はじめに
光あるところに影がある………。
空冷ポルシェがいくら好きでも、同年代のポルシェが買いたいあなたへ、そこで空冷、絶大的なポルシェの顔であり主役の911の影に隠れてしまった悲しき存在でありながらも、コアなファンから名車として知られる捨てがたい存在、いわゆる「FRポルシェ」についてこのwikiで語ろうと思う。
911ばかりがポルシェにあらず。どれもグランツーリスモにも追加して欲しい名車達でもある。
目次
空冷ポルシェがいくら好きでも、同年代のポルシェが買いたいあなたへ、そこで空冷、絶大的なポルシェの顔であり主役の911の影に隠れてしまった悲しき存在でありながらも、コアなファンから名車として知られる捨てがたい存在、いわゆる「FRポルシェ」についてこのwikiで語ろうと思う。
911ばかりがポルシェにあらず。どれもグランツーリスモにも追加して欲しい名車達でもある。
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924

ポルシェの安価モデル、「914」の後継モデルとして作られた車。2ドアだが2×2の4シーターで設計され1975年に発売したモデル。914は911よりも下のモデルとして開発されたため、924も同じように価格が911より下である。
現在のポルシェのモデルで言えばボクスターやケイマンで知られる、718のような存在で、ポルシェのエントリーモデル的な存在だといえば分かるだろう。
当初はVW(フォルクスワーゲン)・アウディ・スポーツとして開発される予定だったが、同社の経営陣の交代などで計画が頓挫。その後は中止になっていたが、そこでポルシェが案件を買い取り、独自に開発されることになった。
初期段階では部品の共用化を考慮し前輪駆動の採用を検討したが、当時のポルシェの理想「高度な操縦性」の獲得が困難になり断念した。914ではミッドシップを採用したためポルシェ特有の後部座席の獲得に失敗した上にトランクが前後に分かれるなどの欠点があったというトラウマがあるため実用性を重視し、操作性を兼ね備えたFRを採用した。
安価を実現するべく製造時のコストを抑えるため、前後ブレーキはVWのK70から、ドライブシャフトはタイプ181からなどの、様々なVW車のパーツを流用している。
エンジンはアウディ製の水冷直列4気筒SOHCでヨーロッパ仕様で125psを発揮しており、日本向けモデルは排ガス規制もあってか100psになっている。
スポーツモデルである924ターボは1978年に製造されたモデルであり、KKK製ターボチャージャーを搭載しシリンダーヘッドを新設計、オイルクーラーも追加され、サスペンションにはスタビライザーが装着され、ビルシュタイン製強化ダンパーが加わりホイールは6J15インチに強化された。そのため、ピレリP7を履いている仕様もあったようだ。
ちなみに外観はノーズに4つのエアインテークが付き、フロントバンパー下にスリット、エンジンフード上にNACAダクトが設けられた。が、日本仕様は法律に基づいて非装備となった。
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↑924ターボ。男心をくすぐる5MTだった。
928

928は、ラグジュアリー性とスポーツ性を兼ね備えた車。この車は、911に変わる新たなモデルとして生産された車で、当時の911より上級だったフェラーリ、ジャガーEタイプなどV型12気筒を備えたラグジュアリークーペやラグジュアリースポーツモデルに対抗するために開発されたGT、グランドツアラー寄りの強いモデルで、こちらも最近のモデルで言えばパナメーラや、SUVのカイエン、マカンに近いキャラクターの車と言えば分かるだろうか。
まあ、911の人気が高かったため代わる事は無かったが、現在のポルシェのラグジュアリー路線のイメージを作った一台と言えよう。
エンジンはV型8気筒をフロントミッドシップに備えたFRで、初期モデルで280psを発揮。駆動系は924と同じトランクアクスルシステムを採用している。また、旋回中にかかる横荷重により、アウト側の後輪が機械的に最大2度トーをイン側に向けてリアのコーナリングフォースを安定させ、従来モデルよりも安定したコーナリングを可能とする「ヴァイザッハ・アクスル」を採用した。
この技術は、後のメルセデス・ベンツの190シリーズのW201から採用したマルチリンク式サスペンションに大きく影響を与えている。
外装は卵型のシルエットにポップアップ式ヘッドライトを採用。このライトの開閉は特殊で、前方に目が飛び出たようになる。
ちなみに1978年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しているが、この中で唯一のスポーツカーである。

