atwiki-logo
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このウィキの更新情報RSS
    • このウィキ新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡(不具合、障害など)
ページ検索 メニュー
p2rdj @ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
p2rdj @ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
p2rdj @ ウィキ
ページ検索 メニュー
  • 新規作成
  • 編集する
  • 登録/ログイン
  • 管理メニュー
管理メニュー
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • このウィキの全ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ一覧(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このwikiの更新情報RSS
    • このwikiの新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡する(不具合、障害など)
  • atwiki
  • p2rdj @ ウィキ
  • CR
  • ゲーム・マスター

p2rdj @ ウィキ

ゲーム・マスター

最終更新:2024年12月01日 17:09

finis

- view
メンバー限定 登録/ログイン

ゲーム・マスター Game Mastering

 ゲーム・マスターとして、君はパスファインダーの各セッションを運営し、プレイヤーとゲーム世界との間の繋がりを与える。プレイヤー・キャラクターがモンスターと戦ったり、世界を探検したりする際の場面を提供するのは、君にかかっている。

ゲーム中の共同作業 Collaboration During Play

 ゲーム・マスターとして、君は世界やルールの機能、そしてノンプレイヤー・キャラクターがどのように行動するかについて、最終的な決定権を持っている。
 このルールの目的は、ゲームをスムーズに進行させることであり、一人の案内手が一貫性を保つための指針を示すことだ。一人のプレイヤーをグループにおける独裁者にするためのものではない。ロールプレイング・ゲームに協力は欠かせないのだ!
 ゲームにどのような共同作業を導入するかは、プレイヤーが何に興味を持っているかによる。あるグループでは、プレイヤーは世界やノンプレイヤー・キャラクターに詳細な情報を加えることを楽しむ。また、世界は自分で制御できないもので、自分のキャラクターが決めたことしかできないように感じたい人もいる。どちらも楽しく、受け入れられる遊び方だ。
 どのようなジャンルの物語を重視したいか、世界のどの地域で遊びたいか、どのような敵と戦いたいか、どの出版物の冒険を遊びたいかなど、始める前にプレイヤーから意見を収集することをお勧めする。良いキャンペーンは、プレイヤーがどんなキャラクターを演じたいか、君がどんな冒険を走らせるか、最初のうちは多少の行き違いがある。その結果、キャラクターに合わせて完全に冒険を作り上げることから、特定の出版された冒険を選び、プレイヤーにキャラクターを作ってもらい、その冒険の冒頭部分を脚色して、すべてのプレイヤー・キャラクターが関わる理由を持たせることまで、様々な方法が考えられる。
 プレイしていると、共同作業の機会が何度も訪れる。プレイヤーがキャンペーン中の出来事について提案を投げかけたり、具体的な理論を持ち出したりするのは、彼らがゲームの中で何を見たいかを語っているのだ。彼らの提案を取り入れる方法を見つけよう。ただし、それぞれに予想外のものが含まれるよう、十分なひねりを加えよう。
 「単発/one-shot」と呼ばれることもある一回限りのセッションは、君のグループがパスファインダーを試している場合や、特定の短い冒険をプレイしたい場合に最適だ。これはより少ない時間しか必要としないが、プレイヤーが物語や設定に没頭する機会が少ないため、GMはゲームの出来事をすぐに魅力的な形で提示することが要求される。
 もしより長いキャンペーンをプレイしたいのであれば、冒険内の出来事だけではなく、ゲーム内のキャラクターに直接語りかけるような物語の要素を追加する必要があるだろう。つまり、キャラクターにはグループ全体の目標に加え、個々の目標が必要だ。
 キャンペーンがどれくらいの期間かかるかは、実際にプレイする時間、あるいはキャラクターが進めるつもりのキャラクター・レベルの値を見て推測することができる。通常、グループのレベル・アップには3~4回のセッションが必要だ。セッションをキャンセルすることもあるだろうから、週1回のプレイを1年間続けた場合、およそ14レベルのキャンペーン、2週間に1回のプレイを1年間続けた場合、8レベルのキャンペーン、毎月プレイした場合、5レベルのキャンペーンが可能になる。月1回しかプレイしないのであれば、セッションを長くして、素早く進めることを検討してもよいだろう。
 キャンペーンはいつまで続けても構わない。多くのグループは1つの冒険をプレイした後、別の冒険に挑戦することを決める。しかし、期限のないキャンペーンを行う場合、次の冒険でキャンペーンが終了した場合に満足に終了できないような進行中のプロットが起きないようにしよう。物語上重要でありながら、プレイヤー・キャラクターが15レベルになるまで止められないような圧倒的に強力な悪役を登場させた場合、8レベルでキャンペーンを終了すると拍子抜けしてしまうだろう。
 キャンペーンの長さと範囲を見積もるときは、控えめにするのが得策だ。複雑なプロットを織り交ぜた20レベルの壮大なキャンペーンを実施したい気持ちは常にあるが、グループが月に1回しかプレイできず、プレイヤーに他にやらないといけないことがある場合、そのようなゲームはずっと前に破綻する可能性がある。

ゲーム・マスター Game Mastering

 ゲーム・マスターになると、仲間たちと楽しい時間を過ごすことができるやりがいのある仕事を受け持つことになる。主な仕事内容は……
  • グループの冒険の物語を、説得力のある一貫した方法で伝える。
  • ゲームの舞台となる世界を、ファンタジーの要素を含みつつ現実的な世界観に近づけていく。
  • 斬新なコンセプトでプレイヤーや自分自身を楽しませ、創造的なアイデアには興味深い結果で報いる。
  • ゲーム・セッションの準備として、冒険を作ったり研究したり、キャラクターやプロットを作成したりする。
  • プレイヤーが予想外のことをしたとき、ノンプレイヤー・キャラクターや世界の他の勢力がどのような反応をするかを即興で考える。
  • 公平性を確保し、ゲームを進行させるためのルールを決定する。
 本章では、君がこれらの責任を果たすために必要な道具を提供する。以下の項では、キャンペーンの様々な構成要素を分解し、様々なプレイ・モードとPCが試みる作業に対するDCの設定方法、プレイヤー・キャラクターへの様々な報酬の与え方、そして冒険者パーティに影響を与えるであろう環境の側面について説明する。

キャンペーンの立案 Planning a Campaign

 ゲームは通常、キャンペーン――1つのパーティに焦点を当てた連続した物語――として構成されている。
 キャンペーンは複数の冒険に細分化される。冒険は探索やノンプレイヤー・キャラクターとの交流を伴う小さな物語だ。冒険1つは物語1つを表し、キャンペーンの大きな連続下物語につながることもある。冒険のプレイは、1つ以上のゲーム・セッション――数時間かけてグループで冒険の一部をプレイする集まり――にまたがるものだ。
 キャンペーンは、君のゲームの全体的な構造を提供する。キャンペーンの準備をしながら、その範囲と主題を設定し、その中で行われる冒険や場面でそれを補強していく。

キャンペーンの長さ Campaign Length

 キャンペーンの長さは、数回のセッションから何年にも及ぶものまで、さまざまなものがある。キャンペーンの長さを決める主な要因は2つある。1つは物語を完結させるためにどれだけの時間が必要かであり、もう1つはプレイヤーがどれだけの時間をゲームに費やしたいと思っているかだ。

期待される期間 Expected Duration

 すべてのキャンペーンが同じ地点で終わるわけではない。あるキャンペーンは20レベルまで成長してプレイヤー・キャラクターが力の頂点に到達し、人間が直面しうる最大の脅威に立ち向かった後に終了する。また、もっと低いレベルで、グループが大悪党を倒した後や、重要な問題を解決した後に終了するものもある。
 キャンペーンを始めるときには、終点を決めておくといいだろう。しかし、他のプレイヤーと一緒に物語を語る以上、柔軟に対応する必要があるし、キャンペーンに対する最初の期待が間違っていることが明らかになるかもしれない。
 満足のいく結末に向かっているのだろうかと考える際には、他のプレイヤーに確認するのがいいだろう。例えば「あと2回くらいのセッションで終わりそうだけど、みんなそれでいいのかな? やり残したことはない?」と言ってみる。こうすることで、自分の想定が他のグループと一致しているかどうかを判断し、必要な調整を行うことができる。

主題 Themes

 キャンペーンで選択する主題は、他のキャンペーンと区別するためのものだ。この主題には、物語の主要な劇的な問題や、特定の環境またはクリーチャーを繰り返し使用することが含まれ、伝統的なハイファンタジー以外のジャンルを取り入れることもできる。また、キャンペーンに選んだ主題によって、使用する物語の文脈における要素も自ずと決まってくる。
 物語の主題は通常、プレイヤー・キャラクターや悪役の背景物語、動機、欠点に関係する。
 例えば、復讐を主題の1つに選んだ場合、復讐のために人生を引き裂いて、周囲の人々に悲劇的な損害を与える悪役を登場させるかもしれない。プレイヤー・キャラクターの中に、自由と解放を信じる混沌にして善の人物がいる場合、そのキャラクターを奴隷商人と戦わせることもできる。
 あるいは、愛を主題にして、ノンプレイヤー・キャラクターが運命的な恋愛に巻き込まれたり、失った恋人を取り戻そうとしたり、プレイヤー・キャラクターに言い寄られたりするかもしれません。
 似たような場所や関連するクリーチャーを使うことで、ばらばらの冒険の間につながりを持たせることができる。プレイヤーは、自分のキャラクターが巨人との交渉、海路の航海、デヴィルとの戦い、平原の探検など、繰り返し登場する要素に対応する専門家になったような気分になる。例えば、序盤に凍てつくツンドラを探検させ、その後、より困難な課題を抱えた氷の平原に移動させ、それまでに培った知識を駆使して克服させることもできる。また、ホブゴブリンはレベルが低いうちは手強い敵だが、レベルが上がるにつれて別のクリーチャーの手下になり、プレイヤーは成長を実感することができる。
 パスファインダーRPGはファンタジー要素を持つ冒険のゲームだが、他のジャンルの小説の要素を取り入れたキャンペーンへと組み替えることもできる。
 ホラーを取り入れたり、魔法を減らして成長速度を緩やかにして剣と魔法の物語にしたり、魔法を技術に変えてスチームパンクの設定にしたりするのも良いだろう。

責任あるプレイのための道具 Tools For Responsible Play

 同意と快適さはロールプレイング・ゲームにとって重要なテーマであり、多くのデザイナーが責任あるプレイを促進するための技術を作り出している。君が使える手法としては、Ron Edwardsが開発した「禁則事項と暗幕/Lines and Veils」、Johon Stavropoulosが開発した「Xカード/X Card」などがある。

禁則事項と暗幕 Lines and Veils

 「禁則事項/Line」と「暗幕/Veil」という用語によって、本項で説明されている概念のための共通の語彙を卓上に与えることができる。ラインとは、「拷問を禁則事項とする」のように、プレイヤーが取りうる行動に対する厳しい制限のことである。グループは禁則事項を行わないことに同意し、その内容をゲームから取り除く。
 暗幕とは、詳細な描写をしてはいけないものを指す。暗幕のためにシーンが暗転したり、グループが別の話題に移ったりするが、暗幕がかけられたものはそのまま発生する。例えば、「キャラクターが寝室に向かうシーンに暗幕をはる」というかもしれない。
 事前にいくつかの禁則事項と暗幕を考えておくことになるだろうが、プレイ中にもっと多くのことを見つけることができるかもしれない。

Xカード The X-Card

 カードに「X」を書けばXカードの出来上がりだ。どのプレイヤーもXカードを横に向ける(タップする)ことで、気分を害したコンテンツを黙って拒否できる。その時話していた人が少し巻き戻して、不快なコンテンツを削除して続ける。キャンペーンの基本的な指針を設定するのと同様に、誰かがXカードを使用した場合、質問も判断も議論も行わない。しかし、「どこまで巻き戻せばいい?」というように、必要であれば説明を求めることができる。代わりに手でXを作ったり、「それをXにしましょう」といったり、他の方法を使うグループもある。いずれにせよ、ゲーム終了時、指針を修正する必要があるかどうか、個人的にプレイヤーから情報を集めてほしい。
 詳細な情報はtinyurl.com/x-card-rpgに掲載されている。

迎え入れる環境 A Welcoming Environment

 ゲーム・マスターの役割には、君と他のプレイヤーがゲーム中にやりがいのある楽しい時間を過ごせるようにするという責任が伴う。ゲームでは難しい主題を扱ったり、ストレスを感じる瞬間もあるが、基本的にパスファインダーは余暇の活動である。プレイヤーたちが社会契約に従い、互いに尊重し合ってこそ、その状態を維持することができる。
 身体的または精神的な障害を持つプレイヤーは、健常なプレイヤーよりも困難であると感じるかもしれない。彼らが必要なリソースや支援を得られるように、プレイヤーと協力してほしい。さらに、意図的であるか不注意であるかにかかわらず、不適切な行動に注意し、ゲーム中のプレイヤーの仕草に十分な注意を払うように。プレイヤーが不快になっているのに気づいたら、ゲームを一時停止する、新しい方向に持っていく、セッション中またはセッション後にプレイヤーに個人的に確認する、あるいは適切と思われるその他の行動を取る権限が与えられる。
 もしプレイヤーが、君がGMとして提示した内容や他のプレイヤーやPCの行動など、ゲーム中の何かに対して不快感を示した場合、そのプレイヤーの声に注意深く耳を傾け、彼らが再びゲームを楽しめるようにするための措置を取るように。もし、君が事前に書いたものを準備していて、あるキャラクターや状況が不適切だと感じた場合、君にはその内容を適当に変更する権限が十分にある。また、プレイヤーの行動が容認できないものであったり、他の人を不快にさせるものであったりする場合は、その行動を改めるよう求める権限(と責任)がある。
 不快に感じている人に問題解決の責任を負わせるのは、全く適切ではない。間違いがあってもいい。大切なのは、どう対処して前に進むかだ。
 ゲームはみんなのものだ。不誠実な行為をする人が、君のゲームを弱体化させたり、他のプレイヤーを排除したりすることは決してあってはならない。君の努力は、ゲームとゲーム文化をすべての人に歓迎されるものにするための長期的なプロセスの一部なのだ。協力することで、あらゆる個性と経験を持つプレイヤーが安全だと感じられるコミュニティを構築することができる。

好ましくないコンテンツ Objectionable Content

 キャンペーンを始める前に、グループまたは個人でプレイヤーに確認し、どのような種類のコンテンツをゲーム内で許可したいのか、どのような話題を避けたいのかを確認する。物語はリアルタイムで展開されるため、ゲーム開始前にこれらの話題について話し合っておくことが重要だ。これらの話し合いはプレイヤーの安全を守るためのものなので、誰かがある種のコンテンツを禁止してほしい理由を聞くのはまずいことだ。誰かが禁止を望んだら、問答無用で禁止すること。
 映画やビデオゲームに使われるようなレーティングから始めるとよいだろう。パスファインダーのゲームにはしばしば暴力や残酷な表現が含まれる。これらの概念をどの程度写実的に表現するべきか、その限界は? プレイヤーは卓上で悪態をついてもいいのか? 蜘蛛や身体損傷を含む恐怖描写など、ゲームに登場させたくない恐怖症を持っている人はいるだろうか?
 不愉快な内容の制限を決めたら、君は重要な仕事が4つある。
  • この制限を他のプレイヤーに明確に伝えること。
  • 君とプレイヤーに境界線を守らせる。
  • セッション中に誰かがコンテンツについて不快に感じたら、たとえそれが事前の話し合いで禁止されていなかったとしても、すぐに行動する。問題が解決されたら、次に進む。
  • 誰かが故意にこれらの境界を押し広げ、抜け穴を見つけようとし、限界を再交渉しようとし、または不快なコンテンツに対する異なる耐性を持っている人々を軽蔑する場合、問題を解決する。
  • 精神操作を行う魔法を非難される形での使用。悪役はそのような行為をするかもしれないが、場面上では起こりないし、詳しく描写されることもないだろう。多くのグループは、悪役にこうした行為を一切させないことで、こうした非難されるべき行為を全く意識させないようにしている。

パスファインダーにおける基準 The Pathfinder Baseline

 プレイヤーは不愉快なコンテンツについてあまり多くを語らず、一般的な社会的道徳規範によって最も不快な話題はゲームから排除されると思い込んでいるかもしれない。そのようなやり方は、必ずしも正確ではない共有の前提に依存しているため、必ずしも十分ではない。以下は、多くのグループにとって有効な基本的な前提条件であり、君の好みや他のプレイヤーの好みに合わせて変更することができる。
  • 流血、負傷、四肢切断まで描写されるかもしれない。ただし、過度の血みどろ描写や残酷な描写は避けるべきだ。
  • 恋愛や性的な関係はゲーム内で起こり得るが、過度に示唆的な描写は避けること。性行為は常に「場面外」で行われる。プレイヤー・キャラクター同士の関係を始めようとする試みは、あるプレイヤーが他のプレイヤーを口説くのに似ていて不快になることがあるため、一般的には避けるべきだ(見知らぬ人とプレイする場合は全く不適切だ)。
  • 過度なグロテスク描写や汚物の描写は避けること。
 以下の行為はプレイヤー・キャラクターは絶対に行わないように。
  • 拷問
  • レイプ、同意のない性的接触、性的脅迫
  • 性的虐待を含む、子供への危害
  • 奴隷を所有すること、または奴隷貿易で利益を得ること

社会的な飛散ダメージ Social Splash Damage

 自分自身やゲームに参加している他のプレイヤーを大切にすることと同様に、自分のグループが周囲の人々に与える影響にも気を配ること。自分以外が主催する場所でプレイしている場合は、主催者に敬意を払うように。公共の場でプレイする場合は、自分のグループの快適さだけでなく、周りの人の快適さも考えること。
 ゲームでは、想像上の世界の小宇宙に吸い込まれるように夢中になりがちだが、周囲の現実世界を無視してはいけない。騒いだり、散らかしたり、生々しい暴力描写で通行人を驚かせたり、初めてRPGのプレイを目撃した好奇心旺盛な観客に冷たい態度を取ったりしていないか、気をつけよう。

障害を持つキャラクター Characters With Disabilities

 プレイヤーは、障害のあるキャラクターを作りたいと思うかもしれないし、プレイしているうちに、そのキャラクターが障害を持つことになるかもしれない。プレイヤーと共に、その障害を尊重した表現方法を見つけること。盲目状態や聴覚喪失状態といった状態は、長期に渡って障害と付き合ってきたキャラクターには適していない。ここでは、障害を持つPCのために使用する可能性のあるルールを提案する。

失明もしくは視覚障害 Blindness or Impaired Vision

 失明したキャラクターは視覚を使って何かを感知することができず、視力を必要とする知覚判定は大失敗し、視覚効果に対する完全耐性を持ち、盲目状態や目が眩んだ状態にることはない。君はこのキャラクターに《無視界戦闘》を無償で与えてもよい。
 視覚に障害のあるキャラクターは、視覚に基づく知覚判定に-2〜-4のペナルティを受けるかもしれない。眼鏡やその他の矯正器具を使用すれば、このペナルティを軽減または除去できるかもしれない。

聴覚障害もしくは難聴 Deafness or Being Hard of Hearing

 聴覚障害のキャラクターは聴覚を使用して何かを感知することができず、聴覚を必要とする知覚判定は大失敗し、聴覚効果に対する完全耐性を持つ。“呪文発動”のための音声要素や、魔法のアイテムを起動するための合言葉要素を供給するための練習は十分にできるが、聴覚要素を含む慣れないアクションを行う場合、DC5の平目判定に成功しなければそのアクションは失われてしまう。《手話》特技を無料で与え、さらに《読唇術》を与えるのが最適だろう。グループ内の他のキャラクター1人以上にも、同様に無料で《手話》を与えることができる。
 難聴のキャラクターは聴覚に基づく知覚判定に-2〜-4のペナルティを受けるかもしれない。聴覚の矯正器具は、典型的なパスファインダー世界では眼鏡ほど一般的ではない。

四肢欠損 Missing Limb

 魔法のアイテムの中には、特定の手足や体の一部を必要とするものがある。例えば、足がないキャラクター用にブーツをブレーサーに変えるなど、そのアイテムの代用品を認めるのは問題ない。
 手や腕がないキャラクターは、両手を必要とするアイテムを“扱う”ために2アクションを費やすか、その他の方法で補う必要があるかもしれない。両手で持つ武器は使えない。キャラクターはこれを補うために義手や義足を手に入れることができる。
 足や脚を失ったものは移動速度に若干のペナルティを受けるかもしれないが、通常、義肢を獲得して補うことができる。足がない場合は、車椅子や頼れる乗騎、空中浮遊や飛行の魔法を使うことができる。

精神疾患と慢性疾患 Mental Illness and Chronic Illness

 精神疾患や慢性疾患などの一部の障害は、プレイヤーのロールプレイに委ねるのが最善だろう。精神疾患は特に扱いにくい話題であり、無神経な描写がなされた歴史がある。プレイヤーの意図と、その表現が他のプレイヤーに与える影響に注意すること。

キャラクター作成 Character Creation

 新しいキャンペーンが始まると、プレイヤーは新しいプレイヤー・キャラクターを作成することになる。そのプロセスの一部として、君はキャンペーンが何について行われるのか、どのような種類のキャラクターが最も適しているのかを紹介する。どのようなルールの選択肢が利用できるかを、プレイヤーと一緒に考える。もしプレイヤーが他の本から得た共通の選択肢や、アンコモンやレアの選択肢を使いたい場合は、プレイを通じてそれらの選択肢が君の考えているキャンペーンのスタイルと矛盾しないか、あるいは将来的に奇妙な驚きをもたらすかもしれないかを確認する。通常、新しい選択肢を認めるのがよいのだが、そうする義務はない。自分が納得できる範囲で開放的に取り扱うこと。

冒険の準備 Preparing an Adventure

 冒険とは、君や他のプレイヤーが語る物語の基礎となる、物語の要素、キャラクター、設定などの自己完結型の集合体である。冒険は、君自身の物語の概要だと考えよう。君が盛り込みたい主要な展開、一貫したキャラクター、伝えたい主題があるだろうが、概要を完成した物語にする過程で様々なことが変化する可能性がある。
 Paizoや他の会社から出版されている冒険を使うかもしれないし、ゲーム・セッションの準備をしながら独自の冒険を構築するかもしれない。

Paizoから出版された冒険 Paizo's Published Adventures

 以下の種類の冒険は、paizo.com、お近くのゲーム・ショップ、または多くの書店で購入することができる。また、同じシリーズの冒険を全て購入したい場合は、paizo.comで定期購入することもできる。
パスファインダー・アドベンチャー・パス Pathfinder Adventure Paths
 パスファインダー・アドベンチャー・パスの各月刊誌は、複数巻に渡る大きな物語の一部として次の巻につながっていく。各アドベンチャー・パスの第1巻は通常1レベルから始まり、各巻は自己完結型の物語を持ち、最終巻の最後に大きなクライマックスを迎える。また、各巻には通常、新しいモンスターやルール、世界に関する詳細が含まれている。各アドベンチャー・パスにはそれぞれ異なる主題があり、その舞台は内海地方からそれ以外の地域まで多岐に渡る。
パスファインダー・アドベンチャー Pathfinder Adventures
 パスファインダー・アドベンチャーは、いくつかのレベルのプレイを包含する独立した冒険だ。それぞれは自己完結しており、通常、固有の構成や主題を持つ。パスファインダー・アドベンチャーは単独でプレイすることも、進行中のキャンペーンの一部としてプレイすることも可能で、中には似たような主題を持つアドベンチャー・パスの脇道用の冒険として理想的なものもある。
パスファインダー協会シナリオ Pathfinder Society Scenarios
 シナリオは、パスファインダー協会ロールプレイング組合で使用される冒険であり、パスファインダー協会の一員として、あるいは単独でプレイすることができる。それぞれ4〜5時間程度で進行するため、短時間で1つの物語を語ることができる。しかしそれぞれはより大きな連続性の一部であり、組み合わせて長いキャンペーンの基礎とすることもできる。

