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用語集/全般/5 - (2023/04/04 (火) 07:19:56) の編集履歴(バックアップ)



用語集/全般/な行以降

ゲームに関する専門用語や、当Wikiの記事中に登場する固有名詞に関する一覧。
編集を行う場合、過剰な個人叩き・企業叩きは控えてください



内部ランク

一般的に「ランク」と呼称される。この呼び方の場合は主にSTGでしばしば出てくる「プレイ中のプレイヤーの腕前(ランク)に応じて自動調整される難易度」のことをよく指す。
初期設定された難易度に加え、ランクに応じてさらに難易度が上がっていくが、難易度上昇をプレイヤーに一見でわかるようにさせないため「内部ランク」と呼ばれている。
一例として、生存時間や自機のパワーアップ状態に応じて上昇し、先に進ませないようこっそり難易度を上げて行く手を阻んでくる。
ここでプレイヤーがミスをすれば、内部ランクが下がる(=難易度が下がる。が、初期値以下にはならないし、初期値になるとも限らない)と言ったもの。
例えば『グラディウス』シリーズでは下手に自機をパワーアップさせるとそれ以上に敵が強くなるため、パロディウスシリーズに搭載された「自動パワーアップ」は「勝手にランクを上げてしまう罠」とまで言われたぐらいである。
また、『ピンクスイーツ』のように通常ショットを連射しただけでも上昇、ボンバーを使っても上昇、イベントシーン中も生存時間と見なされて(スキップしないと)上昇、といった極端な物も。

内部ランク自体は昔から存在し、現在ではSTG以外のゲームにも似た概念を持つものが存在するが、嘗ては一部のハイスコアラーが「稼ぐためにわざとランクを上げる」ぐらいしか気にはしなかった。
しかし90年代以降は「ランクの上昇を抑えないと一周クリアさえ難しい」というSTGが登場し、一般プレイヤーでも「如何にしてランク上昇を抑えるか?如何に有利な場所で自滅してランクを下げるか?(不利な場所でミスした場合、復帰が絶望的になる)」と言った計画的なプレイに神経質にならざるを得なくなった*1
要するにパターン構築を強要する事になる為、内部ランクの影響が強いと初心者離れを加速させるとして批判点に上がる。

中の人

元は特撮作品やキャラクターショーなどの着ぐるみを着用して演じるアクターを指す隠語であり、転じて声優を指すようにもなっていった。
現在ではさらに意味が広がり、制作スタッフや裏方、ゲームの運営やVTuber(の演者*2)などを指して使われるようにもなってきた。
語源は漫画『伝染るんです。』に登場するかわうその台詞、「下の人などいない!」に由来するという説がある。

名前登録

書いて字の如くゲーム内の名前を好きに付けられる機能のこと。「ネーム登録」とも呼ばれる。
ファミコンなどの黎明期は自由に名前を付けることが可能でRPG、アドベンチャーゲームではプレイヤーの没入感には欠かせないもの。更にポケモン等のモンスター収集・育成では個別に「ニックネーム」として付けられることも可能になった。
ゲームの進歩と共にボイスが当たり前になってくると名前をボイスで再現することは難しいため名前で呼ばれず「キミ」「お前」などの二人称呼びになったり、主人公の名前が固定になったことでそもそも名前が付けられないものも多くなっていった。とはいえ一部のゲームは名前が付けられるものは少なくなく人工音声で再現、ハナモゲラ語で再現といったゲームもある。
アーケードの場合はスコアボードのリストに書き込めたり、オンラインゲームでは多数がプレイヤーとして存在するため個々の名前を付ける必要がある。ただオンラインゲームの場合、運営方法にもよるがサーバー統合する際は他プレイヤーと被ってしまうということが起こりうるのでその際は再登録するということも無くは無い。名前に思い入れがあるなら尚更である。

ナラティブ

英語の「Narrative」であり、元来は「語り」を意味する言葉。 ゲームデザイン論において「物語を自分が作っているとプレイヤーに感じさせる仕組み」のことを指す。2010年代に入ってから頻繁に言われるようになった。
一般的に「ストーリー(Story)」と呼ばれるものはゲーム開発者の用意した筋立てやキャラクター設定のことであり、プレイヤーに対して”キャラクターの物語”を追体験してもらうために用意される。
一方、「ナラティブ(Narrative)」と呼ばれるものは、ゲーム内にある様々な要素からプレイヤーが自分で物語を組み立てていくゲーム構造のことを言う。プレイヤーの頭の中で組み立てられる物語は人によって千差万別であり、それはプレイヤーにとって”わたしの物語”となる。
例えばRPGで、どのNPCと出会ってどのイベントをこなすかというのは、仮に選択肢を膨大に用意して自由度を高めたとしても、それは製作者が想定する物語を複数用意しているだけなので、「ストーリー」の構造に属する。
一方、典型的な一本道のRPGであっても、ボスをどのような技で倒したのか、その時に仲間がだれか死んだのかなどはプレイヤーごとに違う。そのRPGの物語を思い返したとき、勇者と魔王との決戦の感慨は人それぞれとなるだろう。これはゲーム開発者も事前に用意できるものではなく、こういった部分は「ナラティブ」の構造に属する。

「映画や小説では味わえない、ゲームならではの物語体験」という言葉は昔からよく使われるが、それがどのようなものかは誰もはっきりと言葉にできなかった。
そこで21世紀に入ってから、アメリカのアカデミズム界でのゲーム研究者たちが、これをマジメに分析した結果導き出されたのが、この「ナラティブ」という概念である。
この概念はゲーム開発者の中で注目されるようになり、プレイヤーが積極的にナラティブを見出せるような仕掛けをゲーム内に組み込むことが重要という論が近年は高まっている。
2013年にはゲーム開発者会議「GDC」でナラティブに関する基調講演が行われ、同年に日本国内最大のゲーム開発者向け技術交流会である「CEDEC」でも取り上げられたことをきっかけに日本国内でも周知されるようになった。
その講演によれば、ナラティブとは「ゲームの体験が経験としてプレイヤーに刻み込まれる時、そこにナラティブがあった、と言う」と説明されている。
しかし同時に、明確に定義することは難しいとも述べており、「ナラティブはその人の頭の中にしかなく、結果からしか(その有無は)問われない」とのことである(参照)。
ナラティブを作りやすくする為の手法として「喋らない主人公」「世界観やキャラ設定の説明を控えめにする」「ローグライクのようなランダム性を持たせる」等が挙げられるが、それらによって実際ナラティブが作られるかはプレイヤーによって違う。

もっとも、この概念が提唱される遥か前から、ストーリーなど無いも同然の『Wizardry』が世界中で中毒者を生み出したり、文字やナレーションでのストーリー提示が殆ど無い「雰囲気ゲー」が一部ファンから熱狂的に支持される等、今考えるとナラティブに起因しているであろう魅力に惹きつけられたプレイヤーは多かった。前述の分析の結果、近年ゲーム開発関係者内で大きな盛り上がりを見せているが、「どうすれば没入感を高められるか」という課題に対し昔から暗黙知として存在していたというのが実情であろう。

いずれにしろゲーム業界においてまだ歴史が浅く、定義も主観的で曖昧さを伴う概念である。

難易度 / 難度

そのゲームがどのくらい難しいか、という指標のこと。難しいゲームであれば「難易度が高い」と、簡単であれば「難易度が低い」という表現をする。
ゲーム制作において重要かつ匙加減の難しい要素で、あまり高くしすぎるとクリアできず挫折するプレイヤーが続出し、低すぎると何も考えなくてもクリアできてしまう張り合いのないゲームとなる。
どちらも評価を下げる一因であり、幅広い層に対応すべく、プレイヤーが自分の技量に合った難易度を選べるようになっているゲームも多い。

好みは人それぞれ。世の中には難しいゲームを好む人もいれば簡単なゲームを好む人もいるため、よほどひどい場合でもなければ難易度の高低だけでそのゲームをクソゲー扱いしてはいけない。
「お前にとって難しすぎる(簡単すぎる)だけだろ」と言いくるめられるのがオチである。

現代ではライトゲーマーの増加により難易度を抑えた(または気軽に爽快感を得られる)作品の需要が高まっている。
無双シリーズの支持・変遷や、ソーシャルゲームのオート機能などはその流れの影響と言える。 一方で、ソウルボーンシリーズに代表される高難易度ゲームが世界的に評価されるなど、決して高難易度ゲームが滅んだわけではない。

難易度設定

古くは大体のアクションゲームに、近年ではRPGにも搭載されているゲーム全体の難しさを設定できる機能。
初期エクステンド数やコンティニュー回数などの調整とは別。
呼称は単に数字(1が最も簡単で数字が上がるごとに難しくなる)か英語(EasyやHard等)あたりが主流だったが、 2000年代からは世界観に合わせた単語(和風であれば「極楽」から「修羅」等)や概念的な単語も多い。
簡単な説明がなされているものも多いが、だいたいは低難度であれば「ゲームに初めて触れる方向け」で、高難度であれば「ゲームに慣れた方向け」というような感じが通例。
だが、稀に極端な例として最低難易度なのに「シリーズ未経験者が難しく感じる難易度です等、「難しい」という表現にこだわった説明をしているものも。

ゲームに及ぼす影響もいろいろで、簡単にすることで「敵の数が減る*4」「敵が攻撃してこなくなる」「取得経験値やお金が増える*5」もの、果ては「敵にぶつかってもミスしなくなる」「全滅してもその場で完全復活」という強烈なものまで。
一方、難しい側は「攻撃の種類・頻度などが激化する(カウンター、撃ち返しの発生も含む)」「耐久力増加、(見えない)パラメーター増強などのステータス補正」「的確に弱点を突くなどのルーチンの強化*6」などが挙げられる。

シミュレーションゲームでは敵AIの挙動を調整することで難易度を調整するものがあるが、『Civilization』シリーズのように低難易度ではプレイヤーにボーナスを与え、高難易度では敵AIにボーナスを与えるという粗い難易度調整もある。
ゲームによっては敵AIの賢さを個別に設定することで難易度をカスタマイズするものもある。
『Stellaris』は難易度に関わる設定項目が多すぎて、初心者には設定内容がゲーム内でどのように効いてくるのかを想像するのが難しい項目があり、初期設定自体がハードルの高いものとなっている。

ゲームスタート時に難易度を選ぶとその後は難易度を変更できない物が多いが、ミッションクリア型のゲームには『Sniper Elite』シリーズのようにミッションごとに難易度を変更することも可能なものがあり、『Styx: Master of Shadows』のようにミッション中でも難易度を変更できるものすらある。

選べるからには高難度の方において、主に「獲得スコアが増加する」「持ち越せるアイテムの質が向上する」といった何かしらのメリットがある場合もある。
一時期前の格闘ゲームやSTGに多かった「エンディングが変化する」ケースはプレイヤーにとってのある種の栄誉であるが、ストーリーを見たいプレイヤーを切り捨てることになる諸刃の剣でもある。
他、『新・光神話 パルテナの鏡』等の様に、難易度設定そのものをゲーム性と設定に取り込んだものもある。

ただし調整をプレイヤー側に委ねた結果、根幹のバランス調整が疎かになっている*7場合もあり、 ここにきて「バランスのためのバランス」を取らなくてはいけないという最早パラドックス的な状態に陥っているケースも少なくない。

シリーズ作品においては、大味なバランス調整で難易度設定が乱高下する場合があり、1作目が簡単過ぎた反動で2作目が無理ゲー級の難度となり、その反省で3作目で簡単に逆戻りした実例や、その逆の実例もある。

アーケードゲームにおいては、原則としてプレイヤーではなく設置店舗側で設定するもの*8であり、遊技料金に応じて格安店ではハードランク設定にしてプレイ時間の短縮を図り、高額店ではイージーランク設定にして料金以外のサービスの一環とすることで競合店舗との差別化を図ることが多かった。

ただし、コナミの『BEMANI』シリーズやバンダイナムコの『太鼓の達人』シリーズなどの音楽ゲームでは、誰でも楽しめるようにするため、1曲ごとに難易度の異なる数本の譜面からプレイヤー自身で選択できるのが当たり前になっている。
最近のオンラインタイトルでも環境統一のために難易度は一律であるか、最大5段階程度の難易度選択ができるもののどちらかになっている。

ナンバリングタイトル

番号付けされたゲーム。主に「外伝やスピンオフ作品ではない主軸作品」のという意味で使われる。
例えば『ドラゴンクエスト』シリーズは『1』から『11』がナンバリングタイトルで『ドラゴンクエストモンスターズ』や『ドラゴンクエスト不思議のダンジョン』等はナンバリングタイトルに含まれないスピンオフという扱い。
外伝でもシリーズが続くとナンバーが振られることがあるがあくまで「ナンバリングタイトル」は本編のみを指す。
何故このような使い分けがされているかというと、ゲーム業界では人気の出た作品の前日譚や後日譚が作られたり、果ては同じ世界観やキャラを使った別ジャンルのゲーム(RPG作品から派生した格闘ゲーム等)が作られたりする為である。

ただ、ナンバリングしていたタイトルも何かのタイミングでナンバーを止めたり(『スーパーマリオブラザーズ』『実況パワフルプロ野球』等)、逆にそれまで機種名等を付けていたものが途中からナンバーを採用(『マリオカート』『ウイニングイレブン』等)する場合もある。
また、『テイルズ オブ シリーズ』のようにナンバリングされていないが本編と外伝が区別されているシリーズや、本編とされる作品にナンバリングがついているものとそうでないものが混在して「"2"がシリーズ3作目」という不思議なことが発生するシリーズ(『星のカービィ』『キングダムハーツ』等)というケースもある。
さらに最近ではタイトルからナンバリングを外しながらも、ロゴにローマ数字の意匠を施してナンバリング相当の作品であることを表している『BIOHAZARD VILLAGE?』のようなゲームも。

日本版と海外版でナンバリングが一致しないケースもあり、ナンバリングについてはシリーズの歴史にも関わる難しいところもある。
スーパーマリオブラザーズ2』が日本と海外で内容が別物(詳細は『スーパーマリオUSA』を参照)だったり、『グラディウス』のように海外で『グラディウス』を名乗ったのは『III』からという事例も(しかも『沙羅曼蛇』が入るのでシリーズ4作目)。
ファイナルファンタジーVI』が海外では『III』として発売されたが、次作『FFVII』から日本とナンバリングを同期させたため混乱を招いた。
『ドラゴンクエスト』シリーズは海外では版権が理由で長らく『DRAGON WARRIOR』として発売されていたが『VIII』からタイトルが『DRAGON QUEST』とされるようになった*9
『三國無双』シリーズでは『真・三國無双』が『Dynasty Warriors 2』で、『無双OROCHI』シリーズの『魔王再臨』が『Warriors Orochi 2』となったため、これ以降で日本版と海外版でナンバリングが1つズレている*10

なお、日本では『SILENT HILL ZERO』や『龍が如く0』のようにシリーズ1作目以前の物語に「0」というナンバリングを付ける傾向があるが、これは日本独自の解釈であり、海外には「0」というナンバリングの概念が存在しない*11

一時期、シリーズ作品において新規ユーザーに配慮して最新作のタイトルからナンバリングを外す傾向が見られた。
しかし、実際にはタイトルにナンバリングの付いた作品の方が新規ユーザーが増える傾向があり、現在では再び最新作のタイトルにナンバリング付けるシリーズ作品が多くなっている。
実際、人気シリーズのナンバリング最新作が発売された前後には過去のシリーズ作品も売上が伸びる為、ナンバリングタイトルに大きなマーケティング効果があるのは間違いないだろう。

2段ジャンプ

アクションゲームや格闘ゲームで、キャラクターが地上からジャンプした後、足場のない空中でさらにジャンプする動作のこと。
現実ではありえない動作だが、ゲーム内でこれができるようになるとアクションの幅が大幅に増えるため、採用されているゲームは多い。
しかし、多段ジャンプがどこまでもできるとバランスが壊れてしまうため多くても3段まで、など制限されている。
2段ジャンプを最初に採用したのは1985年発売のアーケードゲーム『ドラゴンバスター』であると言われている。

壁ジャンプ

ジャンプしたキャラクターが壁に接触し、反動で反対側に飛ぶ動作。三角跳びとも言われる。
2段ジャンプと異なり、間隔の狭い向かい合った2つの壁があるなどの条件が整えば壁ジャンプが成功する限りどこまでも登っていけるように調整されていたりする。

壁走り

壁に対して正面からではなく斜め方向からジャンプすることで、壁を走れるアクション。『Darksiders II』などの3Dアクションゲームにのみ存在する。

Nintendo Direct

2011年10月21日から始まった任天堂がインターネットで発信する情報番組。
当時、任天堂は発信した情報がメディアやインターネットで歪められ、エンドユーザーに間違った状態で届くという状況を問題視しており、その対処として任天堂自身がファンへ直接情報を届ける試みとして開始された。
岩田社長(当時)が「直接!」と愉快なポーズを取って話す様子は親しみを持って受け入れられた。その後も社員や開発者が表に出る形で現在まで続いている。
また、ポケモンなど特定タイトルのみに絞ったり、E3に合わせて開催するなどでの特別版もまれに行われる。

メーカーが直接情報を届けるという形式はSNSが発達した現代において非常にマッチしたため、任天堂が採用してからは多くのゲーム会社が追従するようにYouTubeなどで情報発信を行うようになっていった。
その経緯から、今日ではこのような情報番組を「○○(メーカー名)ダイレクト」と通称するようになったりしている。

ネタバレ

作品の結末や核心部分等、重要な内容を暴露してしまうこと。
英語圏では害するを意味する「スポイル(spoil)」から、楽しみを害するという意味を込めて「スポイラー (spoiler)」と呼ばれる。
そのことからわかるように、核心部分を事前に知ってしまっては興を削がれるということでネタバレを忌み嫌う人は多い。
ネットが発達してからは掲示板やSNSでのネタバレが多くなってきたため、購入前やプレイ中はネットを断つという人までいるほど。
特にTwitterなどのSNSでは不特定多数に触れやすいので楽しみを共有したいのにネタバレしてしまっては…と戦々恐々となってしまう。
パッケージ版を全世界同時販売するようなゲームの場合は運賃の安い船便で世界各地に運ぶためには、発売1ヶ月以上前にはパッケージ生産を済ませて発送をしないと間に合わない。
よってそういった近年のソフトは、発売1ヶ月前にはパッケージに収録されている内容は漏れるという前提でメーカーは動いている。
一例として『スマブラSP』のように発売1ヶ月前に公式が収録キャラを全て公表したり、パッケージ版でも発売直後にパッチで要素を追加するなど新鮮味を加える対応も珍しくない。
逆にネタバレを好む人も多数存在しており、ゲーム中での対策の難しいギミックへの予習のみならず、ストーリーで予め結末や核心部分を知ればプレイする際にストーリーを更に楽しめたり*12、未プレイ者でもストーリーやキャラに興味を持てば購入に繋がったりする、ネタバレならではのメリットも見られる。

