ポストアポカリプス

登録日:2019/10/12 Sat 23:54:22
更新日:2024/03/19 Tue 18:02:28
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このイカレた時代へようこそ


ポストアポカリプスとは、創作ジャンルおよび世界観設定の一つ。


【概要】

直訳すると「黙示録の後」「終末の後」となり、世界規模での戦争や災害などが原因で現代の科学技術が破壊され、社会システムが機能を失い、文明が崩壊・退廃した後の終末的な世界観を舞台にした作品が該当する。

小説の世界ではかなり昔から存在する概念。
特に「I am legend(地球最後の男)」(1954年、リチャード・マシスン)は「終わった後の世界の風景とそこの住人の暮らし」を詳しく描写した点が大きく、ポストアポカリプスもののドラマ作り手法の形成に重要な意味を持っている。
ジャンルのビジュアルの確立に大きな影響を与えたのは、オーストラリアのバイオレンス・アクション映画「マッドマックス2」。

日本国内における同ジャンルの先駆け、様式の骨子を作る事になったのは、永井豪の漫画作品「バイオレンスジャック」であるという意見が優勢のようだ。
日本では「終末もの」と呼ばれたり「ポスタポ」という略称を使われたりするほか、このジャンルの代表的な作品である「北斗の拳」になぞらえて『世紀末』と呼称される事も多い*1

一口に「終末」や「世紀末」といっても描かれる未来の形は様々。
文明崩壊から生き残った人類が終わりの見えない争いを続ける作品もあれば、案外平和にのんびり暮らしている作品もあったり、人類が跡形もなくなった後の世界を舞台にした作品もある。

また、地球全体では特に大きな変化はないが、周囲から隔絶された一部の地域だけが荒廃し、世紀末状態になったという舞台設定の作品もある。

●ポストアポカリプスとディストピア/アナーキー

「絶望的世界観」を指す言葉としてディストピアと混同される事があるが、この2つはそれぞれ別の概念といえる。
ディストピアは「極端に抑圧的・非人道的な統治システムに管理された社会・世界」を描写するジャンルだが、
ポストアポカリプスは「作中の現在の環境が成立するに至った背景」を指す言葉。
後述の通り両立はするが、どちらか片方だけというのも別に珍しくはない。

そもそも概要でも触れた様に、一口にポストアポカリプスと言っても様々な形態がある。以下は一例。
  • 文明崩壊後、盗賊モヒカンヒャッハーし、賞金稼ぎ用心棒が対処する様な社会(アナーキー/無政府状態)
  • 文明崩壊後、過剰な統治により自由が失われた社会(ディストピア)
  • 文明崩壊後、それでも牧歌的な営みが継続している社会
  • 文明崩壊後、全く別の文明が生えてきた社会(人間のものとは限らない)
  • 文明崩壊後、(主人公達以外は)誰もいなくなった
ご覧の通り、ポストアポカリプス(文明崩壊後)にて構築される社会がアナーキーだったりディストピアだったりする事はあるが、双方ともポストアポカリプスそのものではない。
とはいえ、「ポストアポカリプス+アナーキー」(≒『世紀末』)がポストアポカリプスの典型例として挙げられ易いのも確かではある。
一方、ディストピアのような極端なコミュニティが形成される事になった経緯・理由付けとしてポストアポカリプスという状況が作劇的に便利なのも事実。
ポストアポカリプスの真っ平らな世界は、色々な特殊状況の舞台世界を構築し易いのである。


【ポストアポカリプスの特色】

●現実要素と非現実要素の両立

現実世界と地続きでありながら、機械文明は失われるか、大いに後退しており人々の生活は変貌している。
現代の建造物は廃墟もしくは遺跡と化し、その情景も様変わりしている。
現代の名残を残しつつも過去のような、或いは日本でありながら異国や異世界のような舞台を構築する事ができるのである。

「環境が激変した結果、一部の生物が怪物のように進化した」「人間の中にも突然変異で超能力を持つ者が生まれるようになった」「過去の技術は失われたが、環境の変化の結果まったく新しい技術が開発された」などの理由を付ければ、現代文明を残した世界でドラゴンと戦う魔法使いのようなシチュエーションを用意する事も可能である。


