余暇の運営 Running Downtime
出典 Gamemastery Guide 22ページ
生活にはモンスターとの戦闘や、財宝を獲得したりする以外にも様々なことがある。PCがカードゲームで居酒屋の権利を獲得したり、魔法のアイテムを作ったり、家を建てたり、人間関係を追求したりすればどうなるだろう? これらの目標やその他は引っ括めて、余暇の実行を通して解決する。余暇はゲームの運営を効率化し、物語を具体化するために次のような方法で用いられる。
生活にはモンスターとの戦闘や、財宝を獲得したりする以外にも様々なことがある。PCがカードゲームで居酒屋の権利を獲得したり、魔法のアイテムを作ったり、家を建てたり、人間関係を追求したりすればどうなるだろう? これらの目標やその他は引っ括めて、余暇の実行を通して解決する。余暇はゲームの運営を効率化し、物語を具体化するために次のような方法で用いられる。
- PCたちのこれまでの成果による世界の変化を示す。PCには一息ついてもらい、自分たちの成し遂げたことの評価を受ける。
- PCたちの計画とその成果を強調する。
- 時間が長過ぎて、ゲームが退屈なものにならないようにする。ロールの回数は少なめにする。
- 過去の余暇や冒険で登場した魅力的なNPCや筋書きを再登場させる。
- PCの行動に関連した面白いイベントや場面を挿入することで、世界をより躍動的なものにする。
- 新しい場面や冒険が始まるときは、遭遇モードや探索モードに切り替える。
この項では、グループに合わせて余暇を相応しいものにする方法についての助言を取り上げる。余暇の量や複雑さは、ゲームによって大きく異なる。Core Rulebookの500ページには余暇の運用の基本が記載されている。
余暇の深度 Depth of Downtime
出典 Gamemastery Guide 22ページ
ゲームの開始時に、君のグループが余暇をどの程度必要とするのかを決定する。プレイヤーの好みが大きく異なる場合には中間点を見つけるか、余暇に最も興味のないプレイヤーに何か魅力的なものを与える方法を見つける必要があるかもしれない。ゲームが進むに従って余暇の深度を調整することもできる。物語の背景との繋がりが強くなるに連れ、プレイヤーにとって余暇がより重要になることが判ることもあるだろう。
ゲームの開始時に、君のグループが余暇をどの程度必要とするのかを決定する。プレイヤーの好みが大きく異なる場合には中間点を見つけるか、余暇に最も興味のないプレイヤーに何か魅力的なものを与える方法を見つける必要があるかもしれない。ゲームが進むに従って余暇の深度を調整することもできる。物語の背景との繋がりが強くなるに連れ、プレイヤーにとって余暇がより重要になることが判ることもあるだろう。
余暇に費やす実際の時間と、程度に注意して欲しい。余暇がセッション全体に及ぶことはほとんどないはずだ。通常、重要な冒険の合間には30分、冒険の途中でPCが一時的に町に戻るような短い小休止には15分程度が適当である。より詳細なロールプレイの場面のために、必要に応じて時間を延長できる。
そのためには概要よりも詳細な内容を伝えることが重要であるが、基本的な事柄で十分な場合が多い。「商船の船団が港に到着し、航海士が君たちに荷を降ろす仕事をさせる」というのは〈知識:航海〉を使った“収益を得る”ためかもしれないし、「君たちが待っていた鉄の荷は到着が遅れたが、何とか鎧を完成できた」というのは〈製作〉のために十分な情報かもしれない。プレイヤーが何か特別なことをしようとしていたり、面白い話ができそうな質問をした場合は、さらに深く掘り下げてみよう。しかし、あまりに細かくし過ぎれば、卓を退屈させてしまうため注意が必要である。
グループで関わる Group Engagement
出典 Gamemastery Guide 22ページ
余暇の大きな課題の一つは、グループ全体を巻き込むことである。可能であれば、複数のPCの作業をひとまとめにしよう。例えば、あるPCが「〈芸能〉で“収益を得る”をしたい」と考え、別のPCが「医療奉仕をしたい」と考えていた場合、「旅の隊商が、気晴らしと道中で受けた病気や怪我の治療を求めて一時的に滞在している」などと表現できる。こうすることで2人のPCを同じ場面に登場させられるのだ。また、複数のキャラクターの関心事に影響を与える余暇連続行動を探すこともできる。例えば、盗賊組合のローグの連絡相手が特別な魔法の外套を欲しがっている場合、別のPCがその外套を“作成”できるかもしれない。PC同士がより直接的に助け合うこともできる。例えばバーバリアンのプレイヤーが余暇に何もする予定がない場合、バーバリアンに別のキャラクターの武器製作を、炉に火を焚べたり、ふいごを動かしたりなどで“援護”できる。
