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トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '99 - (2025/09/12 (金) 13:00:01) の1つ前との変更点
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&table_color(,#cccccc)
|>|>|BGCOLOR(#cfe2f3):&bold(){トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '99}|
|>|>|&image(width=450,https://i.imgur.com/cndnjdg.jpeg)&image(width=450,https://i.imgur.com/XRRQdow.jpeg)&image(width=450,https://i.imgur.com/iLxL0Pr.jpeg)&image(width=450,https://i.imgur.com/lVImzec.jpeg)Image Credit : &link(gran-turismo.com){https://www.gran-turismo.com/jp/news/00_4025764.html}|
|~|~メーカー|[[トヨタ]]|
|~|~英名|Toyota GT-ONE Race Car (TS020) '99|
|~|~年式|1999|
|~|~エンジン|T836-9-GT-One|
|~|~タイプ|レーシングカー&br()ル・マン&br()ミッドシップ|
|~|~カテゴリー|Gr.2|
|~|~PP(初期値)|695(GT5)&br()667(GT6)&br()834.73(GT7)|
|~|~総排気量|3,600cc|
|~|~最高出力|680PS/-rpm(GT2)&br()660PS/7,500rpm(GT3、GT4P)&br()775PS/7,500rpm(GT4〜)|
|~|~最大トルク|72.0kgfm/6,000rpm(GT3、GT4P)&br()83.7kgfm/6,000rpm(GT4〜)|
|~|~パワーウエイトレシオ|1.15kg/PS|
|~|~駆動形式|MR|
|~|~吸気形式|TB|
|~|~全長|4,840mm|
|~|~全幅|2,000mm|
|~|~全高|1,125mm|
|~|~車両重量|900kg|
|~|~重量バランス|55対45(GT3)&br()50対50(GT5、GT6)&br()49対51(GT7)|
|~|~トランスミッション|6速|
|~|~ダート走行|不可能|
|~|~登場|[[グランツーリスモ2]]&br()[[グランツーリスモ3:A-Spec]]&br()[[グランツーリスモ4 プロローグ]](NPCのみ)&br()[[グランツーリスモ4]]&br()[[グランツーリスモ(PSP)]]&br()[[グランツーリスモ5]]&br()[[グランツーリスモ6]]&br()[[グランツーリスモ7]]|
|~|~備考|ル・マン制覇のために生み出された赤い怪物&br()勝利の栄光も掴めぬ悲劇だが、記憶に残る名車でもある|
|>|>|BGCOLOR(#ffff00):&bold(){[[FIA GT1系の収録車種一覧]]}|
}
*概要
1998年シーズンと1999年シーズンのル・マン24時間耐久レース投入していたGT-ONEは、トヨタとダラーラが共同で開発されたLMGTPクラスのレーシングカーで、こちらは1999年モデルである。
TS010までのマシンは日本国内で開発を行なっていたが、GT-Oneはドイツのケルンに拠点を置くトヨタのレース子会社トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)で開発された。設計は[[プジョー 905>プジョー 905 レースカー '92]]などを設計したアンドレ・デ・コルタンツが担っており、テストカー・公道車仕様を含め7台のみを生産した。
モノコックはダラーラ製作、エンジンはグループC用のR36Vを改良したR36V-Rを採用。足回りは前後ともプッシュロッド型ダブルウィッシュボーンを採用し、フォーミュラカーのような長いアームを持つ。横置きシーケンシャル6速の自社製トランスミッションを使用し、独メガライン社製空気圧作動式パドルシフトシステムを採用した。
