目次
10.神への不信は無知が原因
10.神への不信は無知が原因
善川 まあ私どもは神の存在というものを信じて居りますけれども、現代一般社会の特に政治家、および科学者といわれているような層の方におきましては、真の神の存在というものを十分に理解していないように思いますけれど、というよりも、むしろ否定するような考えでありますが、これらの人びとに対する啓蒙といりものも非常に重要なんではないでしょうか。
木戸 そうですよ、それでね、あなた方の仕事もそのために役に立っているということですね、例えば優れた科学者とか、あるいはキリスト教系のですね宗教家達が宗教を離れていく場合があります。無神論者なんかになっていく場合があります。その理由はね、例えばこういう場合だと思うのです。じゃあ何故神様がいらっしゃるなら地獄があるのかと、神様がそんな全知全能の神様であるなら、愛の神様であるなら、なぜ地獄があるのだろうか、人びとは地獄に堕ちるのであろうか、そういうものは信じられない、矛盾していると、たとえばこういう意見があるわけですね、こういう意見に遭遇して信仰を離れていく人達があるのですね、これはある意味においては、天国、地獄の仕組みについて十分に知らない人、その意義について知らないということ、無知が原因しているわけです。これに関しては今あなた方が解明していますわね、この方向でいいわけです。ある別の場合では、人が宗教を信じなくなるということは、宗教の宗派争いがあると思うのです。同じ神の子であることを主張しながらある者はイスラム教徒だといい、ある者はクリスチャンだといい、ある者は仏教徒だといってね、いがみ合いや、争いをやって来たと、キリスト教徒の中でも、新教、旧教といっては殺し合いをやってきましたね。これがおかしいという方がいらっしゃるわけです。良心的な方でね、優れた方で、理性的な方でこういった神の子同士で殺し合いというのがおかしいという方がいるわけです。こういったことで無信仰に入っていく人が居るわけですはね、これも結局はね、万教は一つであってね、その信ずる者の立場が違っているだけなのですね。あなた方ご存知の通り、これを明らかにすることによってこういった方々の疑いというのは晴らすということができると思うのです。
要するに無神論に走っていく原因というのを追求するのです。で、その原因は何かということを考えるわけですね、その原因はたとえば地獄の存在が分らないとか、あるいはそういった神の子同士の血みどろの戦いというのが信じられないとかね、そういったことに帰着していくのですね結局は。あるいは進化論なんていうことにことよせて否定する人も居ますはね。では゛進化論゛に対しては、今あなた方が説いていることの内容は地球の歴史を越えられないじゃあないかと、地球が出来る以前にも宇宙はあり、神はあり、人の生命はあったのだということになると進化論は通用しなくなって来ますはね、こういうことなのです――。
善川 そういうことについて過日、トマス・エジソンさんが出られまして科学者の立場からあの方は説かれましたが、こうしたご意見も発表させて頂くわけですが、これらによって、そういう人達のご理解も得られるものと思います。特に科学者やインテリ層の人達のね、まあ宗教者達ばかりの説法では納得できないが、まあ科学者の意見というのでは一度読んでみよう、聴いてみようというようなことで、この方の科学者の立場からまた科学者の眼からみた宇宙観なり三次元世界の物質の構造なりの解析論は非常に有益なご意見だったと存じます。
木戸 まあそういうことでね、あなた方、今自分らの道を驀地(まっしぐら)に走ることで夢中になっておられますけど、逆にね、あなた方の道から離れていっている人達、信仰から離れている人達ね、その原因は何かということを追究することもあなた方の勉強なのです。その離れていった原因を追究して、その何故かの部分を解明することです。今物理学が進んで、四次元以上の世界があるということが分ってきました。で、今あなた方は、四次元以上の多次元世界のことを解明しています。こういったことはまた科学者達の共鳴を呼ぶようになってくるでしょう。
