目次
10.愛念によって悪霊との和解を
(問)クロムシ病を心霊治療したい
会社員(女性)三十歳
私は現在、クロムシ病で六月末からある病院に入院しています。ここでは食事療法を基礎とし、科学療法、漢方薬、カイロプラクチックの治療をしております。四か月あまりの入院で、大きなお腹のしこりもすいぶん柔らかくなったのですが、便秘と下痢、特に最近は下痢が続き、体重が滅少ぎみになっています。便も検査では鮮血反応が出ています。こちらの先生は、できるだけのことはやったし、あとはいつまでここにいても変わらないので、転院したほうがいいとも言われます。両親も早く大阪へ帰ってくるように勧めています。
大阪の病院では、鼻からチューブ栄養という治療になります。その治療では体重がふえ、血液検査の結果もよくなるのですが、退院して普通の食事するとまた体重が減っていきます。私としては、もう少しここのカイロプラクチックと合わせて、自分の力で消化吸収する力をつけたいと思います。せめて今年いっぱい、こちらで今の治療を続けたいと思うのですが、どうせ帰るなら、今帰ったほうがよいのでしょうか。
ある方から心霊治療をすすめられており、受けてみたい気がするのですが、どうでしょうか。私の病気はがんばって努力すれば治るのでしょうか。どうかよろしくお願いいたします。
(答)病気の正体は三体の憑依霊
エドガー・ケイシーです。お答えします。
少々厳しいことも言うかもしれませんが、それは私が霊界の医者としての立場で言うことですから、そういうふうに聞いてください。普通の人間が言うことではなくて、あの世の人間があの世の目でみて、この人に感じることを感じるままに言うだけですから、それを率直にとらえてみてください。そうして考える材料にしていただきたいと思います。
まず、現在この方の病気について、私なりに感じることをお話ししたいと思います。このクロムシ病というものの正体です。これがいったい何であるかということについて述べたいと思います。
この方を今、霊視してみると、………この人の腹部、お腹ですね、お腹のところに三体ほどの霊体がみえます。この病気は完全に憑依霊によって起こされている病気であります。これを解決しない限り、残念ながら科学的治療によっては治らないのです。この三体の憑依霊についてもう少し見てみますと、まず一体目、一体目の憑依霊はどうやら産後の肥立ちが悪くて亡くなった三十五、六歳の女性です。小肥りして、顔にそばかすのある、そうですね、身長は百五十センチぐらいの女性です。そういう女性の姿がみえます。産後の肥立ちが悪くて亡くなった方です。
二体目の憑依霊をみてみると、……これはどうやら子供の霊ですね。子供の霊といっても、どうやら生まれてきた霊ではなさそうです。人工流産で堕ろされた子供の霊のようです。男性です。男性の、いわゆる水子といわれる霊ですね。五か月、いや五か月までいってないでしょうか、四か月から五か月ぐらい、お腹に宿って四か月ないし五か月ぐらいの男の子です。これが人工流産によって堕ろされた、このことに関してこの霊体が非常に苦しがっていますね。事情がのみこめないでいる。こういう霊が一体お腹のところにいます。
三体目は、………三体目は、これは人間ではありません。これは、何か爬虫類ですね。爬虫類ですが、ヘビではありません。大きなトカゲのようなものがみえます。そういう霊体がみえます。これは動物霊でしょうが、このトカゲのような霊体がいったい何をしておるのか、これはすぐにはわかりませんが、どうもこの霊体が入っていることによって、非常に普通じゃないような病気になっているようです。基本的にこの人の小腸潰瘍ですか、お腹の具合が悪いのは、こういったお腹に関係のある女性ですね、産後の肥立ちが悪くて亡くなった三十五、六歳の女性、水子霊として死んでいる男の子、これが両方お腹に関係していますね。それと、こういうトカゲのようなものが憑依霊に憑くということは、ちょっと普通はありえないことだと思うのですが、なぜこういうものが憑いているのか………。
うーん、どうもこのトカゲのように見えるもの、その実態は、どうも動物ではないようですね。トカゲの姿をとっているけれども、そのトカゲの姿をとっているものの実態は、やはり人間霊ですね。やはり人間霊で、あの世の畜生道というところに堕ちて、現在、トカゲのような姿になっている人間霊です。これがトカゲのような形でこの人のお腹に今、入っています。
