目次
2.各国にある天使団
(一九八六年十二月十九日の霊示)
1.いつの時代にも、天使軍団のような、聖霊たちの集団があった
内村鑑三です。今日は、第6章ですが、「七大天使の働き」ということで、お話をしていきたいと思います。日本で生き、生活していらっしゃる皆様は、「天使」という言葉にそれほど馴染(なじ)みがあるわけではないでしょう。天使というと、西の方のイスラエルなどの地にだけいるようなものであって、日本には天使がいないような感じがするかもしれません。また、天使というと、背中に羽が生えて、空を飛んでいる姿、こういうものばかりを心に描くかもしれません。
ところが、天使とは、特定の宗教とか、特定の文化圏、あるいは、特定の地域だけにいるものではないのです。天使と言われるものの実体は、アメリカであろうが、イギリスであろうが、ソヴィエトであろうが、同じなのです。すなわち、その呼び名が、キリスト教的に感ずるかどうかということだけなのです。
私のこの霊言集の読者には、おそらくクリスチャンが多いのでしょうが、このことについて、あえて初歩的な説明をしておきましょう。キリスト教系に「天使」と言われている存在は、仏教系では、如来とか、菩薩とか言われている魂の境涯(きょうがい)のことを指しているのです。
では、そうした特別な役職を持った霊たちが、昔からいるのかどうか。まあ、確かに昔から、そうした聖霊、天使というものはおりました。彼らもやはり地上に何度か生まれてきて、輪廻転生を繰り返している以上は、そのなかで、さまざまな魂の進歩もあれば、後退もあるのです。
つまり、かつては、平凡な魂であったものが、何千年、何万年の努力の結果、天使のなかに列せられる人もおれば、かつて天使であっても、転生輪廻の過程でだんだん心に曇(くも)りをつくって、次第に平凡人となり、平凡人から平凡人以下へと、落ちていった人もなきにしもあらずです。しかし、いつの時代においても、天使という、天使軍団というような、大きな聖霊たちの集団があったことは事実です。
2.各国にある天使団
そして、その聖霊たちの集団にも、やはりそれぞれの長(おさ)、長(ちょう)というのがあって、その周りに、ひとつの会社とか、国の政治と同じでしてね、いろんな天使たちが集まっているのです。たとえば、キリスト教系で言えば、そのなかで中心となっているりーダーは、もちろん、イエス・キリストという偉大な神霊であります。この人を中心として、キリスト教系の天使団というのができております。
あるいは、たとえば、中国では、今から二千数百年前に、孔子という偉大な光の大指導霊が出ました。中国三千年、四千年の歴史のなかには、たくさんの偉大な人たちが出て来ましたし、偉大な天使たちも地上に肉を持って、さまざまな活躍をされました。しかし、彼らの中心となっているのはだれかというと、やはり孔子という方です。そして、この孔子を中心として、中国文化、文明の基礎づくりに励んだ天使たちが数多く活躍したのです。
西洋的に言えば、天使というのは、羽が生えて、空を飛んでいるというイメージがあります。ところが、中国の天使たちはどうかというと、霊眼で見れば、人民服とは言わないにしても、やはり中華用の服を着て、天使をやっておるわけです。
あるいは、日本にも、また、そういう天使軍団があります。日本という国は、皆さんも知っているように、今から何十万年か前に日本列島ができた。そして、教万年前から、次第に、人びとが住みはじめて、ここ数千年の間、とくに民族的に繁栄を見た民族であります。しかし、この日本の国においても、やはり天国というのがあるのです。
今、日本の天使団の中心になっているのは、天之御中主之神(あめのみなかぬしのかみ)と言われる方です。この方が、中心神です。その他にも、主宰神としての天照大御神という方がいらっしゃいます。主宰神とは、すなわち、役割を持って司る神、ある程度、人間的な人格を持っている神のことです。
天之御中主之神のほうが、霊格自体は、高いのですけれども、昔から信仰の対象としては、天照大御神がそうなっていらしたようです。御中主之神は、もう人間とは思われずに、宇宙の根本神か何かのように思われていたために、主宰神としては、天照大御神が最高神であるかのように、日本の歴史では言われてきました。
ですから、天照大御神にしても、西洋的に話をすれば、女神のひとりであろうけれども、日本という国では、非常に神格の高い神様となっております。このように、彼らを中心として、日本神道系の天使団というのがおるわけですが、これもけっこう強い力を持っています。