●キャラクターの行動が自由

国家などの枠組みが崩壊した、或いは曖昧になった世界を舞台にするため、良くも悪くもキャラクターを自由に動かす事ができるようになる。

例えば、現代社会において「土地」と「その土地にあるモノ」は全て、個人・団体・国家など誰かしらの所有物になっている。地球はみんなのモノであるが、土地は誰かのモノである。
無人の土地に見えても勝手に住む事は許されず、狩猟や採集もできない。たとえ「所有者」がその存在を知らなかったとしても、土地に埋まっていた資源や宝物には所有権が発生し、許可なしに持ち出す事はできない。
しかし、文明が崩壊すればそんな事を気にする人もいなくなる。どこであろうと自分で家を建てればその家は「建てた人の家」になる。狩りの獲物は「狩った人のモノ」、宝物は「見つけた人のモノ」である。

また、現代社会、特に日本のような国は悪人にとって生きづらい場所である。
警察の情報網・捜査力は優秀で、事件が発覚すれば瞬く間に駆けつけてほとんどの犯人を検挙してしまう。街のいたるところに監視カメラが設置され、法律の整備が進み、悪事を働くための場所も失われる一方である。
悪人が行動できなければヒーローが活躍する機会もない。悪人のほとんどは先にお巡りさんが捕まえてしまう。そして、正義の心を持っていようと、武器を所持していたら犯罪者である。
しかし、法律という体制を崩壊させる事で、悪人はより自由にド派手な悪事を実行する事ができ、ヒーローも彼らを遠慮なしに成敗する事ができるようになる。
特に正義でも悪でもない力を持たない一般人には厳しい世界であるが、それも含めて世界観に深みが増し、物語は作りやすくなるのである。
中には、無力な一般人の視点から荒廃した世界の脅威に曝される悲惨な有様を徹底的に描いたものもある。


●機械文明の便利すぎる要素を排除できる

極端な話、お金さえ十分なら大概の事は出来てしまうのが現代社会である。

例えば、現代では家に居ながらパソコン・スマートフォンであらゆる情報が入手できる。買い物や、人によっては仕事すら、全て家の中で済ませてしまう。情報やモノを集めるために出かける必要はないし、たとえ出かけるとしても交通網が発達しているため、遠出に苦労する事もない。
便利な世の中では‘‘冒険’’の余地が失われるのである
しかし、その便利な生活も文明の基盤に支えられたものである。文明が崩壊した世界ではライフラインが分断され、水や燃料、あるいは電気も自分で集めるか作り出さねばならない。商品の流通もストップする。
お金があれば大概の事はできる現代社会であるが、崩壊後の世界ではそもそもお金の価値すら消滅してしまう事がある。「今じゃケツをふく紙にもなりゃしねってのによぉ!」という奴である。
食糧も寝床も衣服も道具も全て自分の手足で調達・製造せねばならず、生きるためには己で地を駆らねばならない。
不便ではあるが、そこに冒険の余地があり、新たな物語が生まれるのである。余談だが紙幣でケツを拭くと紙が硬すぎて皮が剥けるらしい。ホントケツを拭く紙にもなりゃしません。

逆に、文明崩壊後の世界であっても、ある程度秩序が保たれている事を示すために、独自通貨やその代替品が通貨として流通している場合がある。
同時に、上述のように古い通貨も入手は出来るが使い途が殆どなくなっており、価値観が変わってしまった事を示すための演出として使われる事も多い。
独自通貨のパターンとしては、
  • 古い通貨も一応生きているが現在流通している通貨に比べると大幅に価値が低くなっている。(真・女神転生
  • 何故そうなったかは不明だが、飲料ビンのキャップ(いわゆる王冠)が貨幣として流通している。(Falloutシリーズ
  • 身を守るための象徴である銃の軍用弾薬が通貨としての利用価値も持っている。(METRO 2033*2
  • 軍によって管理されている地域では、食料の配給を受けるための配給カードが仕事の報酬として渡されたり、取引の材料として使われる。無論、カードの偽造は発覚すれば処刑される。(The Last of Us)
と言った具合に、時間の流れを演出したり、生き残っている人々が何に価値を見出しているのかを示すための1つの要素と言える。