このトカゲの形をしているものの正体は…………うーん、どうもこれはこの方の家系に何か恨みを持っている霊のようです。この家庭に対して恨みを持っている者の霊ですね。これがこういうふうに変化しているようです。トカゲというものは、要するに残忍さというものを象徴しているのです。そういう残忍な恨みと、攻撃的な心、これの象徴がトカゲですから、そういう形をして出てきておりますが、実は人間霊で、どうも恨みを持っているようですね。攻撃したいという気持ちを持っているようです。
それはこのまだ若い女性のところに来ておりますけれども、この恨んでいる者の正体は、本当に恨んでいるのは、実はこの人ではないはずです。この人のどうやら、………この人のどうやら母親に関係があるようにみえます。この人の母親で、だれかこの人の母親を恨んで死んでいる人がいるのではないかと私は思います。おそらくそうだと思います。母方ですね、母方で、おそらくこの人の母親だろうと思うんですが、この人の母親ないし、母方のご親戚のなかで、だれかを強烈に恨んで死んだ人がいないかどうか、どうかちょっとこれを調べていただきたいのです。この人のお母さんに関係があるはずです。お母さん自身か、お母さんに関係のある、非常に近い方です。このお母さんを非常に恨みながら、憎しみを持って亡くなった方がいるはずです。この方が今、あの世に堕ちて、地獄に堕ちて、こうした憎しみの波動で、トカゲのような姿をもって、要するにこの人の腹部に噛みついてきているわけです。この恨みの念波を断たねば、身体はよくなりません。
そういうことで、どうもお腹に関係のあるのが三体あって、最後の恨みが特に強烈です。これがこの人の体を弱らそうとしております。ですからこの人の母方で、特に恨みを持って死んだ人、お母さんか、母方のお母さんに関係のある方に恨みを持って死んだ人がいるかどうか、ちょっと調べていただきたい。その人がいれば、おそらくこの恨みの念を解かないとよくならないはずです。
それと先ほど言った、産後の肥立ちが悪くて亡くなった方と、水子で亡くなった方、これに思い当たりがあるかどうか、これも調べていただきたいと思います。この人か、この人につながりのある人に関係あるはずです、これも。この三体とも関係があるはずです。この人か、この人のご家庭に関係があるはずなんです。その人自身に関係があってくる霊体もありますが、そうではなくて、その人に縁のある人と関係のある霊体が、いちばん弱いところを狙って出てくる場合もあるのです。だから必ずしもこの人に関係があるかどうかはわかりません。まあしかし、この人に近い人には関係があるはすです。これは完全にこういう三体の霊障です。だから残念ながら、食事療法、科学療法では根本的な治療は無理なのです。これはどこへ行っても同じです。
まず霊たちと和解する
病気が治るかどうかですけれども、要するにこういうあの世の念波によって、相当病気が出来ていますから、結局のところ、これに打ち勝てるかどうかということになります。打ち勝てるかどうか。ですから、この人のご家族が、私が言っていることを信じてくださるかどうかわかりませんが、主として迷っている霊、恨んでいる霊の霊障ですから、この霊障を要するに解かなければ意味がありません。
今言った三体の中で、もし心当たりのある人がいれば、ご家族の中に心当たりの人がいれば、まずその霊と和解する必要があります。すなわち、恨んで死んだ人がいれば、その者に対する、要するに話し合いですね。これが私はまず必要だと思います。ですから、ご家族の中に心当たりのある人がいたら、どうか心の中で語ればわかりますから、その恨みが出てきているわけですから、その亡くなった方と和解をしていただきたい。お詫びの気持ちを持ってほしいと思います。もし、その人のお墓なりなんなりかあるならば、お墓参りをするなりなんなりして、もちろんしなくてもいいのですが、たとえば 『正心法語』なり、『析願文』なり、そういうものを供養の経文としてあげて構いませんが、相手の名前を呼んで、そういう供養をしてあげることです。まずこれが、相手がわかれば、そういうことをやってみてください。
