| トヨタ GT-ONE ロードカー (TS020) '98 | ||
| メーカー | トヨタ | |
|---|---|---|
| 英名 | Toyota GT-ONE Road Car (TS020) '98 | |
| 年式 | 1998 | |
| エンジン | R36V-R | |
| タイプ | --- | |
| PP(初期値) | --- | |
| 総排気量 | 3,600cc | |
| 最高出力 | 608PS/7,500rpm | |
| 最大トルク | 66.3kgfm/6,000rpm | |
| パワーウエイトレシオ | XX.XXkg/PS | |
| 駆動形式 | MR | |
| 吸気形式 | TB | |
| 全長 | 4,840mm | |
| 全幅 | 2,000mm | |
| 全高 | 1,125mm | |
| 車両重量 | 900kg | |
| 重量バランス | 55対45(GT3) | |
| トランスミッション | 6速 | |
| 登場 | グランツーリスモ2 グランツーリスモ3:A-spec | |
| 備考 | まさに公道を走れるレースカー?怪物マシンの公道仕様 | |
| FIA GT1系の収録車種一覧 | ||
概要
1998年のル・マン24時間レースに出場するために1台だけ製作されたGT-ONE ロードカー (TS020)は、トヨタのロードゴーイングバージョンモデル。と言っても、性能が少し下げられているなどとかを除けば、ほぼレースカーのまんま。まさに「公道を走れるレースカー」と言えるが、日本の道路交通法上で、この車が公道を走行出来るかどうか怪しいが……。
マシンの詳しい解説は 1998年式レースカー を参照。
マシンの詳しい解説は 1998年式レースカー を参照。
解説
トヨタGT-ONEロードカー(TS020)’98は、1990年代末のル・マン24時間レースのGT1規定が生んだ特異な存在だった。もともとGT1クラスは「市販車をベースとしたレーシングカー」という建前があったが、ACO(ル・マン主催団体)が1998年に規定を緩和し、「最低1台の公道走行可能なロードカーが存在すれば参戦可能」としたため、各メーカーは実質的にプロトタイプレーサーを作り、その“証明用”として最低限のロードカーを仕立てるようになった。トヨタもこの制度を利用し、GT-ONE(TS020)をベースにロードカーを製作した。
開発を担当したのはドイツ・ケルンのToyota Motorsport GmbH(旧TTE)であり、総指揮はプジョー905を手掛けたアンドレ・ド・コルタンツ。カーボンモノコックはイタリアのダラーラが製作し、サスペンションは前後プッシュロッド式ダブルウィッシュボーン、6速シーケンシャルギアボックスはエンジンをストレスメンバーとして組み込み、当時のトッププロトタイプに準じた構造を備えていた。空力設計はイタリアの風洞を用いて徹底的に最適化され、開口部を最小限に抑えたスムーズなラインが特徴となった。
エンジンはR36V型3.6LツインターボV8。これはグループC時代からのユニットを進化させたもので、TTEのノルベルト・クライヤー率いるエンジン部門が軽量化、低重心化、燃費改善、パワーバンド最適化を施し、ル・マンのリストリクター規制下でも600〜650馬力を発揮できる仕様に仕上げた。ただしロードカーでは排ガス規制や騒音基準を満たすためデチューンされ、約550馬力に抑えられた。
ロードカー化に際して施された改修は最小限だった。トランスミッションはレーシング仕様が直歯のストレートカットだったのに対し、ロードカーでは静粛性を高めるためにヘリカルギアへと換装。サイレンサーが追加され、吸気系とカムをマイルド仕様に変更、ECUも公道用にリマッピングされアンチラグが撤去された。さらに各バンクごとに触媒コンバータを搭載し、開口部にはメッシュを張り、最低地上高を上げることで車検要件をクリアした。重量はレース仕様の約900kgに対しロードカーは約1,100kg。内装にはロータス・エリーゼのシートを流用してレザー張りのバケットシート2脚を設置し、通常の3本スポークステアリング、カーペット、トリム、換気システムが追加され、騒音対策材も組み込まれた。
また、GT1規定には“荷物収納スペース”の要件があり、TTEは燃料タンクの一部を再区画してラゲッジスペース扱いとすることで規定を満たした。俗に「空の燃料タンクをトランクと言い張った」と語られるが、実際には収納機能を持たせるよう再設計された区画が存在することが実車取材で確認されている。
ロードカーは実際にドイツで「K-LM 1998」というナンバーを取得し、ケルンのTTE本社に保管されている。Autocarの取材でも唯一のロードカーが稼働状態で維持されていることが確認されており、ACO公式記録と合わせてもロードカーは「1台のみ」というのが正しい。インターネット上では「2台製作された」との説も流布しているが、公式資料や一次取材は一貫して1台と伝えている。
レーシング仕様との違いを整理すると、ロードカーはリアウイング角度を下げ車高を上げたセッティングで、エンジンは出力を抑え排ガス対応と静粛性強化がなされ、重量は約200kg増加。駆動系は同じ6速シーケンシャルだがギアはヘリカル化され、ブレーキはカーボンディスクのまま。モノコックはフルカーボン/アルミハニカムコアで、製作はダラーラ、設計と車体組み立てはTMGが担当した。
GT-ONEはレーシング仕様でユノディエールにおいて340km/h超を記録し、1999年には予選ポールポジション(3’29.930)と決勝ファステストラップ(3’35.032)を獲得している。その速さは当時最速級でありながら、勝利にはあと一歩届かなかった。ロードカー仕様は性能を抑えていたとはいえ、公道で合法的に走れるマシンとしては規格外の存在であり、形式的なロードカー要件を満たすためだけに生まれた“最強の公道仕様”だった。
つまりトヨタGT-ONEロードカーは、アンドレ・ド・コルタンツ率いるケルンTTEとダラーラの共同開発、R36V V8ツインターボ、ヘリカルギア化された6速シーケンシャル、独ナンバー「K-LM 1998」、そして燃料タンク区画を利用したラゲッジスペースといったディテールすべてが絡み合い、ル・マン制覇のための武器を形式上公道車と認めさせるために作られた、世界でも稀有な一台となった。
登場シリーズ
グランツーリスモ2
Cr.100,000,000で購入。ノーマルカーなのでタービンキットのチューニングが可能だが、4WDが強い本作では影が薄め。
グランツーリスモ3:A-spec
以下のイベントでランダム入手。
- アマチュアリーグ:グランツーリスモ・ワールド・チャンピオンシップ(総合優勝)
- 耐久レース:東京・ルート246
比較的序盤で入手できるクルマとしては規格外に近い性能を誇り、エンジンスペック以外はレースカーと全く同じなので名だたるレースカーとも互角に渡り合える。
更にノーマルカーなので難易度の高い 無改造ノーマルカー限定 レースにも参戦可能など、レースカーよりも活躍できる幅が広い。
更にノーマルカーなので難易度の高い 無改造ノーマルカー限定 レースにも参戦可能など、レースカーよりも活躍できる幅が広い。
何故か前後重量バランスが55:45となっている。設定ミスだろうか。
コメント
- ある意味ハイパーカーを先取りしてたかもしれない -- (名無しさん) 2023-09-13 14:15:03
- ロードカー全部いいよな -- (名無しさん) 2024-03-28 18:18:49
