ウィザード Wizard
君は世界に秘められた魔術の永遠なる学徒であり、魔法の修練を積むことで強力な呪文を発動する。魔法を科学のように扱い、魔法の仕組みを発見・理解するために、最新の魔法の実用的な文献と古代の秘儀を記した魔術書を読み比べる。しかし、魔法理論は広大であり、全てを学ぶ方法はない。そこで、8つの魔法体系のいずれかに特化して微妙な違いを深く掘り下げるか、深みを犠牲にして広範的な魔術を総合するようなアプローチを好むかは術者それぞれに異なる。
戦闘遭遇では… During combat Encounters…
- 呪文を使用するタイミングを慎重に判断し、争いを避けようとする。最も強力な魔法を保存し、脅かしてくる敵を無力化し、弱い敵だけが残っている時にキャントリップを使用する。敵が不可視状態や飛行の技を引き出してくると、グリッターダストやアースバインドなどの呪文で応対し、味方の領域を平準化する。
社会遭遇では… During social encounters…
- 秘術の問題に関する知識を十二分に提供し、論理で議論を解決する。
探索では… While exploring…
- 魔法のオーラを検知し、魔法の文章や発見した現象への秘術的な重要性を判断する。さらなる探検での珍しい障害に出くわすと、おそらくそれを乗り越えやすくするであろう巻物を持っているだろう。
余暇では… In downtime…
- 新しい呪文を学び、魔法のアイテムを作成し、パーティ用の巻物を作成し、呪文に加えて新しい刺激的な処方を探す。系統的なつながりを築き、独自の学校やギルドを設立することも可能である。
君はおそらく… You might…
- 君の周りの世界の全てがどのように機能するかについて、抑えきれるものではない知的好奇心を持っている――特に魔法についてだ。
- 君の魔法の系統が優れているか(専門術士の場合)、魔法を真に修得するには全ての系統の知識が必要であること(総合術士の場合)を熱烈に信じている。
- 秘儀の隠語と専門用語を使用して、他の人には違いが失われていると思われたとしても、魔法の効果の特徴を正確に説明する。
ひょっとしたら他人は… Others probably…
- 君が信じられないほど強力で潜在的に危険であると考えている。
- 君の魔法が心、身体、魂に何をするのかを恐れ、君の呪文が手遅れになるまで無害であるか悪意あるものであるかを特定することができないものとして捉え、君に礼儀正しい付き合いで呪文を発動しないように頼む。
- 危険な天候から収穫量の低下に至るまで、君がすべての問題を簡潔に解決できると仮定し、望むものを何でも手に入れるために役立つ呪文を求める。
重要能力値:【知力】 Key Ability
1レベルの時点で、このクラスは【知力】への能力値増強を与える。
ヒット・ポイント:6+【耐久力】修正値 Hit Points
1レベルとそれ以降の各レベルで、この値だけヒット・ポイントの最大値を増やす。
開始時の習熟 Initial Proficiencies
1レベルの時点で、君は以下のデータで掲載された習熟ランクを得る。君が他の方法でより高い習熟ランクを得ない限り、掲載されていないものは未習熟となる。
知覚 Perception
- 修得:知覚
セーヴィング・スロー Saving Throws
- 修得:頑健
- 修得:反応
- 熟練:意志
技能 Skills
- 修得:〈秘術〉
- 修得:2+【知力】修正値に等しい数の技能を追加
攻撃 Attacks
- 修得:クラブ、クロスボウ、ダガー、ヘヴィ・クロスボウ、およびスタッフ
- 修得:素手攻撃
防御 Defenses
- 未修得:全ての鎧
- 修得:鎧無し防御
呪文 Spells
- 修得:秘術呪文攻撃
- 修得:秘術呪文DC
クラス特徴 Class Features
表3-18:ウィザードの成長
レベル | クラスの特徴 |
---|---|
1 | 種族と来歴、開始時の習熟、秘術呪文の発動、秘術系統、秘術の絆、秘術の論文 |
2 | 技能特技、ウィザード特技 |
3 | 2レベル呪文、一般特技、技能増加 |
4 | 技能特技、ウィザード特技 |
5 | 3レベル呪文、能力値増強、種族特技、神速の反応、技能増加 |
6 | 技能特技、ウィザード特技 |
7 | 4レベル呪文、熟練の術者、一般特技、技能増加 |
8 | 技能特技、ウィザード特技 |
9 | 5レベル呪文、種族特技、魔法的頑健、技能増加 |
10 | 能力値増強、技能特技、ウィザード特技 |
11 | 6レベル呪文、鋭敏感覚、一般特技、技能増加、ウィザード武器熟練 |
12 | 技能特技、ウィザード特技 |
13 | 7レベル呪文、種族特技、ローブ防御術、技能増加、武器開眼 |
14 | 技能特技、ウィザード特技 |
15 | 8レベル呪文、能力値増強、一般特技、達人の術者、技能増加 |
16 | 技能特技、ウィザード特技 |
17 | 9レベル呪文、種族特技、決意、技能増加 |
18 | 技能特技、ウィザード特技 |
19 | 大魔術士の呪文学、伝説の術者、一般特技、技能増加 |
20 | 能力値増強、技能特技、ウィザード特技 |
君はウィザードとしてこれらの能力を得る。高いレベルで得た能力には、名前の横にレベルが併記されている。
種族と来歴 Ancestry and Background
1レベルの時点でクラスから得られる能力に加えて、君は選択した種族と来歴の利益を持つ。
開始時の習熟 Initial Proficiencies
1レベルの時点で、君は基本的な修得を表す多くの習熟を得る。これらの習熟はこのクラスのはじめの部分に記載されている。
秘術呪文の発動 Arcane Spellcasting
君は専用の研究と実践を通じて、秘術の力を利用して呪文を発動することができる。君は“呪文発動”の連続行動を使用して秘術呪文を発動することができ、“呪文発動”する際に物質要素、動作要素、音声要素を提供できる(Casting Spellsを参照)。
1レベルの時点で、君は毎朝、呪文書(下記参照)から最大で1レベル呪文を2つ、キャントリップを5つ準備できる。君が専門術士のウィザードならば、君が発動できるレベル毎に選択した系統に属する呪文を1つずつと選択した系統のキャントリップ1つを追加する。準備済み呪文は、君が呪文を発動するか、再び呪文を準備するまで利用できる。準備できる呪文の数は呪文スロットと呼ばれる。
ウィザードのレベルを上げると、表3-19:ウィザードの1日の呪文数に示されているように、呪文スロットの数と、呪文スロットから発動できる最大レベルの呪文が増加する。
一部の呪文は効果があるかを見るために呪文攻撃ロールを試みるか、敵が呪文DCに対してロールする(通常はセーヴィング・スローの試み)かする必要がある。君の重要能力値は【知力】であるため、君の呪文攻撃ロールと呪文DCは【知力】修正値を用いる。
呪文の高レベル化 Heightening Spells
2レベル以上の呪文スロットを得ると、君はそれらのスロットを、より低いレベルの呪文の強力版で埋めることができるようになる。
これにより、呪文のレベルが呪文スロットに合うように上昇する。多くの呪文は、特定のレベルに上昇すると特別な強化が行われる。
キャントリップ Cantrips
