特徴
放送開始から10年以上経過。
バブル景気が始まったかと思えば、マンネリから来る打ち切りにも悩まされる事態となった。
しかし、『ジェットマン』と『ジュウレンジャー』によって持ち直したどころか、ついに海外進出を果たす。
また、車・動物・忍者といった戦隊ごとのモチーフが表面に濃く出てきたのもこの辺りから。
第11作目。1987年~1988年放送。各メンバーの名前は「(色)+マスク」。モチーフは気功。
「地底帝国チューブ」
の地上進攻が察知され、レーシングチームのオーナーでもある私、姿三十郎によって人が誰しも秘めているオーラパワーの素質を見出された
「マスクマン」
が結成される。
だが、そのリーダーであるタケルはチューブのイアル姫とは相思相愛の仲だったんだ。
戦いの中でイアル姫の双子の兄・イガム王子は「妹を誑かした不届き者」としてタケルに憎しみの刃を向けていく……。
しばらく「宇宙規模の物語」や「西洋イメージ」が続いたからなのかはわからんが、本作は「人間の内面の物語」「東洋イメージ」がベースだ。
なんといっても5機合体ロボの歴史は今作の
グレートファイブから始まっているぞ。
「戦隊版ロミオとジュリエット」
と評されるラブストーリー的展開も注目を集めた。この展開は後の『ジェットマン』の萌芽にもなっているな。
他にも、1話限定のプロトタイプマスクマンこと「X1マスク」という6人目の戦士が登場する。
また、前半はショットボンバー、後半はジェットカノンという具合に必殺武器も交代するパターンも見所だ。
第12作目。1988年~1989年放送。昭和最後のスーパー戦隊。各メンバーの名前は「(色)+(動物)」。モチーフはもちろん動物。
科学アカデミアから謎の通信を受けた
月形剣史・
仙田ルイ・
尾村豪。謎の宇宙船に乗り去ろうとする彼らを止めようとして、宇宙空間活動用スーツの研究メンバーの2人が死亡してしまったコロン。
その2年後、剣史たちは
大教授ビアス率いる
「武装頭脳軍ボルト」
の尖兵としてスペースアカデミア号ごと科学アカデミアを壊滅させるコロン。
その襲撃から生き延びた
天宮勇介・
大原丈・
岬めぐみは2人の仇を討つためにスーツを強化させ、
「ライブマン」
を結成し友の凶行に立ち向かうの。
巨大ロボ1号2号が行うスーパー合体と、正式な追加戦士の登場が最大の特徴ね。色の面でも青の女戦士に黒と緑の戦士が初めて共演したコロン。
キャスティングも新人だけではなく、実績のある俳優が登場しているわ。
でも、そのせいで予算が圧迫されてしまい、当時毎年作られていた劇場版が作られない事態にも見舞われちゃったコロン…。
第13作目。1989年~1990年放送。平成最初のスーパー戦隊。各メンバーの名前は「(色)+ターボ」。モチーフは車と妖精。
2万年前に起きた
「暴魔百族」
と人間&妖精の戦い。聖獣ラキアによって戦いは終わりましたが、現代の自然破壊を前に力が弱まり暴魔は復活してしまいました。
妖精族最後の生き残りである私、シーロンは太宰博士の協力を得て、東京都立武蔵野学園高校3年A組の5人にターボブレスを与えたのです。
炎力たち5人は、幼い頃妖精を見たために
「ターボレンジャー」
になって暴魔に立ち向かうのよ。
本編開始前に前作でお流れになった「戦隊シリーズ」大集合イベント''「
10大戦隊集合」''を1話で行った記念すべき戦隊です。
『ゴレンジャー』&『ジャッカー』を除く歴代スーパー戦隊の皆さんがターボレンジャーの応援に駆け付けたわ。一方で『ゴレンジャー』以来の「○○レンジャー」でもあるの。
構成メンバーは5人とも高校生でフレッシュさがあり、中盤以降は彼らの同級生にあたる第3勢力も登場するのよ。
ただ、避けきれないマンネリや放送時間の変更を受けた結果、視聴率は伸び悩み気味だったようです。
しかし、ミニ四駆ブーム真っ只中だったのか、「DX超合金 高速合体
ターボロボ」をはじめとしたDX玩具の売れ行きはよかったそうです。
第14作目。1990年~1991年放送。各メンバーの名前は「ファイブ+(色)」。
宇宙航行が可能になった時代、星川博士とその一家は惑星シドンに緑をよみがえらせようとしていたんだ。
でも、銀河の支配をたくらむ
「銀帝軍ゾーン」
の攻撃を受け、星川夫妻は生死不明になっちゃったけど、僕ことアーサーG6と5人の兄妹は宇宙船
マグマベースに乗ってなんとか地球に帰還できたんだ。
それから20年後、5人はニュータウン小学校の教師に成長したんだ。
そして、地球を侵略しに来たゾーンに5兄弟戦士
「ファイブマン」
として戦うぞ!