出版された冒険 Published Adventures

 作成済みの冒険には、物語に必要な背景情報やノンプレイヤー・キャラクター、探索や遭遇に必要な場所や地図、モンスター群などがすべて掲載されている。作成済みの冒険は、ゲーム前に該当箇所を読むだけで、全てを一から作る必要がないため、準備の高速化につながる。出版された冒険にはすでに想定された量の遭遇と財宝が含まれており、君のグループに合わせて、さまざまなキャラクター・レベル向けに作られた冒険を見つけることができる。出版されている冒険を読むか、最初のゲームとして冒険を運営することで、冒険がどのように構成されているかがわかり、後で自作することが容易になる。
 出版されたアドベンチャーはあらかじめ書かれているが、決まったものではない。自分のグループに合わせて冒険の詳細を変更することは、許容されるだけでなく、むしろ好ましいことなのだ。プレイヤー・キャラクターの背景ストーリーや好みを参考に、冒険の内容を変更しよう。つまり、敵キャラクターをプレイヤー・キャラクターと関連付ける、プレイヤー・キャラクターの出身地に舞台を変更する、あるいはプレイヤーにとって魅力的でないと判断した場合は特定のシーンを削除する、といった変更を行える。

稀少性と使用権の運用 Using Rarity and Access

 稀少性システムには目的が2つある。それは、特定の呪文、クリーチャー、アイテムがゲーム世界においてどれだけ一般的か、あるいは稀であるかを伝えることと、ゲームの複雑さを簡単に制御する道具を提供することだ。アンコモンやレアの選択肢はそのレベルの他の選択肢よりも強力というわけではないが、ある種の物語に複雑さをもたらしたり、世界においてあまり一般的でないものとなったりする。例えば、プレイヤーがディテクト・イーヴルのような珍しい呪文を発動できると、謎解きを行う冒険の運営はより困難になるかもしれない。
 キャンペーンの開始時に、稀少性に関する君の希望をプレイヤーに伝えること。君が特に決めない限り、プレイヤーは資格のあるコモンの選択肢と、キャラクターの選択(主に種族とクラス)によって与えられたアンコモンの選択肢から選ぶことができる。特別な調整を行わない場合、十分に努力したキャラクターは最終的にアンコモンの選択肢を見つけるかもしれないが、レアの選択肢は常に特別な報酬となる。
 GMによっては、アンコモンとレアの選択肢をすべて開放するることもある。もし自信がなければ、アンコモンやレアの要素を報酬に含めたりプレイヤーに獲得させたりする前に、目を通しておこう。

報酬 Rewards

 キャラクターへの報酬として、アンコモンやレアのルール要素を使用することができる。これらは同じ価格の他の財宝と同じ価値とおおよそ同じ力を持つが、遠い国から来たものや、珍しい、あるいは驚くべき能力を持っているため、少しだけ特別なものになる。
 アンコモンやレアの報酬としてはアイテムが最も有力なものだが、NPCがお礼にアンコモンやレアの呪文をPCに教えたり、パーティが特定の敵に対抗するための手助けをしてくれるかもしれない。また、アンコモンやレアのアイテムに基づいた追加特典を即興で作ることもできる。例えば、あるPCが伝承学に関する用途を持つ珍しい植物を手に入れた場合、その植物を使って新しい湿布薬を作ることができるため、〈知識:生薬〉を使って“収入を得る”と一時的に多くのお金が得られる、と決めることもできる。

異なる場所 Different Locations

 これらの稀少性は、ほとんどの西洋の中世ファンタジー・ゲームにも適している。しかし、他の場所を舞台にしたキャンペーンや、人間以外の文化を強調するため、あるいは中国文化に基づく武侠ゲームのような異なるルーツを持つファンタジー設定でプレイするために、稀少性を変更したいと思うかもしれない。これらの変更は基本的なアイテムに影響することがほとんどだ。例えば、ドワーフの拠点でキャンペーンを開始する場合、ドワーフの特徴を持つ武器をすべてコモンにするのもよいだろう。キャンペーンの主題に合わせて自由に稀少性を調整してよいが、その場合は変更内容をグループ内で共有する必要がある。

冒険の作成 Creating Adventures

 独自の冒険を構築することは、出版されているものを使用するよりもはるかに困難だが、自分自身を表現し、より創造的になり、プレイヤーとそのキャラクターに合わせて直接ゲームを調整することができる。本章の後の項では独自の冒険の構築に役立つように、遭遇の構築と実行、財宝の配置、適切な難易度の課題の設定などの指針を紹介している。
 冒険の計画は、様々なところから始めることができる。
 例えば、特定の敵役から始めて、その敵役の主題に合った冒険を構築し、グループをその敵役に導くこともできる。あるいは、探検に適した興味深い場所から始めて、その設定に適した敵や難題を登場させることもできる。

場所 Locations

 神秘的で幻想的な場所を含む印象的な舞台は、プレイヤーの好奇心を引き出してくれる。
 各場所の探索は、それ自体が楽しみであるべきで、単に戦闘から次の戦闘への移動のためにこなさなければならないものではない。その場所を作るとき、頭の中にその場所を思い浮かべ、ゲームを物語るときに盛り込めるような細かい部分を書き出しておきく。装飾品や名所、野生動物、独特のにおい、気温の変化などを書き込むと、より現実的に感じられる。
 モンスターや戦利品だけでなく、吹雪などの環境条件やパズル、罠、その他の危険など、環境に基づいた課題を場所に含めることができる。
 これらの試練は、植物が生い茂る城跡にある茨の壁、呪われた沼地にある酸溜まり、偏執的なウィザードの墓にある魔法の罠など、冒険の場所に合ったものであるだ。

遭遇 Encounters

 頑丈な遭遇の組み合わせは、冒険の骨格を形成する。遭遇はしばしば他のクリーチャーとの戦闘に焦点を当てるが、障害を含むこともできるし、キャラクターが言葉だけで決闘する社交遭遇を作ることもできる。グループのレベルに合った遭遇を作るためのルールを以下に示す。
 冒険の中には、特定の時間や順番に遭遇する、明確で直接的な進行のものもある。また、ダンジョン内の部屋はすべてつながっていて、どの順番で調査してもよいというような、非線形のものもある。ほとんどの冒険はその中間で、キャラクターが必ず遭遇することが分かっている重要な遭遇もあれば、任意で遭遇する遭遇もある。

財宝 Treasure

 冒険では、キャラクターのレベルに見合った量の財宝を配る必要がある。財宝はあらゆる方法で与えることができる。財宝は様々で、敵が持っているアイテムであったり、使命を達成したことに対する支援者からの報酬であったり、モンスターが守っている木箱の中の効果やアイテムの山であったりする。財宝は一箇所にたくさん貯めておくのではなく、冒険のあちこちに散りばめておくとよいだろう。そうすることで、プレイヤーは少しずつ報酬を得ることができ、何時間もプレイして大きく飛躍するのではなく、頻繁に小さな段階を踏みながらキャラクターを成長させることができる。

遭遇の構築 Building Encounters

 最も一般的な種別の遭遇は、PCが他のクリーチャーと対峙する戦闘的遭遇だ。戦闘遭遇は厳密にルールで管理されている。以下の指針は、君のグループに適切な試練をもたらす戦闘遭遇を構築するのに役立つ。危険な遭遇の構築も同じように行われる。社交遭遇はより自由な形式で、GMである君のデザイン次第だ。
 戦闘遭遇を作るには、まずその遭遇が冒険全体の中でどのように位置づけられるかを決める。次に、その遭遇がどれほどの脅威をもたらすかを、以下の5つの区分から推定する。
 些細な脅威/Trivial-threatの遭遇とは、キャラクターが負ける可能性がないほど簡単なもので、特に浪費家でない限り、大きな資源を使う必要もない。これらの遭遇は、ウォーミング・アップや口直し、あるいはキャラクターがいかに素晴らしいかを思い出させるものとして、最も効果的である。些細な遭遇であってもプレイするのは楽しいので、脅威がないからといって無視しないようにしよう。
 低い脅威/Low-threatの遭遇はいくらか難易度が高くなり、通常パーティの資源をいくらか使用する。しかし、パーティ全体が深刻な脅威にさらされることは稀であり、そうなった場合は非常に稚拙な戦術の結果である。
 中程度の脅威/Moderate-threatの遭遇は、キャラクターを完全に圧倒することはないだろうが、キャラクターにとっては重大な試練となる。キャラクターは通常、適切な戦術を用い、資源を賢く管理することで、中程度の脅威の遭遇から抜け出し、休むことなく続けてより困難な挑戦に立ち向かえるようにする必要がある。
 厳しい脅威/Severe-threatの遭遇は、ほとんどのキャラクターのグループが安定して倒すことができる最も困難な遭遇である。この遭遇は、最後のボスとの対決など、物語上の重要な場面で最も適している。運が悪かったり、戦術が悪かったり、あるいは事前の遭遇によって資源が不足していたりすると、厳しい脅威の遭遇は簡単にキャラクターにとって不利になってしまうので、賢いグループは「遭遇の開始を避ける」という選択肢を残しておく。
 極限の脅威/Extreme-threatの遭遇は非常に危険なため、キャラクターにとって互角の勝負になる可能性が高く、特にキャラクターが資源不足である場合はなおさらだ。このため、ほとんどの用途では難易度が高すぎる。極限の脅威の遭遇は、完全に休息したキャラクターが全力で対処する場合、キャンペーン全体の最後に行われるクライマックスの遭遇、または高度な戦術とチームワークを駆使する玄人プレイヤーのグループに適しているかもしれない。

XP予算 XP Budget

 脅威のレベルを選択したら、次は遭遇を構築していく。脅威の度合いに応じたXP予算があり、各クリーチャーはその予算の一部を消費する。まずはその遭遇にとって最も重要なモンスターやNPCから始め、残りのXP予算をどう使うかを決める。多くの遭遇はXP予算とぴったり一致しないが、それに近いものになるはずだ。XP予算は、4人のキャラクターで構成されたグループを基準にしている。もし君のグループがもっと大きかったり小さかったりする場合は、以下の「パーティ・サイズの違い」を参照すること。

表10-1:遭遇の予算 Encounter Budget
脅威XP 予算 キャラクター調整値
些細 40以下 10以下
低 60 15
中程度 80 20
厳しい 120 30
極限 160 40

キャラクターの選択 Choosing Creatures

 よほどのことがない限り、君は遭遇に、PCのレベルより4レベル低いものから4レベル高いものまでのクリーチャーを選択する(表10-2:クリーチャーXPと役割を参照)。各クリーチャーは、下っ端の下僕からパーティ全員を一人で倒せるほど強大なボスまで、君の遭遇において果たすべき役割を持っている。
 各クリーチャーは、パーティのキャラクターのレベルと比較して、そのレベルに応じたその遭遇のXP予算からいくらかのXPを消費する。例えば、PCが5レベルであれば、2レベルのクリーチャーは「パーティ・レベル-3」のクリーチャーであり、低~中程度の脅威の遭遇に適した下僕であり、遭遇のXP予算のうち15XPを消費することになる。

表10-2:クリーチャーのXPと役割 Creature XP and Role
クリーチャーのレベル XP 推奨される役割
パーティ・レベル-4 10 脅威の低い従者
パーティ・レベル-3 15 脅威の低いもしくは中程度の従者
パーティ・レベル-2 20 任意の従者もしくは標準的なクリーチャー
パーティ・レベル-1 30 任意の標準的なクリーチャー
パーティ・レベル 40 任意の標準的なクリーチャーもしくは脅威の低いボス
パーティ・レベル+1 60 脅威の低いもしくは中程度のボス
パーティ・レベル+2 80 中程度もしくは高い脅威となるボス
パーティ・レベル+3 120 高いもしくは極端に高い驚異となるボス
パーティ・レベル+4 160 極端に高い驚異となる単体のボス

異なるパーティ・サイズ Different Party Sizes

 パーティのキャラクターが4人より1人増えるごとに、表10-1「遭遇予算」の「キャラクター調整値」に示されている金額だけXP予算を増やす。キャラクターが4人に満たない場合、同じプロセスを逆に使用する。つまり、足りないキャラクター1人につき、その分のXPをXP予算から削除する。パーティの人数を考慮してXP予算を調整しても、遭遇のXP報酬は変更されないことに注意しよう。
 キャラクターが増えることによるXPの増加は敵や障害の追加に、キャラクターが減ることによるXPの減少は敵や障害の減少に使うのが適切であり、1つの敵を強くしたり弱くしたりするのはおすすめできない。敵クリーチャーの数がプレイヤー・キャラクターの数にかなり近い方が、一般的に遭遇の満足度が高くなる。

責任の分配 Sharing Responsibility

 君がGMで表向きの責任者だからといって、キャンペーンを進行させるための余分な仕事をすべてしなければならないわけではない。ゲームのスケジュール管理、メモ書き、報告などは、他のプレイヤーに任せることができる。また、誰かがPCの敵のイニシアチブとヒット・ポイントを追跡したり、大人数で自分のキャラクターを操作するよりも敵の操作をした方が良い場合は、そのような操作をさせることもできる。また、誰かがセッションを主催したり、グループにお菓子を提供したり、ゲームとは直接関係のない他の責任を担ってくれるのも素晴らしいことだ。
 最初にゲームを準備するときに、担当のスケジュールを決めておくとよいだろう。プレイヤーに何を引き受けてくれるのか聞いてみよう。キャンペーンの途中で負担を感じ始めたら、快適な設定が見つかるまで、この話題を再検討し、新しい選択肢を試すことができる。

ゲーム・セッションの運営 Running a Game Session

 キャンペーンは複数のセッションで行われる。各セッションは通常数時間で、複数の遭遇、いくつかの探索、そして場合によっては余暇が含まれる。セッションはテレビ番組の各エピソードに例えることができる。それはいくつかのねじれ、展開、変化を含み、人々が次に何が来るのかに興奮したまま終わるべきだ。

セッションの計画 Planning A Session

 ゲームにおける最大の難関の1つは、全員が集まってプレイするための時間を予定することだ。多くの場合、セッションの間にゲームの準備をしなければならないのは君なので、この責任はGMにある。多くのゲームには、週に1回、2週間に1回、月に1回など、決まったスケジュールがある。開催頻度が低ければ低いほど、全員が同じ見解を持つためのメモや報告が必要になる。
 全員が到着する時刻を計画し、ゲームを開始する時刻も設定するようにする。そうすることで、全員がおしゃべりや会話のキャッチボール、食事を適時に終え、ゲームを開始することができる。終了時刻を決めておくこともかなり重要だ。一般的なゲーム・セッションは4時間程度だが、2時間セッションや長時間に渡るゲームを行うグループもある。通常2時間未満というのは、ほとんどのパスファインダー・キャンペーンで多くのことを成し遂げるのに十分な時間ではない。セッションが2時間より長くなる場合、15分の休憩をいくつか計画すること(トイレや飲み物の休憩とは別にすること。これらはプレイヤーが必要に応じて取ることができる)。

セッションの開始 Starting A Session

 全員の準備が整ったら、全員の注意を集め、以下の話題を取り上げる。これらは大まかな順序であり、グループの様式やセッションの必要性に応じて変更することができる。
  • 前のセッションで何が起こったかを振り返る。
  • このセッションの始めに、キャラクターがどこにいるのかを定める。彼らは最後の挑戦以来休んでいたのだろうか? 廊下でダンジョンの次の部屋に突入する準備をしているのだろうか? 前回のセッション以降、キャラクターが休んだり回復したりする時間があったかどうかをプレイヤーに伝えること。
  • セッション開始時にヒーロー・ポイントを1ポイントずつ持っていることをプレイヤーに思い出させる。
  • 目標を設定する。プレイヤーは次に何をしたいかという考えを持っているはずだ。すでに立てた目標があれば、それを再確認し、その目標がまだ当てはまるかどうか、また、このセッションで達成したいことがあるかどうか、プレイヤーに意見を求める。
  • 冒険を始めよう どのモードでプレイを始めるかを決め、まずは行動開始を促すような言葉をかける。特定のキャラクターに関する質問をする、モンスターが襲ってきたら即座にイニシアチブ・ロールを行う、プレイヤー・キャラクターを取り巻く環境や感覚を簡単に説明し、反応させる、などだ。

セッション外のゲーム Off-Session Gaming

 グループ全員の揃ったセッションとしてのプレイだけがパスファインダーをプレイする方法ではない。通常のスケジュール以外でゲームを拡張する機会を見つけることで、セッションの合間にもグループを飽きさせないようにすることができる。
 一人のプレイヤーと集まって、そのキャラクターのためのミニ・セッションを行い、彼らの物語にとって重要だがグループの他のメンバーには関係のない使命を取り上げることができる。君とプレイヤーは、電子メールやチャットのメッセージを通じて、余暇の間にキャラクターが何をするかについて検討することができる。また、冒険団の紋章をデザインしたり、本拠地の地図を作ったりと、ストーリーの細部にわたって協力し合う機会を設けることもできる。また、セッション外で発生したイベントに対して、次回のセッションでヒーロー・ポイントを付与することもできる。
 セッション外での処理に適さないイベントもある。プレイヤーがその場にいないキャラクターに強い影響を与える出来事は、全員が参加できる卓で処理されるべきだ。また、セッションの外で起こった出来事をすべてのキャラクターで振り返ることは、誰も除外されたり失われたりしたと感じないようにするために有用である。

セッションの運営 Running A Session

 セッション中、君はゲームの進行を維持し、様々なプレイ・モードを管理し、質問を受け付け、ルールを決める役割を担っている。また、グループにとって最も都合の良い時間に終了できるよう、時間に気を配ることも必要だ。
 君は、ルールと、君と他のプレイヤーが共有する想像の世界との接点だ。プレイヤーは君に質問し、自分自身の仮定に基づいて行動する。この世界で何が真実なのかを確立するのは君次第だが、一方的にそうするわけではない。君は、設定の背景、君の準備、他のプレイヤーが持ってくる提案や仮定から情報を得ている。君が何かを口にするまでは、君自身の計画は変更される可能性があることを心に留めておくように。例えば、酒場の主人を親切で善意ある人物にしようと思っていたのに、プレイヤーがその主人を見誤り、その意図について面白そうな陰謀論を口にした場合、結局その酒場の主人を悪の手先に変えてしまうかもしれない。
 また、PCと敵がいつ判定を試みる必要があるか、そしてその結果がどうなるかを決定する。これは戦闘以外の遭遇で最もよく出てくることだ。戦闘遭遇では判定がいつ行われ、どのように解決されるかについて比較的きちんと定められているからだ。戦闘遭遇では、プレイヤーは通常自分のキャラクターのターンを決定することができ、君は攻撃が命中したかどうか、あるいは環境上の何かがキャラクターに判定を試みることを要求したかどうかだけを指示すれば良い。

スポットライト The Spotlight

 ゲームを運営する際、誰がスポットライトを浴びているかを把握すること。
 最も積極的なプレイヤーやキャラクターに注目しがちだが、すべてのプレイヤーを確認する必要がある。しばらく参加していないプレイヤーがいたら、立ち止まって「今、君のキャラクターは何をしている?」と問いかけよう。もしプレイヤーがわからない場合は、そのプレイヤーが興味を持ちそうな細部やノンプレイヤー・キャラクターを場面に追加すること。

注意をそらすものと割り込み Distractions and Interruptions

 プレイヤーの注意を引き続けることでゲームは進行し、全員が同じ領域にいることで印象的な瞬間につながる。中断が多すぎると、流れが途切れてしまう。適度であれば問題ない。しかしあまりに頻繁だと、セッションがばらばらになり、物事を見落としたり、誤った判断を下したりする可能性がある。しかし、どんなゲームにも、時には意図的に、時にはそうでない休憩や余談が含まれている。君のグループにとって、適切な気晴らしのバランスを見つけることが重要だ。
 ゲームは社交の場なので、ゲームに直接関係のない会話は絶対に必要だ。しかし、あまりに頻繁であったり、他の人と重なるような会話は問題だ。もし、君や他の人の話を何度も遮ったり、ゲームの重要な場面でいちいち冗談を言ったりする人がいたら、適切なタイミングで発言を制限するように話してみてほしい。多くの場合、手を上げるなどして、そのプレイヤーが話していることを示すだけで、君や他の話者が話し終えるまで、そのプレイヤーの発言を遅らせることができる。
 携帯電話やその他のモバイル機器も、注意力散漫の主な原因だ。多くのプレイヤーは、ダイス・ロールやキャラクター・シートの管理のためにアプリを使用したり、パートナーからのメールに返信したり、仕事のプロジェクトに関わったり、自分を頼りにしている人たちと常につながっていたりする必要がある。しかし、ソーシャル・メディアの更新、ホッケーの試合のスコア確認、モバイル・ゲーム、緊急でないメールへの返信など、時間的制約やゲームに関係のないことに機器を使用しないよう、基本ルールを設定することができる。キャラクターが「場面外」にいるときは、これらのルールを緩和することができる。プレイヤーのキャラクターが登場しないときは、プレイヤーがモバイル機器を使用するのに良いタイミングかもしれない。

ルールの調整 Adjudicating The Rules

 GMとして、君はルール上の論争を解決する責任を負う。ゲームの進行は100%正しいことよりも重要であることを忘れないように。卓上でルールを調べるとゲームの進行が遅くなるので、多くの場合、正確なルールを本から探し出すよりも、最善の推測をする方がよいだろう(ただし、休憩時間やセッション終了後にルールを調べることは有益だ!)。
 その場での判断は以下の指針を使用する。これらはゲーム・ルールが基づいているのと同じ原則だ。
 この指針とDCの指針を印刷しておき、すぐに参照できるようにしておくとよいだろう。
  • 迅速な作業にかかる時間がわからない場合、1アクションにする。キャラクターが1ラウンドに3回実行できないものは2アクションにする。
  • 作業が使用するアクションがわからない場合、最も類似した基本アクションを探す。見つからない場合は、必要な特性(通常は攻撃、精神集中、操作、移動)を持つ未定義のアクションを作成する。
  • 双方が対立する場合、一方が他方のDCに対してダイスをロールする。双方にロールをさせないこと(イニシアチブはこのルールの例外だ)。通常、行動を行ったキャラクターがロールする(セーヴィング・スローを除く)。
  • 成功の確率を上げる、または下げる効果がある場合、+1の状況ボーナスまたは-1の状況ペナルティを与える。
  • 重要な挑戦の難易度が不明な場合は、パーティのレベル基準DCを使用する。
  • もし君が効果を作り上げるのであれば、クリーチャーは大成功(セーヴィング・スローの場合は大失敗)のときにのみ無力化されるか殺されるべきである。
  • どの判定を使えばよいかわからない場合は、最も適切な技能を選ぶ。“知識の想起”の判定に他の技能が適用されない場合、適切な〈知識〉技能(通常は未修得の習熟度ランク)を使用する。
  • キャラクターの日毎の準備を、およそ1日続くものをリセットする時間として使用する。
  • キャラクターがXPのルールがない注目すべきことを達成した場合、その達成度にXPを与える(10~30XP)。
  • PCが作業で失敗した場合、失敗によって進行が完全に止まってしまうのではなく、不利な結果で物語が進むような方法を探す。

特殊な状況 Special Circumstances

 例えば、「故郷の情報を集める」というような、ルールや冒険で想定されるよりも簡単または難しい課題に挑戦することがある。このような場合、状況ボーナスや状況ペナルティを適用すればよい。通常、軽微だが重要な状況には+1または-1、重要な状況には+2または-2のボーナスまたはペナルティを適用することができる。+4または-4は最大のボーナスないしペナルティであり、誰かが圧倒的に有利であるか、極端に可能性が低いが不可能とはいえないことをしようとしている場合にのみ適用されるべきものだ。
 また、アクションに特性を追加することもできる。例えば、あるキャラクターが戦闘中に剣を火鉢の炭火にくぐらせてから、火に弱い敵に剣を振りかざしたとしよう。このとき、攻撃に火炎の特性を持たせてもよい。この方法で有利になったPCは1回の攻撃でのみその利益を得る。そのためもう一度やるには、もう一度剣を炭に埋める必要がある。

追加の選択肢の組み込み Incorporating Additional Options

 プレイヤーに追加のルールやキャラクターの選択肢の使用権を認めることもできる。もし君が、あるキャラクターが特定の選択肢を取れるようにすることが、君のゲームにとって良い追加要素になると確信しているのであれば、それを許可すること。もし、その要求が不確かであったり、心配であったりする場合は許可する必要はないし、それを決定するのは君自身だ。ただし、プレイヤーの要望を半分だけ取り入れたり、代替案を提案するようにしよう。もし、ある選択肢を試験的に許可したいが、後で問題になるかもしれないと心配するなら、事前にプレイヤーに話して、選択肢を暫定的に許可するが、後でその選択肢がプレイ中にどのように使われるかを見て、考えを変えるかもしれないと説明しておくように。

パスファインダー協会 Pathfinder Society

 加盟プレイのキャンペーンでは、永続的なキャラクターで世界中のゲームに参加し、運営することができる。もし君がパスファインダーをこの方法でプレイしたいのであれば、パスファインダー協会ロールプレイング・ギルドを通じて行うことができる。オンラインでPathfinderSociety.clubにアクセスしてアカウントを作れば、友人と自分でゲームを企画したり、既存のイベントに参加したりすることができる。
 パスファインダー協会では、主にシナリオと呼ばれる4時間から5時間の冒険を使用する。シナリオを実行するセッションの開始時に、プレイヤーの情報を集める。冒険の終わりには、キャラクターがシナリオを踏破することで得られる報酬を記録する。セッションの結果をオンラインで報告すれば、たとえ他のグループのゲームで遊んでも、報酬はそのキャラクターにとって永続的なものになる。このシナリオには重要な選択肢が含まれており、君のグループが何を選択したかを報告することができる――この決定は、キャンペーンの将来を示すことになるだろう!