キャントリップは呪文スロットを使用しない特殊な種類の呪文である。キャントリップは1日に何回でも回数無制限に発動できる。キャントリップは常に君のレベルの半分(端数切り上げ)――通常、これは最も高いウィザード呪文スロットのレベルと同様だ――に自動的に高レベル化される。例えば1レベル・ウィザードにおけるキャントリップは1レベル呪文であり、5レベル・ウィザードにおけるキャントリップは3レベル呪文である。
呪文書 Spellbook
すべての秘術呪文には書面となっているバージョンがあり、通常は呪文書に記録されている。君は10sp以下の価値のある呪文書を持ってゲームを開始する。君はこの呪文書を無料で受け取る。君は毎日呪文を準備するために呪文書を用いて勉強しなければならない。ゲーム開始時、この呪文書には秘術のキャントリップ10種類と1レベル秘術呪文5つが含まれている。これらの呪文は秘術呪文リスト(307ページ)のコモンの呪文、もしくは使用権を得た他の秘術呪文から選択すること。
呪文書の形と名前は君次第である。カビの生えた革製の本であってもよいし、真鍮の指輪に繋がれた薄い金属円盤でもよい。名前は「真紅の天秤」のような難解なものでもよいし、「実践的変成術における実地調査」のような学術的なものでもよい。
君がレベルを得るたび、君は自分が発動できるレベルから秘術呪文2つを呪文書に加える。
君は〈秘術〉技能を使用して、冒険で見つけた他の呪文を呪文書に加えることもできる。
表3-19:ウィザードの1日の呪文数 Wizard Spells Per Day
レベル | 呪文レベル | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャントリップ | 1レベル | 2レベル | 3レベル | 4レベル | 5レベル | 6レベル | 7レベル | 8レベル | 9レベル | 10レベル | |
1 | 5 | 2 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
2 | 5 | 3 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
3 | 5 | 3 | 2 | - | - | - | - | - | - | - | - |
4 | 5 | 3 | 3 | - | - | - | - | - | - | - | - |
5 | 5 | 3 | 3 | 2 | - | - | - | - | - | - | - |
6 | 5 | 3 | 3 | 3 | - | - | - | - | - | - | - |
7 | 5 | 3 | 3 | 3 | 2 | - | - | - | - | - | - |
8 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | - | - | - | - | - | - |
9 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | - | - | - | - | - |
10 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | - | - | - | - | - |
11 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | - | - | - | - |
12 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | - | - | - | - |
13 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | - | - | - |
14 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | - | - | - |
15 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | - | - |
16 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | - | - |
17 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | - |
18 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | - |
19 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 1* |
20 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 1* |
* 大魔術士の呪文学クラス特徴により、君は他の呪文スロットとは少し異なる振る舞いをする、10レベル呪文スロットを1つ得る。
秘術系統 Arcane School
多くの秘術術者は、魔法の系統の1つを深く掘り下げ、その系統の神秘を会得しようとする。専門術士のウィザードになりたい場合、専門の系統を1つ選択する。
君は自分の系統の呪文を追加で1つと、その系統専用の呪文スロットを1つ得る。
系統を選択しない場合、君は総合術士である。総合術士は、魔法の真の知識への道は、共に機能する8系統全てに関する、統合的な理解が必要であると信じるウィザードだ。総合術士は専門術士のウィザードのような専門性には欠けているが、より大きな柔軟性を持つ。
秘術の絆 Arcane Bond
君は魔法の力の一部を絆のアイテムに預けておく。
毎日呪文を準備する際、君は自分が所有しているアイテム1つを絆のアイテムとして指定できる。これは、通常ワンド、指輪、スタッフなどの呪文発動に関連するアイテムだが、武器やその他のアイテムを指定してもよい。君は“絆のアイテムからの消費”フリー・アクションを得る。
絆のアイテムからの消費 [free-action] Drain Bonded Item
秘術 ウィザード
使用回数 1日1回
絆のアイテムを所持しているなら、君はそのアイテムに蓄えていた力を消費する。君のターンの間、君は今日準備したが既に発動してしまった呪文1つを、呪文スロットを消費することなく発動できる。ただし、君は“呪文発動”しなければならず、この呪文の他の必要条件を満たしていなければならない。
秘術の論文 Arcane Thesis
本格的なウィザードとなるための研究中に、君は様々な主題の1つに関する独自の魔法研究の論文を作り上げた。君は論文の研究の主題に応じて、特別な利益を得られる。君の独自論文には、おそらく「呪文の保管の方法と魔法の構築ブロックの新しい理解の起源について」のような、はるかに長い専門的な題がつけられているだろう。
使い魔同調強化 Improved Familiar Attunement
君は以前から、ウィザードと使い魔とを結ぶ魔法を微調整することで、ほとんどのウィザードが現在使用している安全でありふれた絆よりも強い、神秘的な絆を結べると考えていた。君はそのような契約を自身の使い魔と結ぶことで、他のウィザードよりも多くの利益を得ている。君はボーナス特技として《使い魔》のウィザード特技を得る。君の使い魔は追加の能力1つを獲得し、さらに、6、12、18レベルの時点で追加の能力を得る。