メンバー全員が兄妹で全員が教師、この他にもサポートキャラである僕が必殺武器アースカノンに変形したり、シリーズ初の共通強化装備であるファイブテクターが出てきたり、って感じでこまごまとしたアイデアを多数盛り込んでいるよ。
それでも低視聴率からは逃れられなくて、展開もいろいろ迷走しちゃったけれど、中盤以降は新幹部の
初代艦長シュバリエが登場してきたおかげで視聴率を持ち上げていったんだ。
第15作目。1991年〜1992年放送。名前「(色)+(鳥)」。象徴は鳥だ
舞台は西暦199X。地球防衛軍スカイフォースによって平和が維持された地球。そこで極秘に開発された「バードニックウェーブ」を浴びて
天堂竜は変身能力を身に着けたわ。
だけど、
「次元戦団バイラム」
の襲撃を受けてスカイフォース基地・アースシップは崩壊。竜の恋人のリエもまた、宇宙に消えてしまったの。
辛うじて生き残った竜とスカイフォース長官である私、小田切綾はバイラムに立ち向かうために残りのバードニックウェーブを浴びた4人の若者を探し出し、彼らと共に
「ジェットマン」
を結成したのよ。
とはいえ、
他の4人はいずれも一筋縄ではいかない曲者揃いでね……。
危機感を感じた前作から、スタッフも一新して多くの革新的な試みを入れたわ。
ある評によれば
「戦うトレンディドラマ」
と言われてるわね。まあ、実際ジェットマン本編はバイラムを含めた複雑な恋愛関係で、バイラムの内部は覇権をめぐって不穏な空気と、敵も味方も協調性がないの。
「ジェットマンはトレンディ♪」
なんて言われるくらいにね。
でも一方で、3号ロボが初登場する他、ロボの斬新な特撮シーンも人気を博し、シリーズを打ち切りの危機から救った作品の片割れにもなっているのよ。
第16作目。1992年~1993年放送。各メンバーの名前は「(古代生物)+レンジャー」。強く大きな存在である恐竜がモチーフ。
かつて地上で暮らしていた恐竜、恐竜から進化した恐竜人類、妖精。
しかし、1億7千万年前に恐竜部族の長の1人が人類滅亡を狙い、五大部族は「守護獣」とともに
「魔女バンドーラ」
や悪魔と戦い、惑星ネメシスにその一味を封印したのじゃ!
時は流れ現代、スペースシャトル乗組員・悟くんと由美子ちゃんのミスによってバンドーラが復活してしもうたのじゃ!何でも「地球をただの石ころの星にしてやる」だと。
一方でマンションの管理人として身を潜めておったわし、不思議仙人バーザもまた
五人の古代人類の戦士たち
「ジュウレンジャー」
を目覚めさせたのじゃ!いつまで寝とるんじゃ!化粧などしとる暇はありゃせんぞ!さっさと目を覚まさんか!
子供向けに路線を戻すかのように、ファミコンブームからくるRPGテイストと強いファンタジー性を取り入れとるぞい。
その証拠に、ロボット…いや従来のロボに当たる存在と言った方がいいかの。それが「神様」として描写され意思を持つようになったほか、6人目の戦士も正式に初登場したのじゃ。
その人気たるや日本のみならず、世界でも本作をリメイクしたという『パワーレンジャー』を放送したぞ。ネックだった製作資金面も解消されるなど、打ち切り回避とともにターニングポイント的1作となったんじゃよ。
2017年には超合金魂ブランドで大獣神が発売される事に合わせてスマホゲーム『スーパーロボット大戦X-Ω』にてイベント期間限定というややイレギュラーな形ながらスパロボシリーズへ参戦した事も話題になったそうじゃ(シリーズ史上初となる実写特撮作品の参戦でもある)。
「天に輝く五つ星!」
「五星戦隊ダイレンジャー!!」
第17作目だァァッ!! 1993年~1994年放送だァァッ!! 各メンバーの名前は「(中国の聖獣)+レンジャー」だァァッ!! モチーフは『水滸伝』を筆頭とした中華ファンタジーだァァッ!!
紀元前6000年頃、中国南部に発生したダオス文明は
「大自然の『気力』を操るダイ族」
、
「邪神ゴーマの崇拝で『妖力』を持つゴーマ族」
、
「両族の下にあった能力なしのシュラ族」
の3つに分かれていたんだァァッ!!
だが、ゴーマ族はダイ族に攻撃をしかけて6000年近い長い闘いが起こり、両族は歴史の表舞台から姿を消したんだァァッ!!
そして現代にゴーマ族は姿を現し、暗黒の世界を作り上げようとするも、ダイ族の血を引く気力に満ちた若者たち
「ダイレンジャー」
がそれを阻止するんだァァッ!!
気力という概念により、武器を使っての戦闘よりもカンフーアクションに見るべきものがあるんだァァッ!!
対戦格闘ゲーム全盛期ということでド派手な殺陣や名乗りもウリだぜェェッ!!