プロトタイプカーのような見た目だが、[[元々>トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '98]]はGT1クラスのカテゴリーのルールの元で作られたため建前上はGTカーであったややこしい存在。そのため、賛否両論の声が飛び交って物議を醸したほどである。
特にレギュレーションで「ロードカーにはトランクルームは必要だが、トランクルームに燃料タンクを置く事は許される」を超拡大解釈し、ロードカーでは燃料タンクを一部省略し、そこを「トランクルームです。容量的にはレギュレーションに準じています。レースカーではここに燃料タンクを置きます。」というトンチみたいな手法により、トランクスペースを完全に潰してしまった。
EU法規に合致させた[[ロードバージョン>トヨタ GT-ONE ロードカー (TS020) '98]]も1台製作されたが、その外見はレースカーとほぼ同一で、前輪のトレッドや車高、そしてナンバープレートの有無程度しか差異が無かった。当然、量産は前提にしておらず、この車両が実際に市販されることはなかった。
そして、1999年はGT1規定が無くなったためLM GTP規定のプロトタイプカーとして参戦。プロトタイプカーみたいなGTカーだったが、後にプロトタイプカーとして参戦するというだいぶややこしい経歴となっている。
グランツーリスモシリーズでは長らくGT4((正確にはGT4プロローグの欧州版))のモデリングがGT6まで流用され続けていたほか、北米で発生していたESSOのブランディング問題により、北米版GT4からは"ESSO Ultron"のロゴが"Exxon Superflo"に差し替えられていた((これは本車に限らずESSOロゴが貼られていた全車に共通して取られていた措置であり、Forzaシリーズなどの他レースゲームでも同様))。そしてGT7で復活した際には最新の高精度なモデリングを得ただけでなく、ESSOロゴの復活、さらにはGT2以来となるマールボロ・シェブロン((フロントカウルとルーフ上のエアスクープにある白い三角形))の完全再現も果たされた。
レースでの活躍
#region
&youtube(https://youtu.be/MNX5JnKefUI?si=jGqvzV2X2nZvNfpB)1999年のル・マンではLM GTP規定のプロトタイプカーとして、前年と同じ3台体制で参戦。前年と同じく際立った速さと2年目での信頼性向上への改良で優勝も間違いなしと前評判で言われたが、本命だった1号車とそのサポート役だった2号車がリタイアしてしまった。そこで片山右京・鈴木利男・土屋圭市の乗る3号車がペースアップし、優勝を狙っていたのだが、1位の[[BMW>BMW V12 LMR レースカー '99]]を射程に捉えたところで左後輪のタイヤがバースト。"カミカゼ・ウキョウ"と称された片山氏の手腕によって奇跡的に体勢を立て直した後でピットまで戻りポジションを失わずコース上に復帰、総合結果は2位となった。総合優勝こそ逃してしまったのだが、LM GTPクラスでは優勝を果たした。さらに日本人ドライバーのみが乗った日本車としては最高位という快挙を達成している。
&youtube(https://youtu.be/2WlHYmZY6-c?si=P5cwV1HS4qfvgGaj)その後は富士ル・マン1000kmにも出場するも、[[日産 R391>【その他のクルマ】日産 R391 '99]]に破れ2位となり表舞台から姿を消した。
以降はF1にエントリーを表明したトヨタの技術試験のテスト車として、エンジンやブレーキ、その他補機類等の比較検討に供されしばらくの間テスト走行を行っていた。また個人に売却された車両も存在し、イベント等で姿を見せることがある。2023年に行われた「ル・マンクラシック」には個人所有されているGT-Oneが、2000年代前後のル・マン参加車両を集めたクラスに参加している。
&image(https://cdn-image.as-web.jp/2025/05/12160759/01-8.jpg)トヨタはその後、2012年に[[TS030>トヨタ TS030 Hybrid '12]]で13年振りに耐久レースに復帰。2025年のル・マン24時間レースには[[GR010>https://w.atwiki.jp/grasoturismo/pages/657.html]]に98年仕様のTS020の霜降りカラーを再現したリバリーを施し参戦を発表した。今なお多くのレースファンの記憶に残る名車、日本のル・マン挑戦の歴史を彩る一台として語り継がれている。
#endregion
*解説