また、現代において武器は基本「銃」の一強であり、や拳法などが本格的に活躍する機会は皆無と言って良い。しかし、文明が崩壊した世界では銃器の製造や修繕は困難になり、特に使い減りする弾薬を新たに入手する事が難しくなる(異世界の信長などが奮闘しているように、銃器を本格的に活躍させるには製造プラントと材料および完成品の流通ラインの確保が肝要)。
結果、武術・格闘技などを活躍させる機会が増え、銃が残っていたとしてもアメリカの西部開拓期レベルにまで利便性を落とせばロマンとの両立が可能になる。

以上のように便利な道具をあえて無くす事で物語に面白みを与える事ができるようになる。
一方で、適当な理由をつける事で*3残しておきたい文明は残しておく事もできるため、活劇に必要な要素を取捨選択する事も容易になるのである。



【文明崩壊の原因】

何はともあれ(ごく少数を残し)人類が滅んでくれないとこのジャンルは始まらない。

しかし、いざシミュレーションしてみると案外人類がしぶとくて中々滅んでくれなかったりする事もあるため(簡単に滅んでも困るのだが)、納得のいく理由付けには苦労する事もある。
地球環境の激変→残った資源をめぐって大戦争……といった具合に、いくつかの原因が複合する事もあり得る。

世界観説明のために物語の冒頭で崩壊の原因について言及される事も多いが、「崩壊の原因が物語の核心に繋がる」という理由で終盤まで秘密にされている場合もある。
一方で、「崩壊後の世界を描く事自体が重要」「崩壊の真相解明は物語の本筋ではない」という場合は、そもそもなぜ文明が崩壊したのかを説明しない事もある。

なお、先にネタバレしておくと九分九厘人類の自滅である


●世界規模での戦争

「199X年 世界は核の炎につつまれた!!」
恐らく最もポピュラーなパターン。核兵器や化学兵器の乱用によって凄まじい破壊がもたらされるのみならず、汚染も急速に進む。
特にアメリカとソ連の冷戦時代の頃には「世界規模での核戦争」が現実味を帯びていたため、この時期に発表された作品には「戦争により文明が崩壊した世界」のパターンが多い。
基本、人類は戦争になると周囲に遠慮なく派手に暴れてくれるため、後述の環境破壊による崩壊も戦争とセットで引き起こされる事が多い。


●大規模な災害・環境破壊

異常気象、大気・海洋・土壌の汚染、森林の砂漠化、海水面の上昇、資源の枯渇etc……
過酷な環境の変化に人類がついていけず、急速に数を減らしていったというパターン。
現実で公害問題が取りざたされる様になってから、戦争に並び増えてきた人類滅亡の基本。

で、そんな大規模な環境の改変を行える生物は今の所は地球上に人間だけであるため、人類の自業自得という筋立てが多い。
但し、巨大隕石の落下とか超大型火山の破滅的大噴火*4とか近場の恒星の超新星爆発によるガンマ線バースト曝露とか、
人類の活動と無関係に大自然が崩壊を寄越して来る可能性が比較的多い題材ではある。


●新種の生物に駆逐される

何らかの強力な生物の台頭により、人類が生態系での立場を失い滅亡に追いやられるというパターン。
バトル要素、もしくはモンスターパニックものの要素が強い作品だと「人間を好んで捕食する脅威の生物」などのシンプルな怪物が登場するが、それ以外では「あらゆる農作物を喰いつくす害虫」や「都市を破壊する勢いで生長する凄まじい生命力の植物」など、もう少し間接的な方法で人類を脅かす生物が登場しやすい。
後述する伝染病の蔓延や、新人類の台頭などもこれに含まれる。