また、レッドが明確なリーダーでもないということに始まり、単純な勧善懲悪ではないなど掟破りの要素がシリーズでも多いんだァァッ!!
「人に隠れて悪を斬る!」
「忍者戦隊、カクレンジャー見参!」
「成敗!」
さて皆様、お待ちかね・かね・かねの第18作目でございます。1994年から1995年にかけて放送されました。
各メンバーの名前は「ニンジャ+(色)」で、モチーフは当時流行を見せていた忍者となっておりますよ、ニンニン。
時は戦国、戦国大名たちが血で血を争う戦いをしていた時…血で持って血を洗っちゃう、こっちのでこっちをゴシゴシ…どうやって洗うんだ?と言ってた陰で、5人の隠流忍者は無敵将軍ら
三神将から与えられた「封印の扉」に、
「妖怪総大将ヌラリヒョンと妖怪達」
のエネルギーを封じ込めたのでございます。
それからどびゅーん!と飛んで400年後の現代、人間社会にこっそり溶け込んでいたカッパは隠流忍者の末裔の
サスケとサイゾウをまんまと騙し、封印の扉を解放させちゃったもんだからさあ大変!
妖怪軍団が蘇ってあっちらこっちらで大暴れ!がーっ怖!あーっ怖!
扉を見張る一族である鶴姫様はこの一大事を知り、サスケとサイゾウその他の末裔を引き連れ、
「カクレンジャー」
として妖怪退治の旅に出たのでございます。はてさて、彼らの道中の行く末やいかに……。
ちゅーか、前作が中華風なら本作は和風で今風、わーっ!フーフー!
ところがどっこい、アメコミ調の擬音が画面にでーっかでっかと出ることを筆頭にアメリカンな要素もかなり
「TSUYOOOOOOKU!」
表現されております。
お話全体は、わたくし
講釈師が解説するロードムービー的な第1部とサスケたちの成長を描いた「青春激闘編」の2部構成となっております。
これに加えて、人間の姿を持たない
番外戦士が初登場する、戦隊が一時解散し五手に分かれて活動するなど、あえて既存概念に縛られないようにした要素がどどーん!とてんこもりですよ~!
突入!第19作目。放送!1995年~1996年。名称!各メンバーは「オー+(色)」。モチーフはファンタジーとテクノロジーを融合させたような古代文明。
月に前線基地を築き上げた
「マシン帝国バラノイア」
が地球進攻を開始。各都市に甚大な被害をもたらし、ついに日本をターゲットにした。
我々はこの脅威に屈することはなく、私こと三浦尚之も属する国際空軍(U・A)からの選抜チーム
うあおー「U・A・O・H=
オーレンジャー
」を結成。6億年前の超古代文明が残した超力を武器に立ち向かうんだ。
『ゴレンジャー』から数えて20周年なのを記念して、メンバーが軍の関係者と初期寄りに回帰しているが、古代文明など前3作から引きずったようなファンタジー要素も強いな。
そのため最初はハードでシリアスな展開だったんだが、「阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件で世相が暗い」「オウム真理教絡みで設定変更を余儀なくされた」などの問題で
路線変更が起こり、
マシンやら兵器やらがポンポン登場するごった煮になったが、それをてんこ盛りと子どもにとらえられたせいか、商業的には大成功を収めている作品だったりもするんだ。
オーレ!
ちなみにVシネマ『スーパー戦隊VSシリーズ』が始まったのは本作からだよ。
第20作目。1996年からフルアクセル、1997年でオーバーヒート。各メンバーの名前は「(色)+レーサー」。ナンバープレートを読んでの通りモチーフは車ダップ。
なお、本作において『ゴレンジャー』から数えてシリーズ通算1000話目を突破したダップよ。
「宇宙暴走族ボーゾック」
に故郷のハザード星を
打ち上げ花火にさせられる
も、ぼく少年ダップは何とか脱出に成功したんダップ。ボーゾックは次の目標を
チーキュ
の
ニッポンポン
に定めるんダップ。
ダップもまた伝説の星座から放たれる「クルマジックパワー」で、母から聞いた地球にいる伝説の戦士
「カーレンジャー」
を探し、自動車会社ペガサスにいた5人の若者がそうだと思い込むダップ。
しかし、その5人は
無償で働くことを拒み
、ダップは
あの手この手で
カーレンジャーを戦わせようとしていくダップ。
一方でボーゾックも
かなりマヌケな作戦
と
食べると巨大化する芋羊羹
で対抗するダップ。
……と、脱力もののストーリーダップ。一般人が突然ヒーローになるという等身大の正義を描いたと言えば聞こえがいいダップけどね。
そんなコメディ路線は最初から最後まで路線変更することなどなく貫かれており、もっとも賛否両論とされる異色作ダップよ。
他の作品と共演する際も、本作のギャグ路線(通称:カーレン時空)に巻き込まれる……いや、巻き込まれてしまうんダップ。