ネットが普及した現在においては、個人によるプレイ動画のネット配信を容認しているメーカーでもネタバレには厳しいところが増えている。
昨今では、特にADVやRPGなどのストーリー性の高い作品については、動画の投稿等に一定の制限*13を設けている場合が多い*14


Perk

パークと読む。「Perquisite」の省略形で「特典」「役得」等を意味する。
洋ゲーで主に使われる用語で、レベルアップ等で得たポイントと引き換えに獲得する「スキル」のこと。
Interplay社が開発した『Fallout*15』に搭載されたシステムが元ネタで、これ以降他社のゲームでも採用されるようになっていった。

ハード格差

各ゲーム機のスペックによってゲーム性が左右されること。
マルチリリースしているゲームソフトや同時接続ネットワークで提供しているいわゆるMORPGやMMORPGに起こりやすい問題。
データのダウンロードに長い時間を要されることもあればタイムラグがハード間によって生じやすいゲームがあったり、処理落ち、最悪ブラックアウトやフリーズしてしまうケースのものもある。
こういった問題は日本ではネットゲーム黎明期にあたる2000年代から2010年代初頭に起こっており、当時は主にゲームハードのリリースから高機能のPC、高スペックのゲームハードへのマルチ展開へなることが多く、CPUやビデオチップ、メモリの性能差の関係から開発者にとっては悩みの種となることが多い。
長くサービスが続いているゲームであればあるほど追加コンテンツ等でデータが積み重なり、結果古いハードは容量の問題で頭打ちとなるケースがほとんどでハード打ち切りとなり、プラットフォームが高スペックのゲーム機やPCに限定されてしまうということもままある。
ユーザーによってハード打ち切りは由々しき問題ではあるものの、時代の流れゆえに仕方ないと受け入れるユーザーも多い。

ハードコア

「中核」「強硬派」等を意味する英で、ゲームにおいては主に洋ゲーで見られるモードを指す。
死んだら復活なし + セーブ消去(最初からやり直しのパーマデス制)、適度に睡眠や食事をしないと能力低下や死亡するなど、より高難易度な形に一部システムを変更するゲームモード。
過激なゲームプレイを所望するドM凄腕ゲーマー向け。イージーからハード等の難易度設定とは別にオン・オフや専用のセーブデータで遊ぶなどといった区別がされていることが多い。
ゲームにもよるが、概ね「最初はプレイ不可だが一定条件を満たすことでプレイ可能になる」隠し要素として実装しているものが多い。

音楽においても、「ハードコア・パンク」「ハードコアヒップホップ」「ハードコアテクノ」と呼ばれるジャンルがある。
この中でも「ハードコアテクノ」は音ゲーやSTGなどといったアーケード・アクションゲームにおいて高難易度要素に絡む形でよく採用され、ゲームミュージックやDTM業界において「ハードコア」という言葉が使用される場合は、大体「ハードコアテクノ」を指すようになった。

パーマデス

「蘇生不可能な死」を表す英語の「PermaDeath」のこと。「Permanent (永久化)」と「Death (死)」を合わせた造語。
コンピュータゲームの界隈では、長い時間をかけてキャラを成長していく要素があるゲームにおいて、一度死んでしまうと二度と復活できずにすべてを失うような仕様になっているものを「パーマデス系」などと呼ぶ。ローグライクのジャンル、あるいは上記の「ハードコアモード」の追加要素でしばしばみられる。
パーマデス系のゲームはプレイヤーに緊張感を与えるが、死んだらプレイの全てが無駄になるという意味で、この上なく人を選ぶ要素の1つ。「ハードコアモード」のようなオプション要素ならまだしも、根から難易度が高いゲームの強制仕様であるケースもしばしば。

ハイエンド

「最上級の」という意味。ハイエンドゲームやハイエンドPCなど、その時期で最もハイスペックなモノを指す。対義語はローエンド。中間ぐらいのものはミドルレンジと呼ぶ。
あくまでその時々の最上級品なので、ハイエンドだったものが翌年にはミドルレンジになっていた、というのはよくある話。

買収

ある企業が他の企業を支配する目的で議決権の概ね過半数以上を買い取ったり、事業部門を買い取ったりすること。
世間一般でも大きな企業が小さな企業を買収することはよくあることだが、ゲーム業界では主にパブリッシャーがデベロッパーを買収することが多い。

ゲーム業界における史上最大の買収は、やはり2020年9月21日のマイクロソフトによるZenimax Media及びその傘下スタジオ(Bethesda、id Software等の老舗デベロッパを擁する)を買収したことだろう。
さらに、マイクロソフトは2022年1月18日にも『Call of Duty』シリーズや『Overwatch』で知られるゲーム業界の古株であるActivision Blizzardの買収を発表している*16
近年マイクロソフトは大手デベロッパーの買収に力を入れており、結果として多くの人気シリーズの最新作がCS機においてはXboxハード独占となってきている。
また、マイクロソフトはゲーム業界に参入する前年の2000年に任天堂を買収しようとして失敗したことを公式で認めており、もし実現していればゲームの歴史が大きく変わっていただろう(参照)。

なお、マイクロソフトに続くようにSIEも2022年2月1日に『Destiny』シリーズの開発元であるBungie*17買収する等、海外デベロッパーの買収を進めている。
だが同時にSIEは日本市場をターゲットから外しているのか、PSのJapan Studioを解体すると言った行為も行っており、日本のユーザーから反感を買っている。

廃人

諸事情で普通の社会生活が営めない人への蔑称。 そこから転じて、日常生活に支障をきたすほどゲームに熱中している人のこと。オンラインゲーム依存症の俗語。
オンラインゲームはオフラインと違って明確な終わりがなく、アップデートで次々と新要素が追加される、レアアイテム入手やキャラ成長に時間がかかるなどプレイを継続させる要素が多い。
また、他プレイヤーとの交流もあるためゲームにのめり込んで仕事を辞めるなど実生活にまで影響を及ぼした人が廃人である。
さらに転じてオンラインゲーム以外でもハクスラ要素のあるゲームやポケモンなどでひたすら厳選を繰り返すプレイヤーを指すこともある。
加えて、何時間もかかる100%RTA、通常プレイでは見つけられないバグ技を利用したプレイなど、尋常でないやりこみプレイをするプレイヤーを畏敬の念を込めて廃人と呼ぶこともある。

配信サービス

過去のゲームおよび最新作の大半が有料ダウンロード販売されているサイト。
中にはプレミア化されたゲームも配信されている為、安価で購入できるので便利である。
任天堂は「Nintendo e-Shop」が、ソニーは「Playstation Store」が、マイクロソフトは「Microsoft Store (旧Xbox Store)」が購入窓口。
PC向け配信サービスとしては日本国内ではD4エンタープライズ(旧ボーステック)の「プロジェクトEGG」と、EXNOA(DMMの子会社)の「DMM GAMES」が、世界規模ではValveの「Steam」と、GOG Limited*18の「GOG (旧称:Good Old Games)」と、Epic Gamesの「Epic Games Store」と、EAの「Origin」と、ユービーアイソフトの「UBISOFT Connect*19」が代表的。
購入の際は「ニンテンドープリペイド (Switch)」「PlayStation Store Card (PSP~PS5)」「Microsoft Point (360~XSX)」といったポイントが必要となる。
クレジットカードで購入する場合は決済時に自動的に変換されるので意識せずに済むが、持っていない場合は事前にプリペイドカードとして各所で売られている物を購入、各ストアにコード番号を入力してポイント化のあとストアで購入となる。
ちなみにだがこのプリペイドカード、レジで認証しないとコード番号が有効にならないので、万引しても無駄である。
ただし、プロジェクトEGGはゲームごとの個別購入の他、月額550円の月会費が必要となる。
とはいえ無料ゲームの配布もある為、後述するサブスクリプションサービス使用料のついでにゲームを購入可能と思っておくべきか。

サブスクリプションサービス

通称「サブスク」と呼ばれる、ストアに月額料金を支払うことにより、100本程度のゲームが自由にプレイできるサービス。
様々なゲームをローコストでプレイ可能だが、月額を支払うというところに抵抗を感じる人も多い。
特に一つのゲームを数ヶ月単位でやり込むタイプのプレイヤーの場合、結果的にサブスク料金を支払い続けるより普通に購入した方が安あがりになる場合がある。
ゲームにはプレイ可能期間が決まっている場合があり、それを超えてプレイしたい場合は改めてゲームを購入する必要があるが、セーブデータはそのまま持ち越し可能。
現在のゲーム業界では、Microsoftが本格的なサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass*20」に力を入れており、これに加入すればXboxハードの新作を発売日から遊ぶこともできる*21
また、Originのサブスクサービス「EA Play」ではEAの新作を発売日より10日前から最速でプレイ可能とうたっている。近年ではiOS向けのゲームサブスク「Apple Arcade」も見られている。

また「Nintendo Switch Online」「PlayStation Plus」「Humble Bundle Trove」のように、他のサービスのおまけとしてサブスクが付随しているタイプもある。
ただし、付随におけるサブスクの場合は「フリープレイ」というあくまでも有料オンラインの特典サービスである為、他のサブスクと比べると本当におまけ程度のものである一方、元のサービスの利用権が有効な間はずっとプレイ可能という形を取っている。
一方、SIEはPS5で「Playstation Plus Collection」という新たなサービスを開始したが、こちらはPS5からしかアクセスできない為、PS5を所持していないとこのサービスの恩恵を受けられないのに加え、2023年5月9日にはこのサービスが終了する。
なお、「PlayStation Plus」では2022年6月2日から月額料金で300本以上のゲームを自由に遊べる新たなプランが導入され、初代PS/PS2/PS3/PS4/PS5/PSP (PSVを除く) のゲームがダウンロード及びストリーミングで遊び放題となった*22

ちなみに、Paradox Interactiveは2021年夏から『Europa Universalis IV』や『Crusader Kings II』等で、ゲーム本体所有者に対して全てのDLCを1ヶ月間使用できるサブスクリプションサービスを開始している。 これは後追いで「Nintendo Switch Online+拡張パック」も採用している。

パカパカ / ポケモンフラッシュ

アニメやゲームに用いられる表現技法で明度の強い色や光を交互に点滅させることで迫力のある演出が可能になる方法。後述の事件から「ポケモンフラッシュ」と呼ばれる事も。 元々はアニメで使われていたがゲーム機の技術向上でファミコン時代から演出が可能になり、以降はよく表現技法として使われるようになった。
当初は問題視はあまりされなかったものの1997年12月16日放映されたアニメ『ポケットモンスター』の第38話を見た多くの視聴者(多くは子供)が光過敏性発作で倒れ、緊急搬送される事態に(通称:ポケモンショック、ポケモンフラッシュ)。
以後問題が取り立たされガイドライン制定。チェックが厳しくなっていった。テロップに「テレビを見るときは部屋を明るくしてから見てください」と表示されるようになったのもこの出来事があってのことである*23*24
ゲームソフトも例外ではなく、『ファイナルファンタジーV』の一場面にてプレイヤーがてんかんを起こすという問題も過去に起きている。
「バーチャルコンソール」や「ゲームアーカイブス」等で復刻されているレトロゲームはこの出来事に配慮して「修正」される場合があるが、ハード根本のソフトウェアでは修正のしようがない為以下のソフトはプレイには注意を払った方が良いだろう。
読んで字の如くだが、この出来事のせいでポケットモンスター側としては不名誉な語句を残すことになってしまったのは言うまでもない。
他にも、上述の事件の影響で当時は1998年4月に発売予定だったGBCが半年後の同年10月に発売が延期される等という弊害も起きている。

光過敏性発作

上記のパカパカが原因で発生する可能性のある体調不良や、その症状をこう呼ぶ。
かつては『光過敏性てんかん』とも呼ばれていたが医学的なてんかんの定義に合致する症状とは限らないため現在の呼称となっている。
人類の脳や目が人工的な光の明滅に晒されるようになったのは比較的最近のことであり、それをもたらすテレビやパソコン・携帯電話などが個人レベルに普及してからはさらに歴史が浅いためにまだ研究が進んでいない。
しかし、概ね「数千人に1人程度の耐性が少ない者が、激しく光が明滅するなどの刺激を受けると発症する」ことが多い。
条件が同じでもその映像に熱中する、つまり画面に物理的に近づいてより刺激を受けたり、映像内容に意識が集中することでさらに危険性が増す。

2021年時点では家庭用ゲームのハードメーカーは光過敏対策として、光の表現を抑えるガイドラインを定めている。
激しい光の明滅描写が一定限度を越えるゲームが発売されることは少なく、レトロゲームを復刻する場合も該当しそうな場面があれば修正している。
だが、スマホ用アプリやゲームでは厳格な基準ができていないため、例えばガチャで大当たりした等の「演出を盛り上げる」時に激しいフラッシュの明滅を起こすアプリも存在する。
またCSゲームでは考慮されているといってもあくまで見る側の体質による個人差がある。
加えて、ゲーム表現側でたまたま特定のエフェクトが重なって眩しくなることで光過敏性発作を起こすことはありえる。
その為、普段から自分の体調を考慮してゲームをプレイし、それらしい症状を自覚したら医師に相談することが望ましい。

既存の映像作品で光の描写を修正すると言っても、例えばテレビアニメの再放送の場合は、映像データはあってもアニメのセル画などの元の素材をいじることは難しい。
それ故に、激しく光る表現を「描き直す」ということはせずにその場面全体を暗くすることで対応することが多い。
見る側からすれば「修正する必要があるのはわかるが雑なやり方」と感じるが、現実的には他に対応法がないケースと言える。
ゲームで同様の修正を行う場合も、ゲームデータを書き換えることが可能ならばなるべく描写を損なわず光の表現だけを直すことは可能。
ただし、それが難しい場合はいわゆるフラッシュを消すだけだったり、やっぱり直せないので再配信を諦めるなどケースバイケースである。

バグ

製作側の意図しない不具合のこと。
なお、プログラムの世界ではおよそ1960年代よりテスト手法の体系化や用語の定義がなされてきたが、この「バグ」という言葉は文脈や使用者の立場によって意味が異なる。 海外ではバグではなく「グリッチ」の方が一般的。

一般に、ユーザーがバグと言った場合、明らかに正しくない挙動が発生した状況そのものを指すことが多い。
例えばキャラクターがオブジェクトにめりこんだり、ゲームがフリーズして動かなくなってしまったりと言った時、その事象自体が「バグ」であり、そのバグが発生したという意味で「バグった」と表現される。
一方、開発者側の専門用語としてのバグは「要件や仕様を満たさない不備」、即ちプログラム上のコードの書き間違いや認識不足によって製品に仕込まれてしまったミスのことを意味する。
そのため、「バグ」という単語を読み解く場合は書き手がどのような立場で、どのような意味で用いているかを解釈する必要がある。

時折、特定のバグを紹介する文脈に対して「それは○○なのでバグではない」という反論や論争が起きるが、こうした解釈の違いにより発生するものなので一概にいずれが誤りとは言えない。
とはいえ丸く収めるためには、発生した事象について「バグ」ではなく「不具合」と表現するのが良いだろう。

巻き戻って単語そのものの由来についてだが、Bugとは元々「虫」を意味する英単語であり、コンピュータに混入した小さな虫が原因で不具合を引き起こしたという逸話からプログラムの不具合をバグと呼ぶようになった、という説がある。
パラメータの狂いから進行不能になるものまで、その範囲や発生頻度はピンキリ。プレイヤーが得をするものは「裏技」の一種とも解釈される。
また、グラフィックが狂ったり、本来侵入不可の場所に行ける不具合は役に立たなくても「笑えるバグ」として有名になる事もある。
しかし、不具合というだけあってプレイヤーの意表をつく動作をするので、被害の生じるタイプは非常に困る。
特に、発生頻度が高い・再現性が高い・現象のタチが悪い・数が多いといった形で不具合の目立つゲームは「バグゲー」と呼ばれ、時には「商品未満」「欠陥品」などクソゲー以下の扱いを受ける事にも成り得る。
プログラムの仕様、納期や予算の都合からバグを根絶するのは不可能であり、発売から時間が経ってから気づかれるケースも多い*25
このような事情から不具合について「仕様」「裏技」などと開き直るメーカーもあるが、バグは欠陥である。本来なら無いに越した事はない。

なお、発生するバグの傾向は、今と昔で異なっている。
昔は開発者の想定を超えた数値の変動による変数の桁あふれを始めとする単純な理由で、ゲーム内要素の変化・無限増殖や、「数値が一巡してゼロに戻る」といった現象がよく見られた。
ある程度開発環境が整備されてデバッグ技術が進み、大容量のメモリを容易に扱えるようになった時代では、その手のバグはほとんど淘汰された。
その代わり、複雑化・多機能化したプログラムのバグは、画面が停止して一切のボタン操作を受け付けなくなる「フリーズ現象」や「セーブデータ破壊」などの大損害を生じさせる物が増えている。
総じて裏技と呼べるようなバグは減少傾向にあり、不快なバグは増加傾向にある。
また、据置機がカートリッジ式だった頃は物理的な起因により不具合が起きて進行不可能、果てはセーブデータ消去になるケースも多かった。
普通にプレイする分には問題はないが「ペットがゲーム機に触れてバグった」「母ちゃんの掃除機アタックでバグった」なんていう出来事も今は昔の話である。

一方で、カセットを半端に挿す(接触不良を起こす)等の方法で強引に不具合を引き起こす裏技も存在するが、当然これをやってカセットやゲーム機が壊れても補償対象外であるし、クソゲー判定には一切影響しない(というかさせてはならない)。
またCD-ROMなどでも「データ読み込み中に蓋を開ける(ディスクを抜く)」等の方法で同様の不具合を起こす行為がある。これでゲーム機が壊れる可能性は低いものの、CDの方に引っ掻き傷が付く事を覚悟する必要はあるだろう。