プレイ・モードの運用 Running Modes of Play

 パスファインダーのセッションは、遭遇、探検、余暇という3つの異なるプレイ・モードに分けられる。各モードは特定の報奨と時間の尺度を持つ異なる種類の状況を表し、キャラクターはそれぞれ異なる種類のアクションやリアクションを使用できる。
 遭遇は、現実の時間またはそれより遅い速度で行われ、プレイヤーと敵、潜在的な味方、またはお互いに直接関与する。戦闘と直接的な社会的交流は、通常遭遇モードで行われる。
 探索は冒険の連続した膜、キャラクターが見知らぬ街やダンジョンのような危険や不確実性がある場所を探索するときに使用される。探索モードでは、キャラクターはすぐに危険にさらされることはないが、それでも足元には気を配らなければならない。探索と遭遇をまとめて冒険と呼ぶ。
 冒険をしていないとき、キャラクターは余暇に入る。このモードは日常的な仕事や長期的な目標に向けた努力など、普通の人の生活のほとんどを包含している。

遭遇 Encounters

 遭遇モードは最も体系的なプレイ・モードであり、このモードを実行するには、ほとんど9章で示されるルールに従うことになる。通常、探索中にイニシアチブを決めてから遭遇に移行するため、イニシアチブの順番に関する指針は探索モードの議論に現れる。
  • 報奨:中~高。遭遇には常に大きな危険があり、それを反映するように段階的な時間枠でプレイされる。
  • 時間の尺度:遭遇モードは高度に構造化されており、戦闘遭遇では戦闘ラウンドで進行し、他の種類の遭遇では任意の長さのラウンドを持つことができる。戦闘では1分間に10ラウンド、1ラウンドは6秒だが、言葉での対決ではそれぞれの発言者がしっかりと主張できるよう、ラウンドあたり1分以上として進行させることもできる。
  • アクションとリアクション:戦闘遭遇では、各参加者のターンは個別のアクションに分割され、参加者はトリガーが生じた際にリアクションを使用できる。
 リアクションは社交的な状況でも発生するが、そのトリガーは通常より説明的で戦術性は薄い。

グリッドマスを使用しない遊び方 Playing Without A Grid

 パスファインダーのルールは1インチ・グリッド上で戦闘遭遇をプレイするように作られているが、グリッドや地図がなくてもプレイすることができる。
 これは伝統的に「心の劇場」と呼ばれるもので、君と他のプレイヤーは戦闘員の位置と環境を想像する。このプレイ様式では、頻繁に判断が必要になる。例えば、「今立っている場所からオーガが見えるか?」「“歩行”1回でオーガまで行けるか?」といった単純なものだ。例えば、「梁を渡ってオーガに近づき、攻撃したい」というように、プレイヤーが何をしたいのかを伝えてもらうのが最良だろう。そして、「1アクションを費やして〈軽業〉判定に成功し、“歩行”で十分に近づいてから、残り1アクションで“打撃”を行う必要がある」というように、そのアクションの内訳をプレイヤーに伝えるのだ。
 遭遇を準備する際には、移動困難地形や遮蔽など、格子状にした方が効果的な戦場の課題を多用しないようにする。また、挟撃などの戦闘戦術はより甘く運用すること。挟撃を測定する方法はないが、ルールではローグのような近接戦闘キャラクターがしばしば挟撃を行うことを想定している――多くの場合、キャラクター2人が近接攻撃の間合いで連携していたら、挟撃と扱うのに十分だろう。

敵のアクションの選択 Choosing Adversaries’ Actions

 プレイヤーは可能な限り効率的に行動するよう調整し、計画を立てることが多いが、敵はそうではないかもしれない。GMである君はこれらの敵のロールプレイを行い、その戦術を決定する。
 ほとんどのクリーチャーは、挟撃や単一の目標への集中といった単純な戦術を基本的に把握している。しかし、彼らもまた感情に基づいて反応し、――おそらくはプレイヤー・キャラクターよりも多く――間違いを犯すことを忘れてはならない。
 目標を選ぶとき、あるいはどの能力を使うかを選ぶときは、自分の知識ではなく、敵の知識に頼ること。君はクレリックの意志セーヴ修正値が高いことを知っているかもしれないが、それでもモンスターは彼女に恐怖能力を使おうとするかもしれない。だからといって、敵対者を完全に愚か者として演じるべきだというわけではない。彼らは失敗から学び、適切な計画を立て、プレイヤー・キャラクターを事前に調査することさえできる。
 敵は通常、気絶状態のキャラクターを攻撃しない。たとえ倒れたキャラクターが戦いに戻ってくるかもしれないと知っていたとしても、最も残忍なクリーチャーだけが、周囲のより直接的な脅威ではなく、無力な敵に注目するのだ。
 敵対者を運用することは、そのクリーチャーに忠実であることであり、同時にゲームのドラマにとって最良のことを行うことでもある。映画や小説の戦闘シーンのように、遭遇を考えてみよう。ファイターがファイアー・ジャイアントをあざむいて、もろいウィザードから注意をそらすとした場合、戦術的に正しい判断はジャイアントがウィザードを殴り続けることだ。しかし、それはその場面で最良の選択だろうか? もしかしたら、ジャイアントの怒りの矛先がファイターに向いた方が、みんなが楽しめるかもしれない。

遭遇の迂回 Bypassed Encounters

 戦闘や挑戦を計画したとき、PCがそれを完全に回避する方法を見つけた場合はどうなるだろう? この場合、XPが足りなかったり、重要な情報や財宝を逃す可能性がある。
 XPの場合、指針は単純だ。もしプレイヤー・キャラクターが賢い戦術的プレイ、巧みな外交交渉、魔法の巧みな使用、あるいは創意工夫と計画を必要とする他のやり方によって試練を回避したならば、その遭遇における通常のXPを与えること。
 秘密の通路を発見し、それを使って戦闘を回避したなど、中程度の努力や幸運を必要とすることを行った場合は、小または中程度の達成度としてXPを与える。複数の通路がある広大なダンジョンなど、より自由度の高い冒険では、遭遇の迂回は些細なことなので、報酬はないかもしれない。
 プレイヤーが遭遇を迂回することによって情報やアイテムが飛ばされてしまう場合は、自分で考えなければならない。まず、その情報やアイテムを配置するために、冒険内の他の妥当な場所を探す。もしそれが理にかなっているならば、元の遭遇を冒険の別の場所に移し、そもそも遭遇を迂回することでPCに大きな優位を与える。

遭遇の終了 Ending Encounters

 戦闘遭遇は通常、一方の側のクリーチャーがすべて殺されるか気絶させられると終了する。これが起これば、イニシアチブ順に行動を停止することができる。
 生存している側は、倒された全員が倒れないようにするための十分な時間がある。しかし、プレイヤー・キャラクターが瀕死状態であったり、崖につかまっていたり、生存のために一刻を争うような状況であれば、戦闘ラウンドを使い続けなければならないかもしれない。
 もう手ごたえがなく、プレイヤー・キャラクターが最後の弱い敵を片付けているような場合は、戦闘が終わったと判断しても構わない。しかし、プレイヤーの中にまだ試してみたい創意工夫や面白いこと、あるいは集中して取り組んでいる呪文がある場合は、この方法は避けること。敵が降伏する、敵がヒット・ポイントを使い果たす前に死ぬ、あるいは単に戦闘が終わったと言って、PCが残った敵を簡単に退治する、などだ。この場合、プレイヤーに「戦闘を終了してもいい?」と聞いて、プレイヤーに納得してもらうとよいだろう。
 一方が降伏するのは、ほとんどすべてのメンバーが倒されたときか、呪文や技能で徹底的に戦意を喪失させられたときだ。降伏があったら、イニシアチブ順から外れ、短い交渉に入る。
 これらの会話は、勝者が敗者に慈悲を与えるか、それともただ殺すか、さもなければ処分するかについてのものである。降伏した側は通常このような場合、あまり影響力を持たないので、長時間のやりとりは避けること。

逃亡する敵 Fleeing Enemies

 逃亡する敵は問題になる。プレイヤー・キャラクターは、逃げた敵を追いかけたくなることが多いのだが、これは敵が後で脅威として戻ってくるかもしれないと考えるからだ。このような場合、一手一手進めることはゲームを停滞させやすいので避けること。すべての敵が逃げている場合、イニシアチブ順は無視し、各PCに逃げている敵1人を追撃する選択肢を与える。各PCは1アクション、呪文、その他の能力を宣言して、追いつくように努力することができる。そして、PCの移動速度と目標の移動速度とを比較し、追跡者の選んだ呪文や能力がどの程度役立つかを評価し、獲物が逃走を助けるような能力を持っていればそれを加味する。
 追跡者が追いついたと判断した場合、元のイニシアチブ順で戦闘に戻る。追いつかなければ、その獲物はひとまず逃亡する。
 PCが逃げることを決めた場合、通常は彼らにそうさせるのが最善である。特定の場所を選び、そこに全員が到着したら逃亡させるようにする。ただし、PCが足手まといになっていたり、敵の移動速度が高く、追撃する動機が強い場合は、逃走したPCにその結果を伝えることがある。

社交遭遇 Social Encounters

 ほとんどの会話は自由なロールプレイとして最適であり、社交的な技能が含まれる判定は1つか2つ程度である。
 しかし時には、緊迫した状況や重要な駆け引きが、戦闘と同じようにイニシアチブを使用する社交遭遇を必要とする。他の遭遇と同様に、社交遭遇は高揚させるものでなければならない! 社交遭遇が失敗すると、キャラクターが投獄されたり死刑になったり、主要なライバルが政治的権力者になったり、重要な同盟者が恥をかいて追放されたりする可能性がある。
 遭遇の構造を使用すると、自由形式のプレイよりもタイミングが明確になり、各キャラクターが貢献しているように感じられるため有益だ。社交遭遇を行う場合、前もって利害関係を定めておき、プレイヤーに成功または失敗した場合の結果と、遭遇を終わらせる条件を理解させておく。
 社交遭遇の運営方法は、戦闘遭遇よりもはるかに柔軟性がある。ラウンドの長さを6秒より長くしたり、より即興的にしたり、特殊攻撃や呪文に重点を置かないなどによって、社交遭遇を戦闘遭遇と差別化することができる。ほとんどの場合、キャラクターの動きを気にする必要はないし、地図も必要ない。社交遭遇の例としては、以下のようなものがある。
  • 裁判官の前で誰かの無実を証明する。
  • 隣国の君主を説得し、侵略から守る手助けをする。
  • ライバルの吟遊詩人に知恵比べで勝つ。
  • 高貴な宮廷の前で、悪人の偽りを暴く。

イニシアチブとアクション Initiative and Actions

 社交遭遇におけるイニシアチブは、通常、キャラクターが〈社会〉、〈交渉〉、〈ペテン〉といったの【魅力】基準の技能をロールすることになる。他の遭遇と同様、キャラクターの紛争への取り組み方によって、どの技能をロールするかが決まる。キャラクターのターンでは、通常技能アクションを使用して1回だけロールを試みることができる。プレイヤーにキャラクターの発言をロールプレイさせ、次に何をロールするかを決定する。ただし、ほとんどの人は呪文を発動したという視覚的な兆候を見ると、誰かが魔法を使って自分に影響を与えたり危害を加えようとしていると思い、否定的な反応を示すことを覚えておくように。
 良い社交遭遇には、対立者が含まれる。
 これは、キャラクターの言い分に反論するライバルのような直接的なものでも、ラウンドが進むごとに自動的に手に負えなくなる暴徒のような受動的なものでもよい。対立者にはイニシアチブ順に位置を1つ以上与え、彼らが何をしているかを伝えられるようにする。特に個人の場合、敵のデータを作成することができるが、手に負えない暴徒のような状況では、次第に難しくなる一連のDCを設定することくらいしか必要ないかもしれない。

成功と進行度の計測 Measuring Success and Progress

 目標となるACや削るHPがないため、社交遭遇におけるキャラクターの成功をどのように測定するかを決める必要がある。4章では社交技能アクションのDCを設定する指針があり、多くの場合目標の意志DCを用いる。群衆やNPCなど、データを持たない人々に対するDCが必要な場合、DCの設定に関する指針を使用する。簡易DCかレベル基準DCを選択して使用し、対象者のレベルや揺さぶりをかける難易度を推定する。
 態度状態――敵対的状態、非友好的状態、中立的状態、友好的状態、協力的状態――は、社交遭遇の経過を追跡するのに便利な方法だ。権威者、群衆、陪審員などの態度を表現するためにこれらを使用する。
 社交遭遇の典型的な目標は、ある人や集団の態度を親切に変えて君を助けてもらうこと、あるいは敵対する集団や人をなだめて状況を和らげることだ。
 遭遇が進むにつれて、プレイヤーにどれだけ進歩したかが明確にわかるようにしよう。
 また、成功や失敗の回数を記録することもよいだろう。例えば、衛兵4人を騙して持ち場を離れさせる必要がある場合、必要な成功回数を4回として、“騙す”や“陽動”の成功数を数えるというように。
 この2つの方法を組み合わせることもできる。例えば、PCが重要な貴族の集団に投票する必要がある場合、その貴族の過半数がPCに対して対立者よりも良い態度を取るようにすることを、限られた時間の中で行うことが目標になるかもしれない。

結末 Consequences

 社交遭遇の開始時に報奨を設定する場合、その結果についてのアイデアを与えよう。プレイヤー・キャラクターが得るかもしれない物語上の利益の他に、社交遭遇は通常XPの付与が含まれる。これは戦闘と同じ系統の遭遇なので、相応量のXPが付与される。通常は中程度の成果として、あるいはその遭遇が長期計画の集大成であったり、重要な敵が報いを受けた場合には大きな成果としてXPが付与される。
 社交遭遇の結果は、ゲームの物語を方向付けるものであるべきだ。反響を見出そう。どのNPCがPCをより好意的に見るようになったか? どのNPCが恨みを抱き、あるいは新たな計画を練るだろうか? 社交遭遇はNPCの運命を決定づけ、彼らの物語を終わらせることができるが、それはプレイヤー・キャラクターには当てはまらない。例え彼らにとって本当に悲惨な状況、たとえば死刑判決が下ったとしても、社交遭遇は終わりではない――まだ、絶望的な英雄的行為や、物語の展開のための時間があるのだ。

探索 Exploration

 探索モードは、意図的に遭遇よりも制限を少なくしている。そのため、探索中は起こることすべてに対して判断が必要となる。
 基本的に、探索はPCが周囲の環境について学ぶことで報酬を得るためのものだ。これを促進するためには、グループの周囲の心象風景を明確に把握し、伝えることが特に重要となる。プレイヤー達がどこにいるのかを把握し、冒険の舞台となる場所の景色や音、その他の感覚を表現しやすくするためだ。プレイヤーにキャラクターが本当に探検しているかのように努め、その好奇心に報いるようにする。探索モードでは、プレイヤーが何に興味を持ち、何を重要視しているのかが分かる。
 プレイしているうちに、特定のプレイヤーが興味をそそられる探索の側面をよく感じるようになり、アドベンチャーにそういったものを追加したり、出版された冒険でそういった点を強調したりすることができる。
 報奨:低~中程度。探索モードは、ある程度の危険はあるが、差し迫った危険はない場合に使用すべきだ。PCはモンスターや危険に直面しそうな環境にいるかもしれないが、戦闘に入るか他の直接的なやりとりがあるまで、通常は探索モードのままだ。
 時間尺度:PCが探索モードにあるとき、ゲーム世界の時間は卓上での現実世界の時間よりもはるかに速く過ぎていく。必要に応じて、物事の進行速度を速くしたり遅くしたりすることができる。正確に時間を把握したい場合は、探索モードの時間を10分単位で見積もることができる。
 アクションとリアクション:探索はラウンド単位ではないが、探索連続行動はPCが“捜す”や“扱う”などのアクションを行うことを想定している。そのアクションが適用されるかどうか、またより詳細な情報を得るために遭遇モードに切り替えるかどうかは、君が決定する。PCは探索モード中に出てきた関連するリアクションを使用することができる。

探索連続行動 Exploration Activities

 探索モードにおいて、ただ移動するのではなく何かを行いたいプレイヤーは、それぞれ自分のキャラクターに探索連続行動を選択する。最も一般的な連続行動は、“隠行”、“魔法探知”、“強行軍”、“捜索”だが、多くの選択肢が用意されている。プレイヤーは通常、これらの標準の連続行動に忠実に従うが、探索連続行動を暗記して正確に使用する必要はない。その代わり、各プレイヤーが自分のキャラクターが何をしているかを記述するようにする。そして、GMである君がどの連続行動を適用するかを決定する。すなわち、キャラクターの連続行動が一覧にあるものと異なる場合、その連続行動がどのように機能するかを決めるのも君ということだ。
 以下の項では、君の判断が必要となる探索連続行動について説明する。

探索連続行動 Exploration Activities

 以下の探索連続行動は完全に詳細を示している。また、技能の章に多くのものが掲載されている。
  • “隠行”
  • “防護”
  • “魔法探知”
  • “専門家にならう”
  • “強行軍”
  • “調査”
  • “呪文の継続”
  • “索敵”
  • “捜索”

即興の新しい連続行動 Improvising New Activities
 プレイヤーが他のルールにまとめられていないことをしたい場合に備え、いくつかの指針を示す。その連続行動が“隠行”のように遭遇時に使うアクションに近い場合、通常1分間におよそ10回繰り返す1つのアクション(“忍び歩き”アクションを10回使うなど)か、同じように機能するアクションを交互に使用する(例えば“捜索”は“歩行”と“捜す”を交互に繰り返す)で構成されている。1分間に20回という早い頻度で行う連続行動は、精神集中を必要とする連続行動と同様に、使い方が限定されたり、疲労の原因になったりする可能性がある。
 プレイヤーは、戦闘と同じように6秒に3回行動することを望むかもしれません。戦闘が短時間で終わるからこそ、キャラクターは戦闘でこれだけの力を発揮できる――探検という長い時間枠の中では、このような力の発揮は長続きしないのだ。

“魔法探知” Detect Magic

 この連続行動によって、キャラクターが移動中に魔法のオーラや物体をすべて自動的に見つけることができるようになるわけではない。
 最低限必要となる習熟ランクを持つ障害や、ディテクト・マジック以上のレベルを持つ幻術は“魔法探知”では発見できない。
 キャラクターがこの連続行動で魔法を見つけたら、そのことを知らせ、立ち止まってさらに探索するか、そのまま進むかの選択肢を与える。止まっている間、プレイヤーはその場所を探検したり、様々なアイテムを評価したり、魔法の源とその効果を探ったりと、よりロールプレイに重きを置いたシーンに入ることができる。そのまま進むと、有益な魔法のアイテムを手に入れられなかったり、魔法の罠にかかったりする可能性がある。

“専門家にならう” Follow the Expert

 技能を持つキャラクターは、“専門家にならう”を選択した習熟度の低い味方を助けることができる。これは、〈隠密〉修正値が低いキャラクターがこっそり移動するのを手伝ったり、〈運動〉が低いキャラクターを急な崖に登らせたりするのに良い方法だ。
 通常、“専門家にならう”で選ばれたキャラクターは、他の探索活動を行うことも、一度に複数の人から“専門家にならう”で選ばれることはできない。

“調査” Investigate

 “捜索”や“魔法探知”同様、“調査”の最初の結果は通常、“調査”を行ったものがより徹底的な調べ物に入る手がかりを与えるのに十分であるが、可能な限りの情報を与えることはめったにない。例えば、あるキャラクターはダンジョンの壁が奈落語の文字で覆われていることに気づくかもしれないが、その文字を読んだり血で書かれていると判断したりするには立ち止まる必要がある。

“捜索” Search

 “捜索”中に知覚判定に成功すると、キャラクターはその場所に何か変わったものがあるかないかに気づくが、そこにあるすべてのものを網羅した目録を受け取るわけではない。その代わり、この情報はより詳細な調査や遭遇のための出発点となる。例えば、ある範囲にDC30の隠し扉とDC25の罠があり、“捜索”したキャラクターが知覚判定で28を出した場合、そのキャラクターがその範囲にある罠に気づいたことをプレイヤーに伝え、罠の位置と性質について大まかな情報を与えることになる。パーティは罠の詳細を知るためにその場所をもっと調べる必要があり、隠し扉を見つけるためには誰かがもう一度“捜索”する必要がある。
 その場所に多くの物や探すのに時間がかかるもの(書類でいっぱいの本棚など)がある場合、“捜索”は本棚があること明らかにするが、PCは書類を確認するためにもっと徹底的に調べなければならない。このため、通常、パーティは完全に捜索するためには立ち止まる必要がある。
 “探索”するキャラクターが通過する秘密のうち、目立つ場所(扉の近くや廊下の曲がり角など)にあるものは秘密裏に知覚判定を行うことで発見できるが、もっと目立たない場所(長い廊下の無作為な地点など)にあるものは、特にゆっくりと入念に探索するのでない限り発見できない。