1990年代前半、トヨタはグループCマシンのTS010によってル・マン24時間レース制覇に挑んだ。惜しくも叶わなかったその挑戦を引き継いだのが、1998年に登場したトヨタ GT-One(TS020)である。グループC時代のトヨタは、日本国内を中心にした体制でマシンを開発。しかし今度はその体制を一新し、世界ラリー選手権活動を担当してきたドイツのTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)にプロジェクト全体を託し、再びル・マン24時間レース総合優勝に挑んだのである。
新しいル・マンカー、GT-Oneを開発したのは、F1、ル・マン、WRCなど世界最高峰のモータースポーツで輝かしい実績を持つレーシングカーデザイン界の鬼才アンドレ・デ・コルタンツ。[[プジョー]]初のグループCカーである905を設計し、1992年と1993年のル・マンを制した経歴を持つデ・コルタンツは、最新のF1技術を盛り込んだ新時代のル・マンカーとしてGT-Oneをデザインした。
空力性能を考慮して絞り込まれたカーボンコンポジット構造のモノコックに、グループCカー時代に開発された排気量3.6LのV型8気筒ツインターボエンジンが搭載された。サスペンションは前後ともに非常にアーム長が長くなっており、理想的なサスペンションジオメトリーが確保されていた。
GT-Oneのル・マン参戦初年度となった1998年、総合優勝をかけLM GT1クラスに挑むトヨタは3台のGT-Oneを送り込みレースをリードしたが、トラブルや不運なアクシデントに見舞われ、結果を残せなかった。
2年目の1999年、GT-Oneはル・マンの規定変更に合わせLM GTP車両へと発展。満を持して3台が出走した。このうち優勝候補とそのサポート役に位置付けられた2台は相次ぐトラブルにより戦線離脱を余儀なくされる。
しかし3台目に乗った片山右京・鈴木利男・[[土屋圭市]]組が終盤猛烈な追い上げを展開して、総合2位に入賞した。日本車に乗る日本人選手組として、史上最高位を記録するという快挙を達成したのである。
*登場シリーズ
**グランツーリスモ2
スーパーライセンスオールゴールドで獲得。
獲得のランダム性が強い[[98年式>トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '98]]と比べクリアすれば確実に手に入るが、高い技量が求められる。
GT7で復活するまでは1番再現度の高い仕様だったが、ル・マン+富士1000km仕様のキメラだった。
敵車として参戦しているのもこの99年式であり、ライバルの中でも特に速い存在である。
**グランツーリスモ3:A-Spec
下記のレースイベントよりプレゼントカーとして入手
-プロフェッショナルリーグ:グランツーリスモ・オールスターズ
-プロフェッショナルリーグ:ポリフォニーデジタルカップ
設定ミスなのか重量配分が55:45とフロントヘビーに弱体化されてしまっている。更にフロントタイヤも255mm幅と実車より狭くされているため摩耗が速い。
グランツーリスモ・オールスターズといったプロフェッショナルリーグや、耐久レースでも度々相手することとなり、フォーミュラーカーを除けば特に手ごわい相手となる。
ダウンフォース・サスペンションを極端な数値になるようセッティングを施した状態でストレートを走行すると……?
**グランツーリスモ4 プロローグ
敵車として登場するのみで、正規手段で操作は不可。
欧州版でモデリングが一新されており、テクスチャもル・マン3号車のものに改められている。
諸性能はグランツーリスモ3と全く同じ660PS、900kgである。
**グランツーリスモ4
ディーラーでCr.450,000,000で購入。
高額だが今作から普通に購入できるようになった。また中古車ディーラーでも100週毎に黒塗りの個体が[[4台>日産 R390 GT1 レースカー '98]][[同>マツダ 787B '91]][[時>日産 R92CP '92]]に入荷する他、アーケードモードでも稀にこのカラーリングで出走している。中古でも3億弱と極めて高額なため、欲しい方はしっかり金策しよう。
なお中古車の宿命として、''最初からエンジンが劣化しきっているためオイル交換しても馬力は新車入手時には戻らず、数百kmの走行で馬力が新車時から5%減少する''ため注意。
GT3と比較して馬力約が1.174倍に増加している。
**グランツーリスモ(PSP)
**グランツーリスモ5
中古車として購入。価格はCr.170,000,000×(100-(走行Km÷2000)÷100)(Cr.100未満は四捨五入、走行距離は100,000Km以降はカウントしない。例:280,000kmの場合は80,000kmとして扱う)