ボードゲームやカードゲームをコンシューマーゲームで再現したものの場合、本来のルール・仕組みとは異なる動きをしてしまう現象をバグと称することもある。

さらにプログラム上の誤りとは少し異なるが、誤植・誤訳・誤記などもバグと分類することができる。例を挙げるとゲーム内用語や取説(readme.txt含む)での間違い、クイズの嘘問・悪問*26のようなプレイヤーに不利益をもたらすものや、「役不足」「敷居が高い」などの誤用といったプレイに影響の無いテキストのミスがある。

また、ゲームの世界内でバグを取り扱うゲームもある。この場合検索エンジンで検索する時にちょっとややこしいことになる。

最後に余談だが、調理家電にも複雑なプログラムが乗るようになった現代、世界中のあらゆるソフトウェアの中で、ゲームはかなり不具合修正に対する意識が緩い。
それも当然で銀行のATMや医療機器、飛行機の制御システムにバグがあったら大問題だが、ゲーム内の不具合が人命に関わることはまずないからである。

そこでソフトウェアテスト界隈にはこんな話がある。
では、ゲームにおける最大のバグ(不具合)とは何か?
答えは「そのゲームが面白くないこと」である。

パスワード

  1. プレイデータを文字列化したもの。厳密にはパスワード(合言葉)ではなくエンクリプション(暗号)。
  2. プレイヤーの個人認証用の文字列

1はセーブデータシステムがまだなかった時代のゲームにおいて、ゲームの状態を保存・記録するために生成された文字列のこと。
現状のデータからパスワードを生成し、それをプレイヤー側が保存。再開時にはパスワード入力画面にてそれを入力し、正しければ続きから再開できる…というもの。

間違えると前回のプレイが水の泡になる、扱うデータ量に比例して文字の種類や長さが増えていく、よく似た文字が両方使われると判読・入力が厳しくなる(特にアナログテレビ時代)…といった欠点が大きい。

一方で「パスワードの正確性および保管が完璧なら、例え数十年経っても続きから遊べる*27し、セーブデータの枠数を気にする必要もない」「遠くのゲームセンターや友達の家などでデータを持ち寄る際、外部機器を必要としないため安価・便利」といったメリットも存在している。
中には熱心なプレイヤーによってパスワード生成システムが解析され、面白語句のパスワードや生成ツールが公開されたゲームもあったりする。
パスワードといっても形は様々で文字や数字で入力するものや、アイコンやキャラの顔の向きによるもの、ボード版に色の異なるビーズを敷く、といった様々なものがある。
また、開発者のお遊び要素や偶然の発見により1つの文章や語呂合わせとして纏められたパスワードも存在し、チート級の強さになって再開できたり、デバッグモードになるという隠し要素もあるがこちらは「裏技」として扱われることの方が多い。

データの簡略化のために再現が100%ではないものが多々存在し、パスワードの文字数を減らすために再開時にプレイヤー名を入れなおすといったケースも存在する。
扱えるデータ量が少ないFC時点でも欠点が厳しかったため、パスワードは管理項目の少ないアクションゲームで採用される程度になっていった。

2は本来の意味でのパスワード(合言葉)。最近のアーケードゲームやオンラインゲームにおける、ID(ICカード等)に加えて入力するユーザー自身が設定した文字列のこと。
こちらはあくまでもIDや個人情報保護のためのセキュリティであり、上記のゲーム内容を保存するためのパスワードとは別物で関連性は薄く、後述のPINに分類されるものもある。

ちなみに当wikiでは扱えないある種の遊技機において、スタンドアロン動作でなければならない/遊技者の手による操作以外の入力を行ってはならない/遊技球(遊技メダル)以外の払い出しを行ってはならないという風適法の制限からパスワードロード/QRコードセーブが採用されている。

PIN

Personal Identification Number」の略で、本人認証のために使うパスワードのうち比較的短い桁数(4桁程度)の数字という形式のもの。
ゲーム関連だとコナミなどのアーケードゲームで暗証番号の入力が存在する。

ワンタイムパスワード / OTP

ログインの度に変化する「一度しか使えないパスワード」の事。
ログインした(通常パスワードを入力した)後にスマホやトークン(OTP専用の機械)に表示されるPINを入力しないとパスワードが成立しない二段認証用のパスワード。
紐づけしたスマホやトークンが無いと本人でさえOTPが判らずログインできなくなる為、ある意味物理認証とも言える。当然、一度ワンタイムパスワードの入力に失敗したら最初からやり直しであり、OTPも新しい物に切り替わる。
一方でスマホゲームでは「OTPを同じスマホに表示させたら意味が無い(スマホをもう一台用意するなら別だが)」という理由から採用される事はほぼ無い。
トークンに関しても「スマホの手軽さが失われる(一緒に持ち歩くのが面倒)」「そもそもスマホと一緒に持ち歩いたらセキュリティの意味がない」という理由で使われない。

  • OTP関連の事件
    • 外部OTP*28を提供していたサードネットワークス社が(クラッカーの攻撃を受けたのか)散々接続障害を起こした挙句、最終的に音沙汰無しに。結果、採用していたSEGA等の企業はOTPを諦めるか自社で運営する必要に迫られた。なおSEGAは自社運営に切り替えたがトークンは作らなかったため、スマホを持たないユーザーはOTPを使えなくなってしまった*29

Hack and Slash

hackは「叩き切る」を、slashは「斬りつける」を意味する。日本では「ハクスラ」と略されることが多い。
TRPGプレイヤーの間から生まれた言葉で、「ロールプレイよりも敵の殲滅を優先する」プレイスタイルやゲームデザインを指している。

今日では主に敵のドロップアイテム(Loot・戦利品)や経験値でプレイヤーキャラクターを強化していくゲームにおいて、"経験値稼ぎ"や"素材集め"などのために、ストーリーの本質とは外れた戦闘を繰り返せる・その必要がある要素の有るゲームを指す。
元々はCRPGとアクションゲームの一部に採用されてきたが、『Borderlands』はそのシステムをFPS/アクションシューティングゲームに導入し「ルーターシューター」という新ジャンルを開拓した。

敵がドロップする、性能がランダムな装備品アイテムをプレイヤーが吟味する必要があるというシステム*30は、同じ敵との戦闘を繰り返す必要性が生じて、強いハクスラ要素となる。
ただし、このうえで入手した装備に耐久度が設定されていて「性能が落ちる」「装備が壊れる」「使用可能回数が限られている」などの足枷があると、ほぼ泥沼と化す。

バックストーリー

ゲーム内で直接は描かれない裏話のこと。
手記やメモ、音声データやアイテムテキストといった形で示されることが多い。「フレーバーテキスト」とも。
これによりプレイヤーはじっくりとテキストを読んでストーリーを楽しむこともできるし、ストーリーを無視してゲームプレイに集中することもできるという利点がある。
また、ゲームの主人公視点で、ゲームの物語の中で何が起きているのかという情報を集めていくことになるので、特にホラーゲームなどで没入間を高める効果もある。
一方で、人によってはストーリーが分からないままエンディングを迎えてしまったり、毎回テキストを読むことでゲームテンポが悪くなってしまうこともあるので、一長一短である。
シューティングゲーム等、どんなにストーリーが良くてもそれが評価点になる事が滅多に無いジャンルでも、バックストーリーの主体性が作中の描写よりも強すぎる、或いは乏しすぎる・シナリオが明らかに駄作・広げた風呂敷を畳んでいないと「明らかに手抜き」として問題点になりうる。

パッケージ

ゲームソフトを梱包している外装箱・化粧箱のこと。
ディスク媒体が主となっている現在ではDVDやブルーレイの規格のケースに収められ、同時にディスクの保護的収納な意味で一般でも収められていることが多い。
かつてカセットが主流だった頃は紙製の箱に、内部はプラスチックの枠に保護されて説明書と共に同封されていることがほとんど。
例外としてナムコ製の商品は独自のプラスチックケースという仕様になっていたこともある。
しかしカセットの耐久性とコンパクト性の高さ故に「紙製で安っぽい箱」という要因も絡んで「場所を取るパッケージは不要」というケースに陥りやすく、捨てられることも少なくなかった。
そのため、中古市場で出回っているカセット媒体は箱なしがほとんどで、箱有りはレアリティの高さ故に場合によっては額が上がったり時にはマニアに高額売買される例もある。
気づき難いことだが、意外にもパッケージは「メディアの進歩」と共に歩んでいる。
例えばPCEのHuカードはCDケースを流用したものになっており、SFCのパッケージはVHSカセットとほぼ同サイズ。
ディスクメディアが主流であるPS/SS以降はCD・DVDに準拠したケースになってゆくのは周知の通り。
近年はフラッシュメモリの跳躍的な進歩により、PSP (UMDディスク) ⇒ PSV (メモリ型カード)、WiiU (12cm光ディスク) ⇒ Switch (メモリ型カード)という様に据置機ではディスクメディア、携帯機ではフラッシュメモリが使用される傾向にある*31
言うなればカセットメディアへの回帰ともいえるが、その上でパッケージはプラスチック製で頑丈、薄く、小さく、進歩している。
コンパクトさなどから、かつての「ソフトの邪魔者」から「保護者」として認識が変わりつつある証左と言える。
パッケージ自体が復刻版としてサイズを変えて登場する例もある。GBAの「ファミコンミニ」シリーズがその一例である。

また、ダウンロード版の対義語として店頭購入するメディア媒体に入った形態のゲームソフトのことをパッケージ版と呼称する。
また、小売店で売っているという意味でリテール版とも呼ばれる。

パッチ

英語の「patch」のこと。「バッチ(batch)」だと誤用になるので注意*32。元々の意味は「(衣服に開いた穴をふさぐ為の)充て布」の事。
ここから転じてコンピューターソフトに存在する不具合を直す(通称:穴をふさぐ)為の修正プログラムを指す。さらに転じて特に不具合とは関係のない追加データを指すようにも。
PCゲームではオンライン環境が早くからあったこともあり、パッチを配布することは珍しくなかったが、オンライン接続ができないハードの場合は修正版と交換したり、修正プログラム入りのUSBメモリが店舗に送られて店員がバージョンアップを行う…といった形で対処することが多かった。
しかし、PS3/360/3DSといったオンライン接続可でHDD式あるいはSDカードを使用するハードが登場したことなどもあり、据え置き機や携帯機でもオンラインでパッチを配布できるようになった。
こうしたゲームの場合は本体に備え付けた記録媒体に更新データとして記録しておき、そのゲームが起動した際に内容を変更するという方法で対応している。
パッチが無いとクソゲーと言われるようなものでも、パッチを当てることによって改善する(というより改善しない方がおかしい)為、パッチが配布されている場合は極力全部当ててからゲームをプレイすることを勧める。

オンライン技術の発達によって上記のような恩恵が得られるようになった一方、バグが多かったり、明らかに商品未満の未完成品としか言えない内容になっているなど、発売されたゲーム本体の内容の質があまりにも悪い状態でパッチ配布による修正が入った場合、制作側の手抜き・怠慢とみなされて批判の的となる。
実際、悪質に近いレベルで「有料β版」「有料デバッグ」と称されて批判されている事例も見受けられている。
結果、「どうせ未完成品であとでパッチが当たるんだろう」という考えから発売直後に買い控えして様子見をするというユーザーも多く、特に家庭用ゲーム機ではパッチ前提で出されたゲームは確実に批判を受ける傾向にある等、却ってユーザーからの信頼を損ねることになりかねない本末転倒な事例が定着してしまった。
また、SNSなどにおいてはパッチで修正された部分が十分認知されるとは限らず、パッチ適用前の状態での知識で語っているという事例は多く、下手なクソゲーよりも悲惨な状況となる場合も。

ただし、ゲーム開発において納期優先でバグや未完成部分が残ってしまうのは現代に限らず、昔から連綿と続いていることである。
修正パッチで即座に修正を入れられる環境になった事で「昔なら直していたのに未完成で売るようになった」という誤解・過去の美化が広まってしまうことになったという側面も考慮する必要はある。
今の環境に甘えている企業の存在も否定はできないだろうが、多くのバグや不具合を「裏技」と称して利点や純粋な遊びとして転化している事例が過去に多くあったように、今の時代に修正パッチで直しているようなバグや不具合は昔も大量にあったのである。

かつて家庭用ゲーム機では不具合修正のための手段としてのパッチが多かった。
しかし、ゲーム機のオンライン接続が当たり前になると、追加要素を後から加えるための手段(いわゆる無料DLC)として、拡張パッチを出す例も増えてきた。
例えば、新しいキャラクターやイベントの追加、社内企画で作られた新機能の搭載等があり、ゲームによっては発売前からパッチによってつける予定の機能を予告することもある*33

PS4/One以降のゲームはストレージ容量の増加の為にパッチが大きくて記録しきれないという事が少なくなったのに加え、3Dデータ自体も高密度の物が求められるためにパッチ容量が増加しまくっている。
例えば毎月新型の車が複数台投入される『Forza Horizon 5』は、定例アップデートパッチですら5GBは楽勝で超えてくる。

ワンデイパッチ

Day1パッチとも。要するにゲームソフトの発売日当日に配布される修正パッチのこと。
マスターアップに間に合わなかった修正やアップ後に見つかったバグなどの修正が入っていることが多い。
新作ソフトを楽しみにゲームソフトを挿れて起動したらパッチのダウンロードが始まり、一刻も早く遊びたいのにお預けを食らったような状態になる*34のでユーザーからはあまり受けはよろしくない。
数百MBならかわいいほうで、酷い時には数GBものパッチが配布されることも。

バッテリーバックアップ

データ保存形式の1つで、電源式の外部記憶装置にセーブしたデータを保存しておく形式。
例えばファミコン版『ドラクエIII』等、これを採用したカセットの中にデータ保存の為の電池が入っており、この電池が切れるとセーブ・ロードが実質不可能になる。メーカー等が無償・安価で電池を交換するサービスも有った。
それまで主流だったパスワード式に比べ多くのデータを扱える*35が、バッテリー切れや接触不良でのデータ喪失という悲劇も生み出した*36
中にはリアルタイム性を表現するため時計機能内蔵式のカートリッジも登場したがこちらは時計機能の電源を電池で賄っているため非常に消えやすいものとなっている。

FC/SFC/MD/N64/GB/GBA/GG/WS等、ディスクメディアが普及する以前の時代のROMカセット媒体で多く用いられていたが、
保存に電力を必要としない大容量・高速書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)が普及し始めると電源を用いない保存形式(メモリーカード)が主流になり、データ消失の危険性が劇的に改善されてデータの持ち運びも容易くなったため、この形式は完全に衰退した。

バニラ

  1. ゲームでMODや改造を入れていない状態の事。
    主に海外のPCゲームで使うが、最近はDLC等のオプションを入れない状態も示すので、海外の家庭ゲープレイヤーの間でも言及されることがある。
  2. 特殊能力を一切持たないカードを指すカードゲーム用語。

どちらの意味でも、「味付けやトッピングの無いバニラアイスのような」といったイメージの表現。 元々は同性愛の世界で使われていたスラングで、当初は「普通すぎてつまらない」というニュアンスもあった。

バフ / デバフ / パッシブ

「バフ(buff)」は対象を一時的に強化する効果及び行為の事。
逆に、対象を一時的に弱体化する効果及び行為の事を、頭に「打ち消し・否定」を意味する「de」を付けて「デバフ(debuff)」と呼ぶ。
ドラクエで例を挙げるなら、スクルトやピオリムがバフ、ルカナン・ボミオスがデバフにあたる。
語源はMMORPG『Ever Quest』の最大HPを越えて回復する呪文であるとされる。MMORPGでは今でも現役で使われ続けているほか、最近では日本のオフラインRPGなどでもそれらの影響を受けたゲームが多く発売されているため、徐々に浸透しつつある。

なお、「発動行為を伴わず(スキルの持ち主が生存・登場している限り)常に永続する効果」は「パッシブスキル(passive skill)/パッシブ」と呼んで区別されている。

パペパプー

ゲームBGMのアレンジ曲の中でも酷い出来の物に与えられる蔑称。「原曲レイプ」とも。
SFC版『イースIII -ワンダラーズ フロム イース-』の「バレスタイン城」のイントロが「パペパプー」と聞こえてしまう事に始まり、某動画サイトを中心に広まった。

主にSFCのゲームでこの言葉が使われやすい。SFCは音源チップとしてPCM音源しか搭載しておらず、しかもそのメモリが非常に小さかった*37ため、技術力の乏しい開発者が作るとしょぼいサウンドに仕上がってしまうことが多かったのが原因。
FCやGBは基本的に当時の移植元とは比較にならないほど制限が強く、元と同様のサウンドを再現するのが困難な為にこの様な扱いは少ないが、稀にSFC用に調整していたものをPSなどに移植して音が変わったという事例もある。
次世代機なだけあって性能も工夫の余地も大幅に上回っている*38のだが、こちらも技術力の乏しい開発者(あるいは全体のローディングやら納期の問題)だったりSFC程ではないがメモリに余裕がなかったことが原因だと思われる。
そこからさらに次世代の家庭用機にもなると制限がかなり緩くなった為、パペパプーはほとんど見られなくなった。 ただし、単にショボい音色を選んでしまったり、重厚な曲が軽い音色でアレンジされていると、パペパプーと揶揄されるケースがある。

ハムる

簡単に言うと作業プレイ。ドロップアイテムを求めるためにひたすら同じ事を繰り返す事を指す。
語源はハムスターが回し車を毎日のように回し続ける事からとされ、転じてアイテム集めのための作業を要求されるゲームは「ハムゲー」と呼ばれている。
ハクスラものやソーシャルゲーム、ブラウザゲームなどがこのハムゲーに特に陥りやすい。

ハメ技

主に対戦格闘ゲームで使われる「一定のパターンを繰り返すだけで、高確率で決着に持ち込んでしまえる、または攻撃の回避が困難あるいは不可能になるコンボ」の事。
対戦格闘は特に攻防の駆け引きとせめぎあいが魅力であるため、ハメを成立させやすいタイトルは「一方的な展開になって楽しめない」と低評価に陥りやすい。
内部の調整ミスやバグが原因で想定とは異なる挙動に陥っている場合もあるが、人智を超越したやりこみプレイで強引にシステムの穴を見つけハメ技を成立させてしまう猛者も存在する。