ポルシェの看板モデルという主役の座は奪え無かったが、ポルシェのブランドイメージを高める存在として君臨してきた功績は評価すべきだろう。
湾岸ミッドナイトでは外車ブローカーのマサキの売り物として登場しており、台詞でも「新車価格は1450万円、4年落ちで200万という破格のプライスに。」マサキ曰く928は「値落ち激しいからナ」、と言っている。
また、サーキットの狼では京極さくらがこの車に乗っている。
また、ルパン三世vsキャッツ・アイにて928GTSが登場している。
トランスフォーマーのディセプティコンデッドエンドが928に変形する。
そして928といえば忘れてはいけないのがタイトーの往年のアーケードレースゲーム「チェイスH.Q.」。プレイヤーカーとして黒い928が覆面パトカーとして登場する。
また、サーキットの狼では京極さくらがこの車に乗っている。

また、ルパン三世vsキャッツ・アイにて928GTSが登場している。

トランスフォーマーのディセプティコンデッドエンドが928に変形する。

そして928といえば忘れてはいけないのがタイトーの往年のアーケードレースゲーム「チェイスH.Q.」。プレイヤーカーとして黒い928が覆面パトカーとして登場する。
944

944は、928と924の中間を担うために開発された車。いわゆる次男坊である。(誕生したのは3番目だけどね)
なぜ中間を担っているのかというと、まず928は911の後継車として誕生したものだが、あまりにもサイズが大きすぎて値段も高い、ということで当時のポルシェの最高責任者が主に924以上928未満の市場を開拓するために作られた戦略CARでもあった。
944は市場に出回る前にルマンに出場しており、名前は「944LM」。
924カレラGTというモデルのボディに928のV8SOHCを半分にして直列4気筒にし、内径を拡大しDOHC+ターボにしてあるという魔改造車であり、このとき市販車ベースでありながら総合7位、GTプロトタイプクラスでは3位に登りつめた。
市販車は1983年から製造され、4シーターの2ドアクーペだった。前身モデルの924カレラGTがモチーフになっており、フロントバンパー下のエアダムやブリスターフェンダーやハッチのスポイラーに影響が見られる。
エンジンはすべてポルシェ製で水冷直列4気筒DOHCを搭載し211psを発揮。
駆動系には三菱が特許を取得していたバランスシャフト技術を三菱と契約することで使用し、三菱はポルシェのトランクアクスルの技術を授かった。
ターボモデル「944ターボ」はエンジンが2478ccのSOHCに変わり、KKK製水冷インタークーラーを装備しターボチャージャーも搭載し220psを発揮。ブレーキにはブレンボ製4ポットを装備している。
リアバンパーの下にはエアスポイラーがついている。

↑944ターボ。

また当時は911よりも売り上げが良くポルシェを支えた存在で、この中では一番成功した一台と言える。多くのスポーツカー達の目標として君臨して来た事もあり、924以上928未満の市場を生み出すという思想は当たったようだ。

訳「マツダの新しい道 スポーツカー愛好家を唸らせる」
マツダは944をスポーツカーではないとまで揶揄している。ほぼパクったも同然なんだけどね...
968

1991年に944の後継として開発された車。
北米の好景気で大ヒットした944が中古市場で値崩れがおき、それを食い止めるためにモデルチェンジが必要だと考えたポルシェが開発した944の立て直しモデル。
スタイリングも兄貴分の928のデザインを取り入れつつ、944S2のエンジンをベースに、ポルシェ特許の可変バルブタイミング機構ヴァリオカムを吸気側に組み込み、ボアφ104xストローク88 mmで2,990 ccの排気量はそのままに、240馬力/6,200 rpm、31.0 kgm/4,100 rpmを発生する直列4気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載。基本部品の83%を新規部品に置き換えたりした。
しかし、市場での反応は「944をただ焼き直しただけ」という新鮮味の無い車として評価され、価格設定が高価だったこともあり販売はあまり振るわず、4年間でクーペ、カブリオレ合わせて計12,776台を生産し、後継となるボクスターに組み立てラインを明け渡す格好で生産を終了してしまった。
こちらは944が売れ過ぎてさらに影に隠れてしまった悲しき存在だろう。
ちなみに、開発当初は直列6気筒エンジンの搭載も検討されていたが、当時のポルシェの財政状況では新規開発が難しかったため、以前ポルシェがボルボ向けに設計したエンジンや、BMW製の2.5 Lエンジンが候補に挙がり、BMW製のエンジンを搭載した試作車まで完成していた。しかし、いずれも最終的に944S2を超えるパフォーマンスを得ることは難しいと判断され、計画は凍結となった。
なんとパイプフレームを製作したりと本気を伺うものだが、ベース車と変わらぬ直4エンジンを採用した事も響いてか残念ながら成績は振るわずだった。
なぜ現在でもポルシェにしては安価なのか?