パーティ配置の設定 Setting A Party Order

 探索モードでは、パーティ編成の中でどのキャラクターが前か後ろかが問題になることがよくある。そこで、探索中に自分のキャラクターが集団のどの位置にいるのかを、プレイヤー同士で決められるようにしよう。この順番によって、さまざまな方向から敵や罠が迫ってきたときに、誰が先に攻撃されるかが決まる。状況に応じて、誰が狙われるかを具体的に決めるのは君次第だ。
 探索モードが終わったとき、通常パーティは大まかな陣形を保ったままだ。グリッドに移動する場合(通常、戦闘遭遇の開始時に起こる)には、PCたちの意見を聞きながら正確な位置を決める。彼らが自分の判断で探索モードから出てきた場合は、好きなように動き回ることができる。
 例えば、罠を発見してローグがそれを解除しようとし始めたら、他のキャラクターは安全だと思う場所に移動できる。

不利な地形と天候 Adverse Terrain and Weather

 密林、深雪、砂嵐、酷暑など、困難な状況に直面すると、探索速度が低下する。これらの要素がキャラクターの進行にどの程度影響するかを決めるのは君自身だ。
 濃い下草のような移動困難地形は、通常、進行を遅らせる。特定の時間内にどこまで進めるかが重要でない限り、つるを切り裂いたり沼地を踏破したりする描写で簡単にまとめることができる。もしキャラクターたちに時間制限があるなら、表9-2「移動速度」で進行度を調整し、通常、土地のほとんどすべてが移動困難地形の場合は半分に、上級移動困難地形の場合は3分の1にする。
 活火山のカルデラのような障害地形は、プレイヤー・キャラクターに物理的な危害を加えるかもしれない。
 パーティには、そのまま通過するか、時間をかけて迂回するかという選択肢が与えられることもある。キャラクターが障害地形を通過し、呪文や技能判定でダメージを軽減しようとする間、より詳細な場面に移行できる。障害地形に耐えた場合、探索の最後にPCに軽~中程度のXP報酬を与え、ダメージを受けないように賢い予防策を取った場合はXPを少し多くすることを検討しよう。
 危険なクレバス、沼地、流砂、および同様の危険は環境障害である。

障害 Hazards

 探索は罠やその他の障害によって中断されることがある。(障害を参照)。単純な障害は一度だけPCに脅威を与え、探索モードで対処することができる。複合障害は、解決するまで遭遇モードに移行する必要がある。罠の解除や障害の克服は、通常遭遇モードで行われる。PCは“捜索”連続行動(一部の魔法の罠の場合は“魔法探知”連続行動)を使用していれば、探索中に危険を発見できる可能性が高くなる。

イニシアチブのロール Rolling Initiative

 探索から遭遇に移行する際に、通常イニシアチブ・ロールを行う。罠が発動したとき、対立する2つの集団が接触したとき、一方のクリーチャーが他方に対して行動を起こすと決定したときに、イニシアチブを要求する。例えば、以下のようなものがある。
  • PCのパーティが洞窟を探検している。彼らはコボルドの戦士の集団が巡回している狭い通路に入った。2つの集団が同じ区画にいるため、イニシアチブをロールする時が来た。
  • バーバリアンのPCとコボルドの英雄はレスリングの親善試合を行うことに合意した。彼らは土の上で対決し、君は〈運動〉を使用してイニシアチブを要求する。
  • 2人のキャラクターがコボルドの王と交渉している。物事がうまくいっていないので、1人が奇襲をかけることにした。彼女がこれが自分の計画だと言ったら、すぐにイニシアチブを要求する。
  • 2人のキャラクターが、孤立したコボルドの宝の山に到達するために、狭いはりを渡って“平衡感覚”をしている。彼らが半分ほど渡ったところで、山の陰に隠れていたレッド・ドラゴンが飛んできて攻撃を仕掛けてきた! ドラゴンが姿を現すと同時に、君はイニシアチブ・ロールを要求する。

呪文の持続時間の監視 Monitoring Spell Durations

 呪文の持続時間は、魔法の不確かさと奇抜さを便利な数字に体系化した概算値だ。しかし、だからといって、持続時間が1時間の呪文にかっちりと時計を合わせられるわけではない。これが、遭遇以外の時間経過が君の手に委ねられ、遭遇ラウンドのように正確でない理由の1つである。
 呪文の持続時間が過ぎたかどうかについて疑問が生じた場合、君が判断を下す。懲罰的であってはならないが、キャラクターが時計仕掛けの正確さと完璧な効率で遭遇間を渡り歩くように扱うのもよくない。
 この持続時間が最も重要になるのは、プレイヤーが複数の戦闘を呪文の持続時間内に収めようとする場合と、戦闘前に呪文を使用し、戦闘中もその効果を維持しようとする場合の2つである。

複数の遭遇 Multiple Encounters
 1分間持続する呪文は、複数の戦闘が非常に接近して起こり(通常は隣接する2つの部屋で)、PCが遭遇モードから離れることなく次の戦闘に直接移る場合にのみ、持続するはずだ。PCが立ち止まって治療したり、パーティが先へ進むかどうか議論したりすると、その過程で十分な時間がかかり、呪文が切れてしまう。
 10分以上持続する呪文には、より寛大になるとよいだろう。10分持続する呪文は1回の遭遇内で問題なく持続し、場所が近ければ次の遭遇までもつ。1時間持続する呪文は通常、数回の戦闘に耐えることができる。

戦闘の前 Before a Fight
 戦闘前に有利な呪文を発動すること(「事前バフ」と呼ばれることもある)は、準備行動ではなく攻撃行動に多くの戦闘ラウンドを費やせるので、キャラクターにとって大きな利点となる。プレイヤーが敵より優勢であれば、通常は各キャラクターに1つずつ呪文を発動させるか、同様の方法で準備をさせ、その後イニシアチブを取ることができる。
 戦闘前に準備呪文を唱えることは、それが暗記されたように感じられ、プレイヤーがそれが常に機能すると仮定した場合に問題となる。多くの場合、“呪文発動”という行為はパーティの存在を知らしめることになる。PCの準備がばれる可能性がある場合は、全員が準備を完了する前にイニシアチブ・ロールを行うこともできる。

リアクション後のイニシアチブ Initiative after Reactions

 場合によっては、罠や敵のリアクションによってイニシアチブ・ロールを指示されることがある。例えば、複合罠がトリガーされた場合、イニシアチブ順が始まる前にそのリアクションによって攻撃を行うかもしれない。このような場合、リアクションの結果をすべて解決してから、イニシアチブ・ロールを要求する。

ロール種別の選択 Choosing the Type of Roll

 イニシアチブに使用するロールの種類を選択する場合、最もわかりやすい選択肢を選ぶようにする。最も一般的なロールは知覚だ。次によく使われる技能は、〈隠密〉(忍び寄る場合)と〈ペテン〉(相手を欺くため)である。社交的なの対決では、〈威圧〉、〈交渉〉、〈社会〉知覚、〈ペテン〉からいずれかを使用するのが一般的だ。
 どのロールを呼ぶか迷った場合は、知覚を使うこと。
 別の種類のロールがキャラクターにとって意味をなす場合は、通常、そのロールか知覚のどちらかを、プレイヤーに選んで決定してもらうようにする。例えば、キャラクターが敵に忍び寄り、間違いなく〈隠密〉を使用すべき場合など、明らかに知覚よりも他の種類の判定の方が理にかなっている場合は、この方法は使用しないように。
 プレイヤーは知覚と異なる技能を使用すべきであると主張してもよいが、それは事前に確立された何かに基づいている場合に限られる。例えば、攻撃の前段階において、メリシエルのプレイヤーが「シャンデリアからぶら下がって相手を落とす」と言った場合、イニシアチブ・ロールに〈軽業〉を使用させてもよいだろう。もし、「おい、こいつらを攻撃したいんだ」とだけ言ってきた場合、それを許可すべきではない。

キャラクターの配置 Character Placement

 戦闘遭遇のイニシアチブを要求する場合、その遭遇の参加者が戦闘マップのどこに行くかを決める必要がある。パーティ配置を基本とするように。〈隠密〉を使用しているキャラクターを前進させて位置につき、発見される前に合理的に移動できた場所に配置することもできる。各プレイヤーと相談し、お互いの位置関係が理にかなったものであることを確認すること。

休息 Resting

 キャラクターは1日に8時間の睡眠を必要とする。休息は通常夜に行われるが、グループは日中に休んでも同じ効果を得ることができる。いずれにせよ、24時間に1度だけ休息による恩恵を受けられる。8時間休息したキャラクターは以下のように回復する。
  • キャラクターは自分の【耐久力】修正値(最低1)×自分のレベルに等しい値のヒット・ポイントを回復する。避難所や快適な場所なしで休んだ場合、この回復量を半分に減らしてもよい(最低でも1HPまで)。
  • キャラクターから疲労状態を取り除く。
  • キャラクターの凶兆状態と吸精状態の状態値を1だけ減少させる。
  • ほとんどの術者は、その日の呪文を回復する前に休息をとる必要がある。
 探検モードに入っているグループは休息を試みることができるが、完全に危険から逃れることができるわけではなく、休息が中断されるかもしれない。しかし、8時間の休息は連続したものである必要はなく、中断された後、キャラクターは再び眠りに戻ることができる。
 鎧を着たまま眠ると、休息が浅くなり、疲労で目が覚めてしまう。疲労状態から回復するはずのキャラクターであっても、鎧を着て眠ると疲労状態から回復しなくなる。
 16時間以上眠らない場合、キャラクターは疲労状態になる。
 より早い回復のための長期休息は余暇に含まれ、探索中には行えない。

見張りと不意討ち攻撃 Watches and Surprise Attacks

 冒険者たちは、通常、数人を見張りとして配置し、他の人たちが休んでいる間に危険を察知しようとする。見張りの時間は睡眠の妨げになるので、夜のスケジュールは全員が見張りをする時間を考慮する必要がある。次ページの「表10-3:見張りと休息」は、全員が同じ長さの交代制飲み針を割り当てられたと仮定して、パーティが休憩のために確保する必要がある時間を示している。
 休息中に奇襲が発生する場合、ダイスを振ってその時の見張りをランダムに決定することができる。すべてのキャラクターはイニシアチブをロールする。眠っているキャラクターは通常、気絶状態であるために-4の状態ペナルティを受けた上で知覚をロールする。眠っているキャラクターはイニシアチブをロールすることで自動的に目を覚ますことはないが、ターンの開始時に騒音によって目を覚ますために知覚判定をロールするかもしれない。精通した敵が、特に弱いキャラクターが見張りをするのを待ってから攻撃する場合、そのキャラクターの見張りの間に自動的に攻撃が行われることがある。しかし、待ち伏せしている者がその接近に気づいたかどうかを確認するために、すべてのキャラクターの知覚DCに対して〈隠密〉判定を試みるように決めてもよい。

表10-3:見張りと休息 Watches and Rest
グループの人数 合計時間 各見張りの期間
2 16時間 8時間
3 12時間 4時間
4 10時間40分 2時間40分
5 10時間 2時間
6 9時間36分 1時間36分

日毎の準備 Daily Preparations

 探索に出発する直前、あるいは一晩休んだ後、PCは冒険の準備のために時間を費やす。
 これは通常、朝に30分から1時間かけて行われるが、丸8時間の休息を取った後でなければならない。
 日毎の準備には以下のようなものがある。
  • 呪文の準備をする術者は、その日に使用できる呪文を選択する。
  • 日毎の準備で焦点化ポイントやその他の能力値は初期値に戻る。これには、1日に一定回数しか使用できない能力も含まれる。
  • 各キャラクターは、装備品を着用する。すなわち、鎧を着たり、武器を身につけたりする。
  • キャラクターは身につけた魔法のアイテムを最大10個まで充填して、その日の利益を得る。

飢えと乾き Starvation and Thirst

 通常、キャラクターは快適に生きていくのに十分な量を食べたり飲んだりしている。十分に水を摂取できないときは、接種するまで疲労状態になる。水を飲まずにそのクリーチャーの【耐久力】修正値+1日経過すると、1時間毎に1d4のダメージを受ける。このダメージは喉の渇きを潤すまで回復できない。同じ時間だけ食べ物を摂取しない場合、毎日1ダメージを受ける。このダメージは空腹を満たすまで回復できない。

余暇 Downtime

 余暇では丸1日の重要な出来事をロール1回にまとめることができる。キャラクターが帰宅したときなど、冒険をしていないときにこのモードを使用する。

 通常、余暇はセッション開始時の数分間か、冒険の主要な章の間の休憩時間である。探索と同様、余暇にもロールプレイや遭遇を自然に挟むとよいだろう。本項では、余暇の扱い方を説明し、生活費、物品の売買、長期休養、再訓練など、余暇に特有のいくつかの連続行動や考察を詳細に示す。それ以外のほとんどの余暇連続行動は技能アクションだ。いくつかのコモンの余暇連続行動と関連する技能は以下に一覧として示す。詳細は4章の対応する技能を参照。
  • “作成”(〈製作〉)
  • “収入を得る”(〈芸能〉、〈製作〉、〈知識〉)
  • “病気の手当て”(〈医術〉)
  • “偽造”(〈社会〉)
  • “自活”(〈社会〉、〈生存〉)
 報奨:なしもしくは低。余暇は冒険の対極にあり、危険の少ない連続行動を執り行う。
 時間尺度:余暇は実時間では数分だが、ゲーム世界では数日、数週間、数ヶ月、数年続くこともある。
 アクションとリアクション:アクションとリアクションを使用する必要がある場合、探検モードや遭遇モードに切り替えること。行動できないクリーチャーは、ほとんどの余暇連続行動を行うことはできないが、長期休息を取ることはできる。

余暇の1日をプレイする Playing Out a Downtime Day

 ある日の余暇の開始時に、すべてのプレイヤーにその日に自分のキャラクターが何を達成しようとしているのかを宣言してもらう。その後、一度に1人のキャラクターの努力を解決することができる(1つのプロジェクトに協力している場合は、いくつかのキャラクターをまとめて解決することもできる)。“収入を得る”のような一部の活動は、簡単なロールと、君とプレイヤーによる多少の装飾が必要なだけだ。他の連続行動はより複雑で、遭遇や探検が組み込まれている。余暇の連続行動は、どのような順番でプレイヤーにあたっても問題ないが、簡単なものから行うのが良い場合が多い。
 より複雑な連続行動に参加していないプレイヤーは、より複雑な連続行動が行われている間、卓内で休憩を取ることができるかもしれない。
 キャラクターは、探索の1日と同じように、望むなら日々の準備を引き受けることができる。
 プレイヤーに標準的な準備の組み合わせを決めるように依頼し、プレイヤーが特に言わない限り、キャラクターは毎日同じルーティーンワークを行っていると仮定してよい。

協力 Cooperation

 複数のキャラクターが同じ余暇の作業に協力することができる。無人島で救助を待つパーティが“自活”する場合など、1回の判定で済む簡単な作業であれば、1人のキャラクターが必要な判定を行い、他の全員がそのキャラクターを“援護”する。複雑な作業の場合は、全員が一度に別々の担当を受け持つと仮定し、すべての作業を完了するためのものだとして扱う。
 例えば、あるパーティが共同で劇場を建設する場合、1人のキャラクターが建築設計を行い、1人が肉体労働を行い、1人が地元の政治家やギルドに相談するといった具合だ。

判定 Checks

 余暇連続行動にはロールを必要とするものがあり、これらは一般に技能判定である。これらのロールは長時間に渡る一連の作業の集大成なので、プレイヤーはダイス・ロールを操作する能力や呪文のほとんど(例えば魔法のアイテムを起動してボーナスを得たり、幸運呪文を発動して2回ロールするなど)を使用できない。しかし依然として、常に得られる利益は適用される。そのため、起動しなくてもボーナスが得られる魔法のアイテムを充填することはできる。このルールには特定の例外を設けることができる。常に提供されるもの、あるいは常に提供されるに等しいほど頻繁に使用されるものは、余暇判定に使用される可能性が高い。例えば、《技能の保証》は適用されるべきだ。

余暇の長期期間 Longer Periods of Downtime

 数週間、数ヶ月、あるいは数年といった長い休養期間に余暇を実行するのは、より困難なことかもしれない。
 しかし、キャラクターにとっては、日々の活動に煩わされることなく、長期的な計画に向けて前進できる機会でもある。多くの時間を費やすため、キャラクターは1日毎に判定を行わない。
 その代わり、いくつかの特別な出来事に対応し、残りの余暇を平滑化し、生活費を支払う。

出来事 Events

 キャラクターが余暇に何を達成したいかを述べた後、それぞれのキャラクターに対していくつかの目立つ出来事を選ぶ。通常は1週間から1ヶ月の期間で出来事1つ、あるいは1年以上の期間で出来事4つを選ぶ。これらの出来事は、各キャラクターとその目標に合わせたものであるべきで、冒険や物語展開のフックとなるものだ。
 以下に挙げる余暇における出来事の例は、すべて“収入を得る”ためのものだが、他の活動のアイデアを得るために使用することもできる。〈芸能〉で“収入を得る”を行うキャラクターは、来訪した貴族のために新作の演劇を堂々と上演することができる。〈製作〉を使うキャラクターは、特別なアイテムの製作を依頼されるかもしれない。〈知識〉を使うキャラクターは、迅速な対応が必要な難問を研究しなければならないかもしれない。
 特定の余暇連続行動に該当しないことを行いたいPCも、余暇の出来事を経験できる。たとえば、あるキャラクターが自分の魔法書を収めるための書庫を作ろうとした場合、土台作りと完成後の書庫の整理を主要な出来事とするとよいだろう。この場合、最初の判定は〈製作〉、2番目は〈秘術〉または〈知識:書庫〉になる。

平均的な進捗 Average Progress

 長期間の余暇には、毎週、あるいは毎月のロールは必要ないかもしれません。その代わりに、キャラクターが余暇を過ごす場所で確実に見つけられる最も低いレベルを用いて、作業1つのレベルを設定する(作業のレベルの設定については、難易度を参照)。この判定に失敗した場合、1週間後(余暇に何年も費やす場合は1ヶ月後)に再挑戦することを許可してもよいだろう。ただし、ゲームの物語上、再挑戦を許可するのが妥当と思われるようなことがない限り、再挑戦は許可しないように。
 長時間の余暇に含まれる出来事は、通常、基準よりも高いレベルの作業が含まれるべきだ。例えば、〈知識:航海〉で“収入を得る”を行うキャラクターが4ヶ月間、港で1レベルの作業を、1週間は忙しいので3レベルの作業をこなす仕事を行う、というような場合だ。通常、プレイヤーは1レベルの仕事に費やした時間と、3レベルの仕事に費やした1週間の時間について、それぞれ1回ずつロールする。

生活費 Cost of Living

 短時間の余暇では、キャラクターは通常、居住地を通過するか、そこで少し時間を過ごすだけだ。宿屋に泊まったり、食事をしたりする場合は、その価格を使用することができる。長期間の余暇では、本ページの表6-16「生活費」の値を使用する。これらの費用は、余暇の活動でお金を得た後、キャラクターの資金から差し引かれる。

表6-16:生活費 Cost of Living
生活水準 週 月 年
最低限* 4sp 2gp 24gp
快適 1gp 4gp 52gp
良好 30gp 130gp 1,600gp
富裕 100gp 430gp 5,200gp
* 〈社会〉あるいは〈生存〉を用いて無料で“自活”を試みることができる。

 キャラクターはその土地で生活することもできるが、その場合、通常、他の余暇連続行動を諦めて、“自活”連続行動を使用する。

売買 Buying and Selling

 冒険の末に戦利品を得たキャラクターは、売りたいアイテムをたくさん持っているかもしれない。同様に、通貨が潤沢になったとき、装備を買いだめしたいと思うかもしれない。通常、数個の品物を売ったり、数個の品物を買うのに余暇が1日必要だ。大量の品物、高価な品物、需要の少ない品物を売り払うには、より長い時間がかかることもある。
 これは、キャラクターが余暇にそれなりの規模の集落にいることを想定している。場合によっては、大きな街に行くために何日も移動することに時間を費やすかもしれない。
 どのような店やアイテムが利用できるかは、いつも通り最終的には君が決定する。
 アイテムは通常、定価で購入し、定価の半分の値段で売ることができる。需要と供給によってこの数字は調整されるが、そのようなことはめったに起きない。

長期休息 Long-Term Rest

 余暇中に24時間休むと、8時間休んだときの2倍だけ回復できる。
 この期間の間、快適で安全な場所(通常はベッド)で休息する必要がある。
 余暇が数日から1週間とかなり長ければ、すべてのダメージとほとんどの永続的でない状態が回復する。
 病気や長期間の毒、あるいはそれに類するものに冒されたキャラクターは、余暇中もセーヴを試み続ける必要があるかもしれない。呪いや後遺症など、取り除くのに魔法や特別な看護を必要とする状況は、長期休息中であっても自動的には終了しない。

再訓練 Retraining

 再訓練のルールでは、プレイヤーがキャラクターの選択を変更することができるが、再訓練に教師が必要かどうか、どれくらいの時間がかかるか、関連するコストがあるかどうか、そして能力がまったく再訓練できないかどうかは、君の判断に依存することになる。キャラクターがほとんどの選択肢を再訓練することは合理的であり、君はそれを許可すべきだ。ソーサラーの血統のように、そのキャラクターにとって本当に本質的な選択だけは、特別な事情がない限り制限されるべきだ。
 再訓練を物語にするようにしよう。キャラクターが既に知っているNPCを教師として使ったり、キャラクターを神秘的な古い図書館で熱心に研究させたり、前のセッションでキャラクターに起こった何かの結果として再訓練を行うことで、ゲームの物語に根付かせてみよう。

時間 Time

 特技や技能増加の再訓練は、通常1週間かかる。選択を必要とするクラス特徴も再訓練できるが、最低でも1ヶ月、場合によってはそれ以上の時間がかかる。再訓練が特に肉体的に厳しい場合や、移動、長時間の実験、綿密な研究などを必要とする場合はさらに時間がかかるかもしれないが、通常は特技や技能で1ヶ月、クラス特徴で4ヶ月までとなるだろう。
 キャラクターは一度に複数の選択肢を再訓練する必要があるかもしれない。例えば、技能増加を再訓練した結果、使えなくなる技能特技が発生するならば、それらも再訓練する必要がある。このような再訓練の時間をすべて合計し、その合計を少し減らすことで、再訓練のまとまりを表現することができる。

教師と費用 Instruction and Costs

 このルールは、レベル上昇に伴って新しいことを学んでいく過程を抽象化したものだ。しかし、再訓練はキャラクターが教師の元で働くか、そのために特定の練習を受けることを示唆している。もし望むなら、再訓練のこの側面を完全に無視することもできるが、NPCを紹介(または再紹介)し、ゲームの物語を進める機会を与えることもできる。特に技能の再訓練に関しては、あるプレイヤー・キャラクターが別のプレイヤー・キャラクターを指導することもできる。
 再訓練にかかる費用は、PCが同じ期間に“収入を得る”のと同程度の、非常に小さなものであるべきだ。この費用は、その訓練が物語の中で適切であると感じられるようにするためのものであり、キャラクターの収入を大幅に消費するためのものではない。教師は、キャラクターが既に行ったことの報酬として無給で働くことを志願するかもしれないし、単に見返りとして頼みごとをするかもしれない。