例えば世紀末格闘ゲームとして名高い『北斗の拳 (AC)』では、ほとんどのキャラにハメ技に類する高等テクニックが存在している。
最弱扱いのジャギですら、その1つ「バスケ」(後述)に適したコンボレシピなどを開発しダイヤを覆すほどの大番狂わせを見せたプレイヤーも存在する。
しかし、そのジャギのコンボレシピの研究は「外車一台分の投資が必要」といわれたほどの難関であり、その実行難易度も強キャラのものに比べればかなり難しい。原作中の言葉を借りるなら「怒りに勝る執念」がまさにふさわしい。

近年では3Dゲームの隆盛に伴って、オブジェクト埋まりや認識範囲・戦闘突入判定などの穴を突いて一方的に攻撃するテクニック(裏技)も「ハメ技」として扱われる。

  • ハメ技の一例
    • トリカゴ……『ストII』時代から存在するハメ戦法の一つで「波動昇竜」とも呼ばれる。ステージ隅に相手を追い込んで飛び道具を放ち、相手が前方ジャンプで躱して飛び込んできた所へ強力な対空技を叩き込む。
    • バスケ……『北斗の拳』特有の仕様の穴を突いた永久コンボで、バスケットボールのドリブルのように相手をバウンドさせ続けるというもの。連続ヒットによる補正が不十分で、コンボが続くと追撃可能のままどんどん接地バウンドの高度が上がっていってしまうのが原因。

バランスブレイカー

単独でゲーム全体のバランスを著しく崩してしまうもの。突出して強力なアイテム・キャラクター・オプション類。
元々のバランスは均整が取れているのに、ある要素のせいで台無し(その要素を除外すると元通り)になる場合によく使われる。
不正な改造で性能をいじったかのような存在が元々入っているという様子から、ネットスラングで「公式チート」とも呼ばれる。
逆に、極端に弱い場合に対しても使われることがまれにある。

普通にゲームをプレイして正規に使える要素の内にバランスブレイカーがあると、ただ適当に振り回しているだけでゲームが有利に進んでしまう。
もちろん使うも使わぬもプレイヤー次第という側面はあるが、どのような形で提供されるかによってはそれなりに評価を落としてしまう事になる。

  • ゲームクリアなど特定の条件達成によって解禁される場合
    • 条件達成のご褒美も兼ねる、通常プレイの外にある変則的な存在。まさに公式チート。
  • プレイ中に普通に取得・選択できる要素の中にある場合
    • 他の選択肢を駆逐するとして批判されやすい。中には公の場で使用禁止になった格闘ゲームキャラクターやTCGのカードもある。
    • 隠しコマンド解禁など、存在を知っていれば誰でも使える場合も、こちら寄りの評価になる。
  • いずれの場合でも、使用するとランキング対象外などと言った制約が付いていることもある。

バランスブレイカーをむやみに使うと、対戦プレイでは敬遠されたり、協力プレイでも興を削ぐ等の要因になる。
1人用のゲームならば実害は少ないが、それでも本来のバランスに基づく醍醐味は味わえない。
直進する道がなくて迂回路が一番の近道な場合と直進する近道があるのにわざわざ迂回路で遠回りする場合では感じ方が違うのも人情で、公式側でバンスブレイカー要素をオプション選択に修正してシステム的に制限できるようになったことで自主的に縛るのと実質的に同じでも不満の声が激減したような例もある。こうした点には注意が必要。
もっとも「強力すぎる」を自分基準/俺ルールで設定して他人に押し付ける行為もまた、単なる無知のわがままである。
昨今では、特にオンライン対戦タイトルの場合に、予期しないバランスブレイカーに対しては管理者によって弱体化(ナーフ)が施される傾向にある。
あまりにひどい場合、「緊急対応」と称して短期間で修正が施されることもある。
近年はオンラインアップデートによるバランス調整により修正されるものが次第に多くなった。

レベルを上げて物理で殴ればいい

ごく一部のRPGにおいて、非常に尖ったバランスブレイカー状態の通常物理攻撃に対する俗称。
要するに、「魔法は弱くて役立たず、レベルを上げて物理の通常攻撃で殴るしかない」というバランス状態の戦闘システムを指す。
元々は2010年KOTY据え置き機部門大賞を受賞したゲーム『ラストリベリオン』で、嫌でも通常攻撃で敵を倒さねばならない羽目になる。
そしてレベルが上がって余計に通常攻撃が極度に強くなり、やたらと多すぎる属性・魔法が台無しになっている様を揶揄した言葉であった。

ただ、それ以前にもこれに近い仕様のゲームは存在していた

パルクール

都市や自然環境の中を自分の身体能力だけで素早く駆け抜けることを目的としたフランス発祥のスポーツ。フリーランとも呼ばれる。
「ヤマカシ」というグループのパフォーマンスで有名になり、2000年代に映画『TAXi2』などにも登場し、ゲームでは『ASSASSIN'S CREED』で取り入れられ、同作の象徴的なシステムとなった。
以降もパルクールを題材とした『ミラーズエッジ』が登場したり、パルクールほど激しい動きはできなくとも柵越えをスムーズにしたりといった動作がシステムとして取り入れられるゲームが多くなってきている。

早すぎた◯◯

時代を先取りしすぎていて「その」当時では受け入れられなかったものを指す言葉。
今の時代で一番わかりやすい例えで言えば任天堂のゲーム機バーチャルボーイが「早すぎたVR機」、セガのドリームキャストが「早すぎたネット対応機」と揶揄されるようにコンテンツが当時は理解されなかった、受け入れられなかったことを指す。対義語としては「オワコン(終わったコンテンツの略)」とも言えるか。
ゲームでもそういったものが後に今では当たり前になっているものがあり今を振り返ってみると「昔は微妙な扱いだったが今で言うこれだったのか」と思わされるものがそれである。
ただ、残念なことにコンテンツが手探り状態で熟成されていないこともあって本当に当時はクソゲー、バカゲーという様にまともな評価をされなかったのも事実。着眼点は良かったもののシステムやバランス等の調整がおかしく評価に乏しいものもしばしば。

一例

BAN

「禁止」を意味する英単語。主にオンラインゲームに於いて特定のユーザーがログインを禁止されることを指す。
通称「垢(アカ)BAN」と呼ばれており、ハラスメントやチートにBOT、さらにはRMTといった違反行為を行ったユーザーに対する懲罰行為であることが多い。
数日で解除される場合もあるが、解除のために自発的に運営に働きかける必要のあるゲームまである。
違反行為が度重なったり、重度の違反だったりすると後述のような媒体凍結に加えてアカウント消去というそれまでの積み重ねが水泡に帰する事態に陥ることもある。多くは自業自得だが。

BANの深さも段々進歩していて、当初はアカウントBANだったのでメールアドレスを変えて再登録すればまたゲームには復帰できたが、現在は極めて悪質と判断された場合アカウントどころか本体のIDがBANされるようになった。
これは初期化しても履歴が残るため、同じ本体を別のアカウントで使用するとそのアカウントごと本体BANが再発してしまう。
中古でPS4を買って、PS3と同じアカウントでログインしたら、その中古品が本体BAN済みだったせいで、PS4のソフトどころかPS3のダウンロード版ソフトまで全て失ったという事例が存在する。
中古で購入した場合は念の為アカウントを分けた方がいいかもしれない。

近年ではアリーナ型のMOBAやFPSでの対戦で「数種類のキャラやマップから交互に一定数を使用禁止にして、それ以外の物から選択してバトルスタートする」という大会ルールが浸透しており、これらは「キャラBAN」や「マップBAN」と呼ばれる。
自分らのプレイスタイルでは○○が苦手だからBANする、逆に自分がメインに使っている○○がBANされたら代わりに××を使って作戦はこうする…等の駆け引きがある。

Steamでは規約を破ったパブリッシャー/メーカーがBANされたことがある。
例えば、Steamでは暗号資産を用いたゲームを禁止しているが、暗号資産の要素をゲームに加えたことが運営にバレてBANされたメーカーや、お金を払って都合の良いユーザーレビューを書かせていたパブリッシャーなどがある。
ゲーム単位のBANも行われる。他社のアセットを盗用したとされるゲームが、盗用されたと主張する会社によるDMCA申請に基づいてBANされた例がある。
どちらの場合も、それらのゲームを所有していたユーザーはそのゲームを遊べなくなる。

TCGでは運営者による禁止カード指定を指す事もある。 環境を壊す要素をBANすることでバランス調整を図るのは、『マジック:ザ・ギャザリング』に始まり現在までずっと変わらない手法である。

版権

1875年(明治8年)から1899年(明治32年)まで、著作権のことをこう呼んでいた。
ただしこの頃の「版権」は小説のように文字で書かれた物のみを対象としており音楽や映画などは対象外だった。
版とは印刷原版(版下)のことであり、これを用いて印刷(複製)、出版(頒布)してもよいという権利である。

現在「版権」という言葉は法律用語としては存在しないが、著作権や商標権などの著作物に付随する権利を総称する俗語として用いられている。
主にビジネスの場で用いられる言葉であり「その作品を使って商売をする権利」とでも言うべきだろうか。
当然、版権は作品の作者(又は企業)が所有するのが原則だが、作者が他人に版権を委託して代わりに商売をしてもらうことも頻繁に行われる*39
さらには、作者が完全に版権を売り渡すこともよくある話*40であり、作者(法人)が破産(倒産)の憂き目にあった場合、作品の版権は財産として債権者に買われてしまう。
版権を買い取った者が大切に扱ってくれれば良いのだが、なかなかそういう例ばかりではなく、作品に対して何の理解も思い入れもないまま粗雑に作った作品を乱発される例もある。
また、会社の倒産処理はたいてい混乱の中で行われるため、混乱の中で版権の所有者が明確でなくなってしまうことも珍しくない。
複数の企業や人物が所有者と主張したり、日本の法律が通用しない海外企業に版権が渡ることもあり、こうなると「作品の原盤は確かにそこにあるのに再生産・販売ができない」という事態になってしまう*41

かつては版権を持っている者が許可しない限りその著作物を利用できなかったが、現在は「誰が版権を持っているのかを相応に調査したが不明なので許諾を求めることもできない」という場合、その旨を文化庁に申し出て権利者に払うべき正当な額の権利使用料を国に預ければ、著作権者が不明なまま版権を使えるように法整備された(著作権者不明等の場合の裁定制度)。
そのため、「プロジェクトEGG」などのレトロゲーム配信サービスが一部のゲームをこの制度を利用して配信している。
2018年発売の復刻ゲーム機である『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』に収録されている『北斗の拳』と『北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝』はこの制度を利用して収録された。
また、有限会社M2から発売されている『M2 Shot Triggersシリーズ』に収録されている一部のCS版タイトルもこの制度を利用している。

なお、著作権満了するとパブリックドメイン化*42し、複製や販売に許諾を必要としなくなる。
よって、どんなおかしな権利者が死蔵していたとしても、著作権満了を待てばいずれは使えるようになる。
例えば、ワンコインなど、極端に安価に販売されている映画DVDは、著作権満了によって著作権料を払わずに商品化できるようになったものである。

転じて、創作者自身が版権のすべてを所有していない、いわゆる二次創作・同人作品を指して「版権イラスト」「版権キャラ」などと言う場合もある。プロのイラストレーターやアニメーターが仕事として描いた絵でも、版権所有者からの依頼で描いたものは「版権イラスト」となる。「版権が他者に帰属しているイラスト」といった意味合いである。

また、原作付きのゲームを「版権モノ」と表記することもある。メーカーのオリジナルではなく、借りた版権を利用して制作された二次創作の商品を意味する。逆に、ゲーム版権をもとに(公認で)作られた小説や漫画を「ノベライズ」「コミカライズ」と呼ぶ。

バンドル

英語の「Bundle」のことで、ある製品に対し別の製品が付属している状態で販売すること。
ゲーム業界においては、小売が複数のタイトルを1つのパッケージにまとめて割引販売する形式のことを指す。
いわゆる「セット商品」であり、個別に購入するよりも金額が安く済む分、ユーザーにとってありがたいシステム。
小売ではなくパブリッシャー指定のセットは"G.O.T.Y Edition"のように"Edition"が使用されるのが一般的である。
主にSteamと言ったPCゲームのプラットフォームでよくみられる販売形式であり、バンドル専門の販売サイトもあったりする。
有名なのはHumble BundleのHumble Choice(旧 Humble Monthly)で月1回販売される。
SteamのBundleの仕組みは独特で、例えば『1』と『2』のナンバリングタイトルが有って、Steamで『1』のみを所有していて『2』も欲しくなった時に、Steamで『1』+『2』のバンドルがあった場合に、そのバンドルを購入すると、既に所有している『1』の価格は請求されない。このため、『2』単体を買うよりも、『1』+『2』のバンドルを購入したほうが安くなる場合がある。

Build Own Your Bundle

10から数十個の商品の中から欲しい物を選んで購入するというシステムで、購入したアイテム数に応じて値引率が上がる。Fanatical(旧Bandle Star)やHumble Bundleで見られる。

BGM

Back Ground Music」の略称。ゲームに限らず、映画・テレビ番組・舞台劇などで流される音楽*45
喫茶店やスーパーなどで流されている音楽もこう呼ばれる事が多い。音楽を聴くのが主目的ではなく、他に別の主体があって、その背景(バック・グラウンド)になる音楽の事である。
ゲームのBGMは、「ゲーム音楽」と「ゲームミュージック」と呼ばれ、音楽ジャンルの1つとして扱われる事もある*46
また、ゲーム上で音を中心に考える(例えばゲームアワードの曲部門等)場合は、BGMではなく「VGM (Video Game Music)」と呼ばれる。

ゲームのBGMはゲーム会社所属の作曲家*47によって製作されることが多く、優れた作曲家が所属しているメーカーの作品は、自然と音楽の注目度も高くなる。
また、BGM製作を外注のクリエイターに依頼することも当たり前に行われており、ベイシスケイプやスーパースィープ等、いわゆる「音屋」を業務として手掛ける会社も多い。 話題作りも兼ねて、他分野(アニメやJ-POPなど)の作曲家を起用するケースもあり、どちらの分野でも著名な作曲家も存在している。

BGMはゲームの雰囲気作りに重要なものであり、これが低品質だったり、使いどころを間違えていると雰囲気が台無しとなりプレイヤーに悪印象を与えてしまう。
ただし、BGMの質が良いからといって他の酷い要素をフォローしきれるかというとそういう訳でもない。

さらにBGMのクオリティは、音楽担当者の個人的技量に左右される面が大きく*48、他のすべての要素が壊滅的なクソゲーであってもBGMだけは水準以上のクオリティを持つという作品も珍しくない。
当Wikiでクソゲー判定の作品の記事に「取り柄と言えばBGMは良い事(の筈なのに本作にはその最後の砦すら無い)」という記述が目立つのもその為。

ちなみに、作品で使われたBGMを集めて収録したアルバムの事を「オリジナルサウンドトラック (サントラ、OST)」と呼ぶ。
映画・テレビ番組、舞台同様にゲームのサウンドトラックも多く発売されており、ファングッズとしても重要な役割を持つ。
CDショップではゲームのサウンドトラック専用コーナーが設けられている事も一般的になった。

過去にゲームのBGMはピコピコ音という印象と共に『題名の無い音楽会』で司会者から「こんなものは音楽と認めない」「無機質な音源」と評されるなど冷遇を受けてきた過去がある。
だが、近年は当番組の特集に取り上げられたりしている他、トヨタ自動車「AQUA」のCMに『ドラクエ』『FF』『モンハン』のBGMが起用される、『Sid Meier's Civilization IV』のテーマ曲「Baba Yetu」に至ってはグラミー賞*49を受賞するなど、時の流れと共にゲームのBGMが純粋な音楽として認められている証拠といえる。
さらには、2021年に開催された東京オリンピックの開会式における選手入場曲で日本の数々のゲーム音楽がオーケストラで使用されるという快挙をなし得ており、こちらも純粋な音楽として認められているケースとなりSNSで話題にもなった。使用された音楽の詳細はこちら。

一方、現在ではあえてレトロな雰囲気を出すためなどで意図的にPSG音源っぽいピコピコ音・オルゴールICっぽい音・ビープ音・ノッカー音やベルといった音源を用いることもある。
更にそこから派生した「チップチューン」という音楽ジャンルも産まれて、ゲーム音楽に留まらない盛り上がりを見せるようになった。
このチップチューンも「実物のゲーム機で出せる音じゃないと名乗れない」だとか「それっぽければOK」だとかで派閥が存在しているが、むやみに喧嘩はしないように。

ゲーム黎明期だった時代は、サウンド専任(高い作曲スキルを持つ)スタッフが少なかったことに加えて、著作権問題を避ける目的*50であるのと同時に、馴染みのあるクラシック音楽や民謡を引用している作品も少なくなかった。

『LET IT DIE』の運営会社が同作のプレイ動画をネット上で公開する際はBGMをミュートにするように呼びかけている。 同作の一部のBGMはゲーム内での使用許諾しか取られておらず、ネット上でプレイ動画を配信した人にBGMの使用料が発生する恐れがある為である。
同様の懸念はおそらく他の作品においても存在するであろう。

主題歌

一般的にテレビ番組のドラマやアニメ等と同様にゲーム自体の「テーマソング」としての意味を持つ。広告で流れるものは明確にはイメージソング、CMソングとして扱われており主題歌とは意味合いが異なる。
今でこそ主題歌付きのゲームは当たり前だが容量が少なかった頃のゲームは単に「BGM」として扱いが殆どだが、1995年SFCの『テイルズ オブ ファンタジア』に主題歌が取り入れられるのを皮切りに大容量の32ビット機が台頭し始めると次々と主題歌入りのゲームがリリースされるようになっていった。
ゲーム中の主題歌とあって黎明期はチャートシーンとしてはニッチな存在ではあったもののキャラクターソングとしての側面も持てることも相まって徐々に浸透し始めていった。中には思わぬヒットを飛ばすタイトルの主題歌もある。

ビーフアップ / ナーフ

「続編発売時やオンラインゲーム等のバージョンアップの際に開発者・運営側が行う、特定の要素への上方修正/下方修正」を指す用語。

前者は「牛の様に引き締まった体にする」ことから転じた、「強化する」という意味の慣用句。
これがオンラインゲームやTCGにおいて「上方修正」という意味で用いられている。
後者は元々は米国のハズブロ社が販売しているおもちゃの銃「Nerf」のこと。
これがFPSにおいて「強かった銃が下方修正された ⇒ 実銃を玩具銃(ナーフ)にすり替えられた」というニュアンスで用いられるようになって広まり、転じて「下方修正」を指すようになった。