空冷より安く、ボクスターより高い中間地点にいるFRポルシェたち。
空冷と同じ時代のポルシェにしては安く感じるかもしれない。しかし現在人気が高まり、高騰している。
しかしなぜこの価格をつけれるのだろうか。
それは、「球数が多いから」であろう。
そもそもFRポルシェたちは、ポルシェの高価なイメージを払拭するためや立て直しに使われた例が多くあり、当時は高価だったかもしれないが911よりは安く、庶民の手でも仕事を頑張れば買える(とはいっても1000万)ため大ヒットし、球数が多くあるということも例に挙げられる。
特に80年代だと世界的な好景気も重なりこうしたポルシェにも手を出しやすい経済状況であったのも言える。
当時は928や944は「カッコ悪い車」「ポルシェまがい」「空冷じゃないのかよ...」「そういえば気に入っていた空冷のガラガラ音が消えたが、気に入っていただけ残念だ。」などなど酷評だったため売れず、前述でもマサキが「928は値落ちがしやすい」とかと言われていたが、現在になり「当時エモすぎ」「奇抜なデザイン」「壊れにくい」「かわいい」「世の中、正しいデザインのエモさを知らん輩が多すぎるよ」などの再評価を受けるようになり上昇傾向にある。
買うなら今のうちかもしれないが、これらの車は70〜80年代、1番新しい928の最後年型や、968などでも30年以上前の90年代の旧車であるため、半数以上が「価格応談」だったり、年式が古いのであれば維持のコストもかかるという負担もある。(それよりもボクスターや古い年式のカイエン、パナメーラを手に入れる方が難しく無いだろうと思う)
それらも腹を括って付き合う覚悟があるのであれば、ネットの中古車サイトとか検索したりして探して欲しい。
影しかなかった!幻に終わったポルシェ995

924がまだ誕生する前に作られたコンセプトカー、それが995。
この車が作られることになったきっかけは、ドイツ連邦研究技術省という所からの依頼を受けたところから始まり、目指したのは「未来型スポーツカー」。ヴァイザッハのエンジニアたちは928に使われることになった技術を使い、燃料消費量、安全性、騒音対策を主な課題とした995の開発を始めた。
この995は、アクセルペダルから足を離しても電子制御でシフトチェンジが行なわれる5段ドッペルクップルング・トランスミッションを採用し、燃費に優れた2基のエンジンが搭載予定で、一つはV8、もう一つは4気筒エンジンを搭載するつもりだった。さらに燃費を良くするためアルミボディを採用するなど乗り手に優しいドライブを提供する「予定」だった。
実はこれはすべて机上論であり、実際は作られなかった。当時のポルシェの技術がそこまで至っていなかったのか、それとも飽きたのか...真相は闇の中である。
現在は途中まで作られているフレームのみのコンセプトスタディモデルのみポルシェ ミュージアム シークレッツで展示されている。

ロードスターのライバル「だったはずの」コンセプトカー ポルシェ984

マツダ ロードスターと同時期にできたコンセプトカー。初代ボクスターができる前のモデルで、小型のロードスターモデルの車。135psを発揮し、最高時速は220km/hのスペックを誇った。
しかし一番の凄さは「目標販売価格14,000ドル」という値段をかかげており、当時価格で203万円という儲ける気がないのかというくらいの安さで、当時(1987年)の新卒初任給は200,300円だとされるため、初任給で買えるポルシェということになる。
デザインは928と944を融合させたようなフォルムをしており、インテリアはほぼ944のまま。
この車はセアトとの共同開発で進められたが、その後セアトは何らかの理由でこのプロジェクトを引き上げてしまい、当初セアトのエンジンを積むはずだったのが積めれなくなり空冷4気筒エンジンを搭載することになったのだが、なぜかここまで来て984の開発を中止。何故かはわからないが、多分利益がなかったのがやはりネックだろう。
お前ら誰だよ!バグみたいな4ドアポルシェたち

