↑創業者のエンツォ・アンセルモ・ジュゼッペ・マリア・フェラーリ氏。

”カヴァリーノ・ランパンテ”という跳ね馬のロゴでおなじみ、クルマをよく知らない人でも名前は知っている程に超有名なイタリアを代表するスーパーカーメーカー。イタリアのモデナ県マラネロに本社を置いている。

「レーシングカーと高級スポーツカーのみを少量生産する」という創業当時からの一貫した哲学に加え、「ハイウェイの芸術品」とも称される官能的なスタイリングと独特のエンジンサウンドは、世界中から憧れとされる事も多いカリスマ的存在感を持つメーカーでもある。
そのカリスマ性は、かの「男塾」の主人公、剣桃太郎も虜にするほど。

創業者のエンツォはかつてアルファロメオのレーシングドライバーを務めており、「他社は車を売るためにレースをするが、私はレースをするために車を売る」と語る程の根っからのレース屋。
元々はアルファロメオのセミワークスレーシングチームが始まりである。そのためアルファロメオの分家とも言えるメーカーであり、設立は第二次戦後とやや遅め。
独立後、1950年から始まったF1に最新鋭のフェラーリ375F1で参加、母親であるアルファロメオとの勝負が始まる。1950年のF1GPはアルファロメオが7戦6勝という圧倒的な強さを見せつけるが、アルファロメオ側のマシンは戦前の物でかなり古く限界もあった。1951年、戦闘力を高めたフェラーリは第5戦で遂に本家アルファロメオを破ってF1初優勝を飾る。この時にエンツォは「私は喜びの涙を流したが、同時に情熱の涙に苦しみの涙も混じっていた。なぜなら、その日私は『私は母を殺してしまった』と思ったからだ。」と複雑な心境を漏らしている。ただし1951年もシリーズチャンピオンはアルファロメオが取っており、その年に母親はF1を去っている。

アルファロメオは戦前こそ現在のフェラーリのような超高級車メーカーだったが、今では独立した子がそのポジションになり現在に至る。その後の親子で関係が無いかというとそうでもなく、アルファロメオ8Cのエンジンは元を辿ればフェラーリ製だったり、ジュリアとステルヴィオのクアドリフォリオに搭載された690Tエンジンも新規設計ではあるものの原型カリフォルニアTに搭載されるF154系の派生である。

イタリアのメーカーであるためフェラーリの品質も良いとは言えず、パーツのチリが合わない、90年代初頭までは構造が悪く真っすぐ走らないなど、母親のアルファロメオに劣らずネタが多い。

2024年7月5日からエンツォ・フェラーリ氏を描く映画「フェラーリ」が公開された。監督:マイケル・マン × 主演:アダム・ドライバーという組み合わせ。1957年ミッレミリア前後というごく短期間の、しかしフェラーリという会社にとってもエンツォ個人にとっても絶体絶命だった時期を、ひたすら「エンツォ・フェラーリという人間の抱える闇と彼の狂的なこだわりに巻き込まれていく人々」の話に振り切った戦争映画*1もかくやというくらい重く容赦なく、そして硬派な作品だ。
「フェラーリの赤色は“血”塗られた赤でもある」と揶揄で言われたりする事もあるが、その意味も間違ってはいないという事がわかる内容だろう。
ぜひフェラーリファンは一度見てほしい(ただしPG12指定で過激なベッドシーンや相当ショッキングなシーンもあるので心臓弱い人は注意)。真の主役はエンツォの妻であり共同経営者のラウラかもしれない

長らく収録が実現しなかったがGTHDで悲願の初登場を果たす。元々フィアットグループの傘下だったが2014年に分離独立を発表、 2016年に独立を果たした

ライセンス料も収益の一つとしているためか、ゲームでもやはり版権が厳しめと言われていて、一時期「うち(フェラーリ)の車が最速でないゲームには版権を出さない」とまで言われていた。セガのF355チャレやアウトラン2に版権が出たのはフェラーリしか出ないから…なんて話も*2
GTやForzaに版権が出ているのは「車の運転が可能なライブラリーソフトであり、ついでにレースもできるようになっている」のでセーフとかいう噂はある。
ミニカーの方でもそうで、現在はブラーゴのブランドを持つ香港のマイストが独占ライセンスを持っている。そこでタカラトミーは、かつてForzaがポルシェのライセンスを独占していたEAから権利を借りたように、マイストグループから権利を借り受けた。
それでトミカやチョロQとかでもフェラーリのミニカーが商品として出せる一方、タカラトミーの商品としてもマイストブランドのブラーゴのミニカーが販売されているのである。