日本においては英語圏のゲーム(洋ゲー)をプレイするプレイヤー間でしか使われなかったため広まるのが遅かった。
だが、2010年代になって『ハースストーン』やそのフォロワー作品である『シャドウバース』等のDTCGにおけるバランス修正に対して使われるようになったことで、ようやく一般的な日本人プレイヤーにも浸透した。

非公認ソフト

ハードメーカーの許可を得ずに発売されたソフトである非公認ゲームのこと。
初のカートリッジ交換型ゲーム機「ATARI2600」ではソフトを作るのに許可などが不要で、それ故に『Custer's Revenge』のような粗悪なソフトが公に大量に現れた。
その後のアタリショックなどを踏まえて任天堂を始めとするゲームハードメーカーは、ゲームソフトの発売に認可と独自の基準を設けることとなる。
その手続きを踏まえずに、特定のハードで動くよう作られたものを非公認ソフトという。

認可制は元々粗製乱造・不適切表現や違法コピーを防ぐための措置であり、後にハード自体にもプロテクトが設けられるようになったが、非公認ソフトはそういった網の目をくぐり抜けて取引される。
多くはまともにカセットを生産する事はなく、ワゴンのクソゲーを安く買い叩き中身を入れ替えるなどして売られる*51*52
改造の土台となったソフトに「裏」という冠をつけてタイトルの通称とすることも多い(例:『SM調教師瞳2』⇒「裏ジーコサッカー」など)。
非公認ソフトのゲーム内容は、絶対に許可が下りなさそうな18禁ものなどが中心。質に関しても推して知るべしというものが圧倒的に多い。

2000年代に入ると、環境が解析しつくされているFC/MD/PCE等のオールドハード向けに「自作ROMキット」なる開発ソフト等をひとまとめにした物が出現している。
エミュレーションだけでなく、ちゃんとパッケージ版のソフトを分解してROMを差し替えたり、一部で売られている互換基板を用意すれば実機でも動作可能。
メガドライブミニに搭載された『ダライアス』も、最初はゲーム業界と関係ない個人が、この自作ROMキットで制作したのがベースとなっていて、2021年にはMD互換機向けとして実ROMが販売された。

非公開

ゲーム中、取扱説明書にスタッフロール、演者などが公開されていない事。
声優が非公開なのは同人ゲームが大半である。
また、一般のゲームでも非公開の場合があり、声優は非公開の場合は開発スタッフがボイスを担当しているとみられる。

制作に携わった人物にとって、スタッフや声優の公開は実績の証明として大事な物であり、近年は公開することが多くなった。
また、何らかの意図があって公開しない又は筆名でクレジットされる事もある。

PvP

Player vs. Player」の略。その名の通りプレイヤー同士の対戦を指すが、格ゲーのような対人戦をメインとするゲームでは使われない。主にMMORPG等で行われるプレイヤー同士が対戦するコンテンツのことを指す。
ゲームによってフィールドのどこででもPvPが可能だったり、どこでも可能でも双方合意しないとPvP開始できなかったり、PvP専用エリアが分かれていたりする。

レベル差がそのまま戦力差になるRPGでは一方的展開になりがちなので近年はPvP専用エリアでは全員レベルが同じになる処理がされたりする。それでも装備やスキルの差で著しく戦力差が出たりするのだが。

PvE

Player vs. Environment」の略。プレイヤー対環境という意味。
こちらもMMOで浸透している区分の1つで、PvPと違い多人数でボスやダンジョンを協力しながら攻略するコンテンツを指す。
同様な単語としては「レイド戦」もある。

ビット(bit)

二進数(Binary Digit)の略で電子機器で扱う信号の最小単位。一般的に通電中が「1」で非通電中が「0」である。そして8ビット=1バイト(byte)である。
家庭用ゲーム機のソフトにROMカセットを使用していた時代は容量の表記は基本的にビットだった*53。一方でパソコンは当時からバイト表記。

またCPUの性能表記にも使われており、ビット数が大きいほど高性能*54ということで、一時期PCやゲーム機はビット数を全面に押し出し、性能の良さをアピールしていた時期があった*55
しかし、PS2の128ビットを最後にビットによる各社の性能アピールは鳴りを潜めるようになっており、PS4では64ビットとむしろ数値自体は減少している。
何故かというとビット数が大きくても大きな数字を扱えるだけで、1度にできる計算が1つなのは変わらないからで、現在は複数のCPUを搭載する「マルチコア」を動かすのが主流となっている。
8ビットCPUでは0~255の数字しか扱えなかった為、結果が255超えの計算をするには2回計算する必要があった(65535超えなら3回)が、16ビットCPUでは1回で済むので高速化ができた*56
しかし、64ビットの時点で扱える数字の上限は1845京(4.3億(32ビット)の4.3億倍)を扱えるので、よほどの事がない限り十分すぎる数字と言えよう。

マルチコアが主流になったもう1つの理由はクロック周波数(CPUが1秒に何回計算できるか。単位はHz(ヘルツ)の物理的限界に近づいたから。
いくら電気信号が光速並みの速度で伝わると言っても、30億分の1秒*57では10cm先にまでにしか信号が届かず、もしメモリ等が10cmより離れた位置にあったらタイムラグが生じてクロック周波数を高くした意味が無くなるからである*58

さらに(ゲームに限れば)最も処理が重いグラフィックをGPU(Graphics Processing Unit)に任せるようになった為、性能アピールをGPUに移したと考えられる。
とは言え、こちらも(当然と言って良いのか)bit表記での性能アピールはすでに時代遅れとなってしまっている。
CPUは性能を上げる為にコア数を増やし過ぎると、マルチコアの制御が複雑になってソフトの開発費が高騰してしまう。
それ対してGPUは個々の演算器の設計が単純であり、複数の演算器の制御に特化した構造となっている。
そのため、近年のハードウェアはソフトの開発費を制御するためGPUの性能を重視し、CPUの性能を抑える傾向にある*59
『LET IT DIE』にて登場した架空のゲーム機「Death Drive 128」について、「近未来なのにビット数で性能アピールするんかい!」と突っ込みどころの有るネタが登場する。

なお、任天堂のN64のCPUは64ビットであるが、これは内部バスのビット数を示しており、外部バスのビット数は半分の32ビットしかない。
しかも、外部バスのビット数が内部バスのビット数を下回る状態で動作させると内部バスで扱える情報量が外部バスで扱える情報量の上限を上回ってしまう。
結果として、外部バスの処理が内部バスの処理に追い付けなくなりタイムラグが生じてしまいCPU自体の処理性能が下がるので、結果として意味がない。
その為、N64ではほとんどのゲームがCPUの内部バスのビット数を外部バスのビット数の上限と同じ32ビットで動作させている。
また、N64は他機種と比べるとソフトの開発が難しいという問題点があったので、次世代機であるGCは性能だけでなく開発しやすいことをアピールしていた(GC公式サイト)。
任天堂はGC以降はハードの性能至上主義から脱却しているのと「ゲーム機はあくまでもおもちゃ」という考えがある*60ので、ハードの性能を売りにしていない。
任天堂ハードは幅広いユーザーをターゲットにしているので、ハードの性能を上げると値段が高くなる等のデメリットがあるためだと思われる。
とはいえ任天堂自身は完全に性能至上主義から脱却しているわけではないので、2010年代後半辺りから3DSの性能強化版であるNew3DS*61*62や、有機ELディスプレイを採用して内蔵ストレージを64GBに増加したSwitch*63といった上位モデルを発売している。

一方でセガのSSは32ビットCPUを2個搭載したことから「64ビットCPU並みのパフォーマンスを発揮できる」として、(発売元の)セガは公式で「64ビット級」を謳っていた。
良く言えば前述のマルチコア思想を先取っていた物で、セガの言う通りなら64ビット1コアよりも高性能だったと言えただろう。
実際はマルチコアを使いこなせるゲームメーカーが当時は存在せず、SSのVDP(GPU)も3Dに弱かった事からCPUの片方はVDPの補助に使われており、普通に32ビット級のパフォーマンスしか発揮できなかったとか。
これはソニーのPS3も同じで、コア数こそ1+6コアと優れた物だったが、性能を引き出そうとするとプログラミングが独特すぎて使いこなせるメーカーはほぼ居なかった。
なのでPS4/Oneで使われたJaguarはWindowsが動くような汎用プロセッサがベースとなっていて、ゲーム機単体の性能だけを追求するのでなく、作る側の難易度も考慮したアーキテクチャとなっている。

ヒットストップ

格闘ゲーム等で攻撃が当たった際に自分と相手が一瞬硬直することで「手ごたえ」を表現するための演出。
強力な攻撃では長く停止し、弱い攻撃では短く停止するなどで攻撃の強弱を表現したりする。
ヒットストップが無いと攻撃が当たった実感が得られないと言われるが、無双シリーズなどでは爽快感がそがれるため敢えて導入していない。

ビデオゲームの栄誉の殿堂

正式名称は「World Video Game Hall of Fame」で、アメリカ・ニューヨーク州のストロング国立演劇博物館が2015年に新設したタイトル。
毎年春に選定基準を元にいくつかのゲームタイトルが選ばれ、学者やジャーナリストなど、専門家で編成された選考委員会によって受賞タイトルが選ばれる。
選考基準は以下

  • 認知度:ゲームが広く認知されていること。
  • 期間:一時的な流行以上のもので、長い時間親しまれてきたもの。
  • 地理的範囲:国境を超えて上記の基準を満たしているもの。
  • 影響力:他のゲームの開発に影響を与えたもの。他のエンターテイメント分野に影響を与えたもの。
    一般的な大衆文化や社会に大きな影響を与えたもの。必ずしも3つの条件を全て満たす必要はなく、基準に基づいていれば良い。

殿堂入り作品

タイトル メーカー(発売年)
2015 Pong アタリ(1972年)
パックマン バンダイナムコ(1980年)
テトリス Alexey Pajitnov(1984年)
スーパーマリオブラザーズ 任天堂(1985年)
DOOM id Software(1993年)
World of Warcraft Blizzard Entertainment(2004年)
2016 The Oregon Trail ミネソタ教育コンピュータ協会(1974年)
スペースインベーダー タイトー(1978年)
ゼルダの伝説 任天堂(1986年)
The Sims MAXIS/Electronic Arts(2000年)
ソニック・ザ・ヘッジホッグ セガ(1991年)
Grand Theft Auto III Rockstar Games(2001年)
2017 ドンキーコング 任天堂(1981年)
ストリートファイターII カプコン(1991年)
ポケットモンスター 赤・緑 任天堂(1996年)
Halo: Combat Evolved マイクロソフト(2001年)
2018 スペースウォー! Steve Russell(1962年)
John Madden Football エレクトロニック・アーツ(1988年)
ファイナルファンタジーVII スクウェア・エニックス(1997年)
トゥームレイダース Eidos Interactive(1997年)
2019 コロッサル・ケーブ・アドベンチャー ウィリアム・クラウザー(1976年)
Microsoft Solitaire マイクロソフト(1990年)
Mortal Kombat ワーナーブラザース(1992年)
スーパーマリオカート 任天堂(1992年)
2020 Centipede アタリ(1980年)
king's quest IBM(1984年)
Bejeweled PopCap Games(2001年)
Minecraft Mojang(2009年)
2021 Microsoft Flight Simulator マイクロソフト(1982年)
Where in the World is Carmen Sandiego? ブローダーバンド(1985年)
スタークラフト Blizzard Entertainment(1998年)
どうぶつの森 任天堂(2001年)
2022 Ms.Pac-Man Bally-Midway(1981年)
ダンスダンスレボリューション コナミ(1998年)
ゼルダの伝説 時のオカリナ 任天堂(1998年)
Sid Meier's Civilization MicroProse(1991年)

表現規制

ゲームも表現物である以上、倫理や法律による表現の規制を受ける。
エロゴア描写、未成年の飲酒、麻薬の使用など細かい差異の他にも、国ごとに文化を背景にした独自の規制基準がある。

CERO不謹慎ゲーム差別表現宗教上の理由の項目も参照。
第二次世界大戦に関わる表現規制に関しては第二次世界大戦の項目を参照。

主な各国の表現規制とその理由

  • ナチス(ヨーロッパ各国)
    • 様々な国や人種に被害を与えたことから。
    • Wolfenstein: The New Order』では国ごとにナチスのマークが変更される、ヒトラーが差し替えられるなどの措置が取られていた。
  • 核兵器(日本)
    • (戦争)被爆国であるため。
    • Fallout 3』では実在の核兵器と同名のアイテムの名前が差し替えられるなどの措置が取られた。
  • 日本の大正時代、豊臣秀吉(韓国)
    • 前者は日本の韓国侵攻など、当時の歴史上の事情により。後者は16世紀末の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)によるもの。
    • 真・女神転生III NOCTURNE』のリマスター版において大正時代のキャラであるライドウが登場するモードを該当国から購入できないDLCに分離する、などの措置が取られた。

その他、聖職者キャラの十字架を思わせる意匠が後から修正されるなど、宗教ネタに関する自主規制もよく行われている。
現実の歴史や人物を扱う『Fate』シリーズや『ASSASSIN'S CREED』シリーズではイスラム教に関わる人物は基本的に登場せず、「アサシン教団」などの匂わせる名称を持つオリジナルキャラクターに置き換えられている。

R18作品(インディーズ含む)はさらに細かく、日本国内でも扱うサイトによって「実在の動物による獣姦*64は禁止」などの理由による差し替えがある。
電子決済に携わるクレジットカード会社の大半が海外の会社であるため、海外の規制の影響を受けるからとも言われている。

ヒロイン

英語の「Heroine」のことで、「Hero」の女性形。要するに女性の主人公を指すのだが、日本においては主に「男性の主人公と恋仲(もしくはそれに近い親しい間柄)になる女性」「主人公以外で物語で重要な役割を担う女性」を指し、主人公が女性だった場合は「女主人公」と呼ばれ、ヒロインと女性主人公が区別されることが多い。
恋愛ゲーム等では攻略対象になる女性キャラのことで複数のヒロインがいることも。また、基本は攻略対象ではないが、特定の手順を踏んで裏ルート的に攻略ができる女性キャラのことを「サブヒロイン」等と呼んだりする。
女性キャラが複数登場するゲームで、ストーリー中にヒロインらしい扱い(恋仲になったり、活躍が目立っていたり)がなかったり、公式が「この女性がヒロインです」と明言していなかったりする、とユーザー間で「誰がヒロインか」というヒロイン論争が巻き起こったりすることも。
また、明確にヒロインがいるのに、ヒロインじゃないキャラと冒険している時間の方が長くて*65、そちらに感情移入してしまうケースもあったりする。

  • ヒロイン論争の例
    • ファイナルファンタジーVII』のエアリス・ティファ論争……物語の核にいて、重要な役割があるが途中退場するエアリス派と、クラウドの幼馴染で最後まで寄り添うティファ派に分かれる。
    • ドラゴンクエストV』のビアンカ・フローラ論争……公式的にはビアンカなのだが、フローラにも一定のファンがついたため論争が起こった。
  • 主人公の敵になるヒロイン
    • ロックマンX4』のアイリス……ゼロ編のラストステージ『ファイナルウェポン』でアイリスがゼロの前に立ちはだかる。
      • 直接的な原因は、兄であるカーネルがゼロの敵として倒されたからだろう。

男性ヒロイン

その名の通りヒロイン的な役割を与えられた男性。揶揄的に言われることも多いが、古くは『西遊記』の三蔵法師から存在する古典的なもの*66
特にありがちなのがいわゆる「古代種の少年」であり、アニメ『勇者王ガオガイガー』では「主人公の恋人(女性)」と「物語の核心に関わる少年(異星人)」というダブルヒロイン体制であった。
また、女性主人公を操って男性ヒロインを助ける『ロマンシア』(MSX版・裏モード)や『スーパープリンセスピーチ』みたいな例もある。

転じて「人外ヒロイン」も存在する。有名なのはアニメ版『ポケットモンスター』の主人公の相棒であるピカチュウだろう*67
1997年放送開始当初からの皆勤賞であるため、最も知名度が高いポケモンである。一方で漫画『電撃ピカチュウ』ではカスミ(人間)が普通にヒロイン扱いだった。

さらにはヒロインが人外である事が売りである『沙耶の唄』等も存在する。というか、エルフやドワーフ、宇宙人とかも厳密には人外なのだが…*68

ファストトラベル

一部のゲームにおいて、広大なゲームの舞台を乗り物やワープ等、一瞬で特定の地点から一定以上の離れた地点に移動する機能。
昔から『Wizardry』の「マロール」「エレベーター」や、『ドラゴンクエスト』シリーズの「ルーラ」「たびのとびら」等、多くのRPGでこの概念は存在していたが、2000年代のMMORPG以降、そう呼ばれるようになった。MMORPGではプレイヤー同士で時間を合わせて集まる必要があるため「集合地点に向かうのに数十分掛かる」ではゲームにならないからである(常に野良パーティーなら別だが)。
ただし、広大なマップの場合は予め膨大なマップデータを読み込まなければならないためロード時間が長くなりやすく、ファストトラベルによる移動を行うと移動距離によっては基本的に30秒~1分台の長いロードが発生するという弊害も起きるたりもする。とは言え作品によっては街から街まで歩いて数十分は掛かるので*69十分「ファスト」と言えよう。

ファンディスク

元の作品のファンユーザーに向けて制作・販売するソフトを指す和製英語「Fan Disk」のことで、頭文字をとって「FD」と略される。
ゲーム業界ではアダルトゲームで多く用いられる言葉であり、ゲーム本編のヒントやゲームデータをパソコンのアクセサリーとして提供するタイプの物や、ゲーム本編のエピソードを補完するタイプのものがある。
コンシューマ業界ではスパロボシリーズが時々「スペシャルディスク」として出しているものの、類例は少ない。

本来の意味では元作品のおまけ的存在に位置付けられるが、外伝・続編やスピンオフにあたる独立した作品をFDと称して発売する事もある。
ファンのための追加コンテンツと言いつつ、絵や音楽といった素材を流用してもう1本ゲームを作れるというセコい思惑が見え隠れするが、大抵のアダルトゲームメーカーは零細企業なのでこういう「努力」もある程度は仕方のないところだろう。