FRポルシェたちは素性がアレの上、扱いやすい車だったためか色々実験車両ができていたりする。ポルシェはメイドインアビスのボンドルドかな?
928 H50
928を細長くして4ドア化した車両。RX-8のように観音開きをするドアを持つ特殊な車。
しかし、トランクアクスルレイアウトが邪魔をして、後席スペースが狭く、構造上Bピラーを確保することができなかったためお蔵入りになった。
↑椅子を倒したら霊柩車になりそう...

928を細長くして4ドア化した車両。RX-8のように観音開きをするドアを持つ特殊な車。
しかし、トランクアクスルレイアウトが邪魔をして、後席スペースが狭く、構造上Bピラーを確保することができなかったためお蔵入りになった。

↑
989
928の流用を多く使い、それを元に新設計したのが989コンセプト。
928 H50をモダナイズしたような見た目をしており、エンジンはV型8気筒。前回の反省もしたようで、観音開きから普通のドアの開き方になっている。
しかしポルシェ首脳部はボクスターや996の開発を進めるため、この車は凍結となってしまった。
ちなみに989の血脈は後のパナメーラに受け継がれることになる。
↑リアビュー。デザインの反省はしてないらしい
C88
このルノ...ポルシェはC88といい、北京モーターショーで初公開されたコンセプトカー。
中国を意識したクオリテ...デザインになっており、ポルシェのエンブレムはつけなかった。
どうやら中国政府側から要請があったらしく、それでこの車を作ったとか。
チャイルドシートは1つしかなく、当時の中国の「一人っ子政策」を皮肉たっぷりにイメージしていて、エンブレムの代わりにつけられた丸が3つ重なったデザインはまたもや「一人っ子政策」を皮肉たっぷりにイメージしたものらしい。
名前のC88のCは「China」のCから来ており、88は中国語の「拝拝」を数字で表したものらしい。
ちなみに「拝拝」の意味は「幸せ」という意味もあるが、「バイバイ」の意味もある。「バイバイ」が正しければ「中国バイバイ」であり、結構中国に鬱憤があるのかと捉えてしまう。
ちなみにその後中国が一方的に開発を中止。その後、中国のメーカーがデザインをパクリ使用したため、C88が日の目を浴びる日は来なかった。
↑狂気のデザインをしているドイt...中国車のC88。

928の流用を多く使い、それを元に新設計したのが989コンセプト。
928 H50をモダナイズしたような見た目をしており、エンジンはV型8気筒。前回の反省もしたようで、観音開きから普通のドアの開き方になっている。
しかしポルシェ首脳部はボクスターや996の開発を進めるため、この車は凍結となってしまった。
ちなみに989の血脈は後のパナメーラに受け継がれることになる。

↑リアビュー。
C88

このルノ...ポルシェはC88といい、北京モーターショーで初公開されたコンセプトカー。
中国を意識したクオリテ...デザインになっており、ポルシェのエンブレムはつけなかった。
どうやら中国政府側から要請があったらしく、それでこの車を作ったとか。
チャイルドシートは1つしかなく、当時の中国の「一人っ子政策」を
名前のC88のCは「China」のCから来ており、88は中国語の「拝拝」を数字で表したものらしい。
ちなみに「拝拝」の意味は「幸せ」という意味もあるが、「バイバイ」の意味もある。「バイバイ」が正しければ「中国バイバイ」であり、結構中国に鬱憤があるのかと捉えてしまう。
ちなみにその後中国が一方的に開発を中止。その後、中国のメーカーがデザインをパクリ使用したため、C88が日の目を浴びる日は来なかった。

↑狂気のデザインをしているドイt...中国車のC88。
コメント
- こういうポルシェも沢山収録して欲しい。 -- (名無しさん) 2024-12-23 13:51:49