君の使い魔とのつながりにより秘術の絆クラス特徴は変化し、所有しているアイテムではなく、自身の使い魔に魔法のエネルギーを蓄積するようになる。君は“絆のアイテムからの消費”の代わりに、“使い魔からの消費”のフリー・アクションを得る。この能力は、アイテムではなく使い魔から魔法を消費することを除いて同一の機能を持ち、君が“絆のアイテムからの消費”を使用できるときにはいつでも使用できる。
呪文修正の実験 Metamagical Experimentation
呪文修正として知られる行いは、ウィザードが他人が記録し長年に渡って受け継がれてきた呪文に頼るのではなく独自の呪文や修正版を作成しなければならなかった、はるか昔の時代の名残であることに君は気付いた。これによって、君は様々な呪文修正効果を効率的に使用できるようになった。
君はボーナス特技として、1レベルの呪文修正特性を持つウィザード特技を1つ得る。4レベルの時点で、君は日毎の準備の際、君は呪文修正特性を持つウィザード特技を1つ得られるようになる。君はこの特技として、レベルに関する必要条件が君のレベルの半分以下のもののみ選択できる。君は次に日毎の準備を行うまでの間、この特技を使用できる。
混合呪文 Spell Blending
君は呪文スロットはすべての呪文の動力源となる、根本的なエネルギーの速記表現であると考えており、呪文スロットの階層構造に手を入れることで、より強力な呪文を発動する方法を見つけ出した。
君が日毎の準備を行う際、同じレベルの呪文スロット2つを、ボーナス呪文スロット1つと交換できる。ボーナス呪文スロットは、交換元の呪文スロットより最大で2レベルまで高いものとしてよい。交換できる呪文スロットの数に上限はない。
ボーナス呪文スロットは君が通常発動できるレベルのものでなければならない。また、各ボーナス呪文スロットは異なる呪文レベルでなければならない。また、君は任意の呪文スロット1つを追加のキャントリップ2つと交換できる。しかし、この方法で2つ以上の呪文スロットをキャントリップと交換することはできない。
呪文置換 Spell Substitution
次に日毎の準備を行うまで一度準備した呪文を変更できないという事実を、君は受け入れられない。そして君は、最初に準備した呪文を別の呪文に置き換える近道を発見した。
君は10分を費やすことで、準備していた呪文スロット1つを空け、代わりに呪文書から別の呪文1つを準備できる。入れ替えの最中に中断された場合、元の呪文が準備されたままであり、その呪文を発動することができる。入れ替えを後で行うことはできるが、最初からやり直さなければならない。
ウィザード特技 Wizard Feats
2レベルの時点と、以降全ての偶数レベルにおいて、君はウィザード・クラス特技を1つ得る。
技能特技 2レベル Skill Feats
2レベルの時点と以降2レベル毎に、君は技能特技を得る。技能特技は5章に掲載されており、技能特性を持つ。技能特技を選択するためには、君は対応する技能の修得か、それ以上でなければならない。
一般特技 3レベル General Feats
3レベルの時点と以降4レベル毎に、君は一般特技を1つ得る。一般特技は5章に掲載されている。
技能増加 3レベル Skill Increases
3レベルの時点と以降2レベル毎に、君は技能増加を1つ得る。君は技能増加を使用することで、未修得の技能1つを修得にするか、修得の技能1つを熟練に向上させるかすることができる。
7レベルの時点で、君は技能増加を使用して熟練の技能1つの習熟ランクを達人に向上させることができるようになる。15レベルの時点で、君は達人の技能1つの習熟ランクを伝説に向上させることができるようになる。
能力値増強 5レベル Ability Boosts
5レベルの時点と以降5レベル毎に、君は4つの異なる能力値を増強できる。これらの能力値増強を使用して、君は能力値を18より高い値に増加しても良い。このとき、その能力値が18以上の場合は1、18未満の場合は2だけ能力値が増加する。
種族特技 5レベル Ancestry Feats
開始時の種族特技に加えて、5レベルの時点と以降4レベル毎に、君は種族特技を1つ得る。
利用できる種族特技の一覧は、2章の種族の項に記載されている。
神速の反応 5レベル Lightning Reflexes
君の反応は電光のように素早い。君の反応セーヴの習熟ランクは熟練となる。
熟練の術者 7レベル Expert Spellcaster
秘術の拡張された訓練により、君の潜在能力は向上した。君の秘術呪文攻撃ロールと秘術呪文DCの習熟ランクは熟練に向上する。
魔法的頑健 9レベル Magical Fortitude
魔法の力により、君の身体の回復力は強化された。君の頑健セーヴの習熟ランクは熟練に向上する。
鋭敏感覚 11レベル Alertness
君は周囲の脅威を警戒し続ける。君の知覚の習熟ランクは熟練へと向上する。
ウィザード武器熟練 11レベル Wizard Weapon Expertise
魔法と訓練を組み合わせることで、君はウィザードの武器をより効果的に用いる方法を身につけた。
君はクラブ、クロスボウ、ダガー、ヘヴィ・クロスボウ、スタッフ、素手攻撃に熟練の習熟ランクを得る。
ローブ防御術 13レベル Defensive Robes
魔法の流れと訓練が組み合わさり、君が攻撃を回避する手助けとなる。君の鎧無し防御の習熟ランクは熟練へと向上する。
武器開眼 13レベル Weapon Specialization
君は、自分が最もよく知っている武器を使って大怪我を負わせる方法を身につけた。習熟ランクが熟練の武器か素手攻撃を使用すると、君は追加で2ダメージを与える。この追加ダメージは達人だと3、伝説だと4に増加する。
達人の術者 15レベル Master Spellcaster
君は最高峰の呪文発動能力を手にした。君の秘術呪文攻撃ロールと秘術呪文DCの習熟ランクは達人へと向上する。
決意 17レベル Resolve
君は決意を持って自分の心を鍛えた。君の意志セーヴの習熟ランクは達人へと向上する。君が意志セーヴで成功したなら、代わりに大成功を得る。
大魔術士の呪文学 19レベル Archwizard's Spellcraft
君は最も強力な秘術魔法を操り、本当に信じられないような力の呪文を発動できる。君は10レベル呪文スロットを1つ得、秘術呪文の発動を使用してそのスロットに呪文を準備できる。この呪文スロットを、呪文スロットを消費することなく呪文を発動できる能力や、より多くの呪文スロットを与える能力には使用できない。君はレベル上昇しても10ランク呪文を獲得しない。《大魔術士の力》特技を得ることで2つ目の10レベル呪文スロットを得られる。
伝説の術者 19レベル Legendary Spellcaster
君は完璧な術者であり、秘術の理論と実践的な呪文学の両方を包括的に理解している。秘術呪文攻撃ロールと呪文DCの習熟ランクは伝説へと向上する。
秘術系統 Arcane Schools