しかし、普通には考えにくいことだが「ファンディスクでファンを怒らせる」という事態がしばしば見られる。
元作品の売上や会社の状況次第ではFDを世に出せない可能性もあるとはいえ、制作スタッフの独り善がりが出過ぎてファンを置いてけぼりにしたFDが出るよりはマシなのかもしれない。

近年はFDとしての発売ではなく、外伝やアフターエピソードとして大型DLCで代用してしまうこともある。
制作側は低予算で開発できて販売本数の予測も立てやすく、マーケット側は在庫を抱えずに済む、そしてプレイヤーは料金が安く済むと、どの視点からでもお得というのもある。
そもそもFDから買うなんて人は9割9分居ないので、FD扱いのDLCであれば、本編必須というDLCの弱点は弱点にならないのである。

フォトリアル

CGの目指す方向性の1つ。文字通り「写真のようなリアルさ」を指す。
リアリティのあるグラフィックはゲームプレイへの没入感を増す要因となるが、そのためには大容量でパワフルなマシンスペックが必要になる。
また、リアリティにこだわると「写実的な背景にあってゲーム的な動きをするキャラクターが浮く」「動きまでリアルに凝りすぎてもっさり」といった問題も出てくる。
特に人物の場合はいわゆる「不気味の谷現象*70」も立ちはだかるため、まだまだ課題の多い問題である。

16ビット機時代、主に海外製ゲームで「実写取り込みのテクスチャをポリゴン/スプライトに貼り付けたらリアルだろ!」と言わんばかりの稚拙なフォトリアル系ゲームが乱発された。
だが、極端な低フレームレート(しかも実写部分以外は高フレームレート)でリアルどころかシュールとしか言いようのない出来栄えのものが多かった。

フォント

本来は数字や文字を意味する言葉だが、狭義では「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」を指す。
ゲームにおいても同様、数字や文字を指しており、ハードの進歩と共に音源やグラフィックと一緒に進歩してきた。
かつてのゲームは容量が少なかったため、初期は英数字が主でナムコ(アタリ)フォントが長い間汎用的な面でも長らく使われてきた。多くのファミコンのゲームで目にしたであろう英数字がナムコフォントである。
ハードが進歩するとともにカタカナやひらがなが登場し、スーパーファミコンの時代になると漢字フォントが登場しフォントの進化は完成の日の目を見、プレイステーションの時代になると文字にエフェクトが付いたり、何倍にも大きくなったりと表現が多彩になっていった。
近年は同一ソフト内で多言語機能を搭載したゲームの登場により、日本語版や英語版のゲームでキリル文字(ロシア語)やハングル(韓国語)、アラビア文字(アラビア語)等、日本語版や英語版のゲームではマイナーな他言語フォントも見かけるようになってきた。
音源やグラフィックに比べるとやや地味だが、進歩には欠かせない要素の一つであることに変わりはないだろう。
アーケードゲームやファミコンなど、ビットマップフォント全盛期は複数の色を用いたフォントも存在したが、プロポーショナルフォントが主流の現在は単色が基本となっている。

時代の流れに伴う解像度の向上とともにゲームのフォントサイズは小さくなって見え辛くなっている。特にフルHD以上の解像度のゲームが多いPS4/One以降の据置ゲームで顕著で、人の視力によっては老眼鏡や拡大鏡をかけないと見えない事すらある。
故にゲームによってはフォントサイズ変更のオプションがあったりする。

それとは別にいわゆるアルファベットは漢字と比べると一つの字で表現できる情報量が少ないがそれだけ形状がシンプルなので文字表記が小さくても認識しやすく、
漢字、特に画数の多い文字はフォントサイズを大きくしないと読み取りにくい。
つまりは欧米圏の半角英字で表示する前提のゲームをそのまま日本語や中国語ローカライズして2バイトの漢字に変換しただけのゲームは文字が小さくて読みにくい作品となる。
要はちゃんと手間をかけてチェックできていないのだが、洋ゲーで妙にフォントサイズが小さくて読みにくい作品はこういう理由もあったりする。

福袋

日本のお正月の風物詩。中にいろいろ詰めて封をし、開けるまで何が入っているかわからない*71商品。お楽しみ袋とも。
人気商品や入手困難な商品も混ぜて、年始の目玉商品や運試しとして販売されるケースも多い。
一方で、店側からすれば目玉商品と一緒に不良在庫処分という目的もあったりするので、本当にひどいときは「同じ商品が複数入っていた」「使い道が全くない物が入っていた」等といった「鬱袋」と呼ばれる物を引き当てることも。
今は亡きクレバリーなどは開き直って、最初から「不幸袋」として中身に期待するだけ無駄、実際買ってみても無駄な不良在庫を詰め込むショップも存在したほど。
それでもついつい買ってしまうのは、本当にいいものが入っていることを期待するのか、年始の熱気に浮かれて財布の紐が緩むからなのか…。

復刻版

一度生産が終了した商品を再製造した商品のことであり、ゲームにおいてもたびたび行われている。
当時のパッケージなどをそのままに復刻する事も多く、レトロゲームのダウンロード販売もこの範疇に入る。
人気はあったがプレミアになっていたゲームや遊べる環境がなくなったゲームが復刻されるのはゲームファンには純粋に嬉しい措置と言える。

復刻版ミニゲーム機

任天堂が発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」に端を発するレトロハードをサイズを縮小して復刻した商品のこのwikiでの総称。
内蔵されたゲームを実際にプレイでき、映像・音声出力はHDMIに、電源供給やコントローラーの接続はUSBで行われる。電源スイッチなども可動し、中断セーブを残せるのが共通仕様。
インテリアとしての需要も高い。

バーチャルコンソールなどで購入した場合の合計価格より安価で購入できる上、ダウンロード販売を利用しないようなユーザーにも優しい商品となっている。
現在ではプレミアで取引されているタイトルやVCなどで復刻されなかったタイトル、当時発売中止となったタイトル、果ては完全新規開発のタイトルまで収録される場合もあり、レトロゲーマーなら見逃せない商品と言えるだろう。

物欲センサー

アイテムドロップなどが攻略本などで示されている確率と比して低く感じる現象を引き起こす原因と推定されている空想上の機構。
『モンスターハンター』シリーズを始めとする狩りゲーの影響で爆発的に広まったが、元はPSOから…そしてFFXIなどのオンラインゲームで使用されていた。
物欲センサーという名前の由来は、プレイヤーの欲求を読むセンサーがハード的に実装されているというネタから。
ミッション前や戦闘前に作成しようとしているアイテムに必要な素材を確認すると、その素材アイテムが出にくくなるようにプログラミングされているという説や、
ゲーム制作者による「プレイヤーの手の汗を感じるセンサーによって確率変動する」というネタまである。

(本当に運が悪い時もあるが)実際は確率と心理学の複合ネタで、大雑把に言うと「良い時は印象が薄く、悪い時ほど印象に残る」現象が正体である。
また、「欲しい時に手に入らず不要な時だけ手に入る」「狙っていないレアアイテムが手に入る」「中々手に入らない時は延々とストレスが溜まる」などもこれを助長する。
これを説明するにあたりわかりやすいのがいわゆる「コンプガチャ」で、「1/10レアを10種類あつめろ」という場合、1種類目は1/10で当たるが、10種類目が当たる確率は単純計算で1/100になってしまう*72。悪質とされたため法的規制を受けるに至った。

物理エンジン

正しくは物理演算エンジン。質量、速度等の古典力学的な法則をシミュレーションするミドルウェアライブラリで、複雑な地形でのバウンド表現などを行う機能などとして利用される。
物理エンジンを史上初めて搭載した家庭用ゲームは『Rocket: Robot on Wheels』(N64、日本未発売)。
物理エンジンを搭載されるまでのゲームは、ダメージによって吹き飛ぶ動作などは予め用意されたパターンしか表示されなかったが、物理エンジンの登場で行動が起こってから計算され、その結果が反映される「生きた世界」の表現が可能になり、よりリアリティのある世界の構築が可能になった。
しかし、ユーザーの千差万別の行動全てをシミュレートできるわけではなく「計算外」の行動によりバグの温床となる弊害も生まれている。

代表的な物理エンジン「Havok」はバグが起きると関節が伸びたりそれこそ物理法則を無視したような勢いで吹き飛ぶなど「Havok神」と呼ばれる事象も起きている。
物理エンジンの有名なバグは『GTA4』での「ブランコに何かを押し付け続ける→ある所で力が反転してしまいものすごい勢いで射出される」というバグや『SKYRIM』で巨人の攻撃を食らうと高々と打ち上げられるなどがある。
近年では物理エンジンから発展して「火を放ったら燃え広がる」といった現象を演算する化学エンジンというものも開発されている。

余談だが、日本や日本のオタク文化の流れを汲むアジア製ゲームでは女性キャラクターの乳房を揺らす「乳揺れ」に力を入れすぎて「他に力を入れるべきところがあるだろ」と言われることもある*73

ぶっぱなす / ぶっぱ

本来の言葉の意味は、「豪快に放出する」事。
ただし、ゲームにおいては「大技を何も考えずに使用する」事を指すことが多い。搦め手を織り交ぜるなどして上手に使っていくニュアンスがなく、苦し紛れも含めて後先考えずに用いるような場合に使う。

大抵のゲームでは大技にはコストが高かったり使用前後の隙を無視できないといったリスクが存在するため、考えなしに使うことは結果的に自分の首を絞める悪手と言える。特に格闘ゲームなど短い時間で濃厚な攻防の繰り返されるゲームでは、超必殺技のまぐれ当たりに頼る消極的な姿勢の表れとして嫌われやすい。
もっとも、どんな行動であれゲームにおける選択肢の1つなのは確かである。実際には結果論で「当たれば読み勝ち・外れればぶっぱ」とされる事もあり、その程度や考え方次第で、受け止め方が多少変わってくる言葉と言えるだろう。

ちなみに、それ単体が単純に強い技をただ振り回す事がリスク回避も兼ねた上策にあたるようなゲームを「ぶっぱゲー」という。

また、ステータスの割り振りが可能なゲームにおいて、特定のステータスに割り振り可能な数値を全て振る際にもしようされる。

フライング

小売がメーカーの正規の発売日の前日以前にゲームを発売する行為。
一般的なゲーム小売店である家電量販店やAmazonなどの大手量販店は、発売前日にメーカーから直接ゲームソフトを一括して大量に仕入れる事がほとんどのため、ゲームソフトのフライング販売が行われることはほとんど無い。
だが、ゲーム専門店は基本的にゲームの発売2日以上前に問屋からゲームを仕入れるため、一部のゲーム専門店ではフライング販売が行われている。
しかし、ゲーム(ソフト)のフライング販売自体は違法行為ではないものの、信用に関わる問題であり、発覚した場合は最悪取引停止の処分となる場合もある。

消費者がフライング販売されたゲームを購入する行為を「フライングスタート」になぞらえてフライングゲット、略してフラゲと呼ぶ。
フラゲによってゲームの発売日の前日以前に発売前からゲーム内容がネタバレされてしまう行為はメーカーや消費者にとっても大きな問題になっている。
フラゲはゲームを一日も早く遊びたいゲーマーにとっては発売前にゲームを遊べるので魅力的なのであるが、フライング販売というルールを破った行為を行った小売りの事情は察しである。
まれにメーカー公式ショップで購入した場合やオンラインダウンロードで購入した場合にフラゲできるというメーカー公式フラゲなるものも存在する。
例えば日本ファルコムが自社出荷を行っていた時代*74には、公式で予約した場合「発売日の前日」に到着していた。
現在ではEAが「サブスク特典として、リテール版やDL版本来の発売日より前にプレイ可能とする」サービスを行っている。

また、海外では日本とはまた違った流通の事情で発売日の数日~1週間以上前からフラゲ可能な場合もあり、ネットが発達した現在では海外からのネタバレといった頭の痛い問題も発生している。
FFXV』が発売日の1週間前にドバイの動画配信者によってエンディングまでネタバレしてしまったことは記憶に新しい。

ちなみに音楽CDは業界全体でこのフライング販売が慣例化しており、発売日とは別に店頭に並ぶ「店頭日」という習慣がある。

なお、近年のアーケードゲームはフライング設置したとしてもネット認証が通らないため、サービス開始日までは起動できない。

フラグ

「旗(Flag)」のことであるが、ゲームにおいてはほとんどの場合下記の意味を指す。

  1. 特定の動作をさせるための条件、またはその条件が揃った状態を指すコンピュータ用語。
  2. 1から転じてADV等で特定のストーリーを展開させるための条件のこと。
  3. 2からさらに転じてストーリー中に「このあとこうなるだろうな」と伏線を感じたときに「○○フラグが立った」と呼ばれる。
    フラグが立ったあと、実際に予想通りの展開になると「フラグ回収」、そうならなかった場合は「フラグが折れる」等と俗に言われる。
  4. フラグメント・グレネード(破片手りゅう弾)の略称。
    旧来は「グレネード」と呼ばれることが多かったが、軍事技術の変化に伴ってゲームにも「スモーク~」「スタン~」などグレネードの種類が増え、「フラグ」の略称も一般的になっている。

Flash

旧マクロメディア(現アドビシステムズ)が提供していた動画作成ツール。
最盛期にはブラウザ上で動作する動画やゲームが多数作られ、WEB界隈を賑やかした。
2020年に開発・配布終了が宣言され、1つの時代が幕を閉じた。
なお、Flashで作られたブラウザゲームは当Wikiでは対象外ではあるが、完成度と人気故にコンソールやスマホアプリ等に移植されたゲームもある。

  • Trials HD』……Flashゲームで十分な物を超真面目にフル3D化したというぶっ飛んだ作品
  • フェアルーンコレクション』……シリーズの大本となるFlashゲームを『フェアルーンオリジン』の名で後世に残した
  • 『NANACA†CRASH!!』……『CROSS†CHANNEL』を題材にしたFlash製同人ゲーム。たぶん本編より知名度が高い。10年後に公式化し、スマホアプリが配信された。

当然のようにFlashエミュレーターが制作され、一部のサイトではエミュレーター用の元データ配布が行われている。
Internet ArchiveでもFlash含みのページではエミュレーターによって再現されるようになっている。

フランチャイズ(Franchise)

「一方が自己の商号・商標などを使用する権利、自己の開発した商品(サービスを含む)を提供する権利、営業上のノウハウなど*75を提供し、これにより自己と同一のイメージ(ブランド)で営業を行わせ、他方が、これに対して対価(ロイヤルティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約 (byWikipedia)」のことをいう。

特にゲームエンジンの共通使用・少数スタッフによる開発・供給元企業の知名度・開発のノウハウの伝授やデバッグ協力など、
上述の利点が支出よりも大きい場合が多い美少女系のゲームでは積極的に提携している場合が多い。

ゲーム業界においてはしばしば・海外(英語圏)で頻繁に「○○シリーズ」のことと同義とされる(例:『マリオ』『ソニック』…)。
よくシリーズの人気を失墜させるような駄作が「ruin the franchise」と言われるなど、シリーズ全体の議論を行うときに見聞することが多いだろう。

なお、アーケードゲームにおいては、運営ノウハウの少ない経営者(オーナー)が、メーカー直営店などの大規模なチェーン店のフランチャイズパッケージを利用した店舗のことを指すことが多い(例:タイトーFステーション)。
ゲームセンターのフランチャイズパッケージでは、コンビニエンスストアや飲食店などと異なり、オーナー(フランチャイジー)が運営に関わることがほぼなく、本部(フランチャイザー)が運営のすべてを行い、人員もフランチャイザーが全て用意して派遣する形態が多い。

フリー・トゥ・プレイ(F2P) / フリーミアム / 基本プレイ無料

無料でプレイ開始できるゲームのこと。
「Free to Play」の「to」に数字の「2」を当て「F2P」と略され、日本では「基本無料ゲーム」と呼ばれている。
ゲーム開始前には料金が発生せず、基本的なプレイ料金は無料であるのが特徴。
ただし、 その多くが「アイテム課金」と呼ばれていたビジネスモデルを採用 しており、主に「ガチャ」と呼ばれるランダム提供方式*76を主軸にしている作品が多い。
遊ぶだけなら無料だが、有料オプションを販売することで利益を上げており、この課金要素が基本無料ゲームにおいて収益の要である。
有料オプションはキャラクターを飾る衣装を個別に販売しているものから、月額を支払うことで倉庫が拡張できるようになるもの、ゲーム性の根幹に影響するユニットや武具の販売まで様々である。スタミナ(燃料)制のゲームだとそれを必ず販売している。

最近のPCオンラインゲーム・携帯電話/スマートフォンのソーシャルゲームサービスで頻繁に見かける形態であり、その間口の広さはユーザー側にも企業側にもメリットと言える。
CSソフトでの導入も含めてその歴史はまだ浅く、コンテンツを提供する各企業はそのサービスの充実と顧客獲得に取り組んでいる。
逆は「ペイ・トゥ・プレイ(Pay to Play)」で、基本プレイ有料。月額料金制などが主で、F2Pでも『役満 鳳凰』のようにプレミアム料金として課金することでプレイ回数の制限を解除できるものもある。

ゲームを気に入った人がより深く遊ぶ分だけお金を払うこと自体は個人の好みで済むのだが、他のプレイヤーとの絡みなどが小さくないゲームでは課金層と無課金層の間に大幅な熱意・能力などの格差が発生する。
そしてハマってしまったり、アジア圏・特に日本のF2Pでは運次第で天井知らずにお金がかかるイメージとその事実は根強い(見方によってはDLC商法とは比べ物にならないほどえげつない)為、お試しプレイのハードルは低くとも抵抗感を拭えない層はやはり存在する。
このような背景もあってか、任天堂はこの形式を「フリー・トゥ・スタート (始めるのは無料)」と呼ぶことを提唱していたりする*77

しかし近年はスマホの普及でF2P、特にガチャ式のアイテム課金が一般化し、それに伴い「ゲーム=基本プレイ無料」と考えるユーザーが増えてしまった。
その結果、オンラインがメインのゲームはF2Pでなければ人が集まらなくなってしまい、買い切りだとオンラインが初めから過疎化するゲームが多くなった。
これにより、近年ではオンラインがメインとなるFPS/TPSの新作は大半がF2Pとなっており、『Call of Duty*78』のようなCS機も視野に入れていた分野のFPSでもF2Pが増えつつある。