3.仏教系では、天使を諸如来、諸菩薩という
あるいは、仏教では、ゴーダマ・ブッダ、すなわち、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)、これを中心として、仏教系の多数の天使たちが輩出しました。
仏教系では、これを諸如来、諸菩薩と言います。これは、魂の境涯、悟りの段階についての言葉です。ゴーダマ・ブッダの世界というのは、救世主の世界であり、今様に言うならば、九次元世界の住人であります。ただし、こういう少数の人は除いて、たいていは、八次元世界に住んでいるりーダーたちを、如来、如来界の人たちと言います。菩薩とは、七次元世界に住んでいる人たちのことです。
キリスト数的に言えば、八次元の如来のことを大天使と言います。そして、七次元の菩薩のことを天使と言いますね。天使の軍団というのは、六次元の上段階にいる人たちで、彼らも光の天使の一部と言っていいでしょう。仏教系で言うと、この六次元神界とでも言うのでしょうか。この上段階の境涯というのは、菩薩に至るための境涯、つまり、阿羅漢(あらはん)の境地と言われる境地でしょう。この阿羅漢と言うのがね、天使の予備軍か、あるいは、天使の卵、天使そのものと言ってもいいでしょう。
旧約の世界では、セラヒムとか、エロヒムとかいう言葉が出ていますが、これらはすべて天使のことです。ただ、セラヒムとか、エロヒムとか言うのは、最高の天使のことを言っているのではなくて、いわば、天使の予備軍です。ですから、仏数的に言うならば、阿羅漢の境地に達している方がた、これは天の使いの一員ですね。使いとして、いろんなことをする人たちがおるわけです。回教のほうでも、マホメットを中心として、天使団があることは事実ですけれども、仏教系やキリスト教系から比べると、少し勢力的には弱いように思います。
このように、ここ数千年を採れば、それぞれのりーダーを中心とした纏(まと)まりがあります。そして、これも長い歴史のなかで見れば、さまざまな組み替えがあったことは事実です。そのリーダーのもとに、いろんな天使たちが組み替えをして、役割集団をつくって、魂修行をしてきたと言えます。
ですから、イエス・キリストを中心としての天使軍団をつくっている方がたは、イエス様の述べられる神の国づくりのために、ここ二千年間、努力してきたわけです。地上に教会をつくり、さまざまな牧師たちを指導し、あるいは、キリスト教思想の流布のために、日向(ひなた)になり、蔭になり、いろいろと努力をしてきた。まあ、こういう事実があったわけです。そこで、こういう天使団という高級霊界があるということを、まず、地上の人たちは知ってほしいと思います。
4.現在の日本にも数多くの天使たちが生きている
こうした天使というのは、必ずしも特別な、遙か人智を越えた存在ではありません。つまり、地上に生きているあなた方のなかにも、天使と呼ばれる人たちはいるんです。それは、いわゆる高級霊と言われる方がたであって、そういう高級霊が、目的をはたすために、肉体に宿って修行していることがあるのです。
ですから、現在の日本で言うならば、天使と言われる人も、数多く生きております。そのなかには、科学者もおれば、政治家はちょっと少ないようだけれども、政治的なことをやっている人もおれば、あるいは、経済のなかで活躍しておる人、あるいはまた、学者といった人たちも数多くいます。
このように、さまざまな分野に降りて、肉体を特って、日本という国を、引っ張っている人たちのなかに、数多くの天使たちがいるのです。彼らは、もちろん自分が天使であるということを知りません。天使であっても、人間として生まれた以上、零から、もう一度スタートしているのですね。
母の胎内に宿って、オギャーといった以上、二本の足、二本の手、ひとつのロ、二つの目、ひとつの鼻、二つの耳、これ以上は何も持っていないのです。皆さん、平等です。天使であっても、人間として零としてスタートして、だんだん、その天使としての神性に目覚めていくのです。そして、本人が努力の結果、少しずつ悟っていって、かつての魂の輝きというのが出てくるのです。そういうものです。
5.明治時代に生まれた私も、光の天使のひとりであった
私は、下級武士の末裔(まつえい)として生まれました。明治という時代に学問をして、北海道の札幌農学校で勉強。「青年よ大志を抱け」と言ったあのクラーク博士、この方が校長をやっていた学校です。クラークが去った翌年、私たちが学んだわけですけれども、クラーク博士の影響がたくさん札幌農学校に残っており、私たちに非常に感銘を与えました。
