アドバンスド・LAC(Advanced Lily`s Armored Cavalier)
作者:イリス
分類 | LAC |
製造者 | - |
運用者 | 芦屋少年工科学校 |
行動距離 | 非公開 |
乗員 | 1~2名 |
生産数 | 非公開 |
概要
芦屋少年工科学校において試験的に実践運用されているLAC群。
形状記憶プラスチックと特殊CNTを用いた人工電磁収縮筋肉を中心とした『マッスルパッケージ』を駆動系に使用し、従来の油圧式アクチュエーターや電動モーターと比べて遥かに繊細かつ精密な動作を可能としている。
従来のLACの多くは建機や重機に軽装甲と武装を施したものであり、火力と防御性能はともかくとして、機動力──特に運動性は装輪車両にも劣るとも知れない程度にすぎないものであった。マッスルパッケージの搭載を前提とした本機はその常識を文字通り打ち破る圧倒的な運動性能を獲得しており、地形と操縦技術如何では生身のリリィすら凌駕する域に達している。従来機の装甲と火力はそのままに絶大な機動力を得た本機は、既存のLACをの上位たるLACとして『アドバンスド・LAC』の開発名を与えられたのである。
形状記憶プラスチックと特殊CNTを用いた人工電磁収縮筋肉を中心とした『マッスルパッケージ』を駆動系に使用し、従来の油圧式アクチュエーターや電動モーターと比べて遥かに繊細かつ精密な動作を可能としている。
従来のLACの多くは建機や重機に軽装甲と武装を施したものであり、火力と防御性能はともかくとして、機動力──特に運動性は装輪車両にも劣るとも知れない程度にすぎないものであった。マッスルパッケージの搭載を前提とした本機はその常識を文字通り打ち破る圧倒的な運動性能を獲得しており、地形と操縦技術如何では生身のリリィすら凌駕する域に達している。従来機の装甲と火力はそのままに絶大な機動力を得た本機は、既存のLACをの上位たるLACとして『アドバンスド・LAC』の開発名を与えられたのである。
マッスルパッケージ
SMPと特殊CNT等を基本に、駆動系と電源、基本的な制御系を統合したシステム。
中空構造を持つCNT筋線維には燃料や触媒分子を保持する事が可能であり、稼働に必要な電解質類を封入する事によって燃料電池一体型の人工筋肉を構成する。これら一連のコンポーネントがマッスルパッケージである。
基本的に内燃機関を必要とせず、またモーターのような駆動音もほとんど発生しないため静粛性が高く、熱探知への欺瞞も容易となっている。先述のとおり高い柔軟性を持ちながら駆動強度と出力についても十分なものを備え、特に機体全体のマッスルパッケージを連動稼働させる事によって生じる『連結張力』は絶大な瞬発力と膂力を齎す。
LACは機体の起動や制御にCHARMと同様にマギクリスタルコアによるマギの供給などを要するが、本機についてはマッスルパッケージ内の燃料電池だけで動作が可能。つまり何らかの理由でマギの供給が絶たれたとしても、ヒュージに対する火力や防御性能は低下するものの、運動性能はさほどには低下しない。ただしマギによる慣性制御や搭乗員保護、骨格系の強化などは失われるため、全力稼働は制限される。
中空構造を持つCNT筋線維には燃料や触媒分子を保持する事が可能であり、稼働に必要な電解質類を封入する事によって燃料電池一体型の人工筋肉を構成する。これら一連のコンポーネントがマッスルパッケージである。
基本的に内燃機関を必要とせず、またモーターのような駆動音もほとんど発生しないため静粛性が高く、熱探知への欺瞞も容易となっている。先述のとおり高い柔軟性を持ちながら駆動強度と出力についても十分なものを備え、特に機体全体のマッスルパッケージを連動稼働させる事によって生じる『連結張力』は絶大な瞬発力と膂力を齎す。
LACは機体の起動や制御にCHARMと同様にマギクリスタルコアによるマギの供給などを要するが、本機についてはマッスルパッケージ内の燃料電池だけで動作が可能。つまり何らかの理由でマギの供給が絶たれたとしても、ヒュージに対する火力や防御性能は低下するものの、運動性能はさほどには低下しない。ただしマギによる慣性制御や搭乗員保護、骨格系の強化などは失われるため、全力稼働は制限される。
AEモード
