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日産 GT-R LM ニスモ '15

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rustymasaki

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日産 GT-R LM ニスモ '15
Image Credit : Emula / Gran Turismo Archive
メーカー 日産
英名 Nissan GT-R LM NISMO '15
年式 2015
エンジン VRX30A
タイプ レーシングカー
ハイブリッド
ル・マン
カテゴリー Gr.1
PP 655(GT6)
876.35(GT7)
総排気量 3,000cc
最高出力 613PS/5,400rpm
最大トルク 95.5kgfm/4,500rpm
パワーウエイトレシオ 1.44kg/PS
駆動形式 FF→4WD(GT7 Ver1.60)
吸気形式 TB
全長 4,650mm
全幅 1,896mm
全高 1,050mm
車両重量 880kg
重量バランス 65対35
トランスミッション 5速
ダート走行 不可能
登場 グランツーリスモ6
グランツーリスモSPORT
グランツーリスモ7
備考 やっちゃった!やっちまったN産!
HVさえ動けば四駆だった……。

概要

日産 GT-R LM NISMOは、日産が2015年のル・マン24時間耐久レースおよびFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1-ハイブリッドクラスに参戦するために開発したプロトタイプレーシングカーである。日産のプロトタイプレーシングカーとしては R391 以来16年ぶりに製作された車両であった。
プロトタイプカーにFFというまさかの常識外れの設計*1で話題をさらったクルマであるが、やっちゃいすぎてしまったクルマ。
過去にも日産はスカイラインを改良し、唯一無二のFRマシンでグループCカテゴリに挑んだものの散々な結果に終わった事があるので、歴史は繰り返されるのだろう……もっとも、こちらはグラチャン人気も相まってレースで活躍していたポルシェより人気だったとか。

本車両はGT-Rと名乗っているもののほぼ別物の車である。設計はこれまた独走的なクルマとして話題となった デルタウィング を生み出したベン・ボウルビー氏。
WECの他のレースを休んでまでル・マンに参戦したが思うような結果を出せず敗北。ハイブリッドシステムも機能していなかったという。日産からも黒歴史扱いされているが、ちゃんと開発が進んでいれば、ある程度の結果は残せていたと推測されるだけに残念なマシンである。
なお、2015年のル・マンを制したポルシェ 919とシミュレーターで同時にル・マンを走らせた動画では、ポルシェから1周で約20秒近い差を付けられており、惨敗であった。
ちなみに、レースでは惨敗だったGT-R LM ニスモだがエンジン自体の評判はよく、後に バイコレス にもエンジンを供給されていた。

またラジコンやミニカーも発売されており、グランツーリスモでも6から収録され、7にも続投した他、Forzaシリーズにも収録されたりと、商品化やレースゲーの出演にも恵まれている。
せめてゲームの世界でその汚名返上をしてやりたい。

余談
+ ...
後に放送された某NHKの番組で日産の技術陣が改造して生み出した“R”の名を持つ扇風機 “貴婦人Z”の名を持つ赤ちゃん人形 も同じく残念な結果となっていて、それを見た視聴者はこのクルマの面影を思い出したという。

解説

LMP1-H規定では唯一のFFレイアウトで話題になったマシン。
結果として「やっちゃった」マシンではあるが、こうなったのにはちゃんと理由がある。
LMP1規定はリアよりもフロント側の方が空力自由度が高く、バルクヘッドより前のフロント側を長く取ることで、空力的優位を取ろうとしたのである。

実際非常に高効率だったようで、本戦ではHV未使用な上、サスペンションの強度不足から縁石を使えなかったにも関わらず、LMP2以上のラップを刻んでいる…時もあった(LMP2は史上最速と言われたLMP1-Hに合わせた下位規定のため、多くの人が持つイメージと裏腹に非常に速く、ルマンを最速で3分25秒前後で周回できるマシンである。)
ただ実際はブレーキを筆頭に問題だらけであり、1発のラップならともかくアベレージではLMP2以下であり、日産系ドライバーのOBなどから恥さらしとすら言われるほど。

開発の遅れによってフライホイールバッテリー式のハイブリッドシステムは機能しておらず、規定をクリアする為だけに搭載されただのバラストと化しており、そもそも使用可能な総エネルギー量が最も少ないエネルギー放出量が2MJを選択していた。
このユニットを足元に押し込んだために、着座姿勢はこれでもかというぐらい窮屈な姿勢となった、2時間持てばいいF1より更にやばい姿勢という時点でもう耐久用マシンの域を飛び越えている気がする。
更には「ユニットを取り寄せたら想像以上にデカかった」というコメントまで残している行き当たりばったりなシロモノである。
フロントミッドに搭載されたエンジンこそ良かったが、サスペンションの強度不足など開発の甘さが目立ち、周囲からの評価は散々。