当時、新渡戸稲造(にとべいなぞう)などもおりました。最近、五千円札の肖像画になっていますが、その新渡戸稲造は、私の同級生だったのです。彼は、後に、第一高等学校の校長になりました。新渡戸君とか、私とかは、自分では、もちろん知らなかったけれども、天使だったのです。何も知らずに、明治期に生まれたということでね、どうだひとつ、ちょっと北海道にできた新しい学校にでも行ってみるかということで、札幌まで出かけて行って、そこの農学校で、勉強したわけです。
私が専門に勉強したのは、水産学です。いろんな魚の生態とかね、卵を産む方法とか、どうやって孵化(ふか)するか、あるいは、養殖の方法など、こうしたことを専門にしていたのです。私の生涯から見れば、この世の人たちは、おそらく、奇妙な感じを持つでしょう。つまり、内村鑑三は、神学を専攻していたのではなくて、水産学を勉強していたのですから。
では、いつキリスト教と出合ったのか。農学校を卒業して、それから、だんだんに魂の世界に入って行ったのです。その後、アメリカに留学して、アマースト大学というところで神学の勉強をしました。当時、アメリカで流行(はや)っていた一種の神秘主義のキリスト教があった。静寂主義というか、そういう神秘的な、若干オカルト的な神学、キリス卜教があったんです。もちろん、そういうものにも触れたのですが、それではまだ納得できなくて、私は、日本へ帰ってきました。
それから、教会での仕事をいろいろとするようになったのです。しかし、私の生来の性格が、独立自由といったものを求める性格であったために、キリスト没後、千八百年、千九百年もたった末法のキリスト教会では、私は、人生のほんとうの意味というものをつかみ取ることができなかった。そこで、やがて、「聖書の研究」に従事するようになって、独自の勉強をはしめたわけです。これも、やむをえないことでした。というのは、教会の牧師をやっている人たちは、もちろんキリスト教が好きで、それを専門的に勉強した方がたであるけれども、彼らの魂の性質と私の魂の性質とがちがったからですね。
私自身は、生きていたときには、自分が、そうした光の天使のひとりだということに全然気がつきませんでした。先はども言ったように、魚の養殖といった勉強からはじめて、偶然、こういうキリスト教の思想にたどり着いたように思っていたわけです。しかし、よくよく考えてみると、私は旧約聖書のエレミヤの時代から、すでに何千年にもわたって、このキリスト教思想のなかに、どっぷりとつかっていて、私自身も、その中枢のメンバーのひとりであったわけです。ですから、キリスト教思想を地上に伝道していくためのやはり中心的な役割を持っていた人間のひとりであったのだということを、あの世に環ってから悟リました。
6.矢内原忠雄は、イエスの十二使徒のひとり、ペテロであった
私の弟子筋にあたる矢内原忠雄君なども、生前は、悟っていなかったけれども、実は、二千年前にナザレの地に生まれていた。そして、イエス・キリストの十二弟子の筆頭の弟子、ペテロであった。そのことを、彼は、あの世へ環ってから知って、ショックのような、嬉しいような気持ちを持ったようです。
ペテロだった矢内原忠雄君は、東大の総長をしていたわけですが、今世では、霊的な能力は持っていなかった。前世で、ペテロとして生きていたときに、彼は、聖書を書いてはいなかった。手紙文ぐらいは書いていたけれども、学問をしなかったので、伝道に大変苦労をした。そういうこともあって、今度は、一生懸命、勉強したいと思ったようですね。つまり、しっかりと知識をつけていれば、地上でも伝道に力を発揮できるし、あの世に環ってきてからも、その知識を生かして、地上の人たちを指導できると考えたようです。
そういうことで、近代の日本にも、キリスト教系からは、かつてエレミヤとして生まれた内村鑑三が出た。また、かつてペテロだった矢内原忠雄が出たというような形であったわけです。
7.私は今、あの世で、キリスト教系の思想流布のために働いている
矢内原忠雄君も、私も、いわば同僚であり、共に光の天使として、現在は、キリスト教系の思想流布のために、あの世で頑張っているわけです。
地上で、キリスト教が布教されているだけではなくて、あの世でも、さまざまな役割を分けて、分担しているのです。というのは、ひとりの人がすべての世界の人を教えるには、やはり霊人口が多すぎるからです。そこで、あの世の人でも、生前、本人が生きていた国の宗教にあわせて、さまざまな霊教育をされておるわけです。死んであの世に環った人たちでも、キリスト教系の国から来た人に対しては、やはりクリスチャンたちが行って指導をしている。仏教に馴染んでいる人たちに対しては、仏教徒が行って、指導している。