総合術士のように各系統を平等に学ぶのではなく特定の秘術系統を専門とする場合、君は発動できる呪文の各レベルに追加の呪文スロットを1つ得る。君はこれらの追加呪文スロットに、選択した秘術系統の呪文のみを準備できる。加えて、君は選択した系統のキャントリップを追加で1つ準備できる。また、君は選択した系統の秘術呪文を追加で1つ呪文書に追加する。
君は自身の秘術系統の学徒が教わる特殊な種類の呪文、系統呪文を身につける。系統呪文は焦点化呪文の一種だ。焦点化呪文を発動するには1焦点化ポイントが必要である。君は焦点化プールに1焦点化ポイントがある状況でゲームを開始する。日毎の準備の間に君は焦点化プールを補充する。また、君は“再焦点化”の連続行動に10分間を費やし、呪文書を学んだり秘術の研究を行ったりすることで、1焦点化ポイントを回復できる。
焦点化呪文は自動的にレベルの半分(端数切り上げ)に高レベル化される。焦点化呪文は呪文スロットを必要としない。また、呪文スロットを使用して発動することもできない。特定の特技は君に焦点化呪文を与え、焦点化プールの最大値が増加する。しかし、焦点化プールが焦点化ポイントを保持できるのは3ポイントまでである。
防御術 Abjuration
防御術士である君は、防御の技術を体得した。これにより君は防御力を強化し、攻撃を妨げ、呪文を跳ね返すことさえできる。君は1オンスの予防が1ポンドの治癒に値することを理解している。君は呪文書に1レベルの防御術呪文(フェザー・フォールなど)を追加する。君はプロテクティヴ・ウォードの系統呪文を身につける。
召喚術 Conjuration
召喚術士である君は、彼方からクリーチャーと物体を招来し、魔法を使用して遠くの場所に瞬間移動する。
君は数こそが勝利への真の鍵であることを理解している。君は呪文書に1レベルの召喚術呪文(サモン・アニマルなど)を1つ加える。君はオーグメント・サモニングの系統呪文を身につける。
占術 Divination
占術士である君は、遠距離知覚と予知能力を体得し、調査、研究、戦闘戦略を変えうる情報を知る。君は知識こそが力であることを理解している。君は呪文書に1レベルの占術呪文(トゥルー・ストライクなど)を1つ追加する。君はディヴィナーズ・サイトの系統呪文を身につける。
心術 Enchantment
心術士である君は、魔法を使って他人の心を操作する。君はその能力を使用して、他人にかすかに影響を与えたり、他人を操ったりすることができる。君は心が物体を凌駕することを理解している。君は呪文書に1レベルの心術呪文(チャームなど)を1つ追加する。君はチャーミング・ワーズの系統呪文を身につける。
力術 Evocation
力術士である君は、魔法のそのものの力を楽しみ、それを使って簡単に想像と破壊を行うことができる。
力術師である君は、元素、力場、エネルギーを呼び起こし、敵を破壊したり、他の方法で支援することができる。君は最も直接的な方法こそが最もエレガントであると理解している。君は呪文書に1レベルの力術呪文(ショッキング・グラスプなど)を1つ追加する。君はフォース・ボルトの系統呪文を身につける。
力術師である君は、元素、力場、エネルギーを呼び起こし、敵を破壊したり、他の方法で支援することができる。君は最も直接的な方法こそが最もエレガントであると理解している。君は呪文書に1レベルの力術呪文(ショッキング・グラスプなど)を1つ追加する。君はフォース・ボルトの系統呪文を身につける。
幻術 Illusion
幻術士である君は、魔法を使って映像、虚像、惑乱を生み出し、敵を困惑させる。君は知覚こそが現実であると理解している。君は呪文書に1レベルの幻術呪文(イリューソリイ・オブジェクトなど)を1つ追加する。君はウォープト・テレインの系統呪文を身につける。
死霊術 Necromancy
死霊術士である君は、生と死の力を利用する。君の系統はアンデッドとして蘇らせるためにしばしば悪者扱いされるが、君は生を支配することは治癒を支配することでもあると理解している。君は呪文書に1レベルの死霊術呪文(グリム・テンドリルスなど)を1つ追加する。君はコール・オヴ・ザ・グレイヴの系統呪文を身につける。
変成術 Transmutation
変成術士である君は、物の物理的な性質を変化させ、クリーチャー、物体、自然界、さらには自分自身さえも気まぐれに変えることができる。君は変化は避けられないことだと理解している。君は呪文書に1レベルの変成術呪文(マジック・ウェポンなど)を1つ追加する。君はフィジカル・ブーストの系統呪文を身につける。
総合術士 Universalist
秘術系統1つに狭く専門化する代わりに、君は総合術士のウィザード――すべての系統を均等に学ぶことで秘術の技の全容を理解しようと専念する――になることができる。君は1日に1回だけではなく発動できる呪文レベル毎に、君はそのレベルの呪文を再び使用できるようにするために“絆のアイテムからの消費”を使用できる。君はウィザードのクラス特技を追加で1つ得、選択した1レベル呪文1つを呪文書に追加する。
ウィザード特技 Wizard Feats
ウィザード特技を得るレベル毎に、君は以下に示す特技のいずれかを選択できる。特技を得る前に、君はすべての前提条件を満たしていなければならない。
レベルではなく名前でウィザード特技を探す必要があるなら、この表を使用するとよいだろう。
特技 | レベル |
---|---|
《安定した呪文発動》 | 6 |
《エネルギー抵抗克服》 | 10 |
《絆の維持》 | 8 |
《絆の焦点》 | 14 |
《キャントリップ追加》 | 2 |
《高度系統呪文》 | 8 |
《呪文隠蔽》 | 2 |
《呪文音声省略》 | 4 |
《呪文改変》 | 16 |
《呪文距離伸長》 | 1 |
《呪文結合》 | 20 |
《呪文効果範囲拡大》 | 1 |
《呪文再準備》 | 18 |
《呪文修正体得》 | 20 |
《呪文相殺》 | 1 |
《呪文発動高速化》 | 10 |
《呪文反射》 | 14 |
《優れた絆》 | 14 |
《大魔術士の力》 | 20 |
《たやすき精神集中》 | 16 |
《多様なる総合術》 | 8 |
《使い魔》 | 1 |
《使い魔強化》 | 2 |
《抵抗破り》 | 6 |
《手際の良い呪文相殺》 | 12 |
《徒弟の手》 | 1 |
《武器への魔力付与》 | 4 |
《物質要素省略》 | 1 |
《巻物の碩学》 | 10 |
《魔法感知》 | 12 |
《無限の可能性》 | 18 |
《焦点の連結》 | 4 |
1レベル
《呪文距離伸長》 [one-action] 特技1 Reach Spell
精神集中 呪文修正 ウィザード
君は呪文の距離を引き伸ばすことができる。次に使用するアクションが距離のある呪文を“呪文発動”するなら、その呪文の距離を30フィート増加させる。呪文の距離を伸ばす標準的なルールに従い、発動する呪文の距離が通常は接触である場合、その距離は30フィートに伸びる。
《呪文効果範囲拡大》 [one-action] 特技1 Widen Spell
操作 呪文修正 ウィザード