**グランツーリスモ6
Cr.170,000,000で購入。
本作から、車名が「トヨタ GT-One (TS020) '99」に変更された。
**グランツーリスモ7
レジェンドカーディーラーでCr.250,000,000で購入。
2024年の3月のアップデートの追加車種として待望の復活を果たした。帰還おめでとう、GT-One。
&image(width=550,https://pbs.twimg.com/media/GJvhZVFbsAApAzp?format=jpg&name=large)実装前に意見が分かれていたカテゴリーの分類は&bold(){Gr.2}という扱いに。元々は同じFIA GT1車両であった[[メルセデス CLK-LM>メルセデス・ベンツ CLK-LM '98]]や[[マクラーレン F1 ロングテール>BMW マクラーレン F1 GTR レースカー '97]]に合わせたものだが、LM GTP規定となった1999年仕様なのでBoP無しでの性能は大きく上回っている。BoPが有っても直線での速さは圧倒的で、グランツーリスモ ワールドシリーズ 2024 オンライン予選 - ネイションズカップのラウンド1で行われた[[ル・マン 24時間 レーシングサーキット>サルト・サーキット]]でのGr.2レースではほぼ本車両のワンメイクレースとなっていた。
なお、GT7での再モデリングに伴いGT3〜GT6までのカラーリングから若干変更されており、マールボロ・シェブロンもちゃんと尖っている。(GT3〜GT6では先端が平らに削られていた)
そして、GT4以来(北米では史上初)の&bold(){エッソロゴの復活}を果たす。なんだかんだ1番完成度が高いと評判だったGT2のキメラ仕様(ル・マン+富士1000km仕様)とは違い、&bold(){1999年ル・マン仕様}で実装された。
現在展示されているTS020では外されているフロントブレーキダクトのカバーも、ル・マンを走った当時のまま装着されている。こちらはGTオートで取り外すことも可能になっている。
*ギャラリー
&image(width=450,https://i.imgur.com/bfIbz73.jpeg)&image(width=450,https://i.imgur.com/vYI4thv.jpeg)Image Credit : &link(gran-turismo.com){https://www.gran-turismo.com/jp/news/00_4025764.html}
*コメント
#comment_num2(log=トヨタ GT-ONE レースカー(TS020)'99/コメントログ)
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|~|~メーカー|[[トヨタ]]|
|~|~英名|Toyota GT-ONE Race Car (TS020) '99|
|~|~年式|1999|
|~|~エンジン|T836-9-GT-One|
|~|~タイプ|レーシングカー&br()ル・マン&br()ミッドシップ|
|~|~カテゴリー|Gr.2|
|~|~PP(初期値)|695(GT5)&br()667(GT6)&br()834.73(GT7)|
|~|~総排気量|3,600cc|
|~|~最高出力|680PS/-rpm(GT2)&br()660PS/7,500rpm(GT3、GT4P)&br()775PS/7,500rpm(GT4〜)|
|~|~最大トルク|72.0kgfm/6,000rpm(GT3、GT4P)&br()83.7kgfm/6,000rpm(GT4〜)|
|~|~パワーウエイトレシオ|1.15kg/PS|
|~|~駆動形式|MR|
|~|~吸気形式|TB|
|~|~全長|4,840mm|
|~|~全幅|2,000mm|
|~|~全高|1,125mm|
|~|~車両重量|900kg|
|~|~重量バランス|55対45(GT3)&br()50対50(GT5、GT6)&br()49対51(GT7)|
|~|~トランスミッション|6速|
|~|~ダート走行|不可能|
|~|~登場|[[グランツーリスモ2]]&br()[[グランツーリスモ3:A-Spec]]&br()[[グランツーリスモ4 プロローグ]](NPCのみ)&br()[[グランツーリスモ4]]&br()[[グランツーリスモ(PSP)]]&br()[[グランツーリスモ5]]&br()[[グランツーリスモ6]]&br()[[グランツーリスモ7]]|
|~|~備考|ル・マン制覇のために生み出された赤い怪物&br()勝利の栄光も掴めぬ悲劇だが、記憶に残る名車でもある|