一方、F2PのFPSには元々『サドンアタック』や『Counter-Strike Online』と言った人気作があったが、現在主流となっているのは後から出てきた作品ばかりである。
その為、衰退しつつあったこれらの作品が時代の流れに乗って復活することはなく、逆にとどめを刺される形となり前述の無料FPSは2010年代の終わりにサービス終了している。

ちなみに、アーケードゲームでも一部F2Pが導入されているが、サブカを大量に作り「げんき」を回復している間に他のカードを回すという*79「連カ」が問題となり、結果として『ぷよぷよクエストアーケード』は比較的短期間で運営終了となった。

PtW / P2W(Pay to Win / ペイ・トゥー・ウィン)

対戦ゲームに勝利する為に、基本料金とは別に課金が重要なゲームのこと。課金額で格差が出てしまう為、これらの要素が強いゲームは基本的にe-Sportsとは認められない。
発売直後にコピーが出回るせいでパッケージ商売が壊滅した韓国において、メーカーが利益を確保するために考案したものが発祥。
この言葉が生まれる前に出たTCG(例:『マジック・ザ・ギャザリング』)等もPtWの要素*80が強く、似たシステムは古くから存在している。

有料でのみ、通常プレイで入手可能なものより性能の高い消費アイテムや装備を入手可能」「特定要素の解禁までにかなりのお金がかかる」というものが主。
無課金でもそこそこ勝負になるものから、無課金対重課金ではゲームにならない、中には課金額の多寡だけで勝敗が決まるという酷いものも存在する*81
その為、無料だった筈なのにゲーム機1台どころかゲーミングPCを1台買うより高くつく事もザラであり、中には数百万円から数千万円分もの課金をしているユーザーもいるほど。
また、低年齢層にも広がりを見せた結果「親のクレジットカードを勝手に使用し課金する」と言った笑えない事件も起きている。

旧来ゲーマーからは課金アイテムについてはキャラクター性能には無関係のアバターアイテムが好まれる傾向にあり、ゲーム性を崩しかねないPtWは基本的には忌避される存在である。
だが、ソーシャルゲームが日本で流行してから状況が一変し、似たような傾向か醸成されつつあった(「マラソン」参照)アーケードビデオゲームにまで、加速度的にPtWの傾向が広まっていくこととなった。
一定金額が投入されると難易度(ランク)が下がる(というか、一定金額投入しない限り無理ゲーだったりする)メダルゲームやプライズゲームも同類と言え、メダルゲーム『エターナルナイツ』では通信対戦の前にメダルを無駄に消費する事で筐体のランクを下げるというテクニック(?)さえ存在する。

Play to Earn(プレイ・トゥー・アーン)

ブロックチェーン技術を用いて、F2Pゲーム内において現実で使用可能な暗号資産を稼ぐことが可能なシステムのこと。
このシステムを導入したゲームは「NFTゲーム」と呼ばれ、海外を中心に市場規模が広がりつつあり、少数だがこれで生計を立てている人も存在する。
近年ではこのシステムを応用し、歩いたり自転車に乗るだけで暗号資産を稼げるシステムまで登場している。詳細はこの動画を参照。

フルプライス

本来は正規の値段、希望小売価格等を指す。が、最近では「パッケージ商品として小売店で販売されるゲームソフトの平均的な価格」という意味合いを指すようになった*82
また「フルプライスなのに全然ボリュームがない」「安いゲームなのにフルプライス以上の価値がある」と言った使われ方をするようにもなってきている。

アダルトゲームではソフトの定価によってロー/ミドル/フルという区分けがされ、それぞれでCGは何枚でプレイ時間はだいたいこれくらいという大まかな目安がある。
故にフルプライスなのにCGの枚数が異常に少なかったりすると批難の対象となる。

プレイアブル

プレイアブル(playable)とはゲームを行える、操作を行えるといった意味で、特にプレイヤーがそのキャラクターを操作できることを意味する。
操作ができるキャラクターのことを「プレイアブルキャラクター」と呼ぶ。
最初はプレイできなかったが、DLCやアップデート、続編でプレイできるようになることを「プレイアブル化」などとも言う。
英語圏でも通用はするが、プレイヤーキャラクター(player character)のほうが一般的。

プレイ時間

そのゲームをプレイする時間。ソフトの価格はだいたい同価格帯であることが多いのでプレイ時間が長いほうがコストパフォーマンスがよいということで評価の対象になることがある。
雑誌などのインタビューで開発者から「クリアまで○○時間」と言及されることもある。やり込みや寄り道要素の多い昨今では「寄り道せずにクリアすれば50時間、やり込みすれば100時間以上」というような言われ方をする。
ジャンルではRPGが豊富なクエストやランダム要素によりプレイ時間がとりわけ長くなる傾向があり、特にBethesda Softworksの『The Elder Scrolls』シリーズと『Fallout』シリーズには1作品で1000時間以上遊ぶプレイヤーも多い。

しかし、プレイ時間が長ければ良作で短ればクソゲーというわけでない点には注意。例えば、大作ゲームであれば長時間遊べる方が良いという風潮があるが、アーケードゲームであれば(1周)クリアまで1時間ほどという作品も珍しくない。
また、マルチプレイやハクスラ要素がメインのゲームにおける平均的なプレイ時間は一概には測ることはできず、オンライン対戦がメインとなるFPS/TPSではアップデートで常に新しい要素が追加される為、プレイ時間が際限なく伸びるのが当たり前である。
そして、ゲームにも依るが現在では実績の達成や隠し要素の解放条件等にプレイ時間が絡むというケースも存在しており、上記を含め単純な作品の良し悪しを決める要素としては希薄であるという考えも増えている。

一部のゲームハードでは本体自体が個々のソフトのプレイ時間を記録する機能が備わっており、ゲーム内にプレイ時間を計測する時計が付いている作品もある。
ゼノブレイド』はプレイ時間が膨大になりやすいにもかかわらず99時間までしか計測されないことが指摘され、「ゼノブレイドの平均クリア時間は99時間59分」と言われることも。
New3DS移植版では999時間まで計測されるようになり、後継作の『ゼノブレイドクロス』では9999時間に至った。

RTAはこのプレイ時間を極力減らす競技だが「RTAのタイムが短い=プレイ時間が短い」というわけではないので注意。
むしろ研究と練習・NGテイクによる再スタートなどにより、普通にプレイするより何十倍、何百倍も総プレイ時間を費やしていることが多い。

プレイ代行

他人に自分のゲームのプレイを代行してもらう行為。
主な目的として、レベルやランク上げ、レアアイテムの入手、果てにはログイン代行*83が挙げられる。
IDとパスワードさえあれば、どこでもプレイが可能なオンラインゲームやソーシャルゲームで利用される事が多い。

金銭を払ってプレイの代行をしてもらうケースが大半であり、学生が簡単なアルバイト感覚で行ったり、社会人が副業で行うケースもある。 代行者側は、ゲームで遊んでお金を稼ぐ事ができ、クラウドソーシングサイトでも数多く募集されている。

一方で、「正規に(自分の遊べる範囲内で)遊んでいるプレイヤーとの格差が生まれる」「レベルやアイテムだけ揃ってもプレイヤースキルが伴わない」といった問題点が度々指摘されている。
また、プレイ代行自体は違法ではないものの、「代行者が勝手にパスワードを変更*84」「チートツールを使ってプレイ*85」といった犯罪行為に手を染めた代行者が摘発されるといったトラブルも後を絶たない。

様々なトラブルが起こる可能性がある為、プレイ代行をチートやRMT同様に禁止しているゲームは多い
肝心の報酬も手間の割に少ない事も珍しくなく*86、ビジネスとしては安定性が無いのが実情だろう。

プレイ動画

ゲームをプレイしている様子を動画サイト『YouTube』や『ニコニコ動画』や『Twitch』等にて配信すること。
ゲームを持っていない人も参考になるが、再生時間の都合上読み込みや見所のない長距離の移動等を編集でカットしていたり倍速をかけている事も多く、加えて動画だけでは操作性まではわからないので、動画を見ただけでプレイした気にならないよう注意。
また、1回の動画で終わらない場合は諸事情(視聴者数が伸び悩んだ、単純に飽きた等)によって投稿者が投稿を中断するケースも多く、動画が最後まで完結するとは限らない。

一口にプレイ動画と言っても動画作者(≒プレイヤー)の手法は様々である。
特に編集せず淡々とプレイ、プレイヤーの肉声やテキスト読み上げソフトによる実況*87や雑談入り、解説や攻略法等をつけて攻略・検証動画として編集、様々な制約をつけて縛り・やり込みプレイ、凄まじい実力を披露する魅せプレイ、ゲームのストーリーを最初から最後まで配信するものもあれば、難所をクリアするものや、マルチプレイを配信するものなど、その種類は多種多様。

ゲームソフトも著作物であるため、プレイ動画を権利者に無断で向けて公開することはれっきとした著作権法違反なのだが、悪質な場合を除いてあまり取り締まりがされていないのが現状であり、著作権者(原作者やメーカー等)よって対応や方針は大きく異なる。
明確に対応を取っている場合は「(主にストーリー性重視の作品で)投稿を一切許可しない方針であり、メーカーがアップロード禁止令を出す」「規約を用意して投稿を許可する(コミュニティの活性化、宣伝としての役割を狙う)」「(主にアーケードや対戦・競技ゲームで)簡単に投稿用動画を作れるサービスを公式で行っている」のいずれかに大別される。
一部は「特定要素だけ動画公開を許可 (例:対戦格闘でバトル部分のアップロードは大歓迎だがストーリー部分は厳禁)」としている場合もある。
このように対応が分かれる原因として、プレイ動画が「ゲーム実況」というエンタメの1つとなっている現状があり、クリエイターの中には有名実況者の動画を視聴していることを公言している者もいる(参照)。

  • プレイ動画のアップロードが推奨されている例……『Wonderland Wars』『ボーダーブレイク』『三国志大戦』シリーズ等*88
  • プレイ動画のアップロード支援機能が組み込まれている例……『maimai』シリーズ*89
  • プレイ動画のアップロードが禁止されている例……『ペルソナ』シリーズ*90

PS4/OneやSwitchからはスクリーンショット・動画を撮影しアップロードする機能*91を内蔵し、これらに合わせて著作権者側から「この区間はアップロードOK/NG」という信号を埋め込めるようになっている。 しかしOK/NGの切り替わる頻度が高かったり、不必要に撮影・録画が制限されているなどの場合、不評を買うソフトもある。

動画評論家 / 動画勢 / エアプレイヤー

プレイ動画や他人の評価を見ただけでプレイした気になって、知ったかぶりで批評する人のこと。

上記の通り、実際にプレイしないとわからない事は多いにもかかわらず、動画投稿者の(主観極まりない)感想を引用したり、見当違いの事を言ったりして、失笑を買う事も多い。
どれだけ優れたゲーマーであっても、動画を見ただけで未プレイのゲームを批評するのは無理がある。

エアプレイヤーもほぼ同義語であるが、こちらは動画すら見ないで語る人まで含む。エアプレイ、エアプとも。
プレイしていないゲームにもかかわらず、SNSで話題となったバグを持ち出してクソゲー扱いしたり、他人の評価を鵜呑みにして批評する人は多い。
また、オンラインゲームやソーシャルゲームのようなアップデートで環境が変わる作品では、引退したプレイヤーが引退後の環境を知らずに批評する事もエアプレイの一種といえる(当時の環境を振り返るだけならば問題ない)。

有名シリーズや話題作の他、クソゲー・高難易度ゲーなどとかく敷居の高いものほど上述した人達が増える傾向にある。
一方で、他人への(自分と異なる意見に対する)レッテル貼りに使用される場合もあり、コメントやSNSで不毛な争いが繰り広げられる事も多い。

なお、このWikiでは未プレイのゲームの記事執筆は禁止されているので注意。また、当然ではあるが、各種議論においても未プレイ者が口を出すことは基本的に許されていないので気を付けていただきたい。

PK(プレイヤーキラー)

MMORPGのようにいつでもPvPできるタイプのゲームで、一方的に攻撃を加え他のプレイヤーを殺すプレイヤーの事。
お互い合意の上で戦うPvPとは違い、一方的に戦いを挑んで殺す事を指す。MORPGにも存在する*92
当然ながら迷惑行為として忌み嫌うプレイヤーもおり、そう言った人の中にはPKを狩る「PKK (PKキラー)」なる者も存在する。
古い作品では「悪人を演じるのもロールプレイのうちでMMORPGは自由だ」と放任されていたが、次第に「初心者狩り*93」「カモを見つけてひたすら付きまとう」などの「演じているでは済まないガチの悪人プレイヤー」が登場する。
さらに、「公式イベントの妨害」「超レア装備をPKで奪われた廃人が引退」などの運営にとっても好ましくない問題が表面化したことで、新作ではほぼ採用されなくなっていった。
「PKには犯罪者アイコンが付く(PKKをする分には付かない)」というルールの作品もあるが、所詮はゲームなので「PKを楽しみたい時以外はサブアカウントで遊ぶ」「時効になるまで全財産を銀行に預けて裸で放置*94」「いっそのこと身内やサブアカウントでPKキャラを殺して名声値や賞金を得る*95。要はマッチポンプ」等で無意味な場合も多い。

MPK(モンスター・プレイヤーキラー)

MMORPGにおいて、自分を追いかけてきたモンスター(プレイヤーのペットは含まない)を他のプレイヤーに押し付けて殺す行為。
ただし他プレイヤーを殺せたとしてもPKが不可能なMMORPGでは相手の財産を奪うシステムは無いので、純粋に嫌がらせでしかない。
PK可能なゲームでも「自分の手を汚さない(犯罪者アイコンが付かない)」方法として使われる事があるが、モンスターがMVPになってしまう以上、財産を奪う事はできない事が多く、やはり嫌がらせがメインである。
往年の「ラグナロクオンライン」ではモンスターを召喚する「古木の枝」を町中で使う「枝テロ」という嫌がらせが有名だった。

一方で、3D作品の場合は「移動中に視界外のモンスターの標的にされてしまい、知らずに追いかけられていた」等で、そのモンスターが他のプレイヤーを襲ってしまいMPKと認定されてしまう事も。

プレミア

英語の「premium」のことで、「割増金」が転じて「付加価値」を意味する。本来の発音は「プレミアム」だが、語呂の関係か「ム」は省略される*96
「プレミア価格」とも言われる。価格ではなく、「プレミア料金」と表記された場合、それはゲーム内課金のことを指すまったく別の概念である*97

ゲームソフトもその希少性の度合い次第では、中古でも定価並みかそれ以上の値が付きコレクターグッズと化し、市場に出回らず入手が非常に困難な状態にもなる。
抽選で当たる・一部の人間に対してのみ作られたという特殊性があり格の高いプレミアソフトはもはや一般のショップには並ばず、マニア向けの店の目立つケースに飾られ、非売品として展示されていることも。
数段価値の下がるものであってもショーケースで保管・陳列されており、数万円から十数万円の値が付き一般的な中古商品とは別格扱いされている。

近年では各種ゲーム配信サービスによって多くのプレミアゲーを安価でプレイできるようになったが、表現に修正が入っていたり、実機環境の完全再現はできなかったりで、高い金を支払ってでも実物を求める本格趣向のこだわり派ゲーマーも依然として存在する。ハードもまた然り。

生産数が少ない・再生産されないという理由で中古市場に出回りにくい物は希少価値が上がりやすい。
また、出回りの少なさはストレートに希少性につながるため、元々生産数が絞られたハード末期のソフトや一般PCゲームなどにはプレミアが付きやすい。
その上、開発にこなれて完成度を高めたり製造元が現存しないものなどは人気が高く、結果ファンや店舗の保有(保管)率と現物を求める層との差も大きくなり更に高いプレミアが付いていく。
もっとも、中古価格は中身を保証するものではない。筋金入りのクソゲーでも、絶対数が少なく認知度が高ければプレミアは付く。

なお、稀にピンボールメーカーの「premier (プリミアテクノロジー、旧ゴットリーブ社。会社組織は既に解散)」のことを指すこともある。ゴットリーブ社の代表作には『Qバート』がある。
また、メダルゲームなどのゲーミング分野では、「大当たり(高配当)が保証された状態」を指すことがある。
プレミアムリーチ(必ず当たるリーチ)、プレミアムフラグ(引き当てると確実に高配当を期待できる役)等と表現される。

フレンドリーファイア

友軍(味方)への攻撃のこと。主にFPS/TPSなどのマルチプレイが前提のゲームで採用されていることが多い。略称はFF。故意か過失かは問われない。
誤射であれば理解は得られるが、謝罪しておくのが無難だろう。 ただし、あまりに頻繁だったり、意図的に味方を撃ちまくるとゲームから追放されたり、度重なるとBANなど重い処罰を下される可能性もある。
ルールでFFをオンオフできたり、銃弾は無効だがグレネードなど範囲攻撃は味方や自分を巻き込むというゲームもある。
「瀕死の場合、回復アイテムを数個使って回復させるより、あえてFFで殺してから復活させたほうがコストが低い」「味方に当てると回復させる武器*99」なんてのもあるので、タイトルごとの事情は考えよう。

プロモーションビデオ

販売促進用の映像作品のこと。略してPVと呼ばれる。映画文化の強いアメリカではトレイラー(予告編)と呼ばれている。
ゲーム雑誌等に掲載されている写真ではなく実際に動いている場面や使用される音楽等が確認できる為、ゲーム購入にあたって重要な情報となる。
昔は店頭に置かれているテレビでしか見れなったり、雑誌の付録DVDを見るくらいしかなかったが、昨今ではYouTubeやホームページ等でも気軽にPVを閲覧できるようになっている。
ゲームがある程度動く状態まで完成していないと作れないためユーザーとしても信頼度の高い情報として受け取ることが多いが、公開されたPVと実際のゲームが違いすぎると「PV詐欺」等と言われてしまって評価を余計に落とす場合もある。

