日産 ツル '92 | ||
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メーカー | 日産 | |
---|---|---|
英名 | Nissan Tsuru '92 | |
年式 | 1992 | |
エンジン | GA14DS | |
タイプ | ロードカー 5ドアセダン 走る棺桶 | |
カテゴリー | N100 | |
PP(初期値) | XXX | |
総排気量 | 1,392cc | |
最高出力 | 75ps/6,200rpm | |
最大トルク | 112N・m/4,000rpm | |
パワーウエイトレシオ | XX.XXkg/PS | |
駆動形式 | FF | |
吸気形式 | NA | |
全長 | 4,210mm | |
全幅 | 1,670mm | |
全高 | 1,375mm | |
車両重量 | 990kg | |
重量バランス | XX対XX | |
トランスミッション | 4速 | |
最高速度 | XXXKm/h (フルノーマル/フルチューン時) (知らない場合は抜かしてよい) | |
登場 | なし(※ちなみにForza Horizon 5には2010年式のツルが実装されているとか) | |
備考 | 日本製だが、安全性はゼロ。 おいおい……。 |
概要
日産が1984年からメキシコで販売していた4ドアセダンの車種。1991年に登場した3代目以降はフルモデルチェンジを受けず、長きに渡って生産されていたことが有名である。
そんな3代目ツルのベースとなったのは7代目(B13型)サニー。最も高品質を追求したサニーとは対照的に、クランプルゾーン、エアバッグ、アンチロックブレーキ、スタビリティコントロールといった安全装備を一切搭載せず、価格を安くしている。つまり、1990年代に作られた車なのに安全性は60〜70年代以前の車のレベルだった。ヤベェ。
結果的にラテン新車アセスメントプログラム(LNCAP)から「安全性星ゼロ」というとんでもない評価を受け、「史上最も危険な車」と呼ばれることもあるが、腐っても日本製ゆえの信頼性の高さと低コストによる修理のしやすさゆえに、240万台以上を売り上げる大ヒット、1990年代半ばにはフォルクスワーゲンのビートルを抑え、メキシコのタクシーとして選ばれるようになったという。ちなみにLNCAPによれば、2012年から2017年までの間、メキシコでは4100人以上がこのクルマに乗って事故で命を落としたとか…。
そんな悪評をものともせずしぶとく生き残ってきた日産ツルであったが、2016年に米国道路安全保険協会(IIHS)が公開した2015年製のツルと2016年製の日産ヴァーサ(*1)の衝突実験動画が大きな衝撃を与え、安全基準の引き上げに長年乗り気ではなかったメキシコ連邦議会の議員さえも動かしてしまう。その余波もあってか、日産も翌年2017年5月までにツルの製造を終了すると発表し、ツルは30年以上の歴史に幕を閉じた。
解説
ここではツルのベースとなったB13型サニーから解説していく、ツルの所だけ見たい人は下の方までスクロールして欲しい。
B13型サニーは1990年に登場。「トラッド・サニー」の愛称で知られる先代のB12型は、フォルクスワーゲンの中型セダンであるサンタナを日産がノックダウン生産した影響を受けて品質が向上。B13型も当時の日産が行っていた901運動に端を発した性能のレベルアップによって、「歴代で最も上質なサニー」との呼び声も高い。日本では当然「サニー」として販売されたが、米国では「セントラ」、メキシコは「ツル」の名称が用いられた。
エンジンは1.3L、1.5L、1.6L、1.8Lのガソリンエンジンと、1.7Lのディーゼルエンジンの5種類を用意。海外仕様車はこれに加えて1.4L、2.0Lガソリンや、1Lディーゼルも選択可能だった。ガソリンエンジン搭載車に関しては全車ツインカムエンジンに変更。1.6LのGA16DEに関してはサニー初の可変バルブタイミング機構搭載エンジンとなった。また、GTファン向けの走りのグレードで、サニー初の1.8Lグレードとして登場した1.8GT-S。専用外装パーツ、DOHC16バルブ・プレミアムガソリン仕様・140psのSR18DE型を搭載したモデルで、リヤブレーキもディスク化されるなど、フットワーク面での強化も図られた。