再訓練できない選択肢 Disallowed Options

 キャラクターの選択肢の中には通常再訓練できないものもある。しかし君は、キャラクターが再訓練できる方法を考案しても良い。それは例えば、特別な儀式や驚異的な使命、完璧な教師などである。例えば、ゲームのバランスを崩す可能性があるため、能力値は再訓練できない。しかし、必ずしもすべてのプレイヤーがこのシステムを悪用したいわけではない。例えば、あるプレイヤーが単純に低い能力値2つの間で能力値増強を入れ替えたいだけかもしれない。このような場合、数ヶ月かけて訓練や勉強をして、能力値増強を再割り当てさせてもよいだろう。

難易度(DC) Difficulty Classes

 ゲーム・マスターとして、あらかじめ定義されたDCを使用しない判定のDCを設定するのは君の仕事だ。以下のセクションでは、適切なDCを設定し、必要に応じてそれを微調整することで、君の物語に自然さを感じさせる方法を助言している。簡易DCを選ぶことと、レベル基準DCを使うことは、それぞれ特定の状況でうまく機能する。君はDCの調整に関する助言を使って、両方のDCを調整できる。

簡易DC Simple DCs

 ときに素早くDCを設定する必要がある。最も簡単な方法は表10-4からどの習熟度ランクが作業に最も適当化を推定して、簡易DCを選択することだ(そのランクがその作業の成功に必要というわけではない)。
 もし誰でもできることであれば、未修得DCを用いる。ある程度の訓練が必要な場合、その作業の複雑度に応じて、修得、熟練、達人、伝説の習熟度に記載されたDCを用いる。例えば、PCがある寓話の背後にある真の歴史を明らかにしようとしていたとする。そのためには“知識の想起”判定が必要だ。〈知識:民話〉の熟練だけがその情報を知っていると判断し、DCを30(つまり熟練の簡易DC)に設定する。

 簡易DCは、ゲーム中にDCが必要で、作業に対応するレベルがない場合に適している。技能判定に最も役立つだろう。単純DC間には中間値がないため、PCの命がかかる障害や戦闘ではうまく機能しない。このような課題には、レベル基準DCを使用することを推奨する。

表10-4:簡易DC Simple DCs
習熟度ランク DC
未修得 10
修得 15
熟練 20
達人 30
伝説 40

レベル基準DC Level-Based DCs

 レベルを持つものを基準に技能DCを決定する場合、表10-5を参考にDCを設定する。対象のレベルを求め、それに対応するDCを割り出す。呪文は1~10で表されるため、呪文レベルの欄を使用する。
 PCが“呪文の識別”やクリーチャーに関する“知識の想起”を必要とするとき、あるレベルの仕事をこなして”収入を得る”を試みるときなどにこれらのDCを使用する。また、簡易DCを割り当てる代わりに、レベル基準DCを障害に使用することもできる。例えば、高レベルのダンジョンにある壁が滑らかな金属でできており、登るのが困難であると判断したとしよう。単純に「達人の習熟度の者しか登れない」とし、簡易DCである30を使うこともできるし、ダンジョンを作った15レベルの敵が作った壁として、15レベルのDCである34を使うこともできる。どちらの対処も合理的だ。
 尚、技能に投資したPCは、レベルが上がるにつれて自分のレベルのDCで成功する可能性が高くなるため、記載されたDCは最終的に非常に簡単になる。

表10-5:レベル基準DC DCs by Level
レベル DC
0 14
1 15
2 16
3 18
4 19
5 20
6 22
7 23
8 24
9 26
10 27
11 28
12 30
13 31
14 32
15 34
16 35
17 36
18 38
19 39
20 40
21 42
22 44
23 46
24 48
25 50

呪文レベル* DC
1レベル 15
2レベル 18
3レベル 20
4レベル 23
5レベル 26
6レベル 28
7レベル 31
8レベル 34
9レベル 36
10レベル 39
* 呪文がアンコモンあるいはレアの場合、DCを適切に調整すべきだ。

難易度の調整 Adjusting Difficulty

 PCの専門分野を考慮したり、呪文やアイテムの稀少性を表現するために、DCを基準値とは異なるものにしようと思うこともあるかもしれない。DCの調整は、ある作業の難易度における本質的な違いを表し、その作業の特定の判定を試みる者すべてに適用される。
 調整は、レベル基準DCを用いる作業で最も多く発生する。調整は-10~+10で行われ、極めて容易から極めて困難まで、2、5、10刻みで行われる。
 アンコモン、レア、ユニークな対象に対して適用されることが多いだろう。

表10-6: DCの調整 DC Adjustments
難易度 調整 稀少性
極めて容易 -10 ―
とても容易 -5 ―
容易 -2 ―
困難 +2 アンコモン
とても困難 +5 レア
極めて困難 +10 ユニーク

 調整の名前はPCに取っての作業が実際にどれだけ難しいかを表すものではない。また、調整のPCのボーナスやペナルティのバランスをとるものでもない。技能に投資したPCは、レベルが上がるにつれてその技能がどんどん上手になる。例えば、最高の1レベルPCでさえも、極めて困難な1レベルのDCに対して成功するのは難しく、大失敗する可能性が非常に高い。しかし、20レベルになると、わずかな魔法や支援を受けた最適なキャラクターは、極めて困難な20レベルのDCを半分以上の確率で成功させ、1でなければ大失敗しない。高レベルでは、多くのグループがとても困難のDCを標準に近いと感じる。高レベルのグループに真の挑戦をもたらす判定が必要ならこのことを覚えておくこと。

 ある作業の判定に使用する特定の技能やデータによって、異なるDCを使用することがある。例えば、PCが異形クリーチャーに関する魔法の書物に遭遇したとしよう。その書物は4レベルであり、伝承の特性を持つので、表10-5に基づき、魔法を見分けるための〈伝承学〉判定のDCを19に設定する。“魔法の識別”で述べたように、他の魔法関連技能は通常より高いDCで使用できるため、〈秘術〉を使用するキャラクターにとってこの判定は非常に困難であると判断し、その技能を使用するキャラクターのDCを24に設定することもできるだろう。もし君のグループのキャラクターが〈知識:異形〉を持っていたら、その技能を使うのは容易かとても容易だと判断し、DCを17や14に調整するかもしれない。これらの調整は、キャラクターのボーナス、修正値、ペナルティの代わりに行われるものではない。

集団での試み Group Attempts

 この章に示したDCは、個々のキャラクターがある程度の習熟度を持っていれば、成功する確率を強く、そして高くするものだ。しかし、時には、パーティの中で一人だけが成功する必要があるが、全員が挑戦することができる作業もある。ロールすればするほど、少なくとも一人が成功する可能性が非常に高くなるたぐいのものだ。たいていの場合、それはまったく問題ないが、時にはパーティが成功できるかどうかわからないような、挑戦的な課題にしたい場合もあるだろぷ。このような場合、判定は「とても困難」、特に難しくしたい場合や高いレベルに置いては「極めて困難」にする。
 このようなDCでは、パーティのほとんどが失敗するだろうが、その技能に多大な投資をしているキャラクターは、それでもまだ成功する可能性がある。

最低習熟度 Minimum Proficiency

 特定の作業を成功させるには、判定の成功に加え、特定の習熟度ランクが必要な場合がある。鍵や罠はしばしば、〈盗賊〉のアクションである“鍵開け”や“装置無力化”の成功に特定の習熟度ランクを要求する。記載されている習熟度よりも低い習熟度のキャラクターも判定を試みることができるが、成功することはできない。同様の最低習熟度を他の作業にも適用できる。たとえば、ある難解な定理を理解するためには〈秘術〉への修得が必要だと決めることができる。未修得のバーバリアンはその判定に成功できないが、望むなら挑戦することはできる――そう、大失敗して誤った情報を得る機会が必要だ!
 最低習熟度を必要とする判定では、以下の指針を心に留めておくように。2レベル以下の作業では熟練の習熟度、6レベル以下の作業では達人の習熟度、14レベル以下の作業では伝説の習熟度を必要とすることはほとんどないはずだ。そのような場合、そのレベルのキャラクターは成功できない。

特別なアクション Specific Actions

 本書のいくつかの箇所、特に4章「技能」では、特定の判定のDCを設定したり、その他のパラメータを決定するのはGMであると述べられている。ここで、最も一般的な作業の指針を示す。なお、これらはすべて指針であり、状況に応じて適宜調整して構わない。

“作成” Craft

 キャラクターがアイテムを“作成”する場合、そのアイテムのレベルを用いてDCを決定し、アイテムの稀少度がコモンでない場合は表10-6の調整を適用する。また、以前に作ったことのあるアイテムの場合は、簡易DCの調整を適用することもできる。アイテムの“修理”には通常そのアイテムのレベル基準DCを使用し、調整を行わない。

“収入を得る” Earn Income

 誰かが“収入を得る”をしようとするとき、作業のレベルを設定する。
 実行できる最高レベルの作業は、通常、そのキャラクターがいる集落のレベルと同じだ。集落のレベルがわからない場合、通常、村なら0〜1、町なら2〜4、都市なら5〜7となる。PCがレベル8〜10の仕事を見つけるには大都市や首都に、それ以上の仕事を見つけるには世界最大の都市や別の次元界に日常的に行く必要があるかもしれない。場所によっては、その集落の性質に応じて、通常より高いレベルの仕事が用意されていることもある。主要な港には〈知識:航海〉の通常より高いレベルの作業があり、芸術活動が盛んな都市には〈芸能〉の通常より高いレベルの作業がある、といった具合だ。特に曖昧な技能を使おうとしている場合、理想的なレベルの作業を見つけるのに苦労するかもしれないし、全く見つからないかもしれない。
 PCが利用可能な作業の中から特定のレベルのものを選んだら、表10-5に掲載されたレベルのDCを使用する。屋外での作業で悪天候に見舞われたり、上演時に騒がしい観客がいたりする場合は、より難しくなるようにDCを調整してもよいだろう。

“情報収集” Gather Information

 “情報収集”のDCを設定する最、対象に関する情報の有無を表す簡易DCを使用する。情報を集めようとするPCがより深い情報を求めている場合は、DCを上方修正する。たとえば、あるキャラクターが商隊について情報を集めたい場合、一般人ならあまり知らないだろうが、商人や警備員なら知っているだろうと判断し、基本的な事実を学ぶには修得の熟練度における簡易DCを使用できる。商隊の隊長の名前は表向きのものなので、それを知るにはDC15(表10-4における修得の簡易DC)かもしれない。しかし、隊長の雇い主の身元を知ることは、雇い主がよりはっきりしない場合、DC20になるかもしれない。

“魔法の識別”あるいは“呪文の修得” Identify Magic or Learn A Spell

 “魔法の識別”や“呪文の修得”におけるDCは、通常、表10-5に記載されている呪文やアイテムのレベルを基準にしたDCを、その稀少度で調整したものだ。非常に奇妙なアイテムや現象は、通常より高いDCに調整される。呪われたアイテムやある種の幻のアイテムについては、誤認の可能性を高めるために非常に困難のDCを使用する。

“知識の想起” Recall Knowledge

 ほとんどの話題について、“知識の想起”の判定には簡易DCを用いればよい。特定のクリーチャーや罠など、レベルを持つ対象についての判定には、レベル基準DCを用いる(必要に応じて稀少度で調整する)。その対象が特に悪名高かったり有名だったりする場合は、難易度を大幅に下げることもできる。例えば、悪名高いドラゴンの功績に関する簡単な物語を知ることは、そのドラゴンのレベルでは信じられないほど簡単かもしれないし、修得の簡易DCでよいかもしれない。

〈知識〉の範囲の決定 Determining The Scope of Lore

 〈知識〉はパスファインダーの最も専門的な要素の1つだが、特にキャラクターが選択してもよい〈知識〉の副分類を決めるにはGMの監視が必要となる。〈知識〉の副分類は狭い範囲に特化したものであり、したがって技能全体のすべて、あるいは大部分を代替するものであってはならず、また膨大な情報を伝えるものであってもならない。例えば、〈知識〉の副分類1つですべての宗教を包含できるわけではない(〈宗教〉技能では包含できる)。〈知識〉の副分類で国全体や歴史全体を包含することはできないが、ある都市や古代文明、近代国家の一面を包含することできる。〈知識〉の副分類1つで多元宇宙全体を包含することはできないが、物質界以外の次元界1つすべてを包含することはできる。

代替技能 Alternative Skills

 アクションの説明にあるように、キャラクターは通常用いる選択肢として記載されているものとは異なる技能を用いて“知識の想起”を試みることができる。その技能の適用性が高い場合、例えば薬としても使われるソーダ水を特定するために〈医術〉を使うのであれば、おそらくDCを調整する必要はないだろう。もし、その関連性に無理があるならば、難易度の調整で説明したようにDCを上方修正する。

追加の知識 Additional Knowledge

 キャラクターが“知識の想起”の判定を受けて、より多くの情報を発見するために別の判定を行いたい場合がある。成功した後、さらに“知識の想起”を使えばより多くの情報を得ることができるが、試行するたびに難易度を高くするように調整する必要がある。キャラクターが非常に困難の判定に挑戦したり、判定に失敗したりすると、それ以上の挑戦は実を結ばない――キャラクターはその主題について知っていることをすべて思い出したことになる。

クリーチャーの識別 Creature Identification

 クリーチャーの識別に成功したキャラクターは、トロルの再生能力(そして強酸や火炎で抑止できるという事実)やマンティコアの尾のトゲのような、そのクリーチャーの最もよく知られた特徴の1つを知ることができる。大成功すれば、キャラクターはデーモンの弱点やクリーチャーのリアクションのトリガーなど、より細かなものも知ることができる。
 クリーチャーの識別のために使用する技能は、表10-7に示すように、通常そのクリーチャーの特性によって決まるが、どの技能を適用するかは自由である。たとえば、ハグは人形生物だが、伝承呪文と強い結びつきがあり、社会の外で生活している。〈伝承学〉技能もまた、その特定のクリーチャーを識別するのに用いることを認めても良い。その一方で、〈社会〉を用いるのはより難しくなる。適切な〈知識〉の使用は、通常(稀少度での調整前で)簡単のDCもしくは非常に簡単のDCを持つ。

表10-7:クリーチャー識別に用いる技能 Creature Identification Skills
クリーチャーの特性 技能
アストラル 〈伝承学〉
アンデッド 〈自然〉
異形 〈伝承学〉
エーテル 〈伝承学〉
エレメンタル 〈自然〉、〈秘術〉
監視者 〈宗教〉
菌類 〈自然〉
植物 〈自然〉
人造 〈秘術〉、〈製作〉
セレスチャル 〈宗教〉
動物 〈自然〉
粘体 〈伝承学〉
人形生物 〈社会〉
フィーンド 〈宗教〉
フェイ 〈自然〉
魔獣 〈自然〉、〈秘術〉
竜 〈秘術〉
霊魂 〈伝承学〉

“方向感覚” Sense Direction

 〈生存〉で“方向感覚”を行う場合、最も適切な簡易DCを選ぶ。これは通常の荒野では修得、深い森や地下では熟練、特徴のない場所や特異な場所では達人、他の次元界の奇妙で超現実的な環境では伝説のDCとなる。

社交技能 Social Skills

 キャラクターが〈威圧〉、〈芸能〉、〈交渉〉、〈ペテン〉を使用してレベルや意志DCがわからない相手に影響を与えたり印象づけたりする場合、そのクリーチャーのレベルを推定し、レベル基準DCを使用する。一般人のレベルは通常0~1だ。正確かどうかを気にする必要はない。対象の態度に基づいて〈芸能〉、〈交渉〉、〈ペテン〉のDCを調整することはしばしば妥当であり、友好的状態のクリーチャーには簡単、協力的状態のクリーチャーにはとても簡単、非友好的状態のクリーチャーには困難、敵対的状態のクリーチャーには非常に困難にすることができる。DCをさらに調整したり、PCの目的に従う形で別の調整を行うこともできる。例えば、中立的状態のNPCが基本的に反対していることを要求するためのDCは極めて困難かそもそも不可能かもしれないが、非友好的状態のクリーチャーがすでに望んでいることをするように説得するのは簡単かもしれない。

“自活” Subsist

 通常、“自活”アクションは簡易DCで十分で、典型的な状況であれば修得のDCが必要だ。環境や都市の性質を目安にすると良い。例えば、資源が乏しい環境や定住しないものに対する許容度が低い都市では、熟練以上のDCを必要とするかもしれない。

“追跡” Track

 PCが〈生存〉で“追跡”する場合、しばしば簡易DCを選んで状況に応じて調整することがある。例えば、軍隊は通常追跡し易いため、未修得のDCである10を使用するだろう。軍隊が泥濘を歩くなら、DCを5まで下げることもできる。一方、パーティが“足跡を隠す”を使用する賢い生存巧者を追いかける場合、“追跡”のためのDCに彼らの〈生存〉DC を用いてもよいだろう。

“動物の訓練” Train An Animal

 “動物の訓練”により、PCは動物に芸を仕込むことができる。動物のレベルを基準に用いること。その芸が特に難しい場合はDCを上げ、ドッグのように特に飼いならされた動物の場合はDCを下げてもよい。

報酬 Rewards

 プレイヤー・キャラクターは、英雄的な行為によって3種類の報酬を得られる。困難な状況から抜け出すために使うヒーロー・ポイント、レベル上昇に用いる経験点、強力な魔法のアイテムなどの財宝だ。

ヒーロー・ポイント Hero Points

 キャラクターの手元に残る経験点や財宝とは異なり、ヒーロー・ポイントはセッションごとに付与され、使用される。ゲーム・セッションの開始時に、各プレイヤー・キャラクターに対してヒーロー・ポイントを1ポイント付与する。また、ゲーム中の英雄的な瞬間や何かを達成した後(下記参照)に、さらにヒーロー・ポイントを与えることもできる。プレイヤーは1ヒーロー・ポイントを消費して再ロールでき、死に瀕したときにヒーロー・ポイントを全て消費して回復することもできる。
 一般的なゲームでは、最初のプレイから1時間経過するごとにヒーロー・ポイントを1ポイント程度配布する。例えば、4時間のセッションで3ポイント追加される。より派手なゲームにしたい場合や、パーティが信じられないような困難に直面し、計り知れない勇気を示した場合は、30分ごとに1ポイント(4時間のセッションで6ポイント)のように、より速いペースで配布することもできる。各PCにヒーロー・ポイントを獲得する機会があるようにし、1人のキャラクターに全てのヒーロー・ポイントを付与しないように。
 勇敢な最後の抵抗、罪のない人々を守ること、賢明な戦略や呪文を使用してその日を救うことなどは、すべてキャラクターがヒーロー・ポイントを獲得することになる。卓の全員がそのキャラクターの功績を称えたり、畏敬の念を抱いたりする瞬間があれば、それがそのキャラクターへのヒーロー・ポイント付与の合図だ。
 また、パーティはゲーム中の成果によってもヒーロー・ポイントを得ることができる。中程度の成果や大きな成果に対して、ヒーロー・ポイントを付与することを検討しよう。このポイントは通常、その達成に貢献したPCに与えられる。

経験点 Experience Points

 冒険をすると、キャラクターは経験点(XP)を獲得する。
 この報酬は、目標の達成、社会遭遇の完了、新しい場所の探索、モンスターとの戦い、障害の克服、およびその他の種類の行為から得られる。キャラクターがいつXPを獲得するかは、大まかに君が制御できるが、以下の指針は標準的なキャンペーンで期待されるものだ。
 通常、プレイヤー・キャラクターは1,000XP以上になるとレベル上昇してXPが1,000減少し、次のレベルへ向けて成長し始める。成長のその他の意味については、サイドバーの「成長速度」に記載されている。

成長速度 Advancement Speeds

 レベル上昇に必要なXPの量を変えることで、キャラクター強化の速度を変更できる。ゲーム・ルールは、標準的なレベル上昇を行うグループを想定している。早いレベル上昇は、あまり長いキャンペーンを行わないことがわかっていて、できるだけ早く多くのことを達成したい場合に最適だ。遅いレベル上昇は、すべての成長は苦労して勝ち取ったものであるという厳しいキャンペーンに特に向く。
 また、冒険ごとにXPを変化させることで、異なる雰囲気を味わうことができる。例えば、殺人事件のミステリーと幽霊の出る荒野の旅では遅い成長速度、を使用する。PCがダンジョンに到達したら、標準または早い成長速度に切り替えるかもしれない以下の数値はあくまで一例だ。これより高い値や低い値を使用することもできる。
成長速度 レベル上昇までのXP
早い 800XP
通常 1,000XP
遅い 1,200XP

物語基準のレベル Story-Based Leveling

 もしXPの管理や配布をしたくない、あるいは物語上の出来事のみに基づいて成長させたい場合は、XP処理を完全に無視し、代わりにキャラクターがレベル上昇するタイミングを単純に決定できる。
 一般的には、3〜4回のゲーム・セッションごとにレベルを上げる。その間に重要な悪役を倒したり、大きな目標を達成したりといった、最も適切な大事件が発生した直後に、キャラクターがレベル上昇するようにする。

XP報酬 XP Awards

 経験点は、遭遇や探索、冒険の進行に応じて付与される。PCが戦闘や社会的対立などの直接的な敵に直面した場合、獲得できるXPはパーティが克服した課題のレベルに基づく。また、秘密の場所や隠れ家を見つけたり、危険な環境に耐えたり、ダンジョン全体を踏破するなど、探索によってもXPを獲得できる。
 獲得したXPは、グループの全メンバーに与えられる。たとえば、100XP相当の戦闘に勝利した場合、パーティのローグが戦闘中に財宝を奪うために金庫に入ったとしても、それぞれが100XPを獲得する。また、ローグが立派で有名な宝石を集めた場合、君が30XPに値する中程度の成果だと判断した場合、パーティのメンバーもそれぞれ30XPを得ることができる。

表10-8: XP報酬 XP Awards
達成内容 XP報酬
小規模 10 XP
中程度* 30 XP
大規模* 80 XP
* 通常、1ヒーロー・ポイントも獲得する。

敵のレベル XP報酬
パーティ・レベル-4 10 XP
パーティ・レベル-3 15 XP
パーティ・レベル-2 20 XP
パーティ・レベル-1 30 XP
パーティ・レベル 40 XP
パーティ・レベル+1 60 XP
パーティ・レベル+2 80 XP
パーティ・レベル+3 120 XP
パーティ・レベル+4 160 XP

障害のレベル XP報酬
単純な障害 複合障害
パーティ・レベル-4 2 XP 10 XP
パーティ・レベル-3 3 XP 15 XP
パーティ・レベル-2 4 XP 20 XP
パーティ・レベル-1 6 XP 30 XP
パーティ・レベル 8 XP 40 XP
パーティ・レベル+1 12 XP 60 XP
パーティ・レベル+2 16 XP 80 XP
パーティ・レベル+3 24 XP 120 XP
パーティ・レベル+4 32 XP 160 XP

敵と障害 Adversaries and Hazards

 敵や障害との遭遇では、一定量のXPが付与される。グループがクリーチャーや障害との遭遇を克服した場合、各キャラクターはその遭遇におけるクリーチャーや障害のXPの合計に等しいXPを獲得する(これはパーティサイズの違いによるXP調整を除く。詳細はパーティの規模を参照のこと)。
 些細な遭遇では通常XPは与えられないが、物語上重要な些細な遭遇や、一様でない冒険でPCが遭遇した順番の結果些細になった遭遇に対しては、小規模や中程度と同じXPを与えることにしてもよい。