私にはっきりとみえるのは三十五、六歳の女性と、亡くなった子供の水子霊と、それと恨みを、強烈な恨みを持って死んでいった男性です。この三体がみえますから、心当たりがあるかどうか、聞いてみてください。
(問)トカゲの人は男性ですか。
(答)男性です。男性霊です。強烈な恨みを持っています。恨んで死んだ人がいるはずです。この三体は母方に関係があるはずです。だから原因をもし聞いてみて、だれかわかれば、その者に対する供養ですね。供養というのは、別にお寺のお坊さんにお経を読んであげてもらっても、全然そんなものは供養にはなりませんから、相手に死後の世界というものを教えてあげる必要があります。そして神理を語ってあげる必要があります。
そういうことで、この方自身、心の教えをもっと学んでいく必要もありますが、できればこの方のご両親にもたいへん関係があるようなので、みんな関係があるようですから、この方のご両親も、できれば神理を学んでいただきたいと思います。この方だけではなくて、ご両親もだいぶ関係があるようですね。
そういうことで、努力をすれば治るか治らないかということですけれども、霊障ということはもうはっきりしています。これ以外の原因ではありません。これでなっています。はっきりしています。だからこれに打ち勝つかどうかです。打ち勝てるかどうか。そして悪霊に打ち勝てるかどうかということは、まさしく、これは神理を知るかどうか、神理の力です。ですから、神理を学んでよくなっていくかどうかということだと思います。
打ち勝てるかどうかは、この人の努力、この人のご家族の努力です。決して拝み屋とか、霊能者回りをしろというわけではありません。そういうもので取ったところでこれは取り除けないのです。それは、原因はこの方と、この方のご家族のなかに原因があるからです。こういうものに憑依されるだけの原因があるのです。心のなかに不調和があるから、こうしたものに憑依されているのです。
非常に難病だし、難しいけれども、心の勉強をもう少しやりながら、こうしたものと戦わなければなりません。勝てるかどうかこれは本人の自覚、努力次第でありますが、この教えというものを学んで、ひとつ努力してみてもらいたいと思います。
こういう悪霊というものは、結局は光が強くなれば、だんだん憑いていられなくなるのです。ですから、光を強くしていくことです。そしてこの人だけではなくて、ご家族も光を強くしていくことかだいじです。神理を学ぶことかだいじだと思います。そしていたずらにすぐ治そうとするのではなくて、根気よく、根気よく光を入れていく、そういう作業をしていただきたいと思います。
悪霊の成仏を祈る
病院を変わったところで治るものではありません。そういうことです。心霊治療という考え方もあるでしょうが、そういうものでも確かにショック療法で悪霊を取れないわけではありません。試すなら試されてもいいですけれども、基本的には今言った通り、原囚はもうはっきりしていますので、これをどうするかです。
恨みの念を解くためには、やはり愛の念しかないのです。愛念でもって恨みを解くしかありません。まず原因を究明して、そういう特に心当たりがあるならば、しっかり和解しておくことです。そういう霊とね。そしてこの世のことを忘れて、あの世で成仏してくれるように祈ってあげること。それと自分たちを守るためには、光を入れていくこと。みずからが光っていくことです。こういう神理の勉強をもっとやっていただきたいと思います。
治るか治らないかということですが、これはこの人自身が、要するに神理に目覚めて、光を受け入れて、この悪霊を撃退できるかどうかということにかかっています。撃退できなければ負けてしまうでしょう。撃退できれば助かるでしょう。このままでこうしたものに憑かれて、もし死ぬようなことがあれば、やはりこうした三体の霊に憑かれて、そのまま地獄に引きずりこまれてしまいます。こういうことではいけないのであって、生きているときにしっかりがんばって光を入れていく。そういう努力精進をしていくなかに、この人自身の守護・指導霊の援護というものがきっとあるはずです。本人が目覚めて立ち直ろうとするときに、守護・指導霊が必ず助けてくれるものです。そういうことですから、まず目覚めることです。病院を変えることによって治るわけではありません。