君は呪文のエネルギーを操作することで、より広い範囲に影響を及ぼさせる。君が次のアクションで範囲が爆発、円錐形、直線のいずれかで持続時間のない呪文を“呪文発動”するなら、その呪文の範囲を拡大する。通常なら半径が10フィート以上の爆発なら、その半径を5フィート増加させる(半径が5フィート以下の爆発は影響を受けない)。通常なら長さが15フィート以下の円錐形または直線なら、その長さを5フィート増加させる。通常なら長さが20フィート以上の円錐形や直線なら、その長さを10フィート増加させる。
《呪文相殺》 [reaction] 特技1 Counterspell
防御術 秘術 ウィザード
トリガー クリーチャーが君が準備していた呪文を“呪文発動”する。
敵が“呪文発動”したとき、その具現化を見ることができるなら、君は自分の魔法を使ってそれを無効化できる。君は準備済み呪文を消費し、トリガーとなったクリーチャーの同じ呪文の発動を相殺する。君はトリガーとなった呪文を“呪文発動”したかのように、その呪文スロットを失う。そのとき、トリガーとなった呪文の無効化を試みる。
《使い魔》 特技1 Familiar
ウィザード
君は自分に仕え、呪文発動を支援するクリーチャー1体と契約を結ぶ。君は使い魔を得る。
《徒弟の手》 特技1 Hand of the Apprentice
ウィザード
前提条件 総合術士のウィザード
君は魔法を使って敵に武器を投げることができる。君はハンド・オヴ・ジ・アプレンティス の総合術士呪文を得る。総合術士呪文は系統呪文と同様、焦点化呪文の一種である。君は焦点化プールに1焦点化ポイントを持つ。焦点化呪文の詳細については秘術系統を参照すること。
《物質要素省略》 特技1 Eschew Materials
ウィザード
君は巧妙な回避策を使い、特定の物質による秘術の本質を再現できる。物質構成要素を必要とする呪文を“呪文発動”する際、空中に複雑な置換の印章を描くことで、呪文構成要素ポーチなしでこれらの物質要素を提供できる。動作構成要素を提供する場合とは異なり、このように“呪文発動”する場合、君は完全に手を自由にしていなければならない。この効果を持ってしても、呪文のコストの欄に列挙されている物質を省略することはできない。
2レベル
《キャントリップ追加》 特技2 Cantrip Expansion
ウィザード
熱心な学習を通して、君は簡単な呪文をより幅広く準備できる。毎日、君はキャントリップを追加で2つ準備できる。
《呪文隠蔽》 [one-action] 特技2 Conceal Spell
精神集中 操作 呪文修正 ウィザード
身振りや文言を他の会話や動きの中に隠すことで、君は“呪文発動”をしている事実を隠そうとする。次のアクションで“呪文発動”を使用するなら、君は観察者1体以上の知覚DCに対して〈隠密〉判定を試みる。呪文に音声要素が含まれている場合、君はさらに観察者の知覚DCに対して〈ペテン〉判定も試みなければならない。観察者の知覚DCに対する判定(音声要素がある場合は両方の判定)に成功したなら、観察者は君が呪文を発動していることに気付かない――物質要素、動作要素、音声要素によって本来なら近くの人が呪文の発動に明らかにわかるような形で現れる場合でも、である。
この能力は呪文の効果ではなく、呪文発動のアクションとその具現化のみを隠す。そのため、観察者は君から放たれる光線の軌跡を目にしたり、君が虚空に消える姿を見たりすることはあるかもしれない。
《使い魔強化》 特技2 Enhanced Familiar
ウィザード
前提条件 《使い魔》
君は追加の魔法のエネルギーを使い魔に注入する。毎日、使い魔能力か主人能力を2つではなく4つ選択できる。
4レベル
《呪文音声省略》 [one-action] 特技4 Silent Spell
精神集中 呪文修正 ウィザード
前提条件 《呪文隠蔽》
君は本来必要とされる力ある言葉を口にすることなく、多くの呪文を発動する方法を学んだ。次のアクションが“呪文発動”で、呪文が音声要素とそれ以外に1つ以上の構成要素を持つものであったなら、君はその呪文から音声要素を取り除くことができる。これにより、呪文はより静かになり、音の伝わらない範囲でも呪文を発動できるようになる。ただしこの呪文には視覚的な具現化が残されている。そのため、君の呪文発動を見た者にとって、呪文発動が目立たなくなるというわけではない。
《武器への魔力付与》 [free-action] 特技4 Bespell Weapon
ウィザード
使用回数 ターン1回
必要条件 直前のアクションがキャントリップ以外の“呪文発動”だった。
必要条件 直前のアクションがキャントリップ以外の“呪文発動”だった。
君は呪文のエネルギーを吸い上げ、君が使用している武器1つに注ぎ込む。君のターン終了時まで、この武器は1d6の追加ダメージを与える。この追加ダメージのダメージ種別は、君が直前に発動した呪文の系統に応じて決まる。
- 防御術:[力場]ダメージ
- 召喚術と変成術:武器と同じ種別のダメージ
- 占術、心術、幻術:[精神]ダメージ
- 力術:呪文が与える種別のダメージ。呪文がダメージを与えない場合、[力場]ダメージ
- 死霊術:[負のエネルギー]ダメージ
《焦点の連結》 特技4 Linked Focus
ウィザード
君は絆のアイテムを、系統呪文に力を与えるエネルギーの井戸と結びつけた。君が秘術系統の呪文を発動するために“絆のアイテムからの消費”を使用するとき、同時に1焦点化ポイントを回復する。
6レベル
《安定した呪文発動》 特技6 Steady Spellcasting
ウィザード
君は自分の技術に自信があるため、“呪文発動”時に精神集中を簡単に失うことはない。リアクションによって君の呪文発動アクションが妨害される時、君はDC 15の平目判定を試みる。この判定に成功すると、君のアクションは妨害されない。
《抵抗破り》 特技6 Spell Penetration
ウィザード
君は、竜、異世界の存在、その他特定の強力なクリーチャーが持つ、生来の魔法への抵抗を克服する方法を研究した。魔法に対するセーヴィング・スローに状態ボーナスを持つクリーチャーは、君の呪文に対してそのボーナスを1だけ減少させる。
8レベル
《絆の維持》 [one-action] 特技8 Bond Conservation
操作 呪文修正 ウィザード
前提条件 秘術の絆
必要条件 君の使用した直前のアクションが“絆のアイテムからの消費”だった。
必要条件 君の使用した直前のアクションが“絆のアイテムからの消費”だった。
君が消費した、絆のアイテムに貯められていた秘術エネルギーを注意深く扱うことで、君は別の少し弱い呪文を発動できるだけのエネルギーを残しておくことができる。次に行うアクションが“絆のアイテムからの消費”のエネルギーを使用した“呪文発動”なら、君は“絆のアイテムからの消費”の使用回数を追加で1回得る。君はこの“絆のアイテムからの消費”の追加の使用回数を、次のターンの終わりまでに使用しなければならず、そうしなければこの使用回数は失われる。また、この追加の使用回数は、最初に“絆のアイテムからの消費”を用いて発動した呪文よりも2レベル以上低い呪文にしか使用できない。
《高度系統呪文》 特技8 Advanced School Spell
ウィザード
前提条件 秘術系統