達成 Accomplishments

 大きな同盟を結んだり、組織を作ったり、NPCに心変わりをさせたりといった、物語を進行させるキャラクターの行動は、達成としてXPで報われるべきものだ。その重要度によって、XPの支給額が決まる。その功績が小規模、中程度、大規模のどれにあたるかを判断し、表10-8「XP報酬」を参照して適切なXPを与えること。些細な達成には、ゲーム中のあらゆる種類の重要な、記憶に残る、あるいは驚くべき瞬間が含まれる。中程度の達成は通常1セッションの大半を費やして完了する目標を表し、大規模の達成は通常多くのセッションにわたるキャラクターの努力の集大成である。中程度の達成と大規模の達成は、通常英雄的な努力の後にやってくるので、関係する1人以上のキャラクターにヒーロー・ポイントを与えるのに理想的なタイミングだ。
 前述したように、功績に対してどれだけのXPを与えるかは君次第だ。一般的な指針として、1回のゲーム・セッションで、小規模をいくつか、中程度を1~2個、大規模はあるとしても1つの達成として報酬を与えるのが一般的だ。

パーティの規模 Party Size

 成長ルールでは、PC4人のグループを想定している。
 遭遇のルールには、それ以外の人数のグループに対応する方法が書かれているが、XPの付与は変わらない――常に、4人のキャラクターからなるグループに対して記載されているXPの量が付与される。通常、戦闘遭遇以外で異なる規模のグループに対して多くの調整を行う必要はない。ただし、大人数の場合、達成XPを得る方法を多く用意しすぎると、一度に複数の達成を追求することになり、PCのレベル上昇が早くなりすぎてしまうので注意が必要だ。

グループの同一性とパーティ・レベル Group Parity and Party Level

 すべてのプレイヤー・キャラクターのXPの合計を同じにしておくことを推奨する。そうすることで、どのような課題がプレイヤーに適しているのかが非常にわかりやすくなる。キャラクターのレベルがばらばらだと弱いキャラクターが簡単に死んでしまい、そのプレイヤーは価値が薄いと感じてしまい、結果としてそのプレイヤーにとってゲームが楽しくなくなる可能性がある。
 もしグループ全員のキャラクターのレベルを同じにしないのであれば、パーティのレベルを決めて、遭遇時のXP予算を決める必要がある。パーティ全体の能力を最もよく表すと思われるレベルを選ぶこと。一人か二人だけが遅れている場合は最高レベルを、全員が異なるレベルである場合は平均レベルを使用する。レベル差のあるキャラクターが1人しかいない場合は、レベル差のあるキャラクターに合わせたパーティ・レベルを設定し、レベル差のあるキャラクターが2レベルごとにPCを1人追加したものとして遭遇を調整する。
 パーティ・レベルより遅れているパーティ・メンバーは、パーティのレベルに達するまで、他のキャラクターの2倍のXPを得ることができる。個人で追跡する場合は、パーティ・メンバーがセッションを欠席した場合のXPを得るかどうかを決める必要がある。

財宝 Treasure

 GMである以上、プレイヤー・キャラクターに財宝を配るのは君の仕事だ。財宝は冒険の随所で登場し、PCは宝の山を回収し、貴重なアイテムや貨幣を持った敵を倒し、試練の成功報酬を得るというように、君が想像するあらゆる方法でそれを手に入れることができる。
 本項では典型的なパスファインダー・キャンペーンにおける財宝の分配の指針を示すが、派手なゲームでは財宝を余分に、重厚なサバイバル・ホラーの冒険では財宝を少なく、あるいはその中間の量を割り当てる、という自由が君は常にある。

財宝の調整 Adjusting Treasure

 パーティに与える財宝は、プレイしながら観察し、調整する必要がある。特に、グループが冒険の一部を迂回した場合、当初予定していなかった宝を与える必要があるかもしれない。パーティの資産にも目を配るように。消耗品やお金が足りなくなってきたり、アイテムが足りずに戦闘がうまくいかなくなったりしたら、調整するのがよいだろう。
 特に、余暇の少ない冒険や、文明から遠く離れた場所で行われる冒険では、このようなことが起こりがちだ。便利なアイテムの購入や“作成”ができない状態が長く続くと、PCは硬貨や貴重品には不自由しないが、便利な装備品には不自由することになる。このような場合、冒険の中にもっと有用な財宝を配置するか、交換に応じるNPCを紹介するのもよいだろう。

巨大ダンジョンとサンドボックス Megadungeons and Sandboxes

 冒険には、プレイヤー・キャラクターが好きな場所を探検し、彼らの技能、運、工夫によって手に入るものだけを見つけることを期待するものがある。この種の冒険の代表的な例として、巨大ダンジョンと呼ばれる複数の異なる区画と経路を持つ広大なダンジョンと、サンドボックスと呼ばれる通常荒野で行われる自由形式の探検がある。
 このような自由形式の冒険で、キャラクターが少なくとも財宝を取り逃す可能性がある場合は、配置する財宝の量を増やす。ただし、几帳面なグループは通常よりも多くの財宝を手に入れることができ、後の冒険で有利になることを認識しておくこと。
 このような場合の簡単な目安としては、パーティにPCが1人増えたつもりで財宝を増やす。
 特にサンドボックスの冒険などで構成が緩い場合は、さらに増やしてもよいだろう。

レベル毎の財宝 Treasure By Level

 次ページの表10-9:レベルごとのパーティの財宝は、PC4人のグループに対して、各レベルの間にどれだけの財宝を配ればよいかを示している。合計価値の列には、予算のように使いたい場合に備えて、すべての財宝のおおよその総額が示されている。続くいくつかの列には、その総額を、PCが保管して長く使う「永続アイテム」、一度使ったら壊れる「消耗品」、アイテムやサービスを得るために主に使われる硬貨や宝石などの「パーティの総貨幣」に分けるための指針が書かれている。最後の列は、PCが4人より多い場合に、1人毎に追加する通貨の量を示している。例えば、3レベルになったPCが4レベルになるまでの間に、3レベルの表にある財宝、すなわち4レベルの永続アイテム2個、3レベルの永続アイテム2個、4レベルの消耗品2個、3レベルの消耗品2個、2レベルの消耗品2個、通貨120gp相当を与えればよいことになる。
 1レベルの永続アイテムを割り当てる場合、10〜20gp相当の第6章の鎧や武器、その他の装備品がよいだろう。20レベルの行に記載されている財宝は、21レベルに到達する方法がないにもかかわらず、1レベル分の冒険を意味している。
 クリーチャーの項目には、そのクリーチャーを倒すと得られる財宝が記載されているものがあるが、これも各レベルの財宝として数える。
 出版された冒険には、全体を通して適切な量の財宝が掲載されている。ただし、冒険の進行に応じてパーティの能力を確認し、成長に財宝が遅れないようにする必要がある。

表10-9:レベルごとのパーティの財宝 Party Treasure By Level
レベル 合計価値 永続アイテム(アイテム・レベル毎) 消耗品(アイテム・レベル毎) パーティの総貨幣 追加PC1人毎の追加貨幣
1 175gp 2レベル:2、1レベル:2* 2レベル:2、1レベル:3 40gp 10gp
2 300gp 3レベル:2、2レベル:2 3レベル:2、2レベル:2、1レベル:2 70gp 18gp
3 500gp 4レベル:2、3レベル:2 4レベル:2、3レベル:2、2レベル:2 120gp 30gp
4 850gp 5レベル:2、4レベル:2 5レベル:2、4レベル:2、3レベル:2 200gp 50gp
5 1,350gp 6レベル:2、5レベル:2 6レベル:2、5レベル:2、4レベル:2 320gp 80gp
6 2,000gp 7レベル:2、6レベル:2 7レベル:2、6レベル:2、5レベル:2 500gp 125gp
7 2,900gp 8レベル:2、7レベル:2 8レベル:2、7レベル:2、6レベル:2 720gp 180gp
8 4,000gp 9レベル:2、8レベル:2 9レベル:2、8レベル:2、7レベル:2 1,000gp 250gp
9 5,700gp 10レベル:2、9レベル:2 10レベル:2、9レベル:2、8レベル:2 1,400gp 350gp
10 8,000gp 11レベル:2、10レベル:2 11レベル:2、10レベル:2、9レベル:2 2,000gp 500gp
11 11,500gp 12レベル:2、11レベル:2 12レベル:2、11レベル:2、10レベル:2 2,800gp 700gp
12 16,500gp 13レベル:2、12レベル:2 13レベル:2、12レベル:2、11レベル:2 4,000gp 1,000gp
13 25,000gp 14レベル:2、13レベル:2 14レベル:2、13レベル:2、12レベル:2 6,000gp 1,500gp
14 36,500gp 15レベル:2、14レベル:2 15レベル:2、14レベル:2、13レベル:2 9,000gp 2,250gp
15 54,500gp 16レベル:2、15レベル:2 16レベル:2、15レベル:2、14レベル:2 13,000gp 3,250gp
16 82,500gp 17レベル:2、16レベル:2 17レベル:2、16レベル:2、15レベル:2 20,000gp 5,000gp
17 128,000gp 18レベル:2、17レベル:2 18レベル:2、17レベル:2、16レベル:2 30,000gp 7,500gp
18 208,000gp 19レベル:2、18レベル:2 19レベル:2、18レベル:2、17レベル:2 48,000gp 12,000gp
19 355,000gp 20レベル:2、19レベル:2 20レベル: 2、19レベル:2、18レベル:2 80,000gp 20,000gp
20 490,000gp 20レベル:4 20レベル:4、19レベル:2 140,000gp 35,000gp
* 多くの1レベル永続アイテムは魔法のアイテムではなく別のアイテムを代用とすべきだ。

貨幣 Currency

 パーティは、それだけでは役に立たないが、売却したり他の目的に使ったりできるお金やその他の財宝を見つけることになるだろう。パーティの通貨の欄のgp値は、硬貨だけを指しているわけではない。宝石、美術品、工芸品(貴重な素材を含む)、宝飾品、そしてパーティのレベルよりはるかに低いレベルのアイテムでさえ、すべて金の山より興味深いものになりえる。
 貨幣報酬に低レベルの永続アイテムを含める場合、パーティがそのアイテムを売ったり工芸品の材料として使ったりすることを想定して、アイテムの価格の半分だけをgpの量に加算する。しかし、低レベルの消耗品、特に巻物などは依然として役に立つ可能性がある。

他の種別の財宝 Other Types of Treasure

 財宝はすべてアイテムや貨幣でなければならないわけではない。職人は、硬貨でアイテムを買う代わりに、〈製作〉技能を使って原材料を直接アイテムに変えることができる。知識はキャラクターの能力を拡張でき、処方はアイテム作成をするキャラクターにとって良い財宝になる。術者は敵の呪文書や古代学者から新しい呪文を手に入れるかもしれないし、モンクは人里離れた山頂に住む師父から学んだ稀少な技で技術を鍛え直すかもしれない。

財宝と稀少度 Treasure and Rarity

 アンコモンやレアのアイテムや処方を配ることで、プレイヤーはより財宝に興味を持つようになる。アンコモンのアイテムはそこそこ定期的に、レアのアイテムは稀に報酬に組み込むのがよいだろう。特に、冒険者の背景や主題に沿ったアイテムを所持する敵を倒したり出し抜いたりしてそのアイテムを手に入れることができれば、その報酬はより魅力的なものとなるだろう。
 アンコモンやレアの処方は、アイテム作成をするキャラクターにとって最高の財宝になる。なお、アンコモンやレアの処方は広く普及すると、やがてコモンになっていく。これは数ヶ月から数年かかるかもしれないが、そのアイテムは世界中の店に出回るようになるかもしれない。

アイテム・レベルの変更 Different Item Levels

 表10-9:レベルごとのパーティの財宝に記載されているアイテムのレベルは、固定されたものではない。配布するアイテムの価値を考慮しさえすれば、多少レベルが上下しても良い。たとえば、11レベルPCのパーティに12レベルのアイテムとしてフォーティフィケーション・ルーンのルーンストーン(市価2,000gp)を渡そうと思ったが、彼らが最近の冒険で鎧に困っていることに気づき、代わりに11レベルの+2リジリアント鎧(1,400gp)を渡すことにしたとする。この鎧の市価はフォーティフィケーション・ルーンより低いので、9レベルのシャドウ・ルーン(650gp)を追加して、その差額を補うこともできる。合計がまったく同じになるわけではないが、問題はない。
 また、13レベルの永続アイテムを財宝庫に置きたい場合、11レベルの永続アイテムを2つ削除すれば、ほぼ同価値の交換となる。しかし、このように交換を上方修正する場合は注意が必要だ。パーティの現在のプレイ・レベルでは邪魔な効果を持つアイテムが登場するかもしれないだけでなく、特定のPCに優れたアイテムが与えられ、他のキャラクターは全く新しいアイテムを得ることができないかもしれないのだ。
 長期的なキャンペーンでプレイしている場合は、財宝を渡す時期を分散できる。大きな節目となるレベルで財宝を増やし、次のレベルでは新しいアイテムが少なして、より厳しいダンジョンに挑ませることができる。各PCの財宝が、「新しいキャラクターの財宝」で説明する、現在のレベルで新しいキャラクターを作った場合に得られる量と同等かどうか、時々確認してみよう。本来は少し高いはずだが、もし大きな差があるようなら、それに応じて冒険の今後の財宝報酬を調整すること。

異なるパーティ規模 Different Party Sizes

 パーティのキャラクター人数が4人を超える場合、キャラクターが1人増える毎に以下の追加を行う。
  • レベルがパーティのレベルと同じか1だけ大きい永続アイテム1つ
  • 消耗品2つ。通常、そのレベルはパーティのレベルと同じか1だけ大きい
  • 表10-9の「追加PC1人毎の追加貨幣」に書かれた額に等しい貨幣
 パーティのキャラクターが4人未満の場合、不足するキャラクター1人につき同額を差し引くことができるが、少人数ですべての役割を効率よくこなせない方が、本来はゲームが難しくなる。そのため、宝物の削減を少なくして、追加装備で少人数を補うことを考慮してもよいかもしれない。

新しいキャラクターの財宝 Treasure For New Characters

 新しいキャンペーンがより高いレベルで始まるとき、新しいプレイヤーが既存のグループに加わるとき、あるいは現在のプレイヤーのキャラクターが死亡して新しいキャラクターが必要になったとき、君のキャンペーンに1レベルで始まらないPCが1人以上存在することになる。このような場合、次ページの表10-10「キャラクターの財産」を参照すること。ここには、通貨に加えて、さまざまなレベルのコモンの永続アイテムをPCがいくつ持っているべきかが示されている。この表にあるアイテムは、常に基本アイテムだ。もしプレイヤーが特質ルーンを持つ鎧や武器を望むなら特質ルーンを別途購入しなければならないし、貴重の素材で作られた鎧や武器がほしければ同様に貴重の素材の代金を別途支払わなければならない。
 この値はそのレベルで始めたばかりのPC向けのものだ。すでに次のレベルへ成長しつつあるパーティに参加する場合は、新しいキャラクターに現在のレベルのアイテムを追加で与えることを検討しよう。死亡したPCや引退したPCの財宝を保管しておき、それを新しいキャラクターに渡しているパーティの場合、新しいキャラクターには表の値より少ないものを与えるか、次の数回の冒険で得られる財宝の報酬を減らす必要があるかもしれない。

表10-10:キャラクターの財産 Character Wealth
レベル 永続アイテム 貨幣 単一アイテムの最大価格
1 - 15gp 15gp
2 1レベル:1 20gp 30gp
3 2レベル:1、1レベル:2 25gp 75gp
4 3レベル:1、2レベル:2、1レベル:1 30gp 140gp
5 4レベル:1、3レベル:2、2レベル:1、1レベル:2 50gp 270gp
6 5レベル:1、4レベル:2、3レベル:1、2レベル:2 80gp 450gp
7 6レベル:1、5レベル:2、4レベル:1、3レベル:2 125gp 720gp
8 7レベル:1、6レベル:2、5レベル:1、4レベル:2 180gp 1,100gp
9 8レベル:1、7レベル:2、6レベル:1、5レベル:2 250gp 1,600gp
10 9レベル:1、8レベル:2、7レベル:1、6レベル:2 350gp 2,300gp
11 10レベル:1、9レベル:2、8レベル:1、7レベル:2 500gp 3,200gp
12 11レベル:1、10レベル:2、9レベル:1、8レベル:2 700gp 4,500gp
13 12レベル:1、11レベル:2、10レベル:1、9レベル:2 1,000gp 6,400gp
14 13レベル:1、12レベル:2、11レベル:1、10レベル:2 1,500gp 9,300gp
15 14レベル:1、13レベル:2、12レベル:1、11レベル:2 2,250gp 13,500gp
16 15レベル:1、14レベル:2、13レベル:1、12レベル:2 3,250gp 20,000gp
17 16レベル:1、15レベル:2、14レベル:1、13レベル:2 5,000gp 30,000gp
18 17レベル:1、16レベル:2、15レベル:1、14レベル:2 7,500gp 45,000gp
19 18レベル:1、17レベル:2、16レベル:1、15レベル:2 12,000gp 69,000gp
20 19レベル:1、18レベル:2、17レベル:1、16レベル:2 20,000gp 112,000gp

アイテムの選択 Item Selection

 新しいキャラクターがどのようなアイテムを持つかは、そのキャラクターのプレイヤーと協力して決める必要がある。プレイヤーの提案を認め、彼らが自分のキャラクターに持たせたいアイテムがある場合は、その選択がゲームに悪影響を及ぼすと思われない限り、その選択を尊重する。
 君が望むなら、プレイヤー・キャラクターの背景やコンセプトに合ったアンコモンやレアのアイテムを与えても良い。ただし、それらの稀少なアイテムをどれだけゲームに導入しているかを考慮すること。また、プレイヤーは消耗品や低レベルの永続アイテムに通貨を使い、残りを硬貨として持つこともできる。キャラクターがどのようなアイテムを購入できるかは、通常通り君が決定する。
 PCは、記載されたアイテムのいずれかまたは全てに、通常よりレベルの低いアイテムを自発的に選んでもよい。しかし、そうすることで通貨が増えるわけではない。
 もし君が望むなら、代わりにプレイヤーは一括で通貨を与え、キャラクターのレベルより1だけ低いレベルのアイテムを上限に、好きなコモンのアイテムを購入させてもよい。この場合、高レベルのアイテムをより多く選択できるため、通常のアイテムや通貨の割り当てよりも総額は少なくなる。

アイテムの売買 Buying and Selling Items

 通常、余暇中にのみアイテムの売買を行える。アイテムは一般に市価の半額で売却される。ただし、美術品、宝石、原材料はその価格の半分で売ることができる。

環境 Environment

 主に探索時に使用される環境のルールは、君のパーティが旅する場所に生命を吹き込む。環境は常識的な判断で済むことが多いが、本当に突出した環境では特別なルールが必要だ。
 本項で紹介する環境は、それぞれ異なる方法で地形ルールを使用する。そのため、本項を読む前にそれらのルールを一読すること。いくつかの環境は、気候や自然災害のルールを参照する。多くの場所は複数の環境の特徴を備えている。例えば、雪山は極地環境と山岳環境の両方の特徴を備えている。高度や深度に基づく効果を持つ環境の特徴は、その効果はクリーチャーのサイズによってさらに変化する。例えば、中型クリーチャーの浅い沼は小型クリーチャーにとっては深い沼かもしれないし、中型クリーチャーの深い沼は大型クリーチャーにとっては浅い沼でしかない(本当に巨大なクリーチャーにとっては移動困難地形ですらないほど些末なものである)かもしれない。
 表10-12は、素早く参照できるように様々な環境の特徴を五十音順に並べたものだ。習熟度DCの項目は、その環境の特徴に適した単純DCの範囲を示すと同時に、その特徴の危険度や複雑さのおおよその推定値を示している。

表10-12:環境の特徴 Environmental Features
特徴 習熟DCの範囲
生け垣 未修得~修得
岩棚 未修得~達人
階段 未修得~修得
崖 修得~達人
火山の噴火 修得~伝説
風 未修得~伝説
壁 対応ページを参照
瓦礫 未修得~熟練
木 未修得~達人
気温 ―
霧 ―
群衆 修得~達人
下水道 ―
降水 ―
洪水 熟練~伝説
護衛 ―
氷 修得~達人
裂け目 ―
地震 修得~伝説
自然火災 熟練~伝説
下生え 未修得~熟練
下生えの視界 ―
斜面 未修得~修得
樹冠 修得~達人
水流 修得~達人
砂 未修得~熟練
砂嵐 修得~達人
石筍 修得~熟練
竜巻 達人~伝説
津波 達人~伝説
吊り扉 対応ページを参照
泥濘 未修得~修得
通り 未修得~修得
扉 対応ページを参照
雪崩 熟練~伝説
吹雪 ―
崩落 熟練~伝説
門 ―
屋根 修得~達人
床 未修得~熟練
雪 未修得~熟練
溶岩 熟練~伝説

地形のルール Terrain Rules

 環境では、移動困難地形、上級移動困難地形、障害地形に関するルールが頻繁に使用される。そこで、ここでそれらのルールを要約して説明する。
 移動困難地形とは移動を妨げる地形のことで、特に荒い地表や不安定な面、厚く茂った地表など、数え切れないほどの障害物がある。
 移動困難地形のマスに移動する(グリッドを使っていない場合は移動困難地形の領域内またはその領域内に5フィート移動する)には、追加で5フィートの移動が必要だ。
 上級移動困難地形のマスに移動する場合、追加で10フィートの追加移動コストが必要だ。斜めに移動しても、この追加コストは変化しない。クリーチャーは通常、移動困難地形に向かって“ステップ”できない。
 クリーチャーが跳躍中に行う移動は、跳躍中に通過する地形を無視する。
 クリーチャーが特定の移動困難地形による移動力の減少を回避できる能力(飛行や非実体になるなど)もある。また、クリーチャーが足で移動する際に移動困難地形を無視させる能力もある。そのような能力は、クリーチャーが上級移動困難地形を移動する際に移動困難地形に対する移動コストを用いることもできるようにする。しかしその能力で特に指定されていない限り、これらの能力を使ってもクリーチャーは上級移動困難地形を無視できない。
 障害地形は、その中を移動するたびにクリーチャーにダメージを与える。例えば、酸の池、燃え盛る炎の穴、トゲだらけの通路はすべて障害地形にあたる。ダメージの量や種類は、その危険な地形によって異なる。

ダンジョン Dungeons

 ダンジョン環境は荒野に建設された遺跡や現代建築物を含み、冒険の場としてかなり一般的なものだ。扉や建物などの都市機能と地下環境、そして時には他の環境からの要素を組み合わせた環境だ。特に地下のダンジョンが一般的だが、巨木が壁面に根を張り巡らせた森に埋もれた遺跡や、沼地に隠された遺跡を冒険の舞台にしてみるのもよいだろう。

環境によるダメージ Environmental Damage

 環境の要素や自然災害の中にはダメージを与えるものがある。被害の大きさはその状況によって異なるため、特定の環境と自然災害に関するルールでは、正確な数値ではなく、被害の区分を使用して被害を表現する。
 以下の表10-11を使用して環境や自然災害によるダメージを決定すること。正確なダメージを決定する際、その危険性がどの程度厳しいものかによって、適切に裁定すること。

表10-11:環境によるダメージ Environmental Damage
区分 ダメージ
小規模 1d6~2d6
中規模 4d6~6d6
大規模 8d6~12d6
特大規模 18d6~24d6

水界 Aquatic

 水界環境は、異世界や非日常的な次元界に赴かないPCにとって、最も困難な環境のひとつだ。水界環境にいるPCには呼吸する方法(通常はウォーター・ブリージングの呪文)が必要だ。また、通常は“水泳”しなければ移動できないが、底まで沈んだPCは上級移動困難地形のルールを使って、ぎこちなく歩くことができる。
 水界環境にいるキャラクターは、水中戦闘や溺れ、窒息のルールを頻繁に使用する。