そんな生物が自然界からひょっこり現れるかというと、ちょっと考えにくいので、永久凍土の中の超古代生物が目を覚ましたとか、宇宙や異世界由来の外来種とかでない限り、環境破壊の結果突然変異を起こして誕生した新種だったり、人類がバイオ技術で生み出した生物だったりする。
自己増殖するナノマシンの制御失敗による暴走(いわゆる「灰色の塊」(グレイ・グー)問題)もこのパターン。

〇伝染病の蔓延

危険なウィルス、細菌などが全世界に蔓延し、人類を駆逐したというパターン。
ただ、「全人類を殺す殺人ウィルス」というのは、実は技術的な課題を抜きにしても生み出すのが難しいという問題点がある*5
このため近年では「世代を重ねるごとに寿命が短くなる病気」「感染者から生殖能力を奪う病気」「男だけ(女だけ)を殺す病気」といった具合の変化球で攻めてくる場合もある。
「男だけを殺す病気」などはエッチなマンガやゲームなどで生き残った僅かな男がハーレムを築くといった具合で利用される事が多い。
人間を殺した上に感染源として活動させるゾンビウィルスの類は致死性と感染力を両立して爆発的に蔓延してくれるため、世界観づくりと相性が良い。

……で、そんな都合よく人間を滅ぼしてくれる菌やウィルスが自然に発生するというのは考えにくいため、原因はどこかの国のバイオ兵器だったり、どっかの製薬会社や研究所から漏れ出たからだったりする。

〇新人類の台頭

現人類よりも優れた、或いは環境に適応した新人類が現れ、なり代わるというもの。
わりと真面目に「現人類が滅ぶとしたらコレじゃね?」と考えられているパターンでもある。
新人類との争いに敗れて滅ぶ……だけとは限らず「気がつけば皆が進化して新種になっていたみたい」というパターンも含む。

優れた点としては具体的には「変化した(汚染された)環境に対応できる生命力」「現人類にはない特殊能力(超能力など)」などの要素を持つものが多い。
「現人類より力持ち」というのは現人類との生存競争で特別有利に働くとは考えにくいため、登場は稀。おそらくは新人類に最もふさわしいであろう「現人類よりも賢い」「現人類よりも優れた精神性」などはそもそも現人類の作家では描写が難しいため、こちらも登場する事は少ない。
新人類といっても人類から分岐したものであるとは限らず、まったく別の生物が進化して人類と同等以上の文明を築き上げる事も珍しくない。場合によっては生き物ではなくロボットによる文明が登場する事もある。
また「現人類はこの先の地球では生きていけないから、人為的に新種の人間を作って文明を引き継いだ」というパターンもある。
新人類が登場してから相当の年月が経っている世界が舞台になった場合、新人類も旧人類の存在を忘却している事が珍しくなく、何らかの理由で生き延びていた旧人類を「新種の生き物」と勘違いする事がある。


●人類全体の無気力化

比較的最近目立つようになってきたパターン。
特に致命的な戦争や環境破壊などが起きた訳ではないが、人類全体がやる気を無くしてしまい、少子高齢化社会が進みすぎて人口の減少が続き、文明崩壊のレベルにまで達してしまったという状況。
いわば「人類総さとり世代化」「人類全員草食系、絶食系」。人類の「種としての寿命」と表現される事もある。
結婚や出産はもとより、新しい道具を発明する事も、技術や学問の探求をする気も無くなってしまう。先人の知恵を引き継ぐ事にも消極的になり、機械が壊れても修理できず、当然新しく作る事もできないのでそのまま放置。
文明が進歩する事はなくなり、ゆっくりと後退していく。

ある意味、平和的な終末ではあるが、元気に戦争したりサバイバルをしたりする気力すら失われているので、下手をすると戦争や環境破壊による破滅よりも詰んだ状態であると言える。

アイザック・アシモフ『ファウンデーション』シリーズのように、「人類の衰退はもはや回避できないが、暗黒時代を回避し復興するまでの期間を可能な限り短縮する」ことが物語の目的になることもある。