善川 まあ先生は、一般常識では明治維新当時の元勲ということで皆さん尊敬しているのでありますが、実はそれだけではなくて、本来はもっと高い精神領域で活躍されておられる方であるということが明らかになり、人びとの認識もまた新たになろうと思いますが、特にお教え願った゛憲法論゛については、まことに画期的なご意見でこれからの政治家達は大いに学ばして頂くべきだと存じます。
木戸 私の意見は必ずしも完全なものではありませんけれども、私の意見をきっかけとして、更にそこにね、あなた方の勉強や、今後、後の人達の研究ね、議論を重ねていいものを創っていって欲しいと思うのです。
それとね、今憲法について私申あげましたけれども、゛政党゛についてもそうですよ、まあ現在仏教界から出ている政党などもありますけれども、もう少し宗教的な観点から信仰の問題など意見を出してもいいと思うのですよ。ヨーロッパの方にはキリスト教民主党とかね、そういった人の心に訴えるような宗教をもった政党もあります。そういう意味で本当の「神法」に基づく宗教的政党みたいなのが出てもいいと思います。今の憲法では政教分離など申していますけども、本当に正しいものに基づいたものであるなら政治から必ずしも離れる必要もないのです。かつてね、政治と宗教が癒着することによって腐敗した歴史があったもんだから、それへの反省を込めて、今政治から宗教の分離ということ言われているわけですけども、これはそういった安全弁ではあるけれども創造的なものを生み出していくための仕組みでは必ずしもないのです。本当にいいものであるならばね、宗教が政治の中に入ってもおかしくはないのです。これは決してね、宗教と政治との分離というのは、人類の一つの知恵ではありますが、完全な知恵ではないのです。これもまた最悪を防ぐための制度でしかないということです。
それと今は政党の話をしましたが、政治家にしてもそうですはね、もっと信仰ある人達が政治家となってもおかしくないですね、私はたとえば自民党のために働きます。私は民社党のために働きます。私は共産党のために働きます。こういうことでやっていますが、これはあくまで政治的信条であってね、人間としての生きるべき道については何も言っていないわけです。政治信条について違っていてもね、人間として生きる信条について共通している人であるならば、協力して戦っていけばいいと思うのです。基本的人生観というか、政治家の人生観というのが試されるような時代に今後なってくるでしょう。おそらくそうであろうと思います。政治信条よりも人生観が共鳴出米るかどうか、その人の人生観が国民に認められるかどうか、訴えかけるものがあるかどうか、こういったことが問われるようになると思います。――そうでしょう、あなた方にしてもね、政治家を選ぶにしても、その人の人生観を信じられるような人であるならば、他の国政に関する判断まかしといても安心できるでしょう。そうでないでしょうか。
以上で、「憲法」とか「政党制度」あるいは「政治家」自身の問題について私は述べたわけです。この三つ共、今後とも改変していく必要があると思います。
善川 ありがとうございました。
11.ユートピア建設への大いなる「器(うつわ)」づくりに励め
木戸 最後にもう一つだけつけ加えておきますとね、あなた方の仕事は、あなたはね、もう古い方だから自分のやっていることを直ぐ宗教のように考えて宗教臭さが漂っておられますけれども、あなた方の仕事は、宗教を作るというのでは本来はないのです。よいですか。神の国を科学するということなのです。いつでもね、三次元以上八次元、九次元まで解明していくんですからね、神の国を解明し、神の国の行動基準を明らかにするということなんですね。そういう意味ではあなた方は科学者でもあるわけだし、道学者でもあるわけだし、法律家でもあるわけだし経済学者でもあるわけだし、哲学者でもあり、文学、美学など芸術家でもあるわけなんです。よろしいですか、今まで万教帰一ということで、いろんな宗教を受け入れるような器をもった宗教家は居たはずです。ところが、そうじゃなくて、様々な学問、語学、すべての分野をも吸収するようなものでなければいけないということです。