そもそも事実上の日産ワークスであるNISMOではなく北米のグローバルモータースポーツ部が開発担当(エンジンだけNISMO製)であり、ルマン後に全員解雇、解散するなど、色々裏を感じるエピソードも多い。
当時の日産に振り回されたマシンと言える。

レースカー3台とショーカー2台が製作されたのだが、現存が確認されているのはルマンのミュージアムに押しつけた入っている1台のみ。
一応ショーカーの2台目はアメリカのとある博物館に一旦入れたものの現在は非公表。
そしてレースカー3台は当初日本に1台、アメリカに2台あったが3台共に行方不明となっている。
黒歴史に近いR391ですら収蔵している座間のヘリテージコレクションにも入ってない辺り、この車の扱いがよく分かる状況である。

ショーカーとレースカーの違いはリアタイヤを見ればすぐわかる
ショーカーは15inでレースカーは18inである。
なんでレースカーは大径になっているのかという理由に関しては「ハイブリッドを封印したので回生ブレーキが使えず、急遽リアを18inに拡張して大径ブレーキを収めるため」である。
それですら簡単にフェードしたというので、いかにフロント重心が悪影響を及ぼしていたのかが伺えたりする。

登場シリーズ

グランツーリスモ6

Cr.200,000,000で購入。

グランツーリスモSPORT

Cr.100,000,000で購入。

グランツーリスモ7

Cr.100,000,000で購入。

2022年6月11日のネイションズカップのラウンド3での使用車種にこいつも含まれていたので 、もしかすれば現実では叶わかったル・マンウィナーのアウディやポルシェ、さらに昨年のル・マンウィナーであるトヨタ GR010 HYBRID '21にも勝っちゃうシーンが見られたのかもしれない。さすがに“やっちゃった!やっちまった!”ってことにはならないだろうが……え?それ以前にあまりプレイヤーが使って無かったって?

Ver 1.60にてハイブリッドシステムがマトモになったおかげで回生システムがかなり機能しやすくなった。このような性能を持ち、システムの信頼性が十分であれば黒歴史を生むことはなかっただろうが…
これに伴い駆動方式表記が4WDに変更され、前後駆動配分も25:75に設定された。ただし前後駆動配分は モーター込みの表記 であり、エンジンが駆動するタイヤはフロントのままなので注意。それゆえに前輪駆動らしいアンダーステアは消えないものの、以前と違い回生ブレーキがかなりバッテリーを回復し、コーナー脱出ではしっかりと後輪のモーターが稼働、鋭くコーナーを立ち上がってくれる。以前よりもずっと速いマシンになり、ある程度はこのマシンを使うプレイヤーも増えよう。

コメント

  • なぜ四駆にした… -- (meruto) 2025-06-27 11:13:41
  • 俺はありのままのこいつが良かった -- (meruto) 2025-06-27 11:13:57
  • モーター位置の関係で4WD表記なだけで素はFFのままじゃないかな -- (名無しさん) 2025-06-27 15:04:56
  • GT6の頃から10年間後輪動いてなかったのギャグ過ぎる -- (名無しさん) 2025-06-27 15:41:08
  • 後輪自体はモーター駆動だから元々動いてはいた 実は1.59の段階で少し回生されやすくなってたからたまにモーター動いてたけどね -- (名無しさん) 2025-06-27 16:14:03
  • 四駆になったらこいつの存在意義なくならない? -- (名無しさん) 2025-06-27 17:05:55
  • ↑確かに、それはそう・・・ -- (名無しさん) 2025-06-27 21:18:11
  • 本来想定していた姿になれたとはいえ、この10年間で既にコイツはFFであることこそが最大の個性になっていたと言っても過言ではないだろうからちょっと寂しいな -- (名無しさん) 2025-06-28 06:02:01
  • そういえば後輪がモーター駆動の四駆って超合金鰹節と同じでは -- (名無しさん) 2025-06-28 08:26:34
  • アップデートあってもグリットスタートだとTC無しでは生きていけなかった -- (名無しさん) 2025-07-05 19:13:41
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注釈

*1 サーキット競技において、前輪が駆動と操舵を兼ねている(=前輪に負担が偏る)ため、前後輪をバランスよく使えない分、後輪駆動車に対して不利とされる。この傾向は馬力が大きいほど顕著であり、ましてやこの車はLMP1クラスである。