ただし、お前はクリスチャンだから僧侶と話をしないのかと言われたら、まあ、話をせぬわけではありません。あの世では、もちろん、僧侶たちとも話をしています。ですから、仏教の思想について、勉強もしております。私たちの仕事という面では、やはり地上を去った方がたに封する霊的な救済と指導というものが、主なる仕事であります。ですから、どうしても役割の分担というのが生じて、キリスト教系関係の方がたを指導しています。
また、それ以外にも、ときどきは、地上に出ているクリスチャン、もちろんクリスチャン全体というわけにはいきませんけれども、とくに牧師であるとか、指導的な仕事をしている人たちを指導したりしているのです。
8.現在、アメリカには、キリスト教系の光の天使たちが多く出ている
アメリカにも、キリスト教系の光の天使たちが数多く出ています。たとえば、ノーマン・ビンセント・ピール。彼は、・『積極的考え方の力』という本を出していますが、積極的思考というのを打ち出した牧師さんです。ロバート・シュラーというような牧師さんもいます。光明思想について説いている牧師さんたちは、過去世において皆、キリスト教系で活躍した方たちなのです。
ノーマン・ビンセント・ピール博士の過去世はだれかというと、イエスの弟子のなかにいるんですよ。いたんです。ちょっと年を取っていたけれども、ゼベダイという人がおりました。イエスが三十歳のときに、ゼべダイは、五十代だったでしょうか。このゼべダイという人の子供たちがイエスの弟子で、よく活躍したのですが、そういう人がおりました。そして、ピールという人はイエスの信念の力を、ずいぶんと学んだ方です。
ロバート・シュラーも、やはり信念の力を売りものにして、光明思想を伝えている人ですが、彼も過去世は、キリスト教系の魂です。キリスト教系の魂で、かつては預言者のひとりとして、地上に出たこともある方です。シュラーがだれかということを知りたいと思うでしょうが、聖書のなかにも出ている方です。聖書のなかで、シュラーが、かつて何をやっていたのかというと、ここに聖書があるけれども、いろいろと書いてあります。
レビ記、ヨシュア記、ルツ記、サムエル記、エズラ記、ネヘミア記、エステル記、ヨブ記、イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書、ダニエル書、ホセア書、ヨエル書、アモス書、ヨナ書、ミカ書、といろいろあります。ロバート・シュラーは、日本ではあまり知られていない預言者かもしれませんが、このホセア書というのを書いた方です。つまり、ホセアという人が、かつての彼の名前なんです。そういうことで、彼自身も、非常にキリスト教系は長い魂です。私たちの仲間です。今、アメリカに出ていますが、私たちの仲間です。まあ、このように、天使というものの働きがあるということを、まず皆さんに知っていただきたいと思っております。
さて、天使たちの働きということで、その概略を述べたわけですが、今日の主題は、「七大天使の働き」ということですので、天使のなかでも、とくに力を持った方たちの働きについて、お話をしたいと思います。
9.現在の地獄の帝主ルシフェルは、かつて七人天使のひとりであった
今、七大天使としてよく世に知られているのは、ミカエルでしょう。ミカエルは、天使長です。そのほかに、ガブリエル、ラファエル、サリエル、パヌエル、ウリエル、そして、ラグエルといて、全部で七人の天使がおります。
かつてルシフェルというのがいました。暁の子・ルシフェルといって、非常に知性と美貌を備えた天使でした。このルシフェルは、今から一億年近く前に、サタンという名前で地上に降りたのですが、欲望に身を焦(こ)がして、後のエホバの神、ヤーヴェに対する嫉妬、羨望のために戦いを起こし、天上界に戻って来ることができなくなり、やがて地獄をつくっていったのです。
ルシフェルについては、ミルトンという人が、かの有名な『失楽園』という本のなかに書いています。ルシフェルが、天使の軍団に敗れて、地に堕ちていく姿を描写しておりますが、まさしく、あのとおりです。
かつての大天使ルシフェルは、地上を去ったときに、天使の国へ、もといた天国に戻ろうとしたけれども、それを許されなかった。欲望のままに生きたためです。だから、天使の軍団、とくにミカエルが、それを許さなかったのです。