今、病院にいるならば、そこでの療法によって治るかどうかということではなくて、それをきっかけとして神理とのつながりを持つという方法はあると思います。
ご両親とも今の内容について話し合いをする必要もありますが、特に大阪へ帰ったから治るというわけではありません。それはよく考えてみてください。
(問)先日ご相談させていただきましたこの方の件なんですけれど、お電話がございまして、ちょっとどうしてもわからないのでお聞きしたいということで、もう一度お願いいたします。
トカゲが憑いているということで、その男性の霊というのはだいたいいくつぐらいの人で、どういう方かという質問と、それが母の関係なのか、母方というと親戚とかだれの関係なのかをもし教えていただけたら、教えてほしいということなんですけど。
(答)この人の病気の原因をつくっているこの男性霊というのは、年齢的には、四十代の後半で亡くなった方です。そして関係とは、この方のお母さんの若いころに関係のあった方です。はっきり言ってしまえば、何らかの男女関係でトラブルのあった男性であろうと思われます。この人のお母さんの若かったころに何らかの関係があって、恨みを持たれた男性で、四十代の後半で亡くなっている方です。
(問)このままお伝えして、お母さんをとがめてしまうというような心配は、ないでしょうか。
(答)根本の原因はお母さんにあるようですから、もし根本的解決がしたいと思えば、このお母さんが個人相談をすることを望みます。ですからこの親子の両方にかかってきているんです、この恨みの念波が。
(一九八七年十一月七日の霊示)
11.神理と笑顔と奉仕業で怨念を熔(と)かす
(問)髪の毛が全部抜けてしまった女性
学校事務(女性)二十五歳
十七歳の頃より髪の毛が抜け始め、大学生時代は全部抜けてしまい、大学卒業後、徐々に生えてきて、ふたたび去年からまた抜け出し、最近また全部抜けてしまいました。現在行なっている治療法は、針と病院から漢方薬をいただき飲んでいます。この髪の抜ける原囚と、治し方のご指導をいただけましたらお願いいたします。
(答)過去世の業として受ける怨念が原因
エドガー・ケイシーです。この方の頭髪が抜けるということに関してリーディングをいたします。
私の目には、この方の頭に、大きなおわんのようなものがかぶさっているのがみえます。このおわんのようにかぶさっているものの正体は、やはり霊的なる実体であります。そのおわんのようなかたちをとっているもののその実体は、人間霊であります。・・・・・・この人の頭部に憑依しているこの霊は、よくよく透視をしてみると、・・・・・・・・・うーん、これは女性の霊です。女性の霊、数は多くありません。一人です。一人の女性霊が強烈な執念でもって、この人の頭にとリ憑いています。この女性霊をもう少し霊視してみます・・・・・・。
うーん、まあこれはもうはっきりしていますね。どうもこの方の前世と関係があります。はっきりしています。この方は、今からおよそ四百年近くも前でしょうか、時代は徳川時代の前、戦国時代の末期であったろうと思われます。この頃に、加賀の国という所ですね、これは今のおそらくは石川県あたりになるのでしょうか。この加賀の国のあたりで巨大な一揆、これは一向一揆のようです。うーん、浄土真宗系統の方々、まあ百姓の勢力が中心ですが、真宗系統の方々による大規模な一揆が起きました。その数は数十万です。そして領主と領主側、つまり武士の側と百姓の側が血で血を洗うような大変な戦乱をくり広げています。
この方は、この一向一揆の最中に生きた方であります。………うーん、このころに生きて、………この方は、その一揆の百姓の側ではなくて、どうやら加賀藩側の人であったようです。この人が仕事をしていたのは、城中の、城のなかの賄(まかな)い関係の女中、こういうものがこの人の職業でした。台所を手伝っていく役割です。これを加賀藩のなかでやっておりました。
そしてそのころ、城内の牢のなかにはこの一揆を起こして捕まった人たち、戦場で殺された方もいましたが、生きたまま捕まって、城内の土牢に、土牢のなかに閉じ込められている人がどうもたくさんいたようですが、この人はこうした捕虜たちに対する食事も作っていたのでありますけれども、あるとき、上役といいますか、上役の台所役人の命を受けて、そうした一向一揆の捕虜たちを毒殺するように、そうぃう命を受けたようです。そしてある晩のこと、食べ物の中に毒物を入れて食べさして、かなりの人数の人たちを殺しているようです。
