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ターボのブースト圧って何?

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匿名ユーザー

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一昔前、馬力規制ぎりぎりで速くてカッコイイスポーツカーといえば多くはターボが載せられていた。湾岸最高速を目指す命知らずやチューニングショップを代表する、300km/h以上出せるチューンドカーであればノーマルの比じゃない程のビッグタービンを載せたりするお金も手間も底なし沼の、魔の領域に至るためのチューンであった。

ターボとは?

簡単に言えばエンジンに空気を送ってさらにパワーを足して車をダダダッシュ!させる過給装置の事。
用語集/た行にターボの項があるのでターボ自体知らない&詳しく知りたい人はまたこのページを踏み直してほしい。

ブースト圧って何?

さて、チューニングにおいてターボ装着は「増やした燃料噴射量に見合った空気を無理矢理押し込んでパワーを得る」というのが目的であるが、その押し込み度合いを表す目安がブースト圧である。
ブースト圧の表し方は色々あり、日本では「kgf/cm2(キログラム重毎平方センチメートル)」が昔から使われ今使われている世界基準は「k/Pa(キロパスカル)」である。まあケタ以外ほとんど同じなのであまり考えなくていい。ここでは単位は「kgf/cm2」数字は日本基準を用いるが省略のために「キロ」と表現する。
よく「何キロかかってる」とか言われたりするが、まず数字としては大気圧を基準に日本車は「0キロ(相対圧)」、ちょっと昔の欧州車は「1キロ(絶対圧)」が基本の圧力となっている。そこを基準に正圧、負圧と表現する。
1キロかかると大気圧の2倍、単純計算で2.5Lエンジンは何と5Lエンジン相当のパワーが得られる。(ただしこれはメーター読みでポンピングロス等々の抵抗もあるため実際に換算するとなれば4.5L前後ほどになる)

大体何キロぐらい出るの?

目安として2.5L前後のスポーツカーを想定して書く。
  • 0.5〜0.7キロ
市販車ならこの程度で十分(っていうか純正ターボだとほとんどこのくらい)。自然吸気エンジンを耐久性重視でちょっとパワーアップ(ただしこれでも排気量は1.5〜7倍相当)させる。スポーツ走行程度なら十分楽しめる速さで走れるし急にターボがかかる事も無いので運転しやすい。
  • 〜1キロ
ほとんどの車で純正タービンをイジる(チューンド用ECU+社外ブーストコントローラーポン付け、ハイフロー加工[雑に言うとタービンの羽を風量が増えるようにイジる])と出せる。おおよそ400ps序盤〜中盤で、峠のヒルクライムとか曲がりくねったテクニカルなサーキットを攻めるならこのくらいがベストだろう。ただ、ボディがパワーに負け始めるのでせめてスポット増しぐらいはやろう。結構速くなるが事故防止のためにサスペンションやブレーキの強化、ダブルプレートクラッチの装着もお忘れなく。
  • 〜1.5キロ
チューニングカーにおいては、ノーマルのタービンでは力不足なためここからはチューニング用に作られた社外タービンへ交換する必要がある。大体650ps程度まで出せ、300km/hやそれ以上までトバしたいならここまでする必要がある。サーキットを本格的にタイムアタックで攻めるならこの程度くらいだろう。クラッチは半クラ領域をほとんど捨てた、驚愕のディスク3枚重ねのトリプルプレートクラッチというものに交換しないとクラッチが滑る。オイル交換はこまめに。ホイールを社外鍛造アルミに変更したり、ブレーキは対抗ピストンキャリパーにスロットディスクローター(熱放散と制動力を少し向上するために表面に線状の溝を掘ってあるローターのこと)のモノを使ってしっかり足を強化しなければならない。
  • 〜2キロ
分けのわからない、もはやレシプロエンジンである必要性を疑うほどのヤバイ領域へ踏み込む。ここまでくると上記の他強化コンロッドや専用(orワンオフ)クランクシャフトなど主要部品をハイパワーに対応した強化品に変える必要がある。800ps以上出るがタイヤもしっかりしたモノを履かないと全然進まない・曲がらない。もうここまでやると競技用のマシン並みの改造を施さないとダメである。走る場所としては昔の谷田部のようなオーバルコースや湾岸線を飛ばすならこのくらい。
また今までは多少雑に乗れていたとしても、ここら辺の領域まで来るとエンジンがその有り余るパワー(いわゆる低回転域はもっさり、高回転域に入るといきなりパワーがくる「ドッカンターボ」と呼ばれる状態だ)によって操縦性が悪くなるし耐久性も絹ごし豆腐レベルに脆くなるので、超絶丁寧なアクセルワーク、クラッチミートでモロさを潰していく乗り方が必要になる。
ちなみに、頭文字Dで登場した秋山渉のレビンが当初搭載していたターボの過給圧はブースト計によるとこの2キロのを搭載していた。また、ワイルドスピードX2に登場するブライアンのスカイラインGT–Rも劇中のブーストメーター計の表示でこの2キロのを搭載していた。

現実の世界ではなんとダイハツのストーリアX4には純正メーター読みではあるが吊るし、つまり純正仕様のままでブースト圧2キロというバケモノ個体が極稀にいたらしい。マジかよ……。

ちなみに元Option編集長、現Youtuberのウナ丼氏が保有していた個体は「マフラー交換だけで3キロ掛かってた」のがOption誌上で明かされている、3キロて…。
車用のブースト計では計測できなかったため、工業用の圧力計を使わないと測定できなかったレベル。
2.5キロを超えるとターボの容量を超えてしまい効率が悪いというフィーリングはあったらしいが、後にメーカーとの対談企画で、ダイハツの開発陣からも同様の事を言われたのと、出荷時のブースト圧を聞いた事で2キロまで戻したとのこと。

↑「ターボパワーってヤツは直線では強力な味方だが、コーナーの立ち上がりではクルマの挙動を乱す諸刃の剣なんだ。」と高橋涼介も言うように、無闇にパワーの出るタービンに載せ替えても扱いにくい上にエンジンの耐久性を悪くさせてしまうのでまずは走るステージやクルマの性格、自分の腕に合わせて適切なターボを搭載するように心がけよう。
初代のグランツーリスモでは馬力を求めてタービンキットステージ4とか付けたりするとゼロ発進すらままならないくらいのドッカンぶりに。

  • 番外編〜2キロ以上
さて、ここからはチューニングカーでも稀なくらいのレベルでもはやレーシングマシン並みの領域に入るので番外編として紹介するが、特に異常とも言うのが上の動画の1980年代後半のV6ターボ時代のF1マシンで、排気量1.5Lのエンジンであるが、ブースト圧は5キロ以上もかけて1500馬力以上も叩き出していた。(V6ターボが出場出来た最後の年のマシンであるマクラーレン MP4/4 ’88(未作成)が参戦した頃になるとブースト圧が2.5キロくらいに制限される。)また映画「TAXI 4」のプジョー407はブースト計のメーターが3キロのを2個装備しているのが確認出来る。(ただその次の「ダイヤモンドミッション」では1.5キロに落とされた。)ここまでやるとだいぶやり過ぎのドッカンぶりである。

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