そのため、ミカエルの天使軍団と、ルシフェルを擁護する、天使と言っていいかどうかはわかりませんが、つまり、勢力ですね、それが、天上界でも、霊界でもぶつかった。そして、戦いがはじまったのです。これが、聖書のなかにもありますが、ミカエルとドラゴン、すなわち、竜との戦いです。その結果、ルシフェルは、ミカエルに討伐された。だから、地獄というところに叩き落とされ、二度と天上界に環って来れなくなったのです。
当時、地獄という不調和な霊域があったわけです。これは、まだ小さな霊域であったのですが、このルシフェルというのが、地獄に封じ込められて以来、彼は天使たちへの反乱ということを企てて、手下どもを使って、地獄を大変拡張した。地獄をどんどん増やしていったわけです。ルシフェルは、知恵があり、また、霊的な力も非常に強かったので、いろんな霊たちを従えて、地獄づくりをやったのです。
単に霊的に、霊界において、天上界と闘うだけではもの足りない、と。そこで、地上にいる人たちを引きずり込もうとした。今、地獄の数が増えています。地獄へ行く人たちの数が増えていますが、これも、彼らの計略なのです。
地獄のほうの勢力を天上界より増やせば、やがて彼らの天下になると思って、地獄へ来る人を増やしているわけです。その方法として、地上にいる人たちをさまざまな形で迷わしている。迷わし方の方法は、物質的誘惑であり、地位や名誉、金銭欲、こうしたものが原因です。この地上的なもので迷わして、生きている人を地獄に引きずり込もうとしている。そして、彼らの力を増やそうとしているのです。
そのための手段のひとつとして、悪霊の憑依(ひょうい)というものをやっている。つまり、さまざまな宗教に取り入っては教祖に取り憑(つ)いて、それを狂わしております。宗教というのは、多くの人を集めますから、その教祖に取り憑くと、非常に大きな力を持って、人びとを迷わし、狂わすことができるのです。こういうことによって、今、末法の世の中において、世の中を乱しておるようです。
一方では、今、天使たちが、地上の浄化という大きな使命のもとに、つぎからつぎへと生まれて活躍をしているわけです。これは、すでに、あなた方がご存知のとおりであります。
10.天使長ミカエルの役割は、他の天使たちの指揮、統制である
この七大天使の役割について、少しお話をしましょう。まず、天使長のミカエル。ミカエルは、ルシフェルを地獄に封じ込めたわけですが、このミカエルの力は、いくつかあります。ひとつは、天上界における軍事的な役割です。 つまり、悪魔の軍団、地獄霊たちを掃討するための総指揮官としての役割です。これは、力のひとつの象徴です。
それ以外には、たとえば、指揮、指令、統制。これも、ミカエルの仕事です。事務的役割と同じですけれども、他の天使たちを指揮する役割、命令する役割、統制する役割、そういう役割を持っております。
ミカエルの本体そのものが、地上に出るようなことはありません。しかし、ミカエルの生命体は、何度も何度も地上に出ております。新しい例では、宗教改革をやったマルチン・ルーテル、つまり、ルター。ルターも、ミカエルの魂のひとりです。それ以外にも、旧約の時代にも出ておりますが、これもすべて、ミカエルの生命体の一部が出ているのです。
現代においても、ミカエルが出たと言っている人がおりますが、ミカエル自体の生命体が肉体に宿ったことはありません。ただ、ミカエルが指導したことがある人というのはおります。
ミカエルの力は、今、二十世紀の後半、非常に強くなってきております。すなわち、今、魔が競い立って、魔界の者たちが、地上を混乱させようと総力をあげてきているからです。ですから、ミカエルの力が、非常に強くなってきているのです。
11.ガブリエル大天使の役割には、通信役、芸術、政治、文学などがある
つぎに、ガブリエル。大天使として、ガブリエルも有名です。「受胎告知」という絵がありますが、イエス・キリストが生まれるときに、マリアに受胎を告知した天使、これが、ガブリエルです。ガブリエルは、主としてそういう通俗的な役割をやっておりました。
天上と地上との通信役。それから、マホメットのときにも、通信役を買って出たのは、このガブリエルです。ガブリエルが、主としてマホメットを指導しておりました。あるいは、昔、ゾロアスター、ツァラツーストラと言ってもいいけれども、その人が、ペルシャに生まれたときにも、ゾロアスターを指導していたのは、ガブリエルです。そういうことで、ガブリエルは、通信役として、いろいろな働きをしていました。