君は自身の秘術系統に応じた、強力な新しい系統呪文を使用できるようになる。君が防御術士なら、エナジー・アブソープションを得る。君が召喚術士なら、ディメンジョナル・ステップスを得る。君が占術士なら、ヴィジラント・アイを得る。君が心術士なら、ドレッド・オーラを得る。君が力術士なら、エレメンタル・テンペストを得る。君が幻術士なら、インヴィジビリティ・クロークを得る。君が死霊術士なら、ライフ・サイフォンを得る。君が変成術士なら、シフティング・フォームを得る。君の焦点化プールにおける焦点化ポイントの数を1増加させる。
《多様なる総合術》 特技8 Universal Versatility
ウィザード
前提条件 総合術士のウィザード、《徒弟の手》
君はいかなる魔法の系統であっても、基本となる能力を使用できるようになる。日毎の準備の間に、君は1レベルの専門術士ウィザードが得る8つの系統呪文から1つを選択する。
君は選択した系統呪文を次の日毎の準備まで使用できる。“再焦点化”の際、君はこれら8つの系統呪文から別の系統呪文を選択して前の系統呪文と置き換えることができる。君の焦点化プールにおける焦点化ポイントの数を1増加させる。
10レベル
《エネルギー抵抗克服》 [one-action] 特技10 Overwhelming Energy
操作 呪文修正 ウィザード
君は複雑に体を動かし、抵抗を克服するために呪文のエネルギーを変化させる。次のアクションが“呪文発動”なら、その呪文は目標の[音波]、[火炎]、[強酸]、[氷雪]、[雷撃]ダメージに対する抵抗を、君のレベルに等しい値だけ無視する。これは持続ダメージやウォール・オヴ・ファイアーによって作られた壁といった呪文の継続する効果によるダメージを含む、呪文が与えるすべてのダメージに適用される。クリーチャーの完全耐性はこの効果の影響を受けない。
《呪文発動高速化》 [free-action] 特技10 Quickened Casting
精神集中 呪文修正 ウィザード
使用回数 1日1回
精神を摩耗させる処理によって、君は呪文の発動を修正して、より短い時間しかかからないようにする。君の次のアクションが、君の発動できる最も高いレベルよりも2レベル以上低いウィザード呪文スロットのウィザード呪文か、ウィザードのキャントリップの呪文発動なら、そのアクション数を1アクションだけ減少させる(最低1アクション)。
《巻物の碩学》 特技10 Scroll Savant
ウィザード
前提条件 〈製作〉の達人
日毎の準備において、君は呪文書から秘術系統の呪文を収めた一時的な巻物を2つ作成できる。これらの巻物は通常の巻物のルールに従うが、いくつかの制限がある。巻物それぞれは異なる呪文レベルのものでなければならず、巻物の呪文レベルはいずれも君の発動できる最も高い呪文レベルよりも2レベル以上低くなければならない。この方法で作成した巻物は、次の日毎の準備を行う際に魔力を失う。一時的な巻物は売却できない。
君の秘術呪文DCへの習熟が達人なら、日毎の準備中に一時的な巻物を3つ作成できる。君の習熟が伝説なら、君は一時的な巻物を4つ作成できる。
12レベル
《手際の良い呪文相殺》 特技12 Clever Counterspell
ウィザード
準備した呪文を創造的に応用することで、君は敵の魔法を本来より広範に渡って《呪文相殺》することができるようになる。君は同じ呪文を準備している場合にのみ《呪文相殺》で敵の呪文を相殺するのではなく、敵の発動しようとする呪文が自分の呪文書に収められている場合に《呪文相殺》を使用できるようになる。この方法で《呪文相殺》を使用する場合、消費する準備済み呪文は、そのトリガーとなった呪文の特性を1つ以上共有していなければならない(魔法体系に関する特性は共有しているものとは見なさない)。GMが望むなら、代わりに反対の特性の呪文や、トリガーとなった呪文に論理的に反対の呪文を使用できるとしてもよい(氷雪呪文や水呪文を使用してファイアーボールを相殺したり、リムーヴ・フィアーを使用してフィアーを相殺したり、というように)。
どの呪文を消費するかに関係なく、君は無効化判定に-2のペナルティを受ける。ただし、消費する呪文が特に適切であると判断するなら、GMはこのペナルティをなくしてもよい。
《魔法感知》 特技12 Magic Sense
秘術 探知 占術 ウィザード
君は自分の周囲の魔法に対する、文字通りの第六感を持つ。
君は常に1レベルのディテクト・マジック呪文を使用しているかのように、魔法のオーラの存在を感知できる。これは視界内にある魔法のみを検知する。君が“捜す”アクションを行うなら、君は“捜す”の通常の利益に加え、見えるものに対して3レベルのディテクト・マジック呪文の利益を得る。君は自分のターンの開始時または終了時に、フリー・アクションとしてこの感覚を抑止したり再起動したりすることができる。
14レベル
《絆の焦点》 特技14 Bonded Focus
ウィザード
前提条件 秘術の絆
君と絆のアイテムとのつながりにより、焦点化プールが増加する。
君が直前に“再焦点化”してから2焦点化ポイント以上消費しており、君の絆のアイテムを所持しているなら、君は“再焦点化”時に焦点化ポイントを1ポイントではなく2ポイント回復する。
《呪文反射》 特技14 Reflect Spell
ウィザード
前提条件 《呪文相殺》
目標のクリーチャーあるいは範囲に影響を及ぼす呪文を相殺するために《呪文相殺》を使用して成功したなら、君はその呪文の効果を元の術者に反射することができる。範囲呪文でも通常は複数のクリーチャーに影響を及ぼす呪文であったとしても、反射された呪文はもとの術者にのみ影響を及ぼす。元の術者は反射された呪文に対して、通常通りセーヴを試みたり他の防御を使用したりすることができる。
《優れた絆》 特技14 Superior Bond
ウィザード
前提条件 秘術の絆
絆のアイテムから力を引き出す時、君は後で使用できるようにその中にエネルギーを残しておくことができる。君は“絆のアイテムからの消費”を1日に追加で1回使用できる。この追加の使用回数では、君は発動できる最高レベルよりも2レベル以上低い呪文の発動のみを行える。
16レベル
《呪文改変》 [two-actions] 特技16 Spell Tinker
精神集中 ウィザード
君は自分自身に呪文を発動する際、選択肢を変更するすべを身に着けた。効果をいくつかの選択肢の中から選ぶ呪文(レジスト・エナジーやスペル・イミュニティ、またはいくつかの姿を与える完全変身特性の呪文など)を自分自身にのみ発動したあと、君は“呪文発動”の際にこの選択肢を変更できる(例えば、レジスト・エナジーで異なる種別のダメージを選択するなど)。
ただし、この改変により呪文の完全性が弱まり、その結果残りの持続時間は半減する。
呪文の効果が既に使い切られている場合や、最初の選択肢の効果が切り替え後も何らかの形で持続する場合(例えば、選択肢の1つが消耗品のアイテムを作成する場合や君を治療するなど)、特技が元となった呪文によって提供される効果よりも強力な効果を生み出す場合には、この特技を使用することはできない。GMが《呪文改変》を適用できるかを最終的に判断する。
《たやすき精神集中》 [free-action] 特技16 Effortless Concentration
ウィザード
トリガー 君がターンを開始する。