余暇の大きな課題の一つは、グループ全体を巻き込むことである。可能であれば、複数のPCの作業をひとまとめにしよう。例えば、あるPCが「〈芸能〉で“収益を得る”をしたい」と考え、別のPCが「医療奉仕をしたい」と考えていた場合、「旅の隊商が、気晴らしと道中で受けた病気や怪我の治療を求めて一時的に滞在している」などと表現できる。こうすることで2人のPCを同じ場面に登場させられるのだ。また、複数のキャラクターの関心事に影響を与える余暇連続行動を探すこともできる。例えば、盗賊組合のローグの連絡相手が特別な魔法の外套を欲しがっている場合、別のPCがその外套を“作成”できるかもしれない。PC同士がより直接的に助け合うこともできる。例えばバーバリアンのプレイヤーが余暇に何もする予定がない場合、バーバリアンに別のキャラクターの武器製作を、炉に火を焚べたり、ふいごを動かしたりなどで“援護”できる。
もしプレイヤーが本当に余暇に興味がない場合には、全くいらないと思うかもしれない。その場合は、余暇の時間を短縮し、PCたちの行動を簡潔に説明するのが最適だろう。他のプレイヤーがより充実した余暇を体験したいのであれば、ゲーム・セッションを延長したり、そのプレイヤーだけのサイド・セッションを実施することを検討しよう。
余暇を行わないキャンペーン Campaigns without Downtime
出典 Gamemastery Guide 22ページ
「時間がない」あるいは「興味がない」場合などにはゲーム中に余暇を設られないことも考えられる。一つ目は物語の進行が余りにも早過ぎ、PCたちが余暇に関わる時間がない場合だ。猛烈な速さで展開するアクション映画のようなもので、キャラクターたちはほとんど息をつく暇もなく次の挑戦へと向かい、冒険の終わりさえも崖っぷちになってしまうと考えて欲しい。
「時間がない」あるいは「興味がない」場合などにはゲーム中に余暇を設られないことも考えられる。一つ目は物語の進行が余りにも早過ぎ、PCたちが余暇に関わる時間がない場合だ。猛烈な速さで展開するアクション映画のようなもので、キャラクターたちはほとんど息をつく暇もなく次の挑戦へと向かい、冒険の終わりさえも崖っぷちになってしまうと考えて欲しい。
二つ目は君も他のプレイヤーも余暇を全く気にしていない場合だ。これは単純に興味がないということだろう。この場合は余暇ルールを使用せず、冒険の間に起こることを要約しよう。
余暇を省略した場合、君がゲームの調整を行う必要はないかもしれない。余暇の期間中にPCたちが稼げる資金は、冒険で得られる金額に比べれば微々たるものである。しかし、製作やアイテム購入のための余分な資金を稼がない場合、PCたちがアイテムを手に入れる際の選択肢を狭めることに繋がるだろう。
長期的な目標 Long-Term Goals
出典 Gamemastery Guide 22ページ
余暇ではPCたちが個別に行動するよりも、長期的な目標に向かって作業する方が満足度の高いものとなるだろう。プレイヤーにPCの目標を尋ねたり、長期的な目標の種になりそうな物語を探してみるのもよいだろう。長期的な目標には事業の運営、組合の設立、秘術学校の設立、荒廃した土地に自然の輝きを取り戻す、地方政治の改革、廃墟の再建などが考えられる。組織に関わる目標では、統率力サブシステムを使用する良い機会となる。プレイヤーに明確な目標がない場合にはプレイヤーの背景、知り合いのNPC、冒険中に興味を示した事柄などを参考に、いくつかの案を考えてみよう。ただし、君の提案をそのまま受け入れさせるのではなく、プレイヤーが本当に良いと思った目標を選んでもらうことを忘れないようにしよう。
