
出典:
GT Planet
GTPlanetのGT Sportフォーラムをしばらく見ていると、収録コースに関する不満を容易く見つけられると思う。たいていは、「◯◯があるから〜」よりも、「◯◯がねぇぞ」という文句がほとんどだ。
これまでの『グランツーリスモ』のメインシリーズには、「ディープフォレスト・レースウェイ」「グランバレー・サーキット」「トライアルマウンテン・サーキット」の3つのコースは必ずあったが、現在の『GT SPORT』にはこの3つのサーキットが存在せず、「グランツーリスモ」らしさに欠けると感じるプレイヤーも少なくない。

山内氏の発言である「全部焼き払っちゃおう」(Burn it to the ground)は、開発チームが「GT Sport」を新たなスタートとして捉えていることを示唆していたが、もしかしたら、ポリフォニー・デジタルは、これらのコースさえも「かつてのグランツーリスモの一部」と見なし、黒歴史化しようとしてるのではないか?そう思った諸君もいるだろう。
先日、山内一典氏に
インタビューを行った際
(未翻訳)、これらの架空のサーキットはどうなってしまったのか、という質問をする機会があった。グランバレー、ディープフォレスト、トライアルマウンテンの3つのコースは、もう見られないのだろうか?
これについて山内氏は「意図的に省いた訳ではありません」と答えた。しかも、『グランツーリスモSPORT』で動く『ディープフォレスト』のデータがあるというのだ。しかし、氏は「いくつかの問題があるんです」と言う。
山内氏が『ディープフォレスト』に反応したのは、当然のことといえるだろう。何故なら彼は2010年の『グランツーリスモ5』の発表会で、グランツーリスモの オリジナルサーキットの中で、最も好きなコースだと語っていたからだ。
氏はこう語る、「過去の『グランツーリスモ』に収録されていた古いコースの中には、スケールが明らかにおかしい部分があるんですよ。木々のサイズが非常に大きかったり、縁石の幅が大きかったりするんです。車よりも幅の広い縁石もありましたからね」
「今のGTスポーツのクオリティに過去のコースを合わせるなら、コースの設計を見直さなければならないことがたくさんありますし、簡単に出来る事ではありません」
そういう理由もあってか、他のサーキットがかつてのオリジナルコースの役割を担っている。
しかし、今まで国籍が設定されてなかったオリジナルコースとしては不思議なことに、GTスポーツはドラゴントレイルをクロアチアにあるとしている。なぜ、クロアチアのダルマチア海岸のような場所を選んだのか?
山内氏はこう述べる。
「だってリアルな場所がいいじゃないですか。それに、ここは素晴らしい場所ですよ、海があって、サーキットが建てれる土地があって、しかも遠くには雄大な山々が連なっているんです」
「レースゲームでコースの背景って、実物がよほど素晴らしいものでなければ、ゲームで再現してもそれほど印象的ではないんですよ。というのも、レースゲームの視野はそれほど広くないので、風景の中の何かがとても大きくても、実際にゲームをプレイするとそれほど大きくは見えないんです」
「でもドラゴントレイルは、あの近くに1600mもの高さの山々があるので、象徴的な景色なんですよ」
「『アイガー北壁』のコースがありましたよね?アイガーの山ってほんと凄くて、2,000メートル位の高さなんですが、ゲームの中で見ると「山があるな」くらいにしか見えないんですよ。『富士スピードウェイ』でも実際にサーキットから富士山を見ることができるんですが、やっぱりゲームの中では小さな山にしか見えないんですよね」

翻訳記事一覧へ戻る。