「科学」であり、「政治」であり、「経済」であり、「哲学」であり、「宗教」であるような、そして「美学」、「文学」、その他「芸術」全般であるような、そういったものを創っていくのです。これは新たな精神的革命であり、正に新しい意味での第二のルネッサンスをひき興こそうとしているのです。ですから狭い宗教とかいうようなものに閉じ籠る必要もないし、あなたが言っているような「正法」というようなそんな「日蓮」的な゛法゛ではないのです。ですから「正法」というような枠の小さなものではなくてね、これからの「精神革命」なのです。よろしいですか。――ユートピア創りのための「精神革命」なのです。すべてを含んでいるのです。そしてあなたがその時にもう生きていられるかどうか分りませんが、何十年の後にはですね、あなた方の運動は、政治の革新や、経済革新や、あるいは芸術の革新へも影響を与えていくものなのです。それだけの大きな『器(うつわ)』のあるものとして考えていきなさい。よいですか、――枠を決して小さなものにしないということです。目的はユートピアの建設であるし、それもこの三次元だけではなくして、あなた方の仕事は、四次元以上も変えていくという話でしたね、他次元をも上げていくというような話でしたね、そういうことですから本当の意味においてね、神の創られた国すべて、九次元以下総てをね、改善していくような改革していくような運動ということなのです。
善川 三次元、五次元、六次元、七次元と、すべての次元を活性化していくような運動であり事業でなければならぬということであります。
木戸 この地上がね、菩薩界、如来界になったらこの地上より、三次元より上の四次元の幽界なんか幽界で居られないですね。彼らは、あなた方より次元の高いところに居るわけですから、それで地上界が菩薩界になっちまったら、彼らは彼らでおられなくなっちゃうと、お化けなんかやっておられないというわけですね。
善川 まあそのような時代を早く来ささればいけませんね――。
木戸 今後ともあなた方、いろんな計画とか方針で悩むこともあると思いますがその時はね、゛日蓮゛さんを呼ぶようなつもりで私を呼んで下さい。現代的な日本知の感覚で私がお答えいたします。あなたも私と一緒に何十年か前に計画を練った一人だということを決して忘れないで下さい。あなたの心づもりを私は知っているし、あなたの゛決意書゛ですね、あなた地上に生まれてくる前にね、俺はこうこうこういうことをやってくると、決意書、に書いて来ているのです。それ預っているのは私なのです。その封を解けばですね、あなたが決意したことをずっと書いてあります。あなたは二十箇条位ずっと書いておりますから、やることを、俺はこれだけのことをやってくるとずっと書いてあります。達筆でね、二十箇条書いている。帰ってきたらね、そのうち幾つやったか、私らがみんなで点検しますから、二十点満点で何点やっているかね――。
善川 いやふり返ってみると私の今までの人生は残念ながら何一つ成就したことはなかったと思います。
木戸 ですから最終回での挽回ということもあるでしょう。逆点満塁ホームランというやつです。これやって頂きたいと思います。
善川 テンポの遅さからみて私の出生については当初の計画違いがあったのではないでしょうか。
木戸 そんなことはありません。決してそうではありません。裕福な家庭に生まれるとね、なかなかまた悟るのもむつかしいのです。私が預っているあなたのご誓文、これを見せられるとあなたはどうなるかですね、これは恥ずかしいような思いをすると思いますよ、もう結果見えているような気がしますけどね……。それだけの決意して出てきたわけです。だから諸霊から不甲斐ないと言って叱かられているわけです。
善川 ああそうですか、何はともあれ、最終ゴールのテープを切るまでにはまだ後五メートルか十メートルかはある筈ですので、その間を全力疾走するつもりです。今後のご指導を何分よろしくお願いいたします。
本日は長時間にわたっての有益なご指教を賜わるととも、別段において本編構成上の特別のご高配にあずかり、まことにありがとうございました’。あわせて厚くお礼申し上げます。