また、ガブリエルは、芸術の方面にも力を持っています。芸術、それから政治関係、文学の関係でも、少し役割を持っている。ガブリエルが地上に現われたのは、最近では、ルネッサンス期です。レオナルド・ダ・ビンチ。こういう形で、ガブリエルが出たことがあります。ダ・ビンチ自体は、ガブリエルの生命体のすべてではありませんが、その一部として出たことがあります。
12.ラファエルは、芸術の神様であり、哲学、文学の指導もしている
天使団の三番手といえば、ラファエルになるでしょう。ラファエルと言えば、やはリルネッサンス期のラファエロではないかと言うような人もおりますが、これは、まあ語呂が似ているというだけで、画家のラファエロとは、ちがいます。天使のラファエルは、芸術の神様でもあるわけですが、芸術以外に指導しているのは、哲学関係です。哲学、文学のほうも多少入っております。
このラファエルは、ダンテとして、地上に出たことがあります。天国、地獄をいろいろと訪徨(わまよ)った、あの世の記録についてつづった『神曲』を書いたのが、ダンテです。実際、ダンテも、幽体離脱というか、光子体離脱をして、あの世に来て、そうした見聞をしていたのですが、そのダンテが、実は、ラファエルの生命体の部分だったのです。
13.サリエルの役割は、医学、薬、医事関係での人びとの救済である
それから、ミカ、ガブリ、ラファ。そのつぎに霊恪が高いとすれば、サリエルですね。サリエルは、医学、医事関係、薬、そして、人を救済するといったことを中心に活躍していました。サリエルは、近年に、肉体を持ったことがあります。
二十世紀の前半にアメリカで活躍したエドガー・ケイシーという人がいます。このエドガー・ケイシーの魂というのが、実は、この七大天使のひとり、サリエルの魂の一部なのです。
また、サリエルは、かつて預言者としても出たことがあります。旧約の預言者にイザヤという名前が出てきますが、このイザヤも、サリエルの生命体です。そして、サリエルの魂系統の一部分は、仏教系のほうへ出ております。つまり、薬師如来として出て来ております。
14.パヌエルの役割は、政治関係である
そのつぎに出るのが、順序からいくと、パヌエルになるでしょう。パヌエルは、一度、政治家として出ております。千六百年代のイギリスにおいてです。すなわち、清教徒の政治家として、クロムウェルという名前で出ていたのですが、これがパヌエルです。
クロムウェルは、非常に熱血のある、清らかな政治を説いた人で、当時、それがために誤解されたりもしました。つまり、護民卿、護民官ということで、クロムウェルのプロテクターの政治ということで、改撃のまとにされた。クロムウェルが、パヌエルだということは、現代の日本でも知る人は教少ないでしょう。
15.ウリエルは、旧約のマラキという名で肉体を持ったことがある
それから、ウリエルという人がいますが、この人が順番からいくと六番手になるでしょうか。ウリエルという人も、地上に出たことがあります。聖書のなかに出ている名前でいうとね、ウリエルというのは、皆さん、『マラキ書』というものをお読みになったことがあるかもしれませんが、旧約の預言者です。このマラキという名前で、肉体を持った方の生命体がウリエルです。
16.ラグエルの役割は、点灯者であり、シュバイツァー博士として肉体を持った
最後にラグエル、この天使が七番手としております。ラグエルもまた、最近肉体を持ちました。あなた方は、アフリカの聖者と言われた、かの有名なシュバイツァー博士という方を知っているでしょう。キリスト教系で伝道をし、音楽を広め、聖書を広めた方です。医者でもありました。このシュバイツァー博士として肉体を持ったのがラグエルです。これも、ラグエルの働きとしては一部分ですけれどもね。ラグエルは、やはり光を灯(とも)す役割をしているのです。点灯者の役割ですね。
今まで紹介してきたのは七人天使ですけれども、これ以外にも旧約のダニエルであるとか、あるいは、日本で聖徳太子として生まれたシュバンツェルであるとか、これに続く方がたというのも数多くおります。こういう方たちについては、また改めてお話する機会もあるでしょう。
私だって、自分では言ってはいけませんけれども、近いところにおるわけです。まあ、これは秘密でしょうからね、自分で語るのも、何ですから、他の方が言って下さることを希望しておりますが。
本日は、七大天使の働きについて話をいたしました。七人天使の働きも縦横無尽で、明確につかむことは不可能なのですが、歴史上いろんな形で出たということをね、この際に、知っておいていただきたいと思います。