君はほとんど何も考えずに呪文を維持する。君は“呪文の維持”アクションの効果を即座に得る。これにより、君は起動しているウィザード呪文1つの持続時間を延長できる。
18レベル
《呪文再準備》 特技18 Reprepare Spell
ウィザード
君は呪文スロットの一部を何度も再利用する方法を発見した。君は今日既に発動した呪文を10分かけて準備し、その呪文スロットを回復して再度使用できるようにすることができる。この呪文は4レベル以下で、持続時間のないものでなければならない。同じ日に既に再準備した呪文であっても、この方法で呪文を再準備できる。
君が秘術の論文で呪文置換を選択している場合、君は代わりに消費したスロットに別の呪文を準備できる。ただしその呪文は持続時間がないものでなければならない。そのスロットを一度でも再準備したなら、君は秘術の論文を使用して、持続時間のない呪文だけをその呪文スロットに収めることができる。
《無限の可能性》 特技18 Infinite Possibilities
ウィザード
君は自分の精神の中に存在する呪文スロットを、一度に複数の異なる可能性として準備する方法を見つけ出した。日毎の準備中に1回、君は呪文スロット1つを呪文の準備に使うのではなく、無限の可能性を保持するために使用できる。この呪文スロットを使用することで、君は自分の呪文書から、指定したスロットよりも2レベル以上低い呪文1つを発動できる。この呪文はすべての意味で2レベル低い呪文として作用する。呪文を発動するまで、この呪文スロットには特定の呪文は準備されていない。
20レベル
《呪文結合》 特技20 Spell Combination
ウィザード
君は呪文を組み合わせ、1回の発動で複数の効果を生み出すことができる。2レベルと1レベルを除き、各レベルの呪文スロット1つが、呪文結合スロットとなる。これはキャントリップには適用されない。呪文を準備する際、君は2つの呪文を結合して呪文結合スロットを埋めることができる。
呪文結合スロットの各呪文は、スロットのレベルより呪文レベルが2レベル以上低くなければならず、両方が1体のクリーチャーまたは1つの物体のみを目標とするか、1体のクリーチャーまたは1つの物体を目標にする選択肢を持つものでなければならない。
呪文結合スロットの各呪文は、効果があるかどうかを判断するための手段が同じでなければならない。すなわち、両方の呪文が遠隔呪文攻撃ロールを必要とするか、同じ種類のセーヴィング・スローを必要とするか、自動的に目標に影響を及ぼすかのいずれかでなければならない。
結合呪文を発動すると、構成している呪文が通常なら複数の目標に影響を及ぼす場合でも、1体の目標にのみ効果を及ぼす。。呪文結合スロット内のいずれかの呪文に追加の制限がある場合(生きているクリーチャーのみを目標とする、など)、そのすべての制限に従う必要がある。
結合呪文は構成している呪文における、短い方の距離を使用する。結合呪文は1つの呪文であるかのように解決するが、構成している呪文両方の効果を適用する。例えば、呪文の目標が結合呪文に対するセーヴに成功したなら各呪文の成功時の効果が適用され、大失敗したなら両方の呪文の大失敗の効果が適用される。
《呪文修正体得》 特技20 Metamagic Mastery
ウィザード
君が呪文を修正しても、通常の呪文発動と同程度にしか時間がかからない。君は1アクションの呪文修正アクションをフリー・アクションとして使用できる。
《大魔術士の力》 特技20 Archwizard’s Might
ウィザード
前提条件 大魔術士の呪文学
君は秘術魔法最大の秘密を体得した。君は10レベルの呪文スロットを追加で1つ得る。
ウィザードの系統呪文 Wizard School Spells
ウィザードは以下の系統呪文を得ることができる。
インヴィジビリティ・クローク 焦点化 4 Invisibility Cloak
アンコモン 幻術 ウィザード
発動 [two-actions] 動作; 持続時間 1分
高レベル化(6レベル) 持続時間は10分に増加する。
高レベル化(8レベル) 持続時間は1時間に増加する。
高レベル化(8レベル) 持続時間は1時間に増加する。
ヴィジラント・アイ 焦点化 4 Vigilant Eye
アンコモン 占術 ウィザード
発動 [one-action] 動作
距離 500フィート; 持続時間 1時間
距離 500フィート; 持続時間 1時間
作成時、この目は術者の視線が通る場所にいなければならない。
呪文の持続時間が終了するとき、術者はフリー・アクションとして1焦点化ポイントを費すことで、持続時間を追加で1時間延長することができる。ただし、通常通り、次の日毎の準備の時点で即座に終了する。
ウォープト・テレイン 焦点化 1 Warped Terrain
アンコモン 幻術 視覚 ウィザード
発動 [one-action] ~ [three-actions] 動作、音声
距離 60フィート; 効果範囲 5フィート以上の爆発; 持続時間 1分
距離 60フィート; 効果範囲 5フィート以上の爆発; 持続時間 1分
範囲内のすべての面(通常は地面)を覆う、幻の障害地域を生み出す。この幻の中を移動するクリーチャーは、そのマスを移動困難地形として扱う。クリーチャーは“捜す”アクションを使用したり、他の方法で幻術とやりとりするアクションを使用したりした後で、通常通り看破を試みることができる。看破に成功下クリーチャーは、残りの持続時間の間この効果を無視する。“呪文発動”のために使用する追加の1アクション毎に爆発の半径が5フィートずつ増加し、3アクションで最大10フィートとなる。
高レベル化(4レベル) 面だけではなく空中でも幻を現す。これにより、飛行するクリーチャーにとっても移動困難地形として機能させることができる。
エナジー・アブソープション 焦点化 4 Energy Absorption
アンコモン 防御術 ウィザード
発動 [reaction] 音声
トリガー 効果が術者に[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]ダメージを与える。
トリガー 効果が術者に[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]ダメージを与える。
トリガーとなった効果が発生させた、[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]ダメージのいずれかから選択した1種類に対する抵抗15を得る。抵抗はトリガーとなった効果の最初のダメージにのみ適用される。
高レベル化(+1) 抵抗は5ずつ増加する。
エレメンタル・テンペスト 焦点化 4 Elemental Tempest
アンコモン 力術 呪文修正 ウィザード
発動 [one-action] 音声
術者は呪文発動により、元素エネルギーの嵐で自身を取り囲む。