【文明崩壊後の環境・社会】

「どうやって滅んだか」「滅んでからどの位の年月が過ぎたか」で、世界観は様変わりしてくる。


●生き残った人類が争いを繰り広げる乱世となる

いわゆる世紀末。文明崩壊直後、あるいは現在進行形で文明崩壊中の作品の多くがこれに当てはまる。
世界規模での戦争あるいは地球環境の激変により大地は荒廃し、農業や牧畜すらままならない。
資源の枯渇により人々の心は荒み、弱肉強食が世の理と化し、略奪や殺人が横行する。
一部の実力者が軍勢を率いて覇権を求めぶつかり合う群雄割拠の時代となり、野に放たれたモヒカンどもがハイテンションに暴れまわる世界である。
崩壊からそれ程時が過ぎてない事もあってか、武器・兵器の類もある程度残っていたり、下手をすると進化さえしている事も多く、それが争いを激化させる原因にもなる。
文明崩壊の原因が怪物やゾンビなどの場合、それらへの反抗や逃避を描くサバイバルものの要素が強くなる。


●環境は過酷ながら、ある程度の安定を取り戻す

文明崩壊からある程度落ち着きを取り戻した世界。
社会はなんとか自治体や経済と呼べる程度の枠組みを再構築し、自然環境は新たな生態系が確立されつつある。
それでも文明崩壊の原因は消え去っておらず、過去の文明の遺産や新しい環境をどう扱うかで対立が起こる事もある。
場合によっては、途中から後述のような「滅びへ向かう」展開になる事も。


●環境は過酷であり、滅びに向かっている

文明崩壊からそのまま終末へと向かっている状態。
一番目のパターンのような活力が人類にはない、或いはそもそも文明崩壊の原因となった事象が現在進行形である場合はこのようになる。
人々がその滅びに抗うか、世界の終末を受け入れて人類史の黄昏を過ごすか、というパターンになりやすい。


●自然環境は大幅に回復し、大きな争いもなくなっている

文明崩壊が遠い過去の出来事となった世界。
生き残った人類・あるいは新人類は過去の崩壊を忘れてしまったか、伝説やおとぎ話程度にしか認識していない。
生態系は(形はどうあれ)落ち着きを取り戻し、人も、それ以外の生物もその環境を当然のものとして受け入れている。
過去の文明は完全に消滅するか、僅かばかりの遺産・遺跡として残るくらいであり、時々発掘されてもその時代の人間には用途がわからなかったりする。
かつての地球とは環境から住人や文明・文化まで様変わりしているため「異星や異世界かと思ったら未来の地球だった」という物語のオチに用いられる事もある。


●人類が絶滅あるいは大幅衰退し、新種の生物または機械が地球の支配者となる

知的生命体や遺された人工知能が独自の発展を遂げ、新たな支配者として君臨する世界。
ここまでくると、環境は回復というよりも「ゼロから作り直された」という印象が強く、崩壊以前の生物の生存には全く適さないという事も珍しくない。
世界を新たに支配する知的生命体も、「新人類」というよりは「完全な別種」あるいは「異形」としての側面が強くなる。
いわば「リセットされた世界」であり、生態系も文明も文化も人類が存在していた頃の面影はほぼ無い。
仮に人類が生き残っていたとしても、細々とであり支配者としての地位は見る影もない。
しかしながら上記の「自然環境は大幅に回復し~」のタイプと同様に、全く違う世界の物語かと思いきや、遺物が発掘されて未来の地球である事が判明するというパターンも多い。


●崩壊している地域が非常に限定的である

主人公らの行動圏内は確かに文明が滅びたような痕跡が存在しているが、そもそも世界観が非常にこぢんまりとしていて、もしも登場人物達が作中世界を一歩飛び出すと、そこから先はどうなっているか全く分からない、というパターン。
未知のフィールドでは文明が存続しているかもしれないし、はたまたそうではないかもしれない。
或いは、荒廃した土地の住人達も外に文明社会がある事は十分承知しているが、外部の人間の手で隔離されているというパターンや、それとは逆に自らの意志で世を捨て無法の地で暮らしているというパターンもある。
僻地や孤島、特殊な施設、スペースコロニー等を舞台にした作品にしばしば見られる。