余暇ではPCたちが個別に行動するよりも、長期的な目標に向かって作業する方が満足度の高いものとなるだろう。プレイヤーにPCの目標を尋ねたり、長期的な目標の種になりそうな物語を探してみるのもよいだろう。長期的な目標には事業の運営、組合の設立、秘術学校の設立、荒廃した土地に自然の輝きを取り戻す、地方政治の改革、廃墟の再建などが考えられる。組織に関わる目標では、統率力サブシステムを使用する良い機会となる。プレイヤーに明確な目標がない場合にはプレイヤーの背景、知り合いのNPC、冒険中に興味を示した事柄などを参考に、いくつかの案を考えてみよう。ただし、君の提案をそのまま受け入れさせるのではなく、プレイヤーが本当に良いと思った目標を選んでもらうことを忘れないようにしよう。
長期的な目標はゲームを形成するものであり、その過程を補うことが重要だ。PCたちの努力の結果や、良くも悪くも変化していることを、余暇や冒険の場で示すこと。その際には微妙な言い回しをする必要はない。「この土地を買うことを行政官に許可してもらおうとしたが、君が魔法使いの塔に不法に侵入したことで、行政官の機嫌を損ねたようだ」と直接的に伝えてもよい。
段階を踏んで考える。例えばPCが商売をしたいと言ってきた場合、彼らに……
- まずは簡単な販売台から始めさせる。
- 多くの人が集まるようになり、規模を拡大する必要があることを示す。
- 店舗を構えさせる。
- ささやかな成功の扉を開く。
- 少数ながらも忠実な顧客を獲得させる。
- 需要に対応するために従業員を雇わせる。
- 供給問題や競合に対処させる。
- 近隣の居住地で、事業を拡大したくなる程の関心を獲得させる。
などが挙げられる。これらの詳細は、それぞれちょっとした場面の描写で伝えられる。例えば、箇条書きの2番目を使ったとしたら、PCの販売台に群がる人々の様子を描写する。半数の人々が食事をする前に、商品が売り切れたと言う事態になるかもしれない。余暇での目標達成は、PCたちの働きを物語に織り込むのに最適な方法となる。
成功と失敗 Success and Failure
出典 Gamemastery Guide 23ページ
合理的な長期目標での成功は可能性が高い筈であるが、保証されている訳ではない。どれだけ意欲的であるかに基づき、目標を達成する可能性がどれだけ高いかをプレイヤーに期待させよう。キャンペーン期間中にパーティが取るであろう余暇を鑑み、どれだけの余暇が必要かを明確にする。そして、余暇をどう使うか、どの作業に充てるかはプレイヤーの手に委ねると良いだろう。
合理的な長期目標での成功は可能性が高い筈であるが、保証されている訳ではない。どれだけ意欲的であるかに基づき、目標を達成する可能性がどれだけ高いかをプレイヤーに期待させよう。キャンペーン期間中にパーティが取るであろう余暇を鑑み、どれだけの余暇が必要かを明確にする。そして、余暇をどう使うか、どの作業に充てるかはプレイヤーの手に委ねると良いだろう。
失敗を繰り返したり、外的な問題あれば目標全体が失敗に終わる可能性がある。そしてこれは実際によく起こってしまう! しかし、プレイヤーには公平に機会を与えるようにしよう。例えウースタラヴからアンデッドを追い出すような達成困難な目標であっても、何か方法が見つかるかもしれない。プレイヤーの努力や発想を台無しにしてしまうのではなく、彼らが選んだ目標の大きさを明確にすること。失敗してしまったとしても、その努力が報われることを忘れないで欲しい。
長期的な目標に対する失敗や成功は、キャラクターにとって大きな感情の起爆剤となる。何しろ彼らは世界を変えたのだ! 余暇に起こったからと言って、それを素っ気なく扱うことのないように注意して欲しい。むしろ複数のセッションで行われたことで、プレイヤーは長い間、その結果を楽しみにしていたかもしれないのだ。
購入と売却 Buying and Selling
出典 Gamemastery Guide 24ページ
このゲームではPCが購入できるアイテムと購入できないアイテム、およびそれらの最終的な市場価格を設定できる。町やそれ以上の規模の居住地には基本的な装備品や冒険用装備、1レベルの魔法のアイテムや錬金術アイテムを扱う商店が少なくとも一軒はあるのが標準的である。それ以上は君がプレイヤーにどの程度自分の能力を決められるようにしたいか、どの程度ゲームに臨場感を持たせたいかに依る。必要な場所に必要な仕様を設定できるが、ここでは3つの考えられる選択肢を見てみよう。
このゲームではPCが購入できるアイテムと購入できないアイテム、およびそれらの最終的な市場価格を設定できる。町やそれ以上の規模の居住地には基本的な装備品や冒険用装備、1レベルの魔法のアイテムや錬金術アイテムを扱う商店が少なくとも一軒はあるのが標準的である。それ以上は君がプレイヤーにどの程度自分の能力を決められるようにしたいか、どの程度ゲームに臨場感を持たせたいかに依る。必要な場所に必要な仕様を設定できるが、ここでは3つの考えられる選択肢を見てみよう。
