目次
1.エデンからの脱走者
思想というものは、いろいろなかたちがあります。そして、そのなかに一元論二元論の両面があります。しかし、私の世界から見るかぎり、本来もともと私たちが最初のエデンの園を始めた時に、悪霊もサタンもなかったことは事実ですが、三億年以上の歴史が流れ来たった現在においては、悪霊とか、サタンとか称される者たちもいることは事実です。この事実につして、私の口から説明をしておきたいと思います。まず、最初のエデンの園と悪霊の発生について、語っておきたいと思います。
当初、ベータ星から来た六千万人の人たちは、理想に燃え、希望に燃えて、楽園を築いていたわけですから、当初、こうした人たちが地上を去ってもそこに地獄ができるというようなことはありませんでした。けれども、エデンの園も次第しだいに時代が下るにつれて、そのなかにおける掟を破る者が出てき始めました。そして、アダムとイブで象徴されているように、追放される者も出てきたということなのです。最初の団体から隔離され、追放される者が出てくるに至って、初めて地上にて憎しみの波動、怒りの波動というものが存在するようになりました。当初、価値観を共有していたものどうしが住んでいたのに、地球に住むにつれて価値観の相違が生まれてき始めたということです。
この価値観の相違は、何に起因しているかというと、結局、地上的な物質的な思いにとらわれることが多くて、霊的な見方を忘れる人が出てき始めたということに起因するのです。当初の人間は、霊肉不二一体であることをじゅうぶんに知っていたのですが、やがて時代が下るにつれて、「肉体こそすべて、これが自分自身だ。」と思う人が出てき始めて、肉体中心の生活を送り始めたのです。
そして肉体が喜ぶような方向にと毎日を生きていって、霊的なことをなおざりにする人びとが後を絶たなくなってきたのです。これは、魂的にはある意味での退化でもあったし、堕落でもあったでしょうが、やむをえない面もあったかもしれません。というのは、この地上で地球という星で生きてゆくということ自体が、この地上生活に新たな経験としての価値を認めているわけですから、この地上生活からさまざまな経験を学ぶこと自体は、たいせつなことであると思われていたからです。また、もといた星から移ってきた理由も、もとの星が高度に発達した文明の星であったために、魂の成長が停滞し始めて、もう一度ゼロからやり始めてみたいという人びとが移って来たからなのです。この意味において、マイナスからスタートになることも、多少やむをえないこととして判断されていたのです。しかしながら、この物質的な吸引力というのは、ひじょうに大きかったと言えましょう。