ホンダ ライフステップバン '72 | ||
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メーカー | ホンダ | |
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英名 | Honda Life Step Van '72 | |
年式 | 1972 | |
エンジン | EA型 | |
タイプ | ノーマルカー 軽バン | |
カテゴリー | N200 | |
PP(初期値) | --- | |
総排気量 | 356cc | |
最高出力 | 30ps/8,000rpm | |
最大トルク | 2.9kg/6,000rpm | |
駆動形式 | FF | |
吸気形式 | NA | |
全長 | 2,995mm | |
全幅 | 1,295mm | |
全高 | 1,620mm | |
車両重量 | 605kg | |
重量バランス | 49対51 | |
トランスミッション | 4速 | |
登場 | グランツーリスモ4 グランツーリスモ(PSP) グランツーリスモ5 グランツーリスモ6 | |
備考 | 使い勝手の良さが好評を得ていた軽バン 現在の軽ハイトワゴンのルーツにも繋がる先見的アイデア 元祖ステップ・バーン |
概要
ホンダ ライフステップバンは、ホンダが1972年に生産、販売を開始したトールワゴン型の軽規格ライトバン。当時販売されていた軽自動車のライフと基本設計を共にした為、当時としては珍しいFF(前輪駆動)の商業車として登場した。ライバル達とは異なる前輪駆動のメリットを最大限に活かした広さと、それを活かした使い勝手の良さから営業マンを中心に人気を集め、「ステップバン」の通称で親しまれた。
解説
当時、ホンダには軽トラックであるTN-Vが存在したが、ワンボックスタイプの商用バンが存在しなかった事から登場したのがライフステップバン。前述の通り、前輪駆動故の低床設計や、フラットで伝票等書きやすいダッシュパネル、畳めばフルフラットになり長い荷物も積載出来るリヤシート等、使い勝手の良さが光り、営業マンを中心にヒット作となった。それを反してか、翌年にはピックアップトラックも追加された。こちらも低床設計からくる荷物の積み下ろしのしやすさが好評で、1年弱程の販売期間の中でそこそこのヒットを記録した。が、1974年にホンダが軽自動車市場から撤退する事になり、ライフやクーペのZと共にライフステップバンも生産終了する事になってしまった。
販売期間が短かった事もあり、18000台弱しか製造されず、商用バンとしてはかなり台数が少なかったもののユニークな見た目や使い勝手の良さ、N360やライフとの共通パーツも多かった事から1980年代にはカスタムベースとして大人気となった。速さを求めてキャブレターを替えてみたり、エンジンをバイク用ピストン等を流用してボアアップしてみたりするカスタムもあれば、広大な室内やポップな見た目を活かしたバニング仕様など、街には多種多様にカスタマイズされたステップバンを見かける機会も多かった。
↑カスタムの一例、当時の人気ぶりは凄まじく、アオシマからカスタム仕様のステップバンのプラモデルが数種類発売された程。当時のプラモデル達は現在では高値で取引されていたりする…

このモデルは一代限りで生産を終了してしまったが、上記の通り人気の高いモデルであった事から、生産終了後もホンダ自身が取り上げる事も多く、初代ステップワゴンや走るラブホでお馴染みS-MXの愛称である『ステップ・バーン』で名称が復活したり、近年では2代目N-WGNのデザインモチーフとして採用されたり何かと登場頻度は多い。ホンダ以外でも、アクティやバモス、N-VANをベースに同車風にカスタムするショップやキットも存在する。
とはいえ、日本独自のものである軽自動車規格で居住性のあるトールワゴンというアイデアは当時としても大変先見性のあるものといえ、その後の軽自動車の主流にも繋がったと思えば、これを実現させたホンダの技術陣はあっぱれとしか言いようがない。