水流と流れる水 Currents and Flowing Water

 海流、流れる川、および同種の動く水は、流れに逆らって“水泳”するクリーチャーにとって移動困難地形あるいは上級移動困難地形(水の速度で決まる)である。クリーチャーのターン終了時に、そのクリーチャーは流れの速度に応じて一定の距離を移動する。例えば、10フィートの水流は、ターン終了時にそのクリーチャーを水流の方向に10フィートだけ移動させる。

視界 Visibility

 水中では陸上よりも遠くのものを見るのが難しい。特に水が濁っていたり、粒子が多い場合は難題となる。きれいな水の中では、小さなものを見るのに必要な視認距離はおよそ240フィートだが、濁った水中では視認距離はわずか10フィート以下にまで低下する。

極地 Arctic

 極地環境では気温が低いことが大きな課題だが、氷や雪も存在する。極地で発生しやすい災害は、雪崩、吹雪、洪水などだ。

氷 Ice

 凍った地面は摩擦が低く、キャラクターが滑ってしまう。そのためでこぼこの地面であると同時に移動困難地形でもある。

雪 Snow

 雪の深さや成分によって、ほとんどの雪地は移動困難地形か上級移動困難地形のどちらかになる。雪が固まったところでは、キャラクターは雪面を踏み抜かずに歩くことができるが、中にはふわふわして柔らかく、でこぼこの地面になっているところもある。

砂漠 Desert

 砂漠には、砂砂漠、礫砂漠、悪地が含まれている。ツンドラも厳密には砂漠だが、このような地域では気候が第一の課題であるため、極地に分類する。砂砂漠では、流砂や砂嵐の危険性がある。

瓦礫 Rubble

 礫砂漠には瓦礫が多く、それらは移動困難地形だ。瓦礫が密集しているとその上を歩くことになるため、でこぼこした地面になる。

砂 Sand

 通常、凝縮された砂はキャラクターの動きを大きく妨げることはない。しかし柔らかい砂は浅い場合は移動困難地形、深い場合はでこぼこした地面となる。
 砂漠では風によって砂が移動し、砂丘と呼ばれる緩い砂の丘ができる。砂丘は風向きと逆向きにはでこぼこした地面、風向きと同じ向きには傾斜のある地面となることが多い。

森林 Forest

 これらはジャングルや雑木林などの多様な環境である。時には自然火災にも見舞われる。

樹冠 Canopies

 熱帯雨林のような特に密集した森林には、地上より高い位置に樹冠がある。樹冠に到達しようとするクリーチャーや樹冠に沿って移動しようとするクリーチャーは“登攀”をする必要がある。つるや枝にぶら下がるには、通常、〈軽業〉または〈運動〉の判定が必要だ。樹冠は遮蔽を提供する。樹冠が厚いと樹冠の中にいるクリーチャーから地上のクリーチャーが見えなくなるし、逆も同様である。

木 Trees

 森には木がたくさんある。しかし通常、キャラクターが“遮蔽をとる”アクションを使用しない限り木は遮蔽にはなりません。マップ上で5フィート・マス全体(あるいはそれ以上)を占める大きな木だけが、自動的に遮蔽を提供するのに十分な大きさを持っている。

下生え Undergrowth

 薄い下生えは、キャラクターが“遮蔽をとる”を行える移動困難地形である。厚い下生えは、上級移動困難地形であり、自動的に遮蔽を提供する。茨のような下生えは障害地形であり、曲がりくねった根がたくさんある場所はでこぼこした地面になることもある。

山岳 Mountain

 山岳環境には丘陵地も含まれる。丘陵地は山岳と多くの面を共有しているが、極端な特徴を持たない。これらにおける最も多い災害は雪崩である。

裂け目 Chasms

 裂け目は自然の穴で、通常少なくとも20フィートの長さがあり、(一般的な努力、あるいは魔法の力で隠そうとしない限り)はっきりと視認できる。裂け目がもたらす主な危険は、キャラクターが“幅跳び”で渡らなければならないことだ。あるいは、裂け目の手前側を降りて、向こう側を登るという、より安全だが時間のかかる方法を取ることもできる。

崖 Cliffs

 崖や岩壁をクリーチャーが登ったり降りたりするためには“登攀”が必要だ。安全対策をしっかりしないと、大失敗で大きな落下ダメージを受ける可能性がある。

瓦礫 Rubble

 山には極端な岩場や、砂利が転がる砂利道があり、移動困難地形であることが多い。特に瓦礫が多かったり、あたりかまわず広がっているところはでこぼこした地面である。

斜面 Slopes

 斜面は、緩やかに変化する通常の地形から急勾配の移動困難地形まで、高低差によって様々だ。通常、下り坂は通常の地形だが、キャラクターは特に急な斜面に対して“登攀”する必要があるかもしれない。

下生え Undergrowth

 山では薄い下生えが一般的だ。これらは移動困難地形であり、キャラクターは“遮蔽をとる”を行える。

平地 Plains

 平地環境には、サバンナなどの草原や農地が挙げられる。平地での災害は、竜巻や自然火災が多い。

生け垣 Hedges

 生け垣とは、潅木や低木、樹木を植えた列のことだ。
 冒険で現れる象徴的な生け垣は、迷路のように伸びた背の高いものだ。典型的な生け垣は高さ2~5フィートで、マスを1列占め、遮蔽を提供する。生け垣を突き破ろうとするキャラクターは上級移動困難地形に対処する必要がある。時には“登攀”したほうが早いこともある。

下生え Undergrowth

 薄い下生えは、キャラクターが“遮蔽を取る”を行える移動困難地形である。厚い下生えは、上級移動困難地形で、自動的に遮蔽を提供する。
 平野の下生えは通常薄い下生えで、厚い下生えがいくつか点在している。トウモロコシのような特定の作物の畑は全体が厚い下生えである。

沼地 Swamp

 湿地が最も一般的だが、湿原のような乾燥した沼も含まれる。沼地には流砂の障害があることが多い。
 沼地は水の多い場所である。しかし沼地は天然のスポンジのような働きをし、浸水する前に大量の水を吸収するため、洪水にはまずならない。

泥濘 Bogs

 泥沼とも呼ばれる泥濘は泥炭が蓄積した水域で、低木や苔に覆われており、時には深い縁を覆う植物の浮島を特徴とする。
 浅い泥濘は中型クリーチャーにとって移動困難地形であり、深い泥濘は上級移動困難地形である。沼が深くてクリーチャーが底に到達できない場合、そのクリーチャーは“水泳”しなければならない。沼地は酸性であるため、特に極端な沼地や魔法の沼地は障害地形になることもある。

下生え Undergrowth

 薄い下生えは、キャラクターが“遮蔽を取る”を行える移動困難地形である。厚い下生えは、上級移動困難地形で、自動的に遮蔽を提供する。
 茨などの下生えは障害地形でもあり、根がたくさん絡まっているところはでこぼこした地面でもある。

都市 Urban

 都市環境には、建物だけでなく、開かれた都市空間も含まれる。本項に掲載される建物の情報は、遺跡や建設されたダンジョンにも適用される。都市は、その構造や立地条件によって、様々な災害、特に火災や洪水などの被害を受けやすいことがある。

扉、門、壁 Doors, Gates, and Walls

 都市やダンジョンでキャラクターがよく直面する障害物に、扉、門、壁がある。

“登攀” Climbing

 下の表には、構造物を“登攀”する際の一般的な〈運動〉判定のDCを示している。これらは通常簡易DCである。構造物や環境の性質に応じて難易度を調整してもよい。

破壊 Demolishing

 キャラクターが扉や窓、あるいは特定の壁を突き破りたいと思うかもしれない。下の表にある硬度、ヒット・ポイント、破損値は、その構造物が通常作られている材料に基づいて決まっている。従って、例えば鉄製の吊り扉は木製のものよりも硬度が高くなる。詳細は「物体へのダメージ」を参照。
 よく手入れされた石や切石製の強固な壁は、集中した作業と適切な道具がなければ壊すことができない。このような壁を通り抜けるには余暇が必要だ。
扉の素材 “登攀”DC 硬度、HP(BT)
木 20 10、40(20)
石 30 14、56(28)
補強された木 15 15、60(30)
鉄 30 18、72(36)

壁の素材 “登攀”DC 硬度、HP(BT)
崩れやすい石積み 15 10、40(20)
細長い板材 15 10、40(20)
レンガ 20 14、56(28)
切石 30 14、56(28)
鉄 40 18、72(36)

吊り扉の素材 “登攀”DC 硬度、HP(BT)
木 10 10、40(20)
鉄 10 18、72(36)

“こじ開け” Forcing Open

 扉や門、窓など、開けられる構造物は〈運動〉を用いて“こじ開け”をすることができる。これは通常鍵がかかっていたり固まっていたりするときにのみ必要となる。構造物の“こじ開け”DCはその鍵の〈盗賊〉DCを用いるが、とても困難に調整される(DCを5増やす)。
 鍵がない場合には以下の表を使用する。吊り扉を持ち上げる場合、鍵のDCもしくはこの表のDCのいずれか高い方を用いる。
構造物 “こじ開け”DC
開かない扉あるいは窓 15
異常なほど固く開かない 20
木製の吊り扉 20
鉄製の吊り扉 30
金属棒の曲げ加工 30

群衆 Crowds

 人通りの多い大通りなどは移動困難地形であり、特に人が密集している場合は上級移動困難地形となる。キャラクターは〈威圧〉、〈芸能〉、〈交渉〉を使って群衆を引き離すことができるかもしれない。
 火事や暴れ回るモンスターのような明らかな危険にさらされた群衆は、できるだけ早くその危険から離れようとする。しかしその質量に押されてその動きは鈍くなる。逃げ惑う群衆は通常、平均的な人物の移動速度(通常25フィート)だけ毎ラウンド移動するが、動きの遅いメンバーを踏みつぶしたり、置き去りにしたりすることがある。

扉 Doors

 鍵のかかっていない扉を開けるには、“扱う”アクションが1回(特に複雑な扉や大きな扉の場合は、2回以上)必要になる。動かない扉は“こじ開け”しなければならず、施錠された扉はキャラクターが“解錠”あるいは“こじ開け”する必要がある。

床 Floors

 木製の床は歩きやすく、石をはめ込んだ敷石の床も同様だ。しかし、磨り減った敷石の床は、でこぼこした地面であることが多い。

門 Gates

 城壁に囲まれた集落には、防御のために閉じ、移動を可能にするために開けることのできる門がよく存在する。典型的な門は、門番小屋の両端にある1つの吊り扉と、その間にある、殺人孔のような警備兵が敵を攻撃できる保護された場所から構成されている。

護衛 Guards

 ある程度の大きさを持つ居住地には、常に集落を守るために交代で警備員がいて、街路の巡回や様々な場所の警備を行っているところがほとんどだ。この部隊の規模は、住民1,000人につき1人の警備員からその10倍の部隊までさまざまだ。

吊り扉 Portcullises

 吊り扉は門や通路を封鎖するために降下する木や鉄の格子である。縄や鎖で吊り上げられているものが多く、簡単に持ち上げられないように施錠機構が施されている。吊り扉の吊り上げや棒を曲げる際に用いるルールは、本ページのサイドバーに記載されている。もし吊り扉がクリーチャーの上に落ちてきた場合、叩きつける扉の罠を用いること。

屋根 Rooftops

 屋根は、印象的な待ち伏せ、追跡シーン、潜入、走り回る戦いに適している。平らな屋根は移動しやすいが、雪が大量に積もると屋根が崩れてしまうので雪が大量に降る居住区にはめったにない。角のある屋根はでこぼこした地面で、特に急な場合には傾斜がある。角のある屋根のてっぺんは狭い足場である。
 屋根から屋根への移動には、しばしば“幅跳び”が必要だが、建物によっては“跳躍”できるほど近いこともある。
 高い屋根に登るには“高跳び”が必要な場合もあるし、“跳躍”の後に“しがみつき”をして、それから“登攀”で登る必要があることもある。

下水道 Sewers

 下水道は通常、街路から10フィート以上の深さにあり、梯子などの昇降手段を備えている。壁に沿って高くなった通路は下水道作業員が通過でき、中央の水路は廃棄物そのものを運んでいる。下水道があまり整備されていない場合や普段作業員が立ち入らない場所では、病気が蔓延した廃棄物をかき分けなければならないこともある。下水道には下水道用の格子があり、これを開けるには通常“扱う”アクションが2回以上必要だ。

下水道の気体 Sewer Gas
 下水道にはしばしば非常に燃えやすい気体溜まりがある。下水道の気体溜まりが火炎源にさらされると爆発し、範囲内のクリーチャーに中程度の環境[火災]ダメージを与える。

階段 Stairs

 階段は登るキャラクターにとって移動困難地形であり、粗悪な階段はでこぼこした地面であることもある。寺院や巨人の建てた建造物には上りも下りも移動困難地形になっていたり、一歩一歩“登攀”する必要があったりする巨大な階段があることもある。

通り Streets

 ほとんどの居住地には、狭く曲がりくねった道があるが、これは集落の成長とともに有機的に作られたものだ。これらの道の幅は20フィートより大きいことはほとんどなく、路地は5フィートほどしかない。通りは一般に石畳で舗装されている。石畳の状態が悪いと、移動困難地形やでこぼこした地面であることもある。
 特に秩序だったよく計画された都市には、荷馬車や商人が市場や町の重要な場所に到達するための主要な大通りがある。これらは、荷馬車が両方向に移動できるように少なくとも25フィートの幅が必要で、歩行者が荷馬車の通行を避けられるように狭い歩道が設けられていることが多い。

壁 Walls

 よくできた建造物の外壁はレンガ製あるいは石造りである。小規模、低品質、または仮設の建造物では、木製の壁が使用されることもある。内壁はあまり頑丈でないことが多く、木の板でできていたり、厚い不透明な紙を木の枠で囲んでいるだけだったりする。地下の構造物では、地面の重みで構造物が崩れないように、固い岩を削って厚い壁を作ることもある。壁の登攀と破壊のルールはサイドバーに掲載されている。

地下 Underground

 地下環境は、洞窟や自然の地下で構成されている。人工的なダンジョンや遺跡は、地下の地形と階段や壁などの都市的な地形が組み合わされている。また、地下深くにある宝物庫には、裂け目や崖など、山と同じような地形的特徴がある。
 地下で最も多い災害は崩落である。

床 Floors

 自然の地下環境で床が平らであることは少なく、急激な高低差がある。その結果として、移動困難地形やでこぼこした地面、傾斜がある。

岩棚 Ledges

 岩棚は、低い場所を見下ろすことができる狭い面であり、裂け目の端に沿って移動するための唯一の手段だ。狭い岩棚を移動するには、〈軽業〉で“平衡感覚”する必要がある。

瓦礫 Rubble

 洞窟は瓦礫に覆われていて移動困難地形となることがある。また、分厚い瓦礫や散らばった瓦礫はでこぼこした地面である。

石筍と鍾乳石 Stalagmites and Stalactites

 石筍は、洞窟の床から生えた先細りの柱だ。石筍で埋め尽くされた場所は上級移動困難地形であり、特に大きな石筍は迂回したり、“登攀”しなければなならない。石筍は鋭いため、状況によっては障害地形として使用できる。また、鍾乳石は洞窟の屋根から垂れ下がる氷柱状の物体で、天井や張り出しから叩き落とされた場合、障害地形として使用できる。

壁 Walls

 自然の洞窟の壁は、でこぼこで、くぼみや棚もある。洞窟の多くは水によって形成されているため、洞窟の壁が湿っていることが多く、“登攀”するのは難しい。

気候 Climate

 天候は、単に雰囲気を演出するための装飾用具というだけではない。より印象的な遭遇を作り出すために、環境要素と組み合わせることができるルール的な効果もある。天候は特定の判定に、-1〜-4の状況ペナルティを与えることがある。

霧 Fog

 霧は、その濃さによって視覚の知覚判定に状況ペナルティを与える。また、霧は半マイル以下、場合によってはそれ以下の距離ですべての視界を遮断する。視界が1マイル程度に制限されるものは霧、3マイル程度に制限されるものはもやと呼ばれる。

降水 Precipitation

 降水には、雨のほか、雪、みぞれ、あられなどがある。雨は炎を消し、氷を含む場合は地面に雪や氷の領域を作る。霧雨や小雪は、視界が狭くなる程度で、ルール的な影響はほとんどない。

視界 Visibility
 ほとんどの降水は、視覚に基づく知覚判定に状況ペナルティを与える。雹はまばらに降るが大きな音を出すため、代わりに聴覚の知覚判定にペナルティを与えることが多い。
 豪雨や豪雪のような特に激しい降水は、クリーチャーが遠くにいる場合、視認困難状態を与えることもある。

疲労 Fatigue
 降水は、不快感や疲労を引き起こす。霧雨や小雪より厳しいものは、地上の移動でキャラクターが疲労状態になるまでの時間を4時間だけ短縮する。厳しい降水は、キャラクターが防護なしで行く場合、寒い環境では危険になりうる。濡れたキャラクターは、気温が1段階低くなったものとして扱われる(酷寒から猛寒、猛寒から極寒、というように。後述の気温を参照)。

雷雨 Thunderstorms
 多くの雷雨は強風と降雨を伴う。また、ごくまれに雷に打たれることがある。落雷は通常なら中程度、激しい雷雨の場合は大規模の[雷撃]ダメージを与える。

気温 Temperature

 多くの場合、気温は、キャラクターが快適に過ごすために必要な服装を記述する以上に、心配するほどの力学的な影響を与えない。
 極端な暑さや寒さは陸路の移動中にクリーチャーをより早く疲労させ、表10-13に示すように、十分に過酷であればダメージを与えることもある。
 適切な防寒具(防寒着など)は、酷寒によるダメージを無効化したり、猛寒によるダメージを酷寒のダメージに軽減したりすることができる。

表10-13: 気温の効果 Temperature Effects
区分 気温 疲労 ダメージ
極寒 華氏-80度(摂氏-62.2度)未満 2時間 1分毎に中規模[氷雪]
猛寒 華氏-79度~-20度(摂氏-62.2度~-28.9度) 4時間 10分毎に小規模[氷雪]
酷寒 華氏-19度~12度(摂氏-28.9度~-11.1度) 4時間 1時間毎に小規模[氷雪]
寒い 華氏13度~32度(摂氏-11.1度~0度) 4時間 なし
通常 華氏33度~94度(摂氏0度~34.4度) 8時間 なし
暑い 華氏95度*~104度*(摂氏34.4度~40度) 4時間 なし
酷暑 華氏105度*~114度(摂氏40度~45.6度) 4時間 1時間毎に小規模[火炎]
猛暑 華氏115度~139度(摂氏45.6度~59.4度) 4時間 10分毎に小規模[火炎]
極暑 華氏140度(摂氏59.4度)以上 2時間 1分毎に中規模[火炎]
* 湿度が高い地域では華氏15度(摂氏8.3度)気温を下げて調整すること。

風 Wind

 風はその強さに応じて聴覚の知覚判定に状況ペナルティを与える。また、アローのような物理的な遠隔攻撃は妨害され、そのような武器による攻撃ロールに状況ペナルティを与え、強い風雨の中ではその武器による攻撃を不可能にすることさえある。風は手持ちの炎を消す。ランタンは風から炎を守るが、特に強力な風はこれらも消し去ることがある。

風の中の移動 Moving in Wind
 飛行中、風は移動困難地形あるいは上級移動困難地形である。十分な強さの風の中を移動するには“飛行機動”アクションが必要で、大失敗するか、毎ラウンド最低1回はこの判定に成功しないと吹き飛ばされてしまう。
 地上であっても、特に強い風の中では移動するために〈運動〉判定に成功する必要があり、大失敗するとクリーチャーは押し戻されて伏せ状態になる。このような判定では、小型のクリーチャーは通常-1、超小型のクリーチャーは通常-2の状況ペナルティを受ける。

自然災害 Natural Disasters

 気候や環境の特徴は、妨げになったり、長期的な脅威になったりする。特に自然災害は、特にその猛威に直接さらされる人々にとって、すぐに対処が必要な危険である。
 以下の項におけるダメージでは、表10-11:環境によるダメージに掲載された区分を使用する。

雪崩 Avalanches

 雪崩は、山の斜面を流れ落ちる氷や雪の流れを指すが、地滑りや土砂崩れなど、同様の災害にも同じルールが適用される。湿った雪の雪崩は、通常、1ラウンド毎に200フィートまでの距離を移動するが、粉雪であれば最大で10倍までの速度で移動することもある。岩崩れや土石流はもっと遅く、時にはキャラクターが逃げ切れるほど遅くなることもある。
 雪崩はその進路上にあるクリーチャーや物体に大規模~特大規模の[殴打]ダメージを与える。
 加えて、これらの犠牲者はかなりの質量の下に生き埋めになる。
 雪崩の進路に巻き込まれたクリーチャーは反応セーヴを試みることができ、成功すれば[殴打]ダメージを半分だけ受け、大成功すれば生き埋めにもならずにすむ。

生き埋め Burial
 生き埋めになったクリーチャーは1分毎に小規模の[殴打]ダメージを受ける。特に雪崩の下に埋もれた場合、小規模の[氷雪]ダメージを受けることもあり得る。GMの判断により、十分な空気を含む空間のないクリーチャーは窒息する危険もある。生き埋めになったクリーチャーは拘束状態であり、通常は脱出できない。
 その味方や影響を受けていないものは、生き埋めのクリーチャーを掘り出そうと試みることができる。穴を掘るそれぞれのクリーチャーは〈運動〉判定に成功することで、およそ5フィート×5フィートの空間を4分で掘り進めることができる(大成功すると2分)。
 シャベルや他の適切な道具を使えば、掘削時間は半分になる。

吹雪 Blizzards

 吹雪は、寒さと大雪、そして強風の組み合わせだ。他の災害のように直接的な脅威を1つだけ与えることはない。これらの要因が一度に重なることで、キャラクターにとって大きな障害となる。

崩落 Collapses

 崩落や陥没は、洞窟や建物が落下して、その下や中にいる人たちに大量の岩やその他の物質が降り注ぐことで発生する。崩落の下にいるクリーチャーは、雪崩と同じように、大規模~特大規模の[殴打]ダメージを受け、生き埋めになる。幸いなことに、その地域全体の統合性を弱めてさらなる崩壊を引き起こさない限り、崩壊が広がることはない。

地震 Earthquakes

 地震は、雪崩、崩壊、洪水、津波などの自然災害を引き起こすことが多いが、亀裂、地盤の液状化、振動など、地震特有の脅威もある。

亀裂 Fissures
 亀裂やその他の地割れは建造物を不安定にすることがある。しかし、より直接的には、クリーチャーが亀裂に落ちて[殴打]ダメージを受けることにつながる。

地盤の液状化 Soil Liquefaction
 液状化現象とは、粒状の小片が揺れ動くことで、一時的に固体でなくなり、液状になることだ。これが土壌に起こると、クリーチャーや建物全体が地面に沈んでしまうことさえある。より具体的なルールとしてアースクウェイク呪文と同様の処理を使えるが、この呪文はある特定の種類の局所的な地震を表しているに過ぎない。

振動 Tremors
 震動はクリーチャーを伏せ状態にし、他の物体に衝突させ、震動の大きさに応じた[殴打]ダメージを与える。

洪水 Floods

 緩やかな洪水は構造物にダメージを与え、クリーチャーを溺れさせる。鉄砲水は固体ではなく液体の塊であることを除いて、雪崩と似ている。クリーチャーが生き埋めになる代わりに、鉄砲水はクリーチャーや巨大な物体さえも運び去り、クリーチャーに衝撃を与え、溺れさせる可能性がある。洪水のルールは478ページを参照。