PV詐欺と呼ばれたゲーム

ベクタースキャンゲーム

ブラウン管の輝点やレーザーなどを、直接図形の形状に沿って振り動かしながら描画する特殊な方式のモニター*100を使用した線画オンリーのゲーム*101
その仕様上、描画できるのは点と線のみで、簡易的な図形描画は可能だが、面に色を塗ることができないため、独特な趣の画面になる。利点は画面を塗りつぶさないため高速表示が可能な事*102。当然CPUやVDP(GPU)の負担も少ない。
基本的にアーケードゲームとして出た作品が多いが、家庭用機(Vectrex/光速船)も存在する。
その性質上、ベクタースキャンゲームの基板だけ保存していたとしても出力信号が特殊なため通常のモニタでは表示できない。前述の家庭用機もモニター一体型である。

ベータ版

製品の開発段階の1つで、完成前にユーザーにテストしてもらうサンプルバージョン。「βバージョン」「ベータテスト」等とも呼ばれる。
MMOやFPSと言ったバランスが大事なゲームでは社内のテストだけで不十分な場合がある為、様々な人に実際に使ってもらうことで不具合や改善点を洗い出すことを目的としている。
ちなみに、社内でのみ行われるテストのことは「アルファ版」「αバージョン」「アルファテスト」と呼ばれる。
また、ベータテストに参加できる人数や団体を絞って行うことを「クローズドベータ」と、誰でも参加可能*103なテストを「オープンベータ」と呼ぶ。

ヘイト

「Hate (憎む)」という意味の英単語。英語圏では単に「大嫌い」という意味で使われることも多い。ゲームでは主にMMORPG等で使われ、敵NPCがどのプレイヤーを攻撃するかを決定する内部ステータスを指す。
ヘイトが高いほど優先的に狙われる仕組みになっているが、誰が狙われているかを表示するゲームは増えてきたもののどの行動がどの程度ヘイトが上昇するかを表示しているゲームはほとんどないため、ある程度推測しながら行動しなければならない。
その中で、敵からのヘイトを引き受ける役割を担う参加者のことを「タンク」と呼ぶ。諸説あるが戦場で目立つ「戦車(Tank)」が由来と言われる。

タンク役は高い耐久力と敵からのヘイトを集める為の専用技を併せ持つ事で、耐久力が低いそれ以外のメンバーに敵の攻撃を向けさせないようにすることが求められる。
基本的に与ダメージまたは回復量に比例して大きくヘイトが蓄積されることになるため、耐久力重視(≒攻撃力軽視)なタンク役には往々にして「挑発」などのように、ヘイトを直接加算する行動が実装されるのが常である。
ここから転じてFPS/TPSなどの多人数対戦ゲームでも目立つ行動を行い、相手の注意を引く囮役が「ヘイトを買う」「ヘイトを集める」などとも言う。

『Civilization』シリーズなどの戦略シミュレーションでは、相手の領地の近くに入植するなどの行為によってCPU勢力からのヘイトを買うことがある。
『Stellaris』ではethic(志向)の異なる勢力に対してCPUは攻撃しやすくなっている。例えば「軍国主義」と「平和主義」は対立し、「(通常の)平和主義」の勢力は「軍国主義」の勢力へ「イデオロギーの違い」を理由に宣戦布告が可能となっている*104

ヘッドショット

FPS/TPSにおいて敵の頭を撃ち抜くこと。
当然人体にとって最大の弱点である頭部を破壊されるということはイコール即死である為、ゲームでもヘッドショットは即死になる場合が多い。
ただ、ルーターシューターのようなRPG要素のあるシューティングでは、ゲームバランスのため大ダメージで済む場合もある。
『Sniper Elite 4』のようにヘッドショットだとミッションのスコアにボーナスが加算されたり、規定数のヘッドショットでトロフィーが獲得できるようになっていることで、必要以上にヘッドショットを狙わせるようなゲームデザインになっているものもある*105。『HITMAN』(2016)のコントラクトではヘッドショットが必須条件となっているものもある。

人体の先端にあり、的も小さいため難易度が高い。その為、現実では頭部を狙った狙撃というのはほとんど行われず胴体を狙うことが多い。
戦場では「殺害」と「負傷」は差が小さく*106、場合によっては「負傷」の方が人員的な負担*107が大きいことから上位になる場合がある。故に体のどこかに当たれば良いというのが主な理由。
それとは別に狙撃銃の弾薬は長射程への対応のために高威力が必要となることで、たとえ胴体に当たっても負傷どころか「真っ二つになる」レベルの致命傷を与える事ができるという理由もある。
ただ、人質を取られているなどの場合で、相手の即死が求められるような場面ではヘッドショットを狙うこともある。

ボイス

音声、またはそれを吹き込む声優の声のこと。後者の使い方をする場合、役者の名を先に入れ「○○ボイス」となる。
特にキャラクターの声、あるいはキャラ紹介時に併記されるその声優の事は「キャラクターボイス(CV)」とも。
メディア容量の増加によりゲームに挿入されるようになり、キャラゲーやキャラクター自体も売りとするゲームでは重要視される。
昔のゲームに多いが、スタッフ等がボイスを収録したケースも多く、独特の味のあるボイスが未だにネタにされ続ける事も多い。
また、スペックや容量等の関係で生音の声を挿入できない場合は「音声合成」という技術でボイスを制作する事もある。
一方で映像のクオリティが上がった最新ゲームでは「棒読み」や「キャスティングのミス」がマイナス評価の一因になることも。
ちなみに声優が有名であればあるほどギャラが高くなり、ゲームの制作費も高くつく事になる。
2000年代以降(PS2以降)はメディアの大容量化が更に進んだことでマニア、オタク向けのゲームを中心にフルボイスのゲームが多くなったが、近年ではゲームの製作費削減のためあえてパートボイスにするゲームも少なくない。

フルボイス

ボイスを採用したゲームでセリフがあるシーン全てにアテレコされていること。会話の一部だけに声が当たっている場合は「パートボイス」と呼ぶ。
何気ない会話シーンにもボイスがあることで豪華なゲームとされるが、会話シーンが冗長的に感じるということも。特に会話をスキップできないような場面だとそう感じやすい。
そのため会話シーンの多いRPGやADVでは重要なシーンやムービーはフルボイス、サブイベントなどはパートボイスまたはテキストのみといった使い分けをするゲームもある。

ホーム画面

ゲーム機を起動した際、ゲームを開始せずに画面に表示される選択画面のこと。
近年のゲーム機では必ず搭載されており、ゲーム起動中にホーム画面ボタンを押すことで起動中のゲームを終了できるようになっている。

ホーム画面の概念を搭載した初のゲーム機は、2003年末に発売されたPS2一体型DVDレコーダー「PSX」である。その後、PSP以降のゲーム機ではホーム画面が搭載されることが当たり前になっている。

保護

外からの脅威などからかばい守ること。ゲームカタログを初めとした多くのwikiではページの編集を制限する措置として用いられる。
基本的には「その記事をターゲットとし規制をしても何度も突破するような悪質な荒らし*109がいる」「編集合戦が起きており収拾がつかない」といったような場合にこの措置が適用される。
そのほか、一般利用者が編集する必要のない管理用のページやルールが書かれたページに対しても適用されている。
また、荒れる可能性が高いとされるゲームに対して記事執筆解禁前に保護される場合もある。この場合は「白紙保護」という保護に至った理由だけ書かれた状態での保護措置となっている。
白紙保護は荒れる可能性のあるゲームだけでなく、「実際に編集合戦などで荒れてしまい、一から記事を作り直した方がいいと判断された」「基礎ルールに違反するページや要強化に出されるレベルのページが繰り返し作成された」といった場合にも適用される。

凍結

凍り付くこと、および資産などの使用を停止させること。本wikiでは保護よりも重い措置として運用されている。
保護と混同して使用されている場合があるが、保護が編集のみ制限するのに対して凍結は一般利用者のページ閲覧も制限する措置になっているため、間違いのないように注意。
また、内容や記事タイトルがあまりにもセンシティブなゲームの記事に対しては@wikiより凍結されてしまう。こうなると管理人でも閲覧や凍結解除ができないため、特にアダルトゲームの記事を作成する場合には気をつけること。

こういった措置はあくまでやむを得ないと判断された場合に適用されるため、安易に適用することを提案せず、まずは他のやり方(問題投稿を行っている人のIP調査・規制を行う、スレで話し合い適切な形で記事に反映するなど)で解決できないか考えてみることが大切である。
いずれにしても、「保護や凍結といった措置が検討されるほど荒れてしまった」というようなことがないのが一番である。

ボス

もともと「上司」等を表す英単語。ゲームにおいては特定のステージの区切りやストーリー上の要所で登場する強力な敵キャラクターを指す。「雑魚敵」の反対語。
特にゲームの最後に戦うボスを「ラスボス」と、ステージの途中で戦うボスを「中ボス」と呼ぶことが定着している。
また、隠しステージや特定の条件を満たすと登場するボスを「裏ボス (隠しボス、真ボス)」と呼ぶ。
雑魚敵と明確に区別(特定の演出がある、専用BGMや専用ステージがある、等)されていることが多く、攻略するのに特殊な行動が必要な場合もある。
大抵は雑魚敵より巨大なグラフィックなので「デカキャラ」とも言われていたが、対戦格闘では(巨大ボスが登場するものもあるが)敵味方全員人間というのは当たり前、昨今はシューティング等でも自機・主人公達と同じくらいの背格好のボスキャラも多い。
ストーリー上の役割ではラスボスは悪役のリーダー、あらゆる事件の黒幕など、それ以外のボスはラスボスの手下だったり、ラスボスとは無関係だが主人公と対立する存在など様々。

いずれも主人公(=プレイヤー)とは対になる立場からストーリー・ゲームの世界観を支える存在であり、 キャラクター自身の魅力や、なぜ主人公と戦うかの筋が通った行動原理、そしてゲームの攻略難易度に応じて適度な実力が求められる、主人公と並んで最も大きな役を背負うキャラクターである。

PC-98あたりのゲームには「ボスが来たモード」として、特定のボタンを押すと実用ソフトっぽく見える画面に切り替わる機能が搭載されていたことも。
このボスは本来の意味のボスである。当時のPCは高価で自宅への導入が難しかったり、PC自体も一つのソフトしか動かないので、画面の切り替えが今ほど容易では無かった故の機能である。
コンシューマーでの採用は少ないが『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』にママキタボタンとして存在する。 音声はそのままなのであまり意味がない気がするが。

ボスラッシュ

今まで倒したボスともう一度戦うステージのことを指す。
基本的には、ラストバトル直前に配置されており、それまでのボスたちと連戦で戦い抜くという構造になっているのがもっぱらで、ラスボス戦前の緊張感を高める効果もある。

弱点やアルゴリズムが全く同じ場合もあれば、それらが強化されて通常時よりも強くなっている場合もあったりする。

また、特殊モードとしてボスラッシュのみのタイムアタックモードが搭載されているゲームもある。

ポストアポカリプス

Apocalypseは聖書の「ヨハネの黙示録」を指し、転じて「世界の破滅、終末」を意味し、Postapocalypseは直訳して「終末後」という意味。「終末もの」とも呼ばれる、現代の文明が戦争や災害などによって崩壊した後を描いたSFのサブジャンルの1つ。
崩壊によって現代の貨幣やルールも意味をなくし、略奪や殺人が当たり前となり、さらには何らかの理由でモンスターが跋扈したり、暴走した機械が人を襲うバイオレンスな世界で生き抜くといったサバイバル要素が描かれることが多い。
さらに派生し、崩壊から数百~数千年以上経ちかつての文明の面影を残しながらも人々が普通に生活していたりする、「心地よい破滅」と呼ばれるジャンルも存在する。

没データ(未使用データ)

ゲームソフトのROM内には入っているものの、本編で使われなかったデータの事。

通常では見ることはできないが、バグや解析等で存在が判明することが多い。
なぜ使われないのに削除せずに残っているのかというと、例え未使用であってもプログラムの一部(建築物で言えば構造体に当たる部分)であるため、下手に削除すると新たなバグの原因になるからである。

ポケットモンスター 赤・緑』における幻のポケモン「ミュウ」は本来は没データになる予定だったが、発売初期にバグによってゲーマーから発見されたため、後に公式に配信されることになった。

BOT

ボット。人間に代わって作業を行うコンピュータープログラムの総称。ゲームにおいてはFPSやオンラインゲームなどで使われるCPU/AIプレイヤーの事を指す。

FPSにおけるBOTは古くから存在しており、90年代に『QUAKE III Arena』や『Unreal Tournament』等のマルチ対戦FPSにおいて発展し始めた。当時のFPSゲームには大体BOTが搭載されており、中には開発環境までがメーカーによって準備されている物も存在する。
用途としては個人プレイでの練習用やマルチプレイでの欠員の穴埋めであるが、チューニングしたBOT同士を対戦させるといった使い方もされた。
近年ではブロードバンド環境が整うにつれマルチプレイでの対戦が容易になったことから前述のBOTは廃れていったが、代わりに不正ツールにおけるAIMBOT(照準を自動的に標的へ合わせるチートアプリ、Auto Aimとも言う)の登場からネガティブな意味合いで使われるようになった。

オンラインゲームにおけるBOTは、主にMMORPGなどの収集や成長の要素のあるプレイ時間に成果が比例するゲームにおいてよく見られる。
経験値・資金稼ぎやアイテム収集などの目的で使用されていることが多く、そうして得たお金やアイテムをRMT業者が売買することすらある。
その結果大量のBOTによる狩場の独占とそれに付随するユーザー間同士のトラブル多発、アイテムや通貨の供給過剰→通貨価値がインフレーションを起こしてゲーム内経済の崩壊といった弊害が発生してしまう。
そういったことを未然に防ぐため、ほとんどのMMORPGにおいてはBOTの利用は規約違反とされ、違反した場合はアカウントBANなどの重い処置がとられることがほとんど。
しかし、人気ゲームに数多くのBOTが出現することはもはや業界の常となっており、対策はイタチごっこの様相を呈している。

ちなみにMagic Onlineには「カードの売り買いを仲介するBOT*110」なるものが存続している。
またオフラインゲームに視野を戻すと、TASで運操作を高速化するため、フレーム単位で別の操作を試行させるBOT*111なんてのも存在する。

要するに、悪い目的でBOTを用いること自体が悪なのでであって、BOTそのものが悪というわけではない。
なんでもかんでもBOTを叩けばいいというわけではないのでそこは気を付けよう。

没入感

ゲーム世界に入り込んだような感覚のこと。またゲームに意識が注がれ他の事が気にならなくなる様子や、その度合いのこと。
ゲームに熱中できることと言い換えることができるが、FPSの隆盛やCGフォトリアルの向上、VRの登場によって現実とゲームの境が曖昧になる様子を指すキーワードとして取り上げられるようになってきた。
ゲームのデザインにもよるが没入感が高いほどよいゲームとされるため、ゲーム内でメタなメッセージが多発しすぎたり、グラフィックが粗いなど没入感を阻害する要素があるとマイナス要素として捉えられることがある。

ボム / ボンバー

ゲームでの爆弾を表す用語。「ボム(bomb)」はそのまま英語で爆弾の事だが、「ボンバー(bomber)」は爆弾を使う者=爆撃機や爆弾魔」であり実は誤用である。
特にSTGで通常攻撃以外に用意された自機の特殊攻撃の事で、大抵の場合、ボム専用のボタンがあり、それを押す事で発動する。
基本的に

  • 効果範囲内の敵に大ダメージを与える
  • 使用した直後に自機が一定時間無敵になる、効果範囲内の敵弾が全て消滅するなど、緊急回避手段として用いることができる。
  • 使用回数または条件に制限があり、何度でも使えるわけではない

    以上の3つの条件を満たしていれば、爆弾を投下する演出や爆発のエフェクトを伴っていなくても、一般的に「ボム」と呼ばれる。
    TCGではいわゆるブースタードラフト(「その場でパックを開封してデッキを組んでゲーム開始」というルール)で遊ぶ時、特に強力で出せば勝ちのカードの事をこのシステムに絡めて「ボム」「爆弾レア」なんて呼び方をする事がある。

元祖は『ディフェンダー』の「スマートボム」だが当時は追随する作品が存在しなかった。
その後『タイガーヘリ』で基礎システムが作られたのち、『TATSUJIN』にて緊急回避を主眼に置いたボムのシステムが確立されると、それが他のゲームにも広まり「ボム型シューティング (ボムシュー)」というジャンルとして定着した。
現在ではSTGにはボムやそれに類似するシステムが登場するのが一般的になっている。
広まった理由だが、自機に緊急回避手段を持たせることで初心者の救済手段になると同時に、「ボムを使わなければボーナス点が入る」事にすれば上級者(スコアアタック)向けの難易度も両立できる。通常攻撃より派手で威力の高い攻撃を用意することでゲームにメリハリがつく、ボンバー回避前提の弾幕で見た目を派手にできる*112、等がある。 また、逆にボムを使用する事でスコアが伸ばせるようになっている作品も多い。

余談だが、本来bomberは英語発音だと「ボンバー」でなく「ボマー」に近い*113
ちなみに、『ボンバーガール』では「ボンバー」と「ボマー」が(単なる表記ゆれということではなく明確に)意味の異なる用語として使い分けられている。
なお、「ドイツ語が由来だからボンバーで正しい」と主張する勢力も存在する*114が真偽は定かではない。

ポリゴン

多角形のこと。現在一般にゲームグラフィックを描画する際、三角形を多数組み合わせたものにテクスチャを貼って表現している。
ポリゴンの数が増えるほど繊細な表現が可能になるため、1秒間に処理できるポリゴン数がハードウェアの性能の比較に用いられることもあった。
いくら繊細になるといってもポリゴン数が多すぎると処理や容量に負荷がかかるため、細部の表現には適宜カスタマイズしたシェーダーが利用される。

ちなみに「ポリゴン=3D」というイメージがあるが、ポリゴン描画に特化したGPUが普及した現在では2Dグラフィックもテクスチャを貼った板ポリゴンで表現されるため、画面に映る全てのオブジェクトがポリゴンで描かれているゲームがほとんどである。

ローポリ

ローポリゴンの略。少ないポリゴン数で作られた3Dモデルのこと。
PS~PS2初期くらいのゲームはこうしたローポリが多かった。
少ないポリゴン数でキャラクターやオブジェクトを表現するのはセンスも求められるため、ドット絵とはまた違った職人技術といえる。

ポリゴン抜け

主に3Dアクションゲームにて、地形や壁などを形成しているポリゴンをキャラや弾丸などがすり抜けてしまう現象。
ほとんどがバグなのであるが、『地球防衛軍』シリーズの初期作品のようにまるで仕様であるかのように開き直っている作品もある。