エンジンは1.3L、1.5L、1.6L、1.8Lのガソリンエンジンと、1.7Lのディーゼルエンジンの5種類を用意。海外仕様車はこれに加えて1.4L、2.0Lガソリンや、1Lディーゼルも選択可能だった。ガソリンエンジン搭載車に関しては全車ツインカムエンジンに変更。1.6LのGA16DEに関してはサニー初の可変バルブタイミング機構搭載エンジンとなった。また、GTファン向けの走りのグレードで、サニー初の1.8Lグレードとして登場した1.8GT-S。専用外装パーツ、DOHC16バルブ・プレミアムガソリン仕様・140psのSR18DE型を搭載したモデルで、リヤブレーキもディスク化されるなど、フットワーク面での強化も図られた。

上級グレードであるスーパーサルーン系は、エンジンや駆動方式を問わず、8種類用意された外装と内装を自由に組み合わせることができるスーパーセレクション方式を採用。組み合わせにより、外観はノーマルのままで内装のみ「GT-Sインテリア」という選択や、「ラグジュアリーインテリア」に「GT-Sルック」という選択も可能であった。ラグジュアリーインテリアとラグジュアリールックを同時選択した場合のみ、このクラスとしては極めて珍しい「電子制御式サスペンション」も装着可能なところはまさにバブル景気といったところ。他にも一部の塗装色に限り、メーカーオプションでスーパー・ファインコート塗装(フッ素樹脂塗装)が選択することが出来た。
1994年には次代であるB14型に切り替わり、アメリカも1995年モデルで新型となった。一方、バブル崩壊後の開発となったB14型は、内外装の各部でコストカットが顕著に現れていた事から、モデルチェンジ後もB13型はコアなファンも存在するほど根強い人気を保持し続けた。
その一方、メキシコ仕様のツルは何事も無かったかのように販売を継続。グリル周辺こそマイナーチェンジによってデザインが近代化されたが、基本的なボディーパネルはサニーそのまま。エンジンはメキシコ市場専用のGA14DS型に変更されている。最終型には1.6LモデルのGA16DENエンジンを搭載されたという記述も存在するが、定かではない。
内装。メーターが220km/hスケールになっている事以外は、基本的にサニーの最廉価グレードであるLEに準じた装備となっている。エアバックなんて存在するわけもなく、ミッションはルノー製のものに更新されているとは言え当たり前のように4MT、B13から近代化しているところと言えばカセットデッキからCDデッキに変更した事くらいか…?



それ以外にも(オプションで存在するが)触媒やABS、パワーステアリングも無いと正しくナイナイ尽くしのツルだったが、安価かつ廉価版故の故障しない頑丈さからタクシードライバーを初めとして『国民車』とされる程の絶大な支持を得た。前述の衝突安全規制で2017年をもって販売終了になったが、それでもメキシコの一部地域では現役で稼働しているツルが非常に多い。近年の法改正で『タクシー車両は初年度登録から10年までの使用しか認めない』となったため、2027年にはタクシー仕様のツルは見られなくなる。現役で走っているツルを見たい方は早めに現地に足を運んだ方がいいだろう…
登場シリーズ
グランツーリスモシリーズにはサニー含め未収録。Forza Horizon 5には2010年式のツルが実装されているが、恒常的に入手できるわけではないので困達扱いである。
コメント
- こういうの作ってるから消費者にそっぽ向かれるんだ。トヨタの良いクルマ作りを見習えよと。今さら遅いが。 -- (名無しさん) 2025-03-01 19:17:32
- 長く造り過ぎたというだけで別に車自体は悪くない。 -- (名無しさん) 2025-03-01 20:30:26
- ベースのサニーは普通なのに、グリルのデザインが見てて不安になる -- (名無しさん) 2025-03-01 21:01:36