| 三菱 ギャラン GTO MR '70 | ||
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| メーカー | 三菱 | |
|---|---|---|
| 英名 | Mitsubishi Galant GTO MR '70 | |
| 年式 | 1970 | |
| エンジン | 4G32 | |
| タイプ | ロードカー スポーツカー 2ドアクーペ | |
| カテゴリー | N100 | |
| PP(初期値) | 351 | |
| 総排気量 | 1,594cc | |
| 最高出力 | 125PS/6,800rpm | |
| 最大トルク | 14.5kgfm/5,000rpm | |
| パワーウエイトレシオ | 7.84kg/PS | |
| 駆動形式 | FR | |
| 吸気形式 | NA | |
| 全長 | 4,125mm | |
| 全幅 | 1,580mm | |
| 全高 | 1,310mm | |
| 車両重量 | 980kg | |
| 重量バランス | 58対42 | |
| トランスミッション | 5速 | |
| 登場 | グランツーリスモ4 グランツーリスモ(PSP) グランツーリスモ5 グランツーリスモ6 | |
| 備考 | あれば記入 | |
概要

1970年から1978年まで生産及び販売されていたギャランGTO。
当車は1969年にコルト1000系の後継車としてデビューしたが、昭和48年排気ガス規制に対応できずに生産終了となってしまった。
しかし、ギャランGTO自体は昭和48年、昭和51年と排ガス規制に適合されている。1977年まで生産されており、総販売台数は95720台だった。
解説
1970年代の初め、日本車はいよいよ本格的に世界に羽ばたきはじめた。そんな中で三菱は、それまでのコルト・ギャランより、さらにハイレベルなスペシャリティカー志向で、三菱のイメージリーダー的モデルとして開発されたスポーツクーペを追加。これをGTOと名付けた。
1969年に登場した本車のベースとなるコルト ギャランは、シャープなスタイリングと高性能なSOHCエンジンを特徴とする1.3リッター/1.5リッター級のセダン。堅実だが地味というそれまでの三菱車のイメージから脱却したスポーティーなキャラクターで人気を博した。そのギャランをベースに、翌1970年にデビューしたスペシャルティークーペがギャランGTOである。
GTOの名は、世界を意識したことを表している。GTOとは元々はグランツーリスモ・オモロガートの頭文字で、1960年代にフェラーリが
250 GTO
と名乗ったのが発端。GTレース参戦に向けFIAのホモロゲーションを得たベース車という戦闘的な意味のネーミングだった。
全体の構成はベースのギャランに近かったが、ハードトップと共通のドアパネルを除いては専用設計となるボディーは、当時のアメリカのハイパフォーマンスカー、いわゆる“マッスルカー”を5ナンバーサイズに縮小したようなテイスト。思い切ったファストバックと4灯ヘッドライトの強烈な顔つきなど、インパクトたっぷりの姿には
フォード・マスタング
やプリマス・バラクーダなどの影響が感じられる。シンボルカラーの鮮やかなオレンジボディを黒いストライプで引き締めると、たしかにアメリカン・ポニーカー的な味わいが漂っている。またトランクリッド後端が反り返ったダックテールがデザイン上の特徴で、“ヒップアップ・クーペ”とも称した。
そして、このGTOの上級仕様が本車、MR。これは「Mitsubishi Racing」の略称で、三菱のスポーツDNAの象徴として、究極のランエボVIIIに与えられるまで30年近くも封印されることになる、栄光の記号でもある。MRのために専用設計された4G32型サターンAIIIエンジンは、まだ日本では珍しかったDOHC形式だ。当初はコルトフォーミュラのエンジンを元に開発したが、一般的に使いづらく、部品共通性も乏しく、コスト面でも不利であった。そこで市販できる価格に押さえる為と、レースやラリーでも使用できる様に耐久性も考え、OHCサターンのブロックを極力ベースに設計し、ヘッドをDOHC化する手法を採る事となり、専用のその他駆動系等の強化も同時開発された。
ソレックスのツインチョークキャブを輝かせた4気筒の排気量は1594㏄ながらも、ロングストローク化によって可能になった理想的なMSタイプ燃焼室を持ち、キャブレターはソレックス40PHHを2連装して125PSを叩き出し、ドライバーを200km/hという未経験領域へと誘った。この4G32は低速から高速まで、粘り強さを持つフラットトルクを実現しており、高性能ユニットながら、あらゆる走行状況で扱いやすいという特性を誇っていた。
トランスミッションは三菱初となる5MTを採用。足まわりもリアのリーフスプリングの枚数を増やしてトルクロッドを加え、165SR13のラジアルタイヤを履くなど強化されている。
しかしそんなことより、アクセルを踏み込んだ瞬間たちこめる猛獣のようなエンジンの咆哮にこそ、GTO MRの存在感が見えた。のちに排気量の大きいエンジンを搭載した2000 GSRも登場し、余裕ある低中速トルクによってさらに強力なダッシュ力を誇ったが、野性味あふれる瞬間の切れ味ではMRがはるかに勝っていたという。

