ジャバウォック Jabberwock
この奇妙な竜に似たクリーチャーほど、多様な文化で多くの伝説や詩、歌と神話に影響を与えてきた魔獣はほとんどいない。フェイの領域であるファースト・ワールドの強力なクリーチャー種、ターネに属すジャバウォックは、ファースト・ワールドから来訪した。
ジャバウォックはターネの全ての一員と同様に生きているクリーチャーで、年齢を重ねて飲食を行い、眠る。だが、通常の方法で繁殖せず、代わりにファースト・ワールドを支配する神のような存在であるエルディストによって直接創造され、これらの気まぐれで謎めいた存在の意のままに従う。ターネの中でも最も強力な存在と信じられているジャバウォックは、唯一の目的のために創造される。それは、物質界に破壊と混乱をもたらすことだ。エルディストの一人が、単独の定命の存在によって受けた侮辱への報復のために国や大陸、あるいは世界全体を破壊するためにジャバウォックを送り込むこともある。時には特定の侮辱や侵害を受けずとも、一部のエルディストは物質界の存在そのものを憎み、ファースト・ワールドの怒りをその若く混沌とした弟妹である物質界に対して示すためにジャバウォックを生み出すのだ。
ジャバウォックが物質界に到着すると、まず最初にねぐらを探す。文明から約1日ほどの飛行距離にある人里離れた森を棲家として好む。その森が、やがて自分を狩りに来る者たちにとって危険であればあるほど、より良い場所になる。
ジャバウォックとヴォーパル武器の関係は、学者たちの間で多くの議論と憶測を呼んでいる。ジャバウォックに関する様々な詩や歌、伝説は、この問題について明確にするどころか、矛盾や相違点ばかりを浮き彫りにしている。ヴォーパル武器は元々ジャバウォックと戦うために作られたと主張する者もいるが、さらに一歩進んだ説もある。彼らは、かつては唯一無二のジャバウォックが存在していたという古代の神話を根拠として引用し、原初のジャバウォックは何をもってしても傷つけることができないほど、強力な存在だったという。そして、それに打ち勝つために最初のヴォーパル武器が生まれたという説だ。その戦いはあまりにも壮絶で現実世界に奇妙な反響を生み出し、その反響はヴォーパル武器という形で、世界の方々で発見されるようになった。この説を信じる者たちは、現在のジャバウォックは原初のジャバウォックの劣化した模倣に過ぎないと主張し、再び原初の存在を創造するには、複数のエルディストによる協力が必要だと推測している。
ジャバウォックの亜種 Variant Jabberwocks
エルディストは創造したジャバウォックの一部の特徴を時折変更してきた。特に悪名高い、あるいは伝説的なジャバウォックの亜種には次のようなものが存在する。
フルミアス・ジャバウォック/Frumious Jabberwock:フルミアス・ジャバウォックは2つの頭を持つ。かれらは24レベルで、自分のターン毎に顎による“打撃”にのみ使用できるアクションを1つ得る。
ミムシー・ジャバウォック/Mimsy Jabberwock:ファースト・ワールドの雪降る地域に生息するミムシー・ジャバウォックの鱗は青白く輝き、[火炎]ではなく[氷雪]に抵抗を持つ。青い炎で燃える目からは[火炎]ダメージではなく[氷雪]ダメージを与える。
スライシー・ジャバウォック/Slithy Jabberwock:波の下で破壊を撒き散らす、このしなやかで粘液に覆われたジャバウォックは水陸両生で、通常の飛行速度の代わりに水泳速度80フィートを持ち、翼による“打撃”を持たない。スライシー・ジャバウォックの“吹き払い”のオーラは“水泳”、尾による“打撃”、“つぶやき声”を行う毎に発動する。
ジャバウォック Jabberwock クリーチャー23
レア CE 超大型 ターネ 竜
出典 Bestiary 2 150ページ
知覚+40;暗視、鋭敏嗅覚120フィート、トゥルー・シーイング
言語 アクロ語、共通語、竜語、ノーム語、森語
技能 〈威圧〉+41、〈運動〉+44、〈軽業〉+40、〈自然〉+38、〈生存〉+40
【筋】+11、【敏】+7、【耐】+10、【知】+4、【判】+9、【魅】+8
次元界順応/Planar Acclimation ジャバウォックは現在の次元界に関わらず、常に出身次元界にいるものとして扱う。
知覚+40;暗視、鋭敏嗅覚120フィート、トゥルー・シーイング
言語 アクロ語、共通語、竜語、ノーム語、森語
技能 〈威圧〉+41、〈運動〉+44、〈軽業〉+40、〈自然〉+38、〈生存〉+40
【筋】+11、【敏】+7、【耐】+10、【知】+4、【判】+9、【魅】+8
次元界順応/Planar Acclimation ジャバウォックは現在の次元界に関わらず、常に出身次元界にいるものとして扱う。
AC 49;頑健+39、反応+37、意志+40
HP 500、再生25(ヴォーパル武器により不活性化);完全耐性 麻痺状態、睡眠;抵抗 [火炎]20;弱点 ヴォーパル武器20、ヴォーパル武器への恐怖
畏怖すべき存在 (オーラ、感情、恐怖、精神) 100フィート、DC 43
ヴォーパル武器への恐怖/Vorpal Fear ジャバウォックはヴォーパル武器からダメージを受けると恐れ状態2(クリティカル・ヒットなら恐れ状態4)になる。
絡め捕る爪/Claws That Catch [reaction] トリガー ジャバウォックの間合い内にいるクリーチャーが“扱う”アクションを行うか、移動アクションを使用するか、移動アクション中にマスを離れるか、遠隔攻撃を行うか、精神集中アクションを使用するかした;効果 ジャバーウォックはトリガーとなったクリーチャーに対して爪による“打撃”を1回行う。この“打撃”が命中したなら、ジャバウォックはトリガーとなったアクションを妨害する。
HP 500、再生25(ヴォーパル武器により不活性化);完全耐性 麻痺状態、睡眠;抵抗 [火炎]20;弱点 ヴォーパル武器20、ヴォーパル武器への恐怖