この人が悪いというよりは、そういう立場にあったし、この命令を拒めば、この人自身ももちろん命が無いような状況であったでありましょうから、この人自身を責めることはできないのでありますけれども、しかし、この人が混入させた毒によって、多くの人が亡くなったことは事実です。そして彼らのうちの多くは、成仏した方もいらっしゃるけれども、四百年以上経った現在も、まだ地獄でうめいている人もいます。苦しんでいるわけですね。殺されたということに関して苦しんでいます。
このなかで、殺されたなかに、まあ真宗系統の熱狂的な信者であって、女性信徒の代表のような方が一人いらっしゃいました。非常に信仰心の強い方でありましたけれども、この人がそういうふうに信仰心が強いために、まあ念の力もものすごく強い方ですけどね、この人が要するに神理の伝道をしているにもかかわらす、毒殺されたということに関して、非常な怒りと恨みを持っておるわけです。まあもちろんそういう恨みを持っている以上、天国には行っておりません。ただ、自分は正しい仏の法を説いておったという自覚があるために、その念が、信仰の念が強烈な想念エネルギーとなっています。このときに殺された女性霊の一人、強力な浄土真宗系統の熱狂的な信者の一人の霊、これがこの人の今の頭に強烈にとり憑いていますね。復讐をしているわけです。早い話が、この当時の四百数十年前の復讐を今しておるわけです。
そして女性が女性を苦しめるとしたら、いちばん苦しめるものは何であるか。頭の髪の毛ですね。頭です。黒髪は女の命と言われます。女の命を攻撃しているわけです。頭に憑依をして、この毛を全部抜くことによって、この人の幸福を奪おうとしておるわけです。女性にとって頭髪が若くしてなくなるということは、たいへんな苦しみであろうと思います。そして人生の大部分の幸せを奪われるような悲しみであろうと思います。この憑依霊の狙っていることは、要するにこの人を一生苦しめたいということです。その頭髪をまず抜いて、それで若いころに苦しみをつくり、あと、このままでいくと、発狂させて殺そうと狙っているようです。恨みの念です。ものすごいです。ただこの女性だけではなくて、その背後にはもちろん殺された他の人の念波があることも事実です。相当強烈な怨念ですね。怨念のエネルギーがあります。
ですから、今のままこういう者に捕まっておったら、おそらくは四十歳を過ぎないうちに狂い死にしてしまう可能性があります。何とかしてこういう者に打ち勝たねばなりません。もちろん、過去世の業ということはあって、この人自身がそういうことをしたということは事実です。この事実自体はもちろん変えることはできません。そして、言いわけもずいぶんあります。そういうことを自分がしなくても他の人がしたであろうという言いわけがあると思います。他の人がおそらくしたはずです。これを拒めばこの人も殺されたはずです。自分も殺されるような立場にあった。そういう不可避の状況にあったわけですけれども、その毒物を混ぜたという事実自体は残っているわけです。これ自体は罪であるかないかと言えば、やはり罪の部類に入るでありましょう。そういう過去世があったということをまず認識してください。そしてこの人を前世から恨んでいる人たちがいるということをまず認識してください。
心の波長を変えて怨みの念波を取り除く
こうした方々に対する供養の気持ちということ、これもだいじですけれども、ただ、相手が対象のない人であるし、今さら供養のしかたがないということもあろうと思います。とりあえず、憑依しているものは、こういう恨みの念波です。ただこの人の不幸せだけを実現すればそれで満足するというような、強烈な念波ですから、こういうものに対しては、供養するというよりも、とりあえずどうにかしてこれを取り除く必要があります。