PCたちは好きなものを好きな場所で購入できる。君は市場の詳細を付け加てもよい。PCたちは望む物を価格の半分で売却でき、入手できるアイテムは設定された価格で購入できる。この方法は臨場感よりも便宜性を重視しており、多くのプレイヤーがキャラクターの長所を最も直接的に補助する物を求めるため、PCたちが持つ珍しいアイテムや特徴的なアイテムの数が減少する可能性がある。それでもアンコモンやレア以上のアイテムの購入には制限があるが、グループが望むなら稀少性を取り払うこともできる、代わりに追加料金を加えてもよい(グループのプレイ様式によるが、アンコモンアイテムには10%から100%、すべてのレアアイテムも開放したい場合は25%から500%になる可能性がある)。
PCたちは欲しいものを購入できるが、一手間掛けなければならない。アイテムを売買したい場合、PCたちは市場の取引可能な場所にいなければならない。通常、1つのアイテムはその価格の半分で売却できるが、すでに市場に多く流通している物は価格が25%や10%程度に下がるか、在庫が過剰な場合には完全に断られることもあり得る。品物を購入する際には通常、価格の全額を支払わなければならない。上位レベルのアイテム(もしあるならアンコモンアイテムも含む)を購入するには、特別な売り手やNPCを探す必要がある。これには時間が掛かるため、PCは実際に投資しなければならない。また、居住地の要素によっては、時間を掛けたとしても目当てのアイテムが手に入らないこともある。この方法ではPCたちは一部のアイテムを購入できるが、より強力なアイテムを手に入れるために実際に行動する必要があり、あらゆる敵を略奪してごく普通の防具を売り払うことを避けられる。これは最も手間のかかる方法だが、世界を多様で複雑なものにできる。
魔法の売場は稀であるか存在しない。PCたちは冒険で必要なものを手に入れ、何らかの方法で処方を手に入れられれば、自分でアイテムを作成できる。もし魔法を販売する場所があったとしても、その品揃えは限られている。アイテムは定価で販売されており、さらにアイテムを購入する資金を得ることは難しい。アイテムを半額程度で購入できる可能性もあるが、選択する際にはより厳選する必要があるだろう。この方法を用いることでPCは見つけた未知のアイテムを使う可能性が高くなるが、君が与えるアイテムによっては不満が出たり、力不足になることもあるだろう。この方法を用いたゲームであっても、基本ルーンを持つ武器や防具を簡単に手に入れられるようにするか、ある程度の間隔で与えるようにするとよいだろう。
仕事とイベント Tasks and Events
出典 Gamemastery Guide 25ページ
特に収入を得たいプレイヤーは、余暇の期間中に君に仕事を期待することも多いだろう。また、時としてプレイヤーを驚かせるために特別なイベントを挿入し、興味を引く場面を追加することも必要だ。もしキャラクターがPCに提供する仕事の発想が必要な場合は、閃きを得るために以下の表を参考にしてみて欲しい。収入を得るための仕事は、まず低レベルのPCたちに適した仕事が配置されているが、ほとんどは必要なレベルに合わせて変更することが可能である。イベントについては特別な場面や短い遭遇、冒険に焦点を当てるために縮小する必要があるかもしれない。
特に収入を得たいプレイヤーは、余暇の期間中に君に仕事を期待することも多いだろう。また、時としてプレイヤーを驚かせるために特別なイベントを挿入し、興味を引く場面を追加することも必要だ。もしキャラクターがPCに提供する仕事の発想が必要な場合は、閃きを得るために以下の表を参考にしてみて欲しい。収入を得るための仕事は、まず低レベルのPCたちに適した仕事が配置されているが、ほとんどは必要なレベルに合わせて変更することが可能である。イベントについては特別な場面や短い遭遇、冒険に焦点を当てるために縮小する必要があるかもしれない。
表1-1:“収益を得る”イベント Earn Income Events
〈知識:学界〉、〈知識:図書館〉、その他の教育に関わる〈知識〉 |
---|
学校または図書館で働く |