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}
*概要
1998年シーズンと1999年シーズンのル・マン24時間耐久レース投入していたGT-ONEは、トヨタとダラーラが共同で開発されたLMGTPクラスのレーシングカーで、こちらは1999年モデルである。
TS010までのマシンは日本国内で開発を行なっていたが、GT-Oneはドイツのケルンに拠点を置くトヨタのレース子会社トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)で開発された。設計は[[プジョー 905>プジョー 905 レースカー '92]]などを設計したアンドレ・デ・コルタンツが担っており、テストカー・公道車仕様を含め7台のみを生産した。
モノコックはダラーラ製作、エンジンはグループC用のR36Vを改良したR36V-Rを採用。足回りは前後ともプッシュロッド型ダブルウィッシュボーンを採用し、フォーミュラカーのような長いアームを持つ。横置きシーケンシャル6速の自社製トランスミッションを使用し、独メガライン社製空気圧作動式パドルシフトシステムを採用した。
プロトタイプカーのような見た目だが、[[元々>トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '98]]はGT1クラスのカテゴリーのルールの元で作られたため建前上はGTカーであったややこしい存在。そのため、賛否両論の声が飛び交って物議を醸したほどである。
特にレギュレーションで「ロードカーにはトランクルームは必要だが、トランクルームに燃料タンクを置く事は許される」を超拡大解釈し、ロードカーでは燃料タンクを一部省略し、そこを「トランクルームです。容量的にはレギュレーションに準じています。レースカーではここに燃料タンクを置きます。」というトンチみたいな手法により、トランクスペースを完全に潰してしまった。
EU法規に合致させた[[ロードバージョン>トヨタ GT-ONE ロードカー (TS020) '98]]も1台製作されたが、その外見はレースカーとほぼ同一で、前輪のトレッドや車高、そしてナンバープレートの有無程度しか差異が無かった。当然、量産は前提にしておらず、この車両が実際に市販されることはなかった。
そして、1999年はGT1規定が無くなったためLM GTP規定のプロトタイプカーとして参戦。プロトタイプカーみたいなGTカーだったが、後にプロトタイプカーとして参戦するというだいぶややこしい経歴となっている。
グランツーリスモシリーズでは長らくGT4((正確にはGT4プロローグの欧州版))のモデリングがGT6まで流用され続けていたほか、北米で発生していたESSOのブランディング問題により、北米版GT4からは"ESSO Ultron"のロゴが"Exxon Superflo"に差し替えられていた((これは本車に限らずESSOロゴが貼られていた全車に共通して取られていた措置であり、Forzaシリーズなどの他レースゲームでも同様))。そしてGT7で復活した際には最新の高精度なモデリングを得ただけでなく、ESSOロゴの復活、さらにはGT2以来となるマールボロ・シェブロン((フロントカウルとルーフ上のエアスクープにある白い三角形))の完全再現も果たされた。
レースでの活躍
#region
&youtube(https://youtu.be/MNX5JnKefUI?si=jGqvzV2X2nZvNfpB)1999年のル・マンではLM GTP規定のプロトタイプカーとして、前年と同じ3台体制で参戦。前年と同じく際立った速さと2年目での信頼性向上への改良で優勝も間違いなしと前評判で言われたが、本命だった1号車とそのサポート役だった2号車がリタイアしてしまった。そこで片山右京・鈴木利男・土屋圭市の乗る3号車がペースアップし、優勝を狙っていたのだが、1位の[[BMW>BMW V12 LMR レースカー '99]]を射程に捉えたところで左後輪のタイヤがバースト。"カミカゼ・ウキョウ"と称された片山氏の手腕によって奇跡的に体勢を立て直した後でピットまで戻りポジションを失わずコース上に復帰、総合結果は2位となった。総合優勝こそ逃してしまったのだが、LM GTPクラスでは優勝を果たした。さらに日本人ドライバーのみが乗った日本車としては最高位という快挙を達成している。
&youtube(https://youtu.be/2WlHYmZY6-c?si=P5cwV1HS4qfvgGaj)その後は富士ル・マン1000kmにも出場するも、[[日産 R391>【その他のクルマ】日産 R391 '99]]に破れ2位となり表舞台から姿を消した。