そしてこの人も、まだちょっと神理の勉強が足りないようですから、もう少し霊言集などもしっかり読まれることをお勧めいたしますけれども、やはり心の世界には、波長というのがあります。恨みの念波を受けるという人は、やはりそれを受けるような心の波長というものを持っているわけです。この人自身の常日頃の心の波動というもの自体が、やはり恨み心つらみ心、こうぃうものをずいぶん持っているはずです。もちろん、若くしてこういう不幸に見舞われたということでもって、自分の人生を暗くしているということもあるのでしょうけれども、この人自身も暗い、見るからにだれが見ても暗い心の持ち主であり、またそうした風貌の持ち主でありましょう。そして会う人、会う人一人ひとりが、この人と会うとやはり陰気なジメジメした薄暗い感じを受けているであろうと思います。
ですから、憑依霊の原因がもちろんあるけれども、やはりこの人自身にも問題があるということです。この人は仕事をしているかも知れないけれども、まわりにいる人たちは、やはり不愉快になっているだろうと思います、おそらく。この人がいるとまわりがだんだん暗い感じに、おそらくなっているであろうと思うんです。それは憑依霊の恨みの念波もあるけれど、この人自身の暗い心の調べというのがまわりに伝わって、この人のいるまわりに特殊な磁場というのができてしまうのです。数メートルの間に渡って特殊な磁場ができて、暗い雰囲気が漂っています。まわりにいる方々もおそらく暗い雰囲気で、だいぶ困っているだろうと思います。
この人に対する処方箋は、もちろん神理の勉強をするということが第一でありますけれども、心の波長を変えていくということ、これがたいへんだいじです。心の波長を明るい方向、光明の方向に変えていくということがたいへんだいしです。まずここから始めるべきです。心の波長が、要するに明るい方向、幸せの方向へと変わってきたならば、この悪霊の想念波と合わなくなってくるのです、だんだんにね。合わなくなるとどうなるかと言うと、金属の上に付いていた蝋(ろう)のように、金属を熱してくると蝋が熔けて落ちていくんです。今、この人は、要するに冷たい金属のような心を持っているから、この金属の上に蝋のようなものが、蝋がいっぱいこびりついているわけです。頭の上におわんのような蝋がこびりついているのです。これは金属を熱していくと、この蝋は熔けて下へ流れていきます。同じであります。この人の心を暖かくしていく、そういうことが必要なわけですね。
私は今、この方に対して三つアドバイスしておきます。
第一は、霊言集を中心として神理の勉強をすること。これが一番目です。
第二番目は、とにかく陽気になる方法。笑うこと、笑顔を見せること、人に対して明るくふるまうこと。人にいい感じを与えるようにすること。こういう陽気になるという方法を徹底的に試みるべきです。どうしたら人に対していい感じを与えられるか。陽気になれるか。人に対してさわやかな気持ちを与えられるか。こういうことを徹底的に努力すること。これが二番目です。
三番目は、毎週一回で結構ですけれど、必ず奉仕をすること。まあ要するに人に恨まれているわけですから、そういう念波を打ち消すためには逆のこと、つまり、愛の気持ちを出す必要があります。愛というものは実践でもって示さねば意味かありません。したがって、何らかのかたち、この人が考えて、世のため人のために役立つような、そういう奉仕行、過去世のカルマを刈り取ると思って、そういう奉仕行を何かやってみることです。私はこの三つを処方箋として出しておきます。
こういうことを続けていけば、やがてその恨みの念波が熔けるとともに、春、雪融(ど)けの春に、春に木々の目や草花が芽吹いてくるように、この人の髪の毛は生えてくるはずです。ですから、この人の髪の毛が生えてくるときは、恨みの念波が、さきほど言った蝋燭の蝋のように熔けていく時期だということであり、春のように雪が融けていく時期であるということだと思います。
おわんのような憑依霊が憑いているということは、ちょうど自分の心の修行がどうなっているかという試金石です。試し、テストになります。そういうことです。ですから、今の三つのことを中心に努力していってみてください。この戦いは自分の戦いです。だれも助けてくれる人はないのです。今のままこれに負けてしまえば、やがて悲惨な運命が待っています。今、これに気づいた以上、敢然と立ち向かうことです。これ以外に方法はありません。
(一九八七年十一月七日の霊示)