遠征のために遠方の地に関する情報をまとめる |
学校または図書館の管理者としての役割 |
地元の貴族のためにドラゴンに関する珍しい本を手に入れる |
〈製作〉 |
地元の農家のために道具を製作する |
地元の教会や病院のためにまとまった数のヒーリング・ポーションを調合する |
貴族の初めての舞踏会用にドレスを仕立てる |
近衛兵隊に魔法の武器を供給する |
〈知識:工学〉 |
町を守備するために築かれた砦を評価する |
跳ね橋の機構を設計する |
新たな水車小屋の設計図を作成する |
〈知識:飲物または食物〉 |
基本的なエールや普通の料理を作って、地元の宿に提供する |
十数本のワインを鑑定する |
来たる祭に向けて、見栄えのする料理を作る |
貴族の宴のために9品目のコース料理を作る |
〈知識:系譜学〉 |
小貴族の家系図を作成する |
相続争いを解決するために近親者を裁定する |
広大になった王室の婚姻関係を図に記す |
古代文明の系譜を調べる |
古代帝国の失われた後継者を追う |
〈知識:組合〉 |
組合の入会者を募集する |
書物に描かれた古代組合の符号を識別する |
組合の階層制度を再編成するにあたり助言する |
2つの組合の合併や、組合を2つに分割する際の監督を行う |
〈知識:生薬〉 |
湿布薬を医師に供給する |
小さな料理店にハーブを準備する |
地方の領主が口にした毒草を特定する |
〈知識:法律〉 |
数件の小さな事務手続きを片付ける |
窃盗罪で起訴された人物を弁護する |
腐敗した貴族を法に則って裁く |
デヴィルと交わした契約の抜け穴を探す |
〈知識:商売〉 |
輸入した繊維の木箱に値段をつける |
海賊の襲撃に最適な交易路を探す |
貿易協定の交換比率を設定する |
〈知識:鉱業〉 |
炭鉱で交代勤務をする |
鉱石が採掘された場所を特定する |
新たな鉱山と成り得る場所を推測する |
〈芸能〉 |
町で開かれる市で大道芸を人々に披露する |
オペラの楽団で演奏する |
社交界の名士たちの集いに出席する |
訪れた貴族たちに芸を披露する |
来国した巨匠を感動させ、故郷に栄光をもたらす |
別の次元界から来た後援者に芸を披露する |
〈知識:政治〉 |
投票や決定がある方向に進むように働きかける |
貴族を貶めて立場を悪化させる |
〈知識:航海〉 |
短期間の航海に出る船に乗り込む |
乾ドックの船を航行可能な状態に整備する |
モンスターが棲む海域で船を操舵する |
〈知識:裏社会〉 |
盗品の行き先を調査する |
誰かを盗賊組合の頭領に会わせる |
貴重品の入った積荷を町の外に密輸する |
〈知識:戦争〉 |
道場で槍術の指導を行う |
士官に様々な軍事戦略を指導する |
戦場での攻撃を計画する将軍に助言する |
表1-2:余暇イベント Downtime Events
“作成”、“収益を得る”(〈製作〉) |
---|
重要な資材の輸送が遅れている、PCはその原因を突き止めなければならない |
PCは収集家や美術館の目に留まるような最高級の作品を制作する |
PCはある素材をより効率的に加工する技術を発見し、それを共有するか秘密にするかを決定しなければならない |
偽造(〈社会〉) |
PCが模倣しようとしている書類の様式が変更されたため、調整する必要がある |
作業場を覆う屋根から雨漏りがしたり、不器用な助手が薬品の入ったビーカーを倒してしまったりと、不慮の事故で事務作業が台無しになる |
とある謎めいた後援者は、PCが持っていない特別な道具や元の文書を提供するが、その見返りとして後で依頼を受けて欲しいと提案している |
“収益を得る”(一般) |
気難しい依頼人が、作業の途中で何度も変更を要求してくる |
作業現場での事故により、誰かが危険に晒される |
PCが取り組んでいることが流行や熱狂を呼び、需要が急増する! |
訪問者がPCの仕事に感銘を受け、遠く離れた場所でより収益性の高い仕事を提供する |
現場の状況は最悪で、他の作業員たちはPCに仲間になって上司たちと対決してほしいと頼む |
上司や組合の頭目が違法行為をしており、PCに賄賂を渡して見て見ぬふりをさせようとする |
ある日、PCが仕事に戻ると、自分のしたことが何者かに改変されていることに気付く |
“収益を得る” (〈芸能〉) |
公演の成功により公演が追加され、PCは疲労困憊する |