以降はF1にエントリーを表明したトヨタの技術試験のテスト車として、エンジンやブレーキ、その他補機類等の比較検討に供されしばらくの間テスト走行を行っていた。また個人に売却された車両も存在し、イベント等で姿を見せることがある。2023年に行われた「ル・マンクラシック」には個人所有されているGT-Oneが、2000年代前後のル・マン参加車両を集めたクラスに参加している。
&image(https://cdn-image.as-web.jp/2025/05/12160759/01-8.jpg)トヨタはその後、2012年に[[TS030>トヨタ TS030 Hybrid '12]]で13年振りに耐久レースに復帰。2025年のル・マン24時間レースには[[GR010>https://w.atwiki.jp/grasoturismo/pages/657.html]]に98年仕様のTS020の霜降りカラーを再現したリバリーを施し参戦を発表した。今なお多くのレースファンの記憶に残る名車、日本のル・マン挑戦の歴史を彩る一台として語り継がれている。
#endregion
*解説
1990年代前半、トヨタはグループCマシンのTS010によってル・マン24時間レース制覇に挑んだ。惜しくも叶わなかったその挑戦を引き継いだのが、1998年に登場したトヨタ GT-One(TS020)である。グループC時代のトヨタは、日本国内を中心にした体制でマシンを開発。しかし今度はその体制を一新し、世界ラリー選手権活動を担当してきたドイツのTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)にプロジェクト全体を託し、再びル・マン24時間レース総合優勝に挑んだのである。
新しいル・マンカー、GT-Oneを開発したのは、F1、ル・マン、WRCなど世界最高峰のモータースポーツで輝かしい実績を持つレーシングカーデザイン界の鬼才アンドレ・デ・コルタンツ。[[プジョー]]初のグループCカーである905を設計し、1992年と1993年のル・マンを制した経歴を持つデ・コルタンツは、最新のF1技術を盛り込んだ新時代のル・マンカーとしてGT-Oneをデザインした。
空力性能を考慮して絞り込まれたカーボンコンポジット構造のモノコックに、グループCカー時代に開発された排気量3.6LのV型8気筒ツインターボエンジンが搭載された。サスペンションは前後ともに非常にアーム長が長くなっており、理想的なサスペンションジオメトリーが確保されていた。
GT-Oneのル・マン参戦初年度となった1998年、総合優勝をかけLM GT1クラスに挑むトヨタは3台のGT-Oneを送り込みレースをリードしたが、トラブルや不運なアクシデントに見舞われ、結果を残せなかった。
2年目の1999年、GT-Oneはル・マンの規定変更に合わせLM GTP車両へと発展。満を持して3台が出走した。このうち優勝候補とそのサポート役に位置付けられた2台は相次ぐトラブルにより戦線離脱を余儀なくされる。
しかし3台目に乗った片山右京・鈴木利男・[[土屋圭市]]組が終盤猛烈な追い上げを展開して、総合2位に入賞した。日本車に乗る日本人選手組として、史上最高位を記録するという快挙を達成したのである。
*登場シリーズ
**グランツーリスモ2
スーパーライセンスオールゴールドで獲得。
獲得のランダム性が強い[[98年式>トヨタ GT-ONE レースカー (TS020) '98]]と比べクリアすれば確実に手に入るが、高い技量が求められる。
GT7で復活するまでは1番再現度の高い仕様だったが、ル・マン+富士1000km仕様のキメラだった。
敵車として参戦しているのもこの99年式であり、ライバルの中でも特に速い存在である。
**グランツーリスモ3:A-Spec
下記のレースイベントよりプレゼントカーとして入手
-プロフェッショナルリーグ:グランツーリスモ・オールスターズ
-プロフェッショナルリーグ:ポリフォニーデジタルカップ
設定ミスなのか重量配分が55:45とフロントヘビーになってしまっているためトラクションが弱い。更にフロントタイヤ幅も255mmと実車より狭くされており、フロントヘビーな重量配分と合わさってフロントタイヤの摩耗が速いという弱点を抱えている。
グランツーリスモ・オールスターズ等のトップクラスのイベントに度々現れては強敵としてプレイヤーに立ちはだかる……も前述の通りタイヤ摩耗に苦しめられることも多い。
ダウンフォース・サスペンションを極端なリア下がりにセッティングした状態でストレートを走行すると……?