砂嵐 Sandstorms

 軽い砂嵐や砂塵嵐は風の強い雨嵐ほど危険ではないが、クリーチャーの肺にダメージを与え、長距離に渡って病気を広げる可能性がある。激しい砂嵐は砂にさらされた者に毎ラウンド小規模の[斬撃]ダメージを与えるか、クリーチャーが窒息しないように息を止めることを強いるか、あるいはその両方を行う。

竜巻 Tornadoes

 竜巻の通り道では風の状態によって厳しい状況ペナルティが与えられる。ただし、通常なら吹き飛ばされるクリーチャーは代わりに竜巻の渦に拾われ、最終的に排出されるまで渦の中を上昇しながら、飛び交う破片から特大規模の[殴打]ダメージを受ける(落下による[殴打]ダメージも受ける)。
 竜巻は通常、1ラウンド300フィート(時速おおよそ30マイル)の速度で移動する。通常、竜巻は数マイル移動して消滅する。静止している竜巻や、もっと速く移動する竜巻もある。

津波 Tsunamis

 津波は鉄砲水と同じような危険性を持つが、より大きく、より破壊的だ。津波は高さ100フィート以上にもなり、波そのものと、津波によって巻き上げられた瓦礫によって、その破壊経路にある建物やクリーチャーに特大規模の[殴打]ダメージを与える。

火山の噴火 Volcanic Eruptions

 火山の噴火は、火山灰、溶岩弾、溶岩流、火砕流、噴気孔のあらゆる組み合わせを含むことがある。

火山灰 Ash
 火山噴火から生じた灰は高温で、1分毎に小規模の[火炎]ダメージを与える。火山灰は濃霧のように視界を制限し、空気を吸えなくすることがあるため、キャラクターは窒息しないように息を止める必要がある。
 火山灰の雲は火山雷を発生させ、通常中程度の[雷撃]ダメージを与えるが、個々のクリーチャーに命中する可能性は極めて低い。また、大気中の灰は数週間から数ヶ月にわたって太陽を遮り、気温の低下と長い冬をもたらす。

火山弾 Lava Bombs
 圧力が溶岩を空へと発射し、それは火山弾として落ちてくる。溶岩の塊は飛ぶと固まり、衝撃で粉々になる。少なくとも中程度の[殴打]ダメージと中程度の[火炎]ダメージを与える。

溶岩流 Lava Flows
 溶岩流は火山を象徴する脅威である。通常の地面では1ラウンド毎に5~60フィートしか移動しないため、キャラクターはしばしば逃げ切ることができる。しかし、急峻な火山管や水路では1ラウンド毎に300フィートまで移動できる。溶岩は熱を発し、クリーチャーに接触する前から小規模の[火炎]ダメージを与える。全身が溶岩に浸かると毎ラウンド特大規模の[火炎]ダメージを与える。

火砕流 Pyroclastic Flows
 高温のガスと岩石の破片が混ざった火砕流は、溶岩よりはるかに速く広がり、時にその速度は1ラウンド4,000フィート以上にもなる。火砕流は最も熱い溶岩よりは低い温度だが、集落全体を覆い尽くすことができる。火砕流は雪崩と同様に扱うが、ダメージの半分は[火炎]ダメージだ。

噴気 Vents
 地面からは蒸気が噴出する。これは広範囲に中程度以上の[火炎]ダメージを与える。地表から放出される酸性ガスや毒ガスは、小規模以上の[強酸]ダメージや[毒]ダメージを与える障害地形を広範囲に作り出すことがある。

自然火災 Wildfires

 自然火災は、主に線状の炎が一方向に進んでいく。森林では、この線は1ラウンドに70フィート(時速7マイル)ほど進むことがある。平地では日陰がなく、湿度が比較的低いため、最大でその2倍の速度で移動する。火災の燃えさしは風と上昇する熱気によって運ばれ、起点となった自然火災から10マイルも離れた場所で狭い領域に火災を作ることがある。自然火災には、炎、熱、煙の3つの脅威がある。

火 Flames
 炎は障害地形である。通常は中程度のダメージを与え、キャラクターを着火させる可能性がある。着火すると中程度の持続的[火炎]ダメージを与える。小さな火災から生じる炎は、大きな自然火災の前からやってくる熱よりも危険度が低いことが多い。

熱 Heat
 自然火災は前に進む線の前方の気温を上昇させる。火が到達したときには華氏1,500度(摂氏816度)知覚に達し、溶岩と同程度に高温になる。線からある程度離れた場所では毎ラウンド小規模の[火炎]ダメージを与え、自然火災の中にいるものには特大規模の[火炎]ダメージにまで増加する。

煙 Smoke
 風は煙を自然火事自体の前方遠くまで運んでしまう。煙はその濃さに応じて視覚に応じた知覚判定に状況ペナルティを与える。大量の煙を通して見るクリーチャーを視認困難状態にし、半マイル以下ではすべての視界を遮断する。自然火事の近くやその中では、煙と熱せられた空気の組み合わせで、キャラクターは窒息しないように息を止めなければならない。

障害 Hazards

 ダンジョンには、財宝を守るための巧妙な罠が数多く存在する。ダーツを発射したり重い瓦礫を落としたりする機械仕掛けのものから、爆発して炎を出す魔法のルーンまで、さまざまな罠が存在する。また、罠以外にも、自然災害や奇妙な霊障など、さまざまな危険に遭遇する可能性がある。

モンスターと障害 Monsters and Hazards

 NPCやモンスターのデータには、通常、習熟度ランクが記載されていない。ほとんどの場合、それらはPCのように危険の探知や無効化に対処する必要がないため、この情報は必要ない。しかし、PCがモンスターの通り道にある罠を再設置したり、モンスターを危険な場所に誘い込む計画を立てたりする場合は、この情報を即興で作成することができる。
 知覚については、通常3〜4レベルで熟練、8〜9レベルで達人、16〜17レベルで伝説となる。もしそのモンスターの技能に〈盗賊〉が含まれていれば、そのレベルに応じた最高の習熟度(1レベルで修得、3レベルで熟練、7レベルで達人、15レベルで伝説)であり、そうでなければ未修得である。もちろん、個々のモンスターがこの指針から逸脱することもあるだろう。特に無意識だったりあまり知覚的でない場合は。

障害の探知 Detecting a Hazard

 あらゆる障害には、その危険を引き起こす何らかのトリガーがある。罠であれば足かけ紐や感圧板などの機構が、環境障害や霊障であれば単純に近づくことがトリガーとなる。キャラクターが障害に近づいたとき、障害が発動する前に、発動する場所や仕掛けを見つけられる可能性がある。障害が最低習熟度を必要とするものでない限り、キャラクターは自動的に障害を探知する判定を行える。
 探索モードでは、PCが最初に障害の出現する一般区域に入ったときに、パーティが障害を検出するかどうかを判断する。障害に最低習熟度の記載がない場合、各PCについて、障害の〈隠密〉DCに対する非公開の知覚判定を行なう。最低習熟度ランクが設定されている障害については、誰かが自発的に捜索している(探索モードで“捜索”連続行動を使用するか、遭遇時に“捜す”アクションを使用するか)場合、かつ習熟度がそのランク以上である場合にのみロールする。成功した者はその危険を認識し、その者が気づいたことが説明される。
 最低習熟度ランクを持たない魔法の障害はディテクト・マジックを使用することで発見できる。ただし、この呪文は障害を理解したり無効化したりするのに十分な情報を提供するものではなく、障害の存在を明らかにするだけだ。
 魔法の障害の性質を完全に把握して無効にするには、より強力な魔法を使うか、“魔法の識別”あるいは“知識の想起”による技能判定に成功する必要がある。最低習熟度ランクを持つ魔法の障害はディテクト・マジックでは発見できない。

障害のトリガー Triggering a Hazard

 一行が障害を検出できず、障害のトリガーが通常の移動(床板を踏む、歩きながら魔法センサーを通過するなど)であった場合、障害のリアクションが発生する。誰かが直接環境を操作したときにのみ発生する障害(例えば扉を開けるなど)は、PCが明示的にその行動を取った場合にのみリアクションが発生する。

リアクションあるいはフリー・アクション Reaction or Free Action

 ほとんどの障害には、トリガーされたときに起こるリアクションがある。単純な障害の場合、このリアクションがその障害の効果の全てとなる。複合障害の場合、そのリアクションで障害がイニシアチブをロールし、戦闘を開始するか、既に進行中の戦闘に参加して、障害は複数ラウンドに渡って脅威を与え続ける。障害の中にはリアクションの代わりにフリー・アクションを誘発させるものもある。例えば、流砂は1ラウンドに複数のクリーチャーを吸い込むことができる。

定期処理 Routine

 複合障害は通常、定期処理と呼ばれる、あらかじめプログラムされた一連のアクションに従う。誘発されると、障害はまず最初のリアクションを行う。次に、PCがまだ遭遇モードになっていなければ、イニシアチブをロールする。この場合、障害はその〈隠密〉修正値を用いてイニシアチブをロールする。
 この後、その障害は毎ラウンド、そのイニシアチブで定期処理を行う。障害が毎ラウンド行なえる行動の回数やその用途は、障害によって異なる。

障害の再設置 Resetting a Hazard

 障害の中には、再設置することで再びトリガーを満たせるようになるものもある。これは、流砂のように24時間後に自動的に再設置されるものと、罠の扉を閉めなければ再び隠れることができない隠し穴のように、手動で行われるものがある。

障害の解除 Disabling a Hazard

 罠を解除する最も汎用性の高い方法は、〈盗賊〉技能の“装置無力化”アクションだが、ほとんどの機械式の罠は単に壊すこともできるし、魔法の罠も大抵は打ち消すことができる。環境障害は〈自然〉や〈生存〉で、霊障は〈伝承学〉や〈宗教〉で克服できることが多い。障害を無効にするために必要な技能とDCは、障害のデータに記載されている。“装置無力化”を使用するのと同様、これらの技能を用いた罠の解除は2アクションの連続行動で同じ成功段階を用いるが、その連続行動はGMが決めた異なる特性を持つかもしれない。障害の探知と同様、障害の解除にはその技能の習熟ランクが必要となる場合がある。
 障害の解除には、まず障害を検知する(あるいは指摘される)必要がある。障害の解除は、それがすでに作動しているかどうかにかかわらず試みることができる。しかし障害によっては、一旦リアクションが起きると(特にそれを再設置する方法がない場合は)もはや危険をもたらさないものもある。
 ほとんどの障害では、データに記載されたDCに対する技能判定に成功すると、障害をトリガーすることなく無効化することができる。障害を解除する他の手段は障害のデータに記載されており、適切に無効化するために必要な追加の手順も併記されている。
 障害を解除するためのロールに大失敗すると(魔法の障害を無力化するためのロールに大失敗した場合も含む)、その障害が発動する。
 障害の中には解除するために複数回の判定を必要とするものがあるが、これは特に複雑な構成要素を持っていたり、いくつかの独立した部分を持っていたりするためである。
 複雑な構成要素を持つ障害では、障害を無効にするための判定で大成功すると、1つの構成要素に対して成功2回と扱われる。

障害へのダメージ Damaging a Hazard

 キャラクターは障害を慎重に無効化しようとするのではなく、ただ叩き割るかもしれない。機械式の罠やその他の物理的な障害にダメージを与えることは、物体にダメージを与えるのと同じように機能する。ほとんどの場合、後述する「障害への攻撃」で説明するように、障害を攻撃すると障害はトリガーされる。障害のHPがBT以下になると、その障害は破損状態となってトリガーされなくなるが、修理することはできる。HPが0になると破壊され、修理できなくなる(物体へのダメージについては第6章272ページを参照)。
 障害のAC、適用可能なセーヴィング・スロー修正値、硬度、HP、BTはそのデータに記載されている。これらのデータが記載されていない障害は、そのデータを対象とした何かの影響を受けることはできない。例えば、HPはあるがBTはない障害は破損状態にすることはできないが、破壊はできる。特に断りのない限り、障害は物体が完全耐性を持つものに対して完全耐性を持ち、物体を対象としないもので障害を対象とすることはできない。障害の中には、抵抗や弱点だけでなく、追加の完全耐性を持っているものもある。

障害への攻撃 Attacking a Hazard

 障害に攻撃を命中させると――特にそれが機械式の罠であれば――通常はトリガーを満たすが、そうでないと判断される場合もある。障害を破壊する攻撃は、状況によっては障害の発生を阻止することができる。障害が複数のパーツで構成されている場合、1つのパーツを破壊しただけで罠がトリガーされることもある。例えば、ある場所に仕掛け線があり、別の場所から攻撃を仕掛ける罠の場合、仕掛け線を切断すると攻撃がトリガーされる可能性がある。一回の攻撃で罠を破壊することはほとんどない。また、これらのルールは攻撃だけでなく、ダメージを与える呪文やその他の効果にも適用される。

障害の修理 Repairing a Hazard

 キャラクターが破損した障害を修理して機能を回復させることができることもある。これは罠によって異なるので、GMが詳細を決定すること。罠の修理に散乱した部品を集める必要がある場合など、“修理”アクションだけでは不十分な場合がある。「再設置」の項目がある場合は、ダメージの修理に加えて、そこに記載されていることを行う必要がある。

魔法の障害の無効化 Counteracting a Magical Hazard

 魔法の障害の中には、ディスペル・マジックと無効化のルールを使って打ち消すことができるものがある。
 これらの障害の呪文レベルと無効化DCは、そのデータに記載されている。障害の無効化は、技能判定で障害を解除する場合と同様に処理する。

障害の経験点 Hazard Experience

 キャラクターは、障害を解除したり、回避したり、単にその攻撃に耐えるなど、障害を克服することで経験点を得る。後で同じ障害が発生した場合、その障害に対するXPは再び得られない。複合障害のXPは同レベルのモンスターのXPと等しく、単純な障害のXPはその1/5である。パーティ・レベル-4より低いレベルの障害は些細なものであり、XPは与えられない。

表10-14:障害のXP Hazard XP
レベル XP報酬
単純な障害 複合障害
パーティ・レベル-4 2 XP 10 XP
パーティ・レベル-3 3 XP 15 XP
パーティ・レベル-2 4 XP 20 XP
パーティ・レベル-1 6 XP 30 XP
パーティ・レベル 8 XP 40 XP
パーティ・レベル+1 12 XP 60 XP
パーティ・レベル+2 16 XP 80 XP
パーティ・レベル+3 24 XP 120 XP
パーティ・レベル+4 30 XP 150 XP

障害のデータ書式 Hazard Format

 障害はモンスターと同じデータ書式で現される。データの例に続けて、書式に関するいくつかの補足が書かれている。

障害名 障害[レベル] Hazard Name

特性
〈隠密〉 この項目には、複合障害のイニシアチブに用いる〈隠密〉修正値、または単純な危険を検知するための〈隠密〉DCが記載されている。危険を検知するための最低習熟度があれば、括弧内に記載している。ディテクト・マジックで障害を探知できる場合は、その情報もここに記載する。
説明 ここは障害がどのようなものかを説明するもので、特別なルールが含まれている場合もある。

解除 障害を解除するのに必要な技能判定のDCがここに記載されている。障害が無効化できるなら、呪文レベルと無効化DCが括弧内に記載される。
AC 障害のAC。;セーヴィング・スロー 障害のセーヴ。通常、霊障のみが意志セーヴの対象になる。
硬度 障害の硬度。;HP 障害のHP、括弧内にBT。;完全耐性 障害の完全耐性。;弱点 あれば障害の弱点。;抵抗 あれば障害の抵抗
アクション種別 [reaction] あるいは [free-action] 障害が使用するリアクションもしくはフリー・アクション。;トリガー 障害を発生させるトリガーがここに示される。効果 単純な障害の場合、ここに記載された効果だけで終わることが多い。複合障害の場合、これによって障害がイニシアチブをロールすることもあるだろう。
定期処理 この項目では、複合障害が遭遇時の各ターンで何を行うかを説明している。「定期処理」の後の括弧内の数字は、その障害がターン毎に使用できるアクション数を示している。単純な障害にはこの項目はない。
アクション 障害が使用できるアクションが全てここに示される。通常、近接攻撃もしくは遠隔攻撃がこれに当たる。

再設置 障害が再設置可能な場合、その情報が個々に示される。

レベル基準のDC Level-Based DCs

 障害のレベルは、それがどのレベルのパーティに適しているかを示している。毒や呪いなど、呪文以外のものが含まれている場合、そのレベルが障害のレベルとなる。

特性 Traits

 代表的な障害の特性には、罠(侵入者に危害を加える構造)、環境(自然の障害)、霊障(霊による現象)が挙げられる。罠には、魔法によるものか機械式かを示す特性がある。イニシアチブと定期処理を持つ障害には、複合の特性がある。

〈隠密〉もしくは〈隠密〉DC Stealth or Stealth DC

 複合障害には〈隠密〉DCではなく、イニシアチブに使用する〈隠密〉修正値が書かれている。DCが必要な場合、DCはこの修正値+10に等しい。

名前順に並べた障害 Hazards By Name

 障害は、レベルと複雑さによって並べられる。名前から障害を調べる必要がある場合は、次の表を使用すること。
障害名 レベル 複雑度
闇面鏡 14 複合
イエロー・モールド 8 単純
溺れ穴 3 複合
回転刃の柱 4 複合
火球のルーン 5 単純
隠した穴 0 単純
鎌の刃 4 単純
禁忌の槌 11 単純
幻覚粉の罠 6 単純
斬首執行機 19 単純
次元界の裂け目 13 単純
終末戦争のオーブ 23 単純
招来ルーン 1 複合
底なしの落とし穴 9 単純
帯電掛け金のルーン 3 単純
叩きつける扉 1 単純
血に飢えた衝動 10 単純
凍結の刹那 17 単純
毒ダーツの廊下 8 複合
毒の鍵 1 単純
念動力による群衆の罠 12 複合
バンシーの交響曲 18 複合
悲嘆の車輪 6 複合
ファラオの防護 7 単純
変身の罠 12 単純
やり直し 21 単純
槍の射出装置 2 単純
溶岩路 10 複合
流砂 3 複合

単純な障害 Simple Hazards

 単純な障害は一度だけリアクションし、その後再設置されない限り脅威はなくなる。

隠した穴 障害0 Hidden Pit

機械式 罠
〈隠密〉 DC 18 (落とし戸が装置無力化されているか破壊されている場合は0)
説明 木製の落とし戸が一辺10フィート深さ20フィートの落とし穴を覆っている。

解除 〈盗賊〉DC 12[落とし戸の除去]
AC 10;頑健+1、反応+1
落とし戸/Trapdoor 硬度3、落とし戸のHP 12(BT 6);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
落とし穴/Pitfall [reaction] トリガー クリーチャーが落とし穴の上を歩く。 効果 トリガーとなったクリーチャーは穴へと落下し、落下ダメージを受ける(通常は10の[殴打]ダメージ)。クリーチャーは落下を避けるために“しがみつき”リアクションを使用できる。

再設置 クリーチャーがこの罠へと落下することはあるが、この罠を再び隠しておくには落とし戸を手動で再設置しなければならない。

毒の鍵 障害1 Poisoned Lock

機械式 罠
〈隠密〉 DC 17(修得)
説明 錠前の鍵穴の近くに、バネ仕掛けの毒針が隠されている。罠を無効化または破壊しても、鍵は無効化または破壊されない。

解除 〈盗賊〉DC 17(修得)[バネ仕掛け]
AC 15;頑健+8、反応+4
硬度 6、HP 24(BT12);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
バネ/Spring [reaction] (攻撃);トリガー クリーチャーが鍵を開けるか“解錠”しようと試みる。 効果 トゲが伸び、トリガーとなったクリーチャーを攻撃する。
近接 トゲ+13、ダメージ 1の[刺突]ダメージ、加えてクラジス毒
クラジス毒/Cladis Poison(毒);セーヴィング・スローDC 19頑健;最大持続時間 4時間;第1段階 1d6の[毒]ダメージ、加えて吸精状態1(1時間);第2段階 2d6の[毒]ダメージ、加えて吸精状態2(1時間);第3段階 3d6の[毒]ダメージ、加えて吸精状態2(1時間)

叩きつける扉 障害1 Slamming Door

機械式 罠
〈隠密〉 DC 17(修得)
説明 床の感圧板と廊下の天井に隠された石板がつながっている。

解除 〈盗賊〉DC 15(修得)[石板が落下する前に床の板に対して行う]
AC 16;頑健+10、反応+2
硬度 5、HP 20(BT10);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
叩きつける封鎖/Slam Shut [reaction] トリガー いずれかの床板に圧力がかかる。効果 扉は倒れ、廊下が封鎖される。石板は落下時、その下または隣接する者に3d8の[殴打]ダメージを与え、無作為な方向にそのマスからクリーチャーを押し出す。DC17の反応セーヴに成功したクリーチャーはダメージを受けず、無作為な方向へ転がり出る。大成功すると、自由に方向を選択できる。
 倒れた床板を持ち上げるには、DC25の〈運動〉判定に成功する必要がある。床板に攻撃が命中すると罠が起動する。床板は罠と同じACとセーヴを使用するが、硬度12、HP48(BT24)である。

槍の射出装置 障害2 Spear Launcher

機械式 罠
〈隠密〉 DC 20(修得)
説明 槍を装填した穴が5フィート四方の床板1つとつながっている。

解除 〈盗賊〉DC 18(修得)[床板あるいは壁の穴に対して行う]
AC 18;頑健+11、反応+3
硬度 8、HP 32(BT16);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
槍/Spear [reaction] (攻撃);トリガー 床板に圧力がかかる。効果 罠は槍を射出し、床板の上にあるクリーチャーあるいは物体に攻撃を1回行う。
遠隔 槍+14、ダメージ 2d6+6[刺突]

帯電掛け金のルーン 障害3 Electric Latch Rune

雷撃 力術 魔法 罠
〈隠密〉 DC 20(修得)
説明 扉の掛けがねに彫刻された不可視状態のルーンによって、強力な放電が発生する。

解除 〈盗賊〉DC 20(熟練)[電気を流さないようにルーンをかき消す]、もしくはディスペル・マジック(2レベル;無効化DC18)[ルーンの無力化]
感電/Electrocution [reaction](秘術、雷撃、力術);トリガー クリーチャーが直接、あるいは道具を使って扉の掛け金をつかむ。効果 罠はトリガーとなったクリーチャーに3d12の[雷撃]ダメージを与える(DC22の基本反応セーヴ)。

鎌の刃 障害4 Scythe Blades

機械式 罠
〈隠密〉 DC 23(修得)
説明 長さ15フィートの天井の溝に隠された2つの刃は、どちらも鉄線につながっている。

解除 〈盗賊〉DC 21(修得)[それぞれの刃の解除]
AC 21;頑健+12、反応+8
硬度 11、HP 44(BT22);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
落下する鎌/Falling Scythes [reaction] (攻撃);トリガー 仕掛け鉄線が引かれたか切られたかした。効果 両方の刃が振り下ろされ、それぞれが天井の溝の下にいる全てのクリーチャーを1回ずつ攻撃する。
近接 鎌+17 (致命的:1d12)、ダメージ 2d12+4[斬撃];複数回攻撃ペナルティを受けない

再設置 この罠は15分後に再設置される。

火球のルーン 障害5 Fireball Rune

力術 火炎 魔法 罠
〈隠密〉 DC 24(熟練)
説明 不可視状態のルーンが、半径20フィートの球状の不可視状態の魔法の感