町の反対側の競合する公演に客を取られてしまう |
有力な貴族が特別な演出のために資金を提供するが、内容に多少の変更を要求する |
PCの仲間の一人が来ないが、公演を止める訳にはいかない! |
|~“自活” (〈生存〉)
長い間一つの地域に住み続けた結果、新しい薬の材料になりそうな未知のベリーや薬草を発見する |
PCは何か大きなクリーチャー(モンスターかもしれない)が採食していることを示す痕跡を見つける |
アイテムの売買 |
---|
PCは特定の集団の一員が興味を持つアイテムを販売したため、その集団に狙われる |
商人がPCに不正な商品を販売する |
PCたちがよく行く店が困難に見舞われているが、助けもなく廃業に追い込まれようとしている |
PCが欲しがっているアイテムに対して高額な価格を提示され、交渉を行ったり、NPCがそのアイテムを手に入れるための仕事を提示する |
再訓練 |
PCが身体的な訓練を行っている最中に怪我をする |
新たな魔法の力を利用することで、魔法で呪いをかけたり、奇妙な現象を発生させる |
再教育の指導役が病気になったり、行方不明になる |
PCの再訓練を目にした人物が、勉強や練習に参加させて欲しいと頼む |
PCの訓練が停滞してしまい、続けるためには希少な書物などを入手する必要がある |
余暇における金銭 Money in Downtime
出典 Gamemastery Guide 26ページ
短い余暇で得られる金銭は、冒険で得た戦利品の価値に比べればかなり少ないが、それでも満足のいくボーナスと成り得る。PCたちは稼いだ金銭を用いてより良い装備を購入したり、良い目的のために寄付を行い、あるいは大きな買い物をするために皆で貯金できるかもしれない。もしPCが金銭のことを忘れがちだったり、必要以上に慎重に貯めているようなら、金銭を使う機会を与えるようにしよう。例えば、困っている慈善団体への寄付や、後援者を探している芸術家の出資者にならないか、と声を掛けるなどだ。
短い余暇で得られる金銭は、冒険で得た戦利品の価値に比べればかなり少ないが、それでも満足のいくボーナスと成り得る。PCたちは稼いだ金銭を用いてより良い装備を購入したり、良い目的のために寄付を行い、あるいは大きな買い物をするために皆で貯金できるかもしれない。もしPCが金銭のことを忘れがちだったり、必要以上に慎重に貯めているようなら、金銭を使う機会を与えるようにしよう。例えば、困っている慈善団体への寄付や、後援者を探している芸術家の出資者にならないか、と声を掛けるなどだ。
余暇の手順には、Core Rulebookに記載されている値を用いて生活費を算出するための指針が示されている。生活費の計算は通常、数ヶ月から数年に及ぶ余暇連続行動に対して行うのが最適である。これは、余暇連続行動によってかなりの金額を稼ぎ、その費用が実際に加算される可能性があるためだ。余暇が数日しかない場合であれば無視しても構わないが、PCが上等で贅沢な生活様式を演じているなら、その設定を強化するために、余暇が短い期間であっても代金の支払いを請求するのもよいだろう。
投資 Investments
出典 Gamemastery Guide 26ページ
余暇の手順は金銭を投資したり利益を得るなど、資産を増やすためだけに処理するものではない。むしろ、投資は世界に変化をもたらすものでなければならないだろう。PCたちは博物館設立のために投資し、旅から戻った時に収蔵品が増えたことを知るかもしれない。また、探検に資金を提供すれば、後に興味深い交易品を手に入れられるかもしれない。
余暇の手順は金銭を投資したり利益を得るなど、資産を増やすためだけに処理するものではない。むしろ、投資は世界に変化をもたらすものでなければならないだろう。PCたちは博物館設立のために投資し、旅から戻った時に収蔵品が増えたことを知るかもしれない。また、探検に資金を提供すれば、後に興味深い交易品を手に入れられるかもしれない。
キャラクターが大きな試みに投資する場合、資金よりもゲーム世界の中で費やした時間の方が重要になるこことも多い。資金を投入すればアイテム製作の効率は格段に上がるだろうが、全工程に必要な資金があるからといって、1日で砦を建設することはできない。余暇はキャラクターが長期間に渡る行程を開始する良い機会となる。信頼できる有能な人物が見つかれば、PCたちが冒険している間に並行して継続できる。