なお、創作ほど極端でなくとも、これに近い状態になった国家・地域は残念な事に現実の地球にも存在している


●文明・環境が適度に維持されたまま、人間だけが数を減らした

戦争や災害などの大規模な破壊を伴わずに、何らかの理由で人間だけが急激に数を減らしたというパターン。
多くの場合、人間のいなくなった「何か」が起きてから、さほど時間の経っていない時期が物語の本筋となる。
生き残った人間は無人の街で生活に必要な物品を集めて生活を始めるのだが、機械や諸々の設備がまだ生きているため、サバイバルと呼べるほど過酷な環境ではない。
他にほとんど人がいないので、物資・エネルギーは使いたい放題。ソーラーパネルや自動車などから電気を、適当な井戸や清流から水を確保した後は、家庭菜園レベルの農業と趣味の釣りレベルの漁業、そしてその辺のお店に溢れる保存食や医薬品などを得れば、生活基盤はほぼ万全になる。
その後は他の生き残りや人間が姿を消した原因を探るため旅をするもよし、悠々自適な生活を送るもよしである。
が、「その先」に何が待っているかと言えば…




【ポストアポカリプス的世界観を舞台にした作品】

※作品の重大なネタバレを含む場合があるので折り畳み

●映画


漫画


●アニメ


●小説


●コンピューターゲーム


●その他




【関連項目】






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最終更新:2024年03月19日 18:02

*1 この場合、本当に時代区分における世紀末であるかどうかは問わない。例えばアニメ「北斗の拳2」では前作冒頭の199X年からだいぶ経過しているのにOPで「時はまさに世紀末」と歌っている。

*2 軍用弾薬は撃つ事も可能で非常に威力が高い。もちろん普通の弾薬も存在するがこちらは軍用弾薬の劣化コピー品であり、威力は低く、通貨としての利用価値もない。

*3 たまたま工場・設備が残っていた、優秀な技術者が生き残っていたなど。

*4 たとえば、アメリカのイエローストーン国立公園地下の巨大マグマだまり。これが噴火すると、地球全体で年平均気温が10℃下がって生態系が崩壊するという計算が出ている。

*5 致死率が高く、症状がすぐに表れる病気ほど、感染者が病気を広める前に倒れるか対策されて広まりきる前に抑えられやすく、世界規模でパンデミックを起こすとは考えにくい。Plague Inc.‐伝染病株式会社‐の項目も参照のこと。

*6 バイクの前輪とキャタピラの後輪を持つ、ドイツの半装軌車。

*7 漫画版では加持の過去で、当時の子供に関する福祉インフラ・警備システムの整備の拙さ・劣悪さが説明されている。そんな中でもある人物が「アーマード・○アシリーズ」の新作について言及するシーンがある所から、プレイス○ーションの存在も示唆されている。

*8 クローン人間みたいなものだが、肉体的にも精神的にも作りが粗雑であり。場合によっては怪物みたいな造形をしている

*9 1億年も観測し続けてまともなコミュニケーションが取れない世界の存在なので、この推測が合ってるかは作中でも不明瞭とされているが

*10 完全に任務をやり遂げると、自身の存在意義が無くなるので

*11 但し、格差こそあれど古代ではそれなりに人類が生き残っている描写がある事と、中世に至るまでには復興しているので厳密にポストアポカリプスと呼ぶかは微妙。とはいえそこに至るまでにモノ凄い時間がかかっている事も事実だが。

*12 元々は汚染地域での作業や労働力不足を補うために開発されたアンドロイドを軍事転用させた兵器。

*13 火星のテラフォーミング自体は大破壊以前に完了していた

*14 一介の独立傭兵が星間航行出来るレベル

*15 但し、これはテクニカルとして現実にあるが。

*16 壁の中の肉で回復するとか、上に落ちるとか、シキソゼクウ……とか、デンジャラスゾンビ化するとか

*17 シーズン毎に数名登場。複数シーズンにまたがり登場するキャラもいる