レース活動ではF1が有名だが、近年ではスポーツカーレースでも昔のように積極的になり、WECのハイパーカー規定にワークス体制で制作されたハイパーカー「499P」にて2023年から参戦、数十年ぶりのスポーツカーレースへのワークス参戦となる。
完成度も高く、ル・マンではトヨタ・GR010と熾烈なデッドヒートを繰り広げた末にデビューシーズンで優勝を飾るという快挙を成し遂げた。2024年もトヨタとの接戦を制しての2連覇を達成している。

一方市販車の方では、時代の流れか遂にフェラーリもSUVモデル「プロサングエ」の投入を発表。
フェラーリ初の4ドア4シーター車で、現在では珍しくなってしまった排気量6.5リットルという大排気量のV型12気筒エンジンを搭載しており725馬力を発揮。さらに前後重量配分49:51を実現して走行性能も高いとか。

また、2023~2026年に15の新型車を発売すると発表。2026年までにラインナップの60%をプラグインハイブリッド車(PHV)&EVとし、残る40%を内燃エンジン車にする。2030年までにはEVの比率を高め、EVを40%、PHVを40%、内燃エンジン車を20%にすることを目指すという。
これも時代の流れとはいえど、いつでもどんな形だろうとフェラーリらしさを保って欲しいものである。

その一環として、2024年には80周年記念の限定生産車(スペチアーレ)としてフェラーリ・F80*3が登場。
デザインはかつてのF40・F50を現代的にリファインしたもので、3リッターV6ターボエンジン(最高出力900PS、最大トルク850N・m)と、フロントモーター2基・リアモーター1基(合わせて300PS)で構成されるハイブリッド方式。
駆動方式は4WDとなっており、システム最高出力1200PSを発生させる現代のハイパーカー事情に沿った構成。
お値段は約6億円、世界限定799台。

やはり痺れるほどカッコいいと思え・・・るかは最近変わり始めている。
というのも、車好きならご存じ「ピニンファリーナ」と約60年続いていたデザインの関係を断ち切ってしまったのだ。
現在は自社の「フェラーリ・スタイリングセンター」が車のデザインを担当しており、特に2025年に発表された新型テスタロッサの外観はかなり賛否両論のコメントが多かった。

2026年5月には前々から噂されていたフェラーリ初のEV「ルーチェ」*4が遂に発表された。
デザインを手掛けたのはあのアップルでiPhoneやiPadを手掛けたジョナサン・アイブ率いる「LoveFrom」なのだが、「跳ね馬のバッジがなければとてもフェラーリには見えない」と評されるそのスタイリングは世界中の車好きの間で物議を醸し、フェラーリの株価が8%も下落する程の反響を受けた。
同社にとってこの斬新なデザインは、フェラーリ曰く「既存顧客ではなく新規顧客向けのラグジュアリーEV」とのことで、年々内熱機関への規制が厳しくなる中フェラーリは新たな道を切り開こうとしており、そういった意味ではこの思い切ったデザインはある意味正解なのかもしれない。価格は9000万超えだけどな!


ちなみに、ニューヨーク証券取引所に上場した際のティッカーシンボル(株式を区別する際の略称)は「 RACE 」(レース)。通常ティッカーシンボルはTDN表記(ア行以外は母音にあたる音a,i,u,e,oを抜く表記)を選ぶのが通例で、例えばマイクロソフトなら「MSFT」、SONYなら「SONY」となっているが、あえてレースを選ぶ辺りがフェラーリらしい。

フェラーリの車に付いている3桁ナンバーはエンジンの特徴をそのまま車名に使っている。例えば512であれば5L V12といった塩梅。
365GTB4は1気筒の排気量がこの数字という物で、1990年辺りからは使わなくなっていたが、後年488やハイパーカーの499Pで復活している。

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注釈

*1 今のように安全規定のほぼない時代の話なのでぶっちゃけレーサーの命がかなり軽い。作中で死んだ者以外でも名有りで登場したレーサーのほとんどが60年代を迎えられずにこの世を去る運命にあるのだから…

*2 だとすると「インド人を右に」でおなじみのスカッドレースという否定材料があるのだが…。

*3 本車が発表されるよりも前にイタリアのデザイナーAdriano Rael氏がデザインした同名のコンセプトモデルも存在するが、それとは無関係。

*4 発表前までは“エレクトリッカ”という仮名でも呼ばれていた。ちなみにマツダにも1966年~1995年まで販売されていた同名の車種が存在するが、フェラーリ曰く商標権については問題がないとのこと。