長期的な余暇における金銭 Money During Long Periods of Downtime
出典 Gamemastery Guide 26ページ
もしPCたちが冒険と冒険の間に非常に長い時間、特に何年もあるような場合には、余暇を通じて多額の金銭を集める機会がある。Core Rulebookに記されている平均的な進捗や生活費の指針を参考に、PCたちがどの位の資金を手に入られるかを検討しよう。君がPCたちに長い時間が経過したことを伝えて余暇の終わりに進む前に、PCたちが蓄えている資金を使わせるようにすること。余暇の間に何に投資していたのか? PCたちの興味を引いたのは何か? 運気は高まったのか、それとも低下したのか? 興味深いものを手に入れたり、魅力的な人物を雇ったりしただろうか? この支出はPCたちが世界にどのような影響を与えるかを示す、別な手段だと考えてみよう。
もしPCたちが冒険と冒険の間に非常に長い時間、特に何年もあるような場合には、余暇を通じて多額の金銭を集める機会がある。Core Rulebookに記されている平均的な進捗や生活費の指針を参考に、PCたちがどの位の資金を手に入られるかを検討しよう。君がPCたちに長い時間が経過したことを伝えて余暇の終わりに進む前に、PCたちが蓄えている資金を使わせるようにすること。余暇の間に何に投資していたのか? PCたちの興味を引いたのは何か? 運気は高まったのか、それとも低下したのか? 興味深いものを手に入れたり、魅力的な人物を雇ったりしただろうか? この支出はPCたちが世界にどのような影響を与えるかを示す、別な手段だと考えてみよう。
再訓練 Retraining
出典 Gamemastery Guide 26ページ
再教育のルールと提案は、Core Rulebookに記載されている内容で十分だろう。再訓練にあたっての君の主な役割は、再訓練に必要な時間や指導、費用などを決定し、物語や世界観に沿うように詳細を調整することである。各PCが再訓練に際してどのような努力をするのか、各自の能力に生じた変化をどのように君が表現できるのかを考えてみよう。どのような研究や訓練を行っているだろう? 師匠がいる場合、その師匠はどんな助言をしているのか?
再教育のルールと提案は、Core Rulebookに記載されている内容で十分だろう。再訓練にあたっての君の主な役割は、再訓練に必要な時間や指導、費用などを決定し、物語や世界観に沿うように詳細を調整することである。各PCが再訓練に際してどのような努力をするのか、各自の能力に生じた変化をどのように君が表現できるのかを考えてみよう。どのような研究や訓練を行っているだろう? 師匠がいる場合、その師匠はどんな助言をしているのか?
PCの決定に拘束力を持たせたい場合や、余暇なしのゲームを実行している場合は、再訓練なしでキャンペーンを実行することもできる。ただし、余暇ルールを使用しないキャンペーンで、キャラクターの育成やレベル上昇の際に行った決断を本当に後悔しているプレイヤーがいる場合は、そのプレイヤーのために例外を設けてもよい。
教師 Teachers
出典 Gamemastery Guide 26ページ
PCたちが獲得する能力のほとんどは、冒険をすることで得られるものだ。彼らは冒険を通じて学んでいるのだ。一方で再訓練は、教師の助けを必要とするような専門的な内容である。必ずしも教師を使う必要はないが、新しいNPCを紹介したり、既存のNPCに新たな役割を与えて呼び戻すために最適な方法となるだろう。ドルイドの場合は自然との交信、ウィザードの場合は膨大な魔道書を熟読するなどで教師の役割を果たすことも可能である。重要なのは、その出処から得られる導きとなる。以下の表に教師の例を示す。
PCたちが獲得する能力のほとんどは、冒険をすることで得られるものだ。彼らは冒険を通じて学んでいるのだ。一方で再訓練は、教師の助けを必要とするような専門的な内容である。必ずしも教師を使う必要はないが、新しいNPCを紹介したり、既存のNPCに新たな役割を与えて呼び戻すために最適な方法となるだろう。ドルイドの場合は自然との交信、ウィザードの場合は膨大な魔道書を熟読するなどで教師の役割を果たすことも可能である。重要なのは、その出処から得られる導きとなる。以下の表に教師の例を示す。
- 大魔術士コーダ・モハンツ、魔法学園の試験官
- バグラ・レッドフォージ、老練な職人