術者の行う次のアクションが、ウィザードの呪文スロットから[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]ダメージを与える力術呪文の“呪文発動”なら、その呪文を発動したときにエネルギーが術者を中心とした10フィートの放射の範囲を覆う。範囲内の敵は発動した呪文の呪文レベル毎に1d6ダメージを受ける。このダメージのダメージ種別は術者が呪文で与えるものと同じであり、元の呪文が複数の種別のダメージを与える場合は1つを選択する。エレメンタル・テンペストと他の呪文の両方からのダメージを受ける敵がいる場合、ボーナス、ペナルティ、抵抗、弱点などを適用する前に、両方のダメージを合算すること。
オーグメント・サモニング 焦点化 1 Augment Summoning
アンコモン 召喚術 ウィザード
発動 [one-action] 音声
距離 30フィート; 目標 術者が招来したクリーチャー1体
距離 30フィート; 目標 術者が招来したクリーチャー1体
術者は招来されたクリーチャーの能力を増強する。目標は招来の持続時間の間(最大で1分間)、全ての判定に+1の状態ボーナスを得る。このボーナスはACを含むクリーチャーのDCにも適用される。
コール・オヴ・ザ・グレイヴ 焦点化 1 Call of the Grave
アンコモン 秘術 攻撃 死霊術 ウィザード
発動 [two-actions] 動作、音声
距離 30フィート; 目標 生きているクリーチャー1体
距離 30フィート; 目標 生きているクリーチャー1体
術者は不調状態にするエネルギーの光線を発射する。呪文攻撃ロールを行う。
成功 目標は不調状態1となる。
失敗 目標は影響を受けない。
シフティング・フォーム 焦点化 4 Shifting Form
アンコモン 部分変身 変成術 ウィザード
発動 [one-action] 動作; 持続時間 1分
術者は以下に示す能力のいずれか1つを得る。術者はこの呪文を解除できる。
- 術者は移動速度に20フィートの状態ボーナスを得る。
- 術者は移動速度の半分に等しい水泳移動速度を得る。
- 術者は暗視を得る。
- 術者は一対の爪を得る。これらは1d8の[斬撃]ダメージを与え、機敏特性と巧技特性を持つ素手攻撃である。
- 術者は鋭敏嗅覚60フィート(不明瞭)を得る。
チャーミング・ワーズ 焦点化 1 Charming Words
アンコモン 聴覚 心術 無力化 言語 精神 ウィザード
発動 [one-action] 音声
距離 30フィート; 目標 クリーチャー1体
セーヴィング・スロー 意志; 持続時間 術者の次のターンが始まるまで
距離 30フィート; 目標 クリーチャー1体
セーヴィング・スロー 意志; 持続時間 術者の次のターンが始まるまで
敵の怒りを逸らすために、術者は魅惑的な言葉を囁く。目標は意志セーヴを試みなければならない。
大成功 目標は影響を受けない。
成功 目標は術者に対する攻撃ロールとダメージ・ロールに、-1の状況ペナルティを受ける。
失敗 目標は術者に対して敵対的なアクションを行えない。
大失敗 目標は朦朧状態1となり、術者に対して敵対的なアクションを行えない。
ディヴィナーズ・サイト 焦点化 1 Diviner’s Sight
アンコモン 精神集中 占術 幸運 ウィザード
発動 [one-action] 音声
距離 30フィート; 目標 同意する生きているクリーチャー1体; 持続時間 術者の次のターン終了時まで
距離 30フィート; 目標 同意する生きているクリーチャー1体; 持続時間 術者の次のターン終了時まで
術者は目標の未来を垣間見る。d20をロールする。目標が非公開ではないセーヴィング・スローまたは技能判定を試みたとき、目標はロールした出目の代わりに術者がロールした出目を使用できる。出目が使用されると、この呪文は終了する。
別の用法として、持続時間の間にこの呪文を終了させることで、目標の非公開判定1つのダイスの結果を明らかにできる。この呪文を再び発動すると、君が発動した効果を発揮しているディヴィナーズ・サイトと、目標に効果を発揮しているディヴィナーズ・サイトは終了する。
ディメンジョナル・ステップス 焦点化 4 Dimensional Steps
アンコモン 召喚術 瞬間移動 ウィザード
発動 [one-action] 動作
距離 20フィート
距離 20フィート
術者は視線の通る20フィート以内の場所に瞬間移動する。
高レベル化(+1) 術者が瞬間移動できる距離は5フィートずつ増加する。
ドレッド・オーラ 焦点化 4 Dread Aura
アンコモン オーラ 心術 感情 恐怖 精神 ウィザード
発動 [two-actions] 動作、音声
効果範囲 術者を中心とした半径30フィートの放射; 持続時間 維持、1分まで
効果範囲 術者を中心とした半径30フィートの放射; 持続時間 維持、1分まで
術者は恐ろしいオーラを放つ。範囲内の敵は恐れ状態1となり、その状態値を減少できない。
フォース・ボルト 焦点化 1 Force Bolt
アンコモン 力術 力場 ウィザード
発動 [one-action] 動作
距離 30フィート; 目標 クリーチャー1体
距離 30フィート; 目標 クリーチャー1体
術者の指先から目標を違えぬ力場の矢が発射される。この矢は自動的に命中し、目標に1d4+1の[力場]ダメージを与える。
高レベル化(+2) ダメージは1d4+1ずつ増加する。
ハンド・オヴ・ジ・アプレンティス 焦点化 1 Hand of the Apprentice
アンコモン 攻撃 力術 ウィザード
発動 [one-action] 動作
距離 500フィート; 目標 クリーチャー1体
距離 500フィート; 目標 クリーチャー1体
術者が手に持っている修得の近接武器を目標に投げ、呪文攻撃ロールを行う。成功すると、近接攻撃が命中したかのように武器のダメージを与える。このダメージには【筋力】修正値の代わりに呪文発動能力修正値を加える。大成功では2倍のダメージを与え、武器のクリティカル開眼効果を加える。判定の結果に関わらず、武器は術者に向かって飛んできてその手へと戻る。
フィジカル・ブースト 焦点化 1 Physical Boost
アンコモン 変成術 ウィザード
発動 [one-action] 音声
距離 接触; 目標 生きているクリーチャー1体; 持続時間 目標の次のターン終了まで
距離 接触; 目標 生きているクリーチャー1体; 持続時間 目標の次のターン終了まで
プロテクティヴ・ウォード 焦点化 1 Protective Ward
アンコモン オーラ 防御術 ウィザード
発動 [one-action] 動作
効果範囲 術者を中心とした半径5フィートの爆発; 持続時間 維持、ただし1分まで
効果範囲 術者を中心とした半径5フィートの爆発; 持続時間 維持、ただし1分まで
術者は保護魔法のきらめくオーラを放つ。術者と範囲内の味方はACに+1の状態ボーナスを得る。“呪文の維持”をするたび、放射の半径は5フィートずつ増加し、最大で30フィートとなる。
ライフ・サイフォン 焦点化 4 Life Siphon
アンコモン 治療 死霊術 ウィザード
発動 [reaction] 音声
トリガー 死霊術系統のウィザード呪文を発動するために、術者がウィザードの呪文スロット1つを使用する。
トリガー 死霊術系統のウィザード呪文を発動するために、術者がウィザードの呪文スロット1つを使用する。
術者は呪文の魔力の一部を使用して自身を癒し、呪文レベル毎に1d8ヒット・ポイントを回復させる。