畏怖すべき存在 (オーラ、感情、恐怖、精神) 100フィート、DC 43
ヴォーパル武器への恐怖/Vorpal Fear ジャバウォックはヴォーパル武器からダメージを受けると恐れ状態2(クリティカル・ヒットなら恐れ状態4)になる。
絡め捕る爪/Claws That Catch [reaction] トリガー ジャバウォックの間合い内にいるクリーチャーが“扱う”アクションを行うか、移動アクションを使用するか、移動アクション中にマスを離れるか、遠隔攻撃を行うか、精神集中アクションを使用するかした;効果 ジャバーウォックはトリガーとなったクリーチャーに対して爪による“打撃”を1回行う。この“打撃”が命中したなら、ジャバウォックはトリガーとなったアクションを妨害する。
移動速度 35フィート、飛行60フィート
近接 [one-action] 顎 +42[+37/+32](致命的:2d12、魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d12+19[刺突]
近接 [one-action] 爪 +42[+38/+34](機敏、魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d8+19[斬撃]、加えてつかみ強化
近接 [one-action] 尾 +42[+37/+32](魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d10+19[殴打]、加えて打ち倒し強化
近接 [one-action] 翼 +40[+36/+32](魔法、機敏、間合い:15フィート)、ダメージ 4d8+19[殴打]
遠隔 [one-action] 炎の目 +42[+37/+32](火炎、魔法、射程単位60フィート)、効果 10d6[火炎]、加えて4d6持続[火炎]
始原生得呪文 DC 43;常時 (10レベル) トゥルー・シーイング
つぶやき声/Burble [two-actions] ジャバウォックは奇妙な騒音と自分が知っている様々な言語(そして必ず知らない言語もいくつか含まれる)における意味不明の叫び声を放ち、以下の2つの効果の内の1つを引き起こす。ジャバウォックは1d4ラウンドの間、“つぶやき声”を再使用できない。
近接 [one-action] 顎 +42[+37/+32](致命的:2d12、魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d12+19[刺突]
近接 [one-action] 爪 +42[+38/+34](機敏、魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d8+19[斬撃]、加えてつかみ強化
近接 [one-action] 尾 +42[+37/+32](魔法、間合い:15フィート)、ダメージ 4d10+19[殴打]、加えて打ち倒し強化
近接 [one-action] 翼 +40[+36/+32](魔法、機敏、間合い:15フィート)、ダメージ 4d8+19[殴打]
遠隔 [one-action] 炎の目 +42[+37/+32](火炎、魔法、射程単位60フィート)、効果 10d6[火炎]、加えて4d6持続[火炎]
始原生得呪文 DC 43;常時 (10レベル) トゥルー・シーイング
つぶやき声/Burble [two-actions] ジャバウォックは奇妙な騒音と自分が知っている様々な言語(そして必ず知らない言語もいくつか含まれる)における意味不明の叫び声を放ち、以下の2つの効果の内の1つを引き起こす。ジャバウォックは1d4ラウンドの間、“つぶやき声”を再使用できない。
- 混乱/Confusion (オーラ、感情、心術、精神、始原) 60フィート。放射の範囲内にいるクリーチャーはそれぞれ、DC46の意志セーヴを試みる。失敗すると1d4ラウンドの混乱状態になる。
- 衝撃波/Sonic Beam (力術、始原、音波) ジャバウォックは“つぶやき声”による音波エネルギーを60フィート直線に集中させ、範囲内のクリーチャーに24d6の[音波]ダメージ(DC46の基本反応セーヴ)を与える。
噛み砕く顎/Jaws That Bite ジャバウォックが顎による“打撃”を行った際のd20ロールの出目が19なら、その攻撃はクリティカル・ヒットになる。出目19でも失敗になる場合、この効果は発生しない。
吹き払い/Whiffling [reaction] (オーラ) トリガー ジャバウォックが“飛行”、または翼による“打撃”を行う;効果 ジャバウォックは翼をはためかせ、30フィートの放射に激しい風を発生させる。この風はジャバウォックから外側へ広がり、ジャバウォックの次のターンの開始時まで持続する。この間、放射内で何らかの手段で空を飛ぶ際には、DC43の〈軽業〉判定による”飛行機動”に成功しなければならない。ジャバウォックに向かって空を飛ぶするクリーチャーは、上級移動困難地形を移動しているものとして扱う。放射内にいる地上のクリーチャーは、ジャバウォックに接近するためにDC43の〈運動〉判定に成功しなければならない。
吹き払い/Whiffling [reaction] (オーラ) トリガー ジャバウォックが“飛行”、または翼による“打撃”を行う;効果 ジャバウォックは翼をはためかせ、30フィートの放射に激しい風を発生させる。この風はジャバウォックから外側へ広がり、ジャバウォックの次のターンの開始時まで持続する。この間、放射内で何らかの手段で空を飛ぶ際には、DC43の〈軽業〉判定による”飛行機動”に成功しなければならない。ジャバウォックに向かって空を飛ぶするクリーチャーは、上級移動困難地形を移動しているものとして扱う。放射内にいる地上のクリーチャーは、ジャバウォックに接近するためにDC43の〈運動〉判定に成功しなければならない。