- イベスティアII世男爵夫人、礼儀作法や社交術の指導者
- 従士バイレン・エフェストス、法律・政治・金融に関する顧問
- フィネラ・アルボー博士、医学・外科学教授
- リヴィス・エンゼルラッド博士、伝承学に精通する神秘主義者
- 沼の賢者グリタ、不思議な薬と暗号を用いた謎の作成者
- ジェバルーン・レストファイア、錬金術実験の指導者
- クプンデ・ネバーロスト、引退した老練の冒険者
- ライラ、伝説の語り部で工芸品の達人
- 士官ヴェナイオス、戦術指南役
- 修道院長エリジア、大神官で宗教学者
- クリド・ヤマルパン教授、上級大学講師
- クインタリ・ソルヴァル、運動と健康的な生活の指導員
- ぼろ切れのサンデン、隠者で自然の語り部
- 「静かなる炎」、十七の型を極めし者
- 大胆なるテンブリー、熟練した曲芸師でサーカス芸人
- 「12本指」、経験豊富な泥棒で密偵
- ウェン・ハードフット、冒険経験豊富な斥候で博物学者
- ズレリ・ガン、指揮者で脚本家、音楽学者でもある
極端な再訓練 Extreme Retraining
出典 Gamemastery Guide 27ページ
標準ルールではPCたちはクラス、種族、来歴、能力値増強など、そのキャラクターの本質的な部分を再訓練することはできない。しかし、再訓練の領域を超えて更に深く、物語に結び付いた旅の中で、これを実現する方法を見つけられる可能性があるだろう。クラスと能力修正値は集中的な再訓練を行うことでのみ生じる可能性があるため、正当化することが最も容易だろう。特に低レベルの時点であれば、プレイヤーに別のクラスとしてキャラクターを再構築させられる。おそらくは新たなクラスのために、再訓練でマルチクラスの専念特技を得るから始めることになるだろう。クラス変更に向けて段階的に進むに連れて、獲得した専念特技から徐々に特技へと置き換える。ただし、低レベルであっても十分に優れていると思えるクラスを、高レベルでより強いと思えるクラスと入れ替えるようなことはしないように注意すること。通常ならクラスや能力値の再訓練には、数ヶ月から数年という長い時間がかかるはずだ。
標準ルールではPCたちはクラス、種族、来歴、能力値増強など、そのキャラクターの本質的な部分を再訓練することはできない。しかし、再訓練の領域を超えて更に深く、物語に結び付いた旅の中で、これを実現する方法を見つけられる可能性があるだろう。クラスと能力修正値は集中的な再訓練を行うことでのみ生じる可能性があるため、正当化することが最も容易だろう。特に低レベルの時点であれば、プレイヤーに別のクラスとしてキャラクターを再構築させられる。おそらくは新たなクラスのために、再訓練でマルチクラスの専念特技を得るから始めることになるだろう。クラス変更に向けて段階的に進むに連れて、獲得した専念特技から徐々に特技へと置き換える。ただし、低レベルであっても十分に優れていると思えるクラスを、高レベルでより強いと思えるクラスと入れ替えるようなことはしないように注意すること。通常ならクラスや能力値の再訓練には、数ヶ月から数年という長い時間がかかるはずだ。
種族や出自を変更するには、新たな姿に生まれ変わるなど、何らかの魔法の力が必要となるだろう。そのためには複雑な儀式や、奇妙で珍しい魔法を受ける、あるいは神の介入を必要とするかもしれない。例えば、ハーフリングになりたいエルフは、まず〈知識:ハーフリング〉を学ぶ。そしてハーフリングの神々を信仰し、最終的にハーフリングに大きな奉仕をすることで神による変容の祝福を受ける必要があるかもしれない。
来歴の再訓練を行うには、PCが考えていた出来事をなかったことにするために、ゲームの物語を変える必要がある。これを正当化するのはかなり難しいはずだ。最もあり得そうな筋書きとしては、改変された記憶を魔法で取り戻し、「本当の」来歴(再訓練された新しい来歴)を明らかにする必要があるというものだろう。
もちろん、このような場合は例外として、説明なしにプレイヤーに変更を委ねることも可能だ。ただしこれは、ゲームなのだから変更についてゲームの世界でわざわざ正当化する必要はない、ということを事実上認めることになる。グループによっては、エルフが魔法でハーフリングに変身するようなことを受け入れるよりも、ゲーム内で過去に起こったことについての考えを調整するよう求める方が簡単だったり、より自然に受け入れられるかもしれない。