**グランツーリスモ4 プロローグ
敵車として登場するのみで、正規手段で操作は不可。
欧州版でモデリングが一新されており、テクスチャもル・マン3号車のものに改められている。
諸性能はグランツーリスモ3と全く同じ660PS、900kgである。
**グランツーリスモ4
ディーラーでCr.450,000,000で購入。
高額だが今作から普通に購入できるようになった。また中古車ディーラーでも100週毎に黒塗りの個体が[[4台>日産 R390 GT1 レースカー '98]][[同>マツダ 787B '91]][[時>日産 R92CP '92]]に入荷する他、アーケードモードでも稀にこのカラーリングで出走している。中古でも3億弱と極めて高額なため、欲しい方はしっかり金策しよう。
なお中古車の宿命として、''最初からエンジンが劣化しきっているためオイル交換しても馬力は新車入手時には戻らず、数百kmの走行で馬力が新車時から5%減少する''ため注意。
GT3と比較して馬力約が1.174倍に増加している。
**グランツーリスモ(PSP)
**グランツーリスモ5
中古車として購入。価格はCr.170,000,000×(100-(走行Km÷2000)÷100)(Cr.100未満は四捨五入、走行距離は100,000Km以降はカウントしない。例:280,000kmの場合は80,000kmとして扱う)
**グランツーリスモ6
Cr.170,000,000で購入。
本作から、車名が「トヨタ GT-One (TS020) '99」に変更された。
**グランツーリスモ7
レジェンドカーディーラーでCr.250,000,000で購入。
2024年の3月のアップデートの追加車種として待望の復活を果たした。帰還おめでとう、GT-One。
&image(width=550,https://pbs.twimg.com/media/GJvhZVFbsAApAzp?format=jpg&name=large)実装前に意見が分かれていたカテゴリーの分類は&bold(){Gr.2}という扱いに。元々は同じFIA GT1車両であった[[メルセデス CLK-LM>メルセデス・ベンツ CLK-LM '98]]や[[マクラーレン F1 ロングテール>BMW マクラーレン F1 GTR レースカー '97]]に合わせたものだが、LM GTP規定となった1999年仕様なのでBoP無しでの性能は大きく上回っている。BoPが有っても直線での速さは圧倒的で、グランツーリスモ ワールドシリーズ 2024 オンライン予選 - ネイションズカップのラウンド1で行われた[[ル・マン 24時間 レーシングサーキット>サルト・サーキット]]でのGr.2レースではほぼ本車両のワンメイクレースとなっていた。
なお、GT7での再モデリングに伴いGT3〜GT6までのカラーリングから若干変更されており、マールボロ・シェブロンもちゃんと尖っている。(GT3〜GT6では先端が平らに削られていた)
そして、GT4以来(北米では史上初)の&bold(){エッソロゴの復活}を果たす。なんだかんだ1番完成度が高いと評判だったGT2のキメラ仕様(ル・マン+富士1000km仕様)とは違い、&bold(){1999年ル・マン仕様}で実装された。
現在展示されているTS020では外されているフロントブレーキダクトのカバーも、ル・マンを走った当時のまま装着されている。こちらはGTオートで取り外すことも可能になっている。
*ギャラリー
&image(width=450,https://i.imgur.com/bfIbz73.jpeg)&image(width=450,https://i.imgur.com/vYI4thv.jpeg)Image Credit : &link(gran-turismo.com){https://www.gran-turismo.com/jp/news/00_4025764.html}
*コメント
#comment_num2(log=トヨタ GT-ONE レースカー(TS020)'99/コメントログ)
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