Augument Extremity mode。
LACに搭載されたマギクリスタルコアを利用し、CHARMの持つ「自分の手足のように扱える」という特性を拡大解釈して適用する機体制御モード。操縦者の身体感覚と機体フレームを一致させることで、より高い追従性と精密動作性を発揮する。本機の最大の特徴である運動性能を限界まで引き出すことを目的とし、ある種の人体拡張であるこの機能は、人工筋肉によって生物的な動作性を得た本機だからこそ成立する機能である。
世に流通するフィクションの多くでは、神経接続や思考制御は操縦タイムラグを極限まで短くするとともに有機的な動作をする事で大変に強力なものになる というのが殆どだが、残念ながらそのような事は実現し得ていない。
それと言うのも、操縦者の感覚通りに動くという事は、操縦者の戦闘技術がシステムの補助無く、良くも悪くもダイレクトに発揮されてしまうからである。つまりFCSの補正やオートバランサーによる姿勢制御といったものが事実上限定されてしまうが為に、操縦者自身にそれらを補うだけの技術が無ければ、かえって機体の足を引っ張り、いたずらに性能を低下させる枷に成り下がってしまう。
自分の身体感覚を肉体の数倍サイズの躯体へ拡張するという面でも、人によって向き不向きがあるのもあって、AEモードを使いこなせる者は非常に限られる。それは天授的な才能や肉体素養というより、より複雑な技術的な適性の問題であった。
LACに搭載されたマギクリスタルコアを利用し、CHARMの持つ「自分の手足のように扱える」という特性を拡大解釈して適用する機体制御モード。操縦者の身体感覚と機体フレームを一致させることで、より高い追従性と精密動作性を発揮する。本機の最大の特徴である運動性能を限界まで引き出すことを目的とし、ある種の人体拡張であるこの機能は、人工筋肉によって生物的な動作性を得た本機だからこそ成立する機能である。
世に流通するフィクションの多くでは、神経接続や思考制御は操縦タイムラグを極限まで短くするとともに有機的な動作をする事で大変に強力なものになる というのが殆どだが、残念ながらそのような事は実現し得ていない。
それと言うのも、操縦者の感覚通りに動くという事は、操縦者の戦闘技術がシステムの補助無く、良くも悪くもダイレクトに発揮されてしまうからである。つまりFCSの補正やオートバランサーによる姿勢制御といったものが事実上限定されてしまうが為に、操縦者自身にそれらを補うだけの技術が無ければ、かえって機体の足を引っ張り、いたずらに性能を低下させる枷に成り下がってしまう。
自分の身体感覚を肉体の数倍サイズの躯体へ拡張するという面でも、人によって向き不向きがあるのもあって、AEモードを使いこなせる者は非常に限られる。それは天授的な才能や肉体素養というより、より複雑な技術的な適性の問題であった。
問題点
マッスルパッケージという新機軸の構造からなる本機は、良くも悪くも独特な操縦感覚と機動特性を齎しており、換言すれば「癖の強い」ものと言わざるを得ない。それゆえ操縦者に求められる操縦技術はもちろんのこと、機体構造や基礎理論への理解についても総じて専門性が高く、現状では本機の運用に特化した訓練プログラムが必要とされる。最大の特徴である運動性能に関しても、急加減速に伴う操縦者への負担は苛烈を極め、緩衝システムの着用はもちろんのこと、鍛え上げられた心技体が必要不可欠である。
特に整備面は課題が大きい。マッスルパッケージ自体が最新の科学技術の塊という部分もあって、概してCHARMという魔術兵装の研究・整備を第一と捉えるガーデンの工廠科という集団においてはほとんど専門外の代物である。そもそも技術水準の面から見ても学生の手に負える代物ではなく、専門家と専属のスタッフによるバックアップが無ければ運用すること自体が不可能であった。人類の科学技術と組織能力を尊重する国立機関である芦屋工科で試験運用されているのはこうした事情があるが、まずそういう(ある種特異な)芦屋工科くらいでしかまともに扱えないと言うのもまた否定し難い事実である。
コメント
- コメントフォームを仮設置しました。マナーを守ってご活用ください。 -- 管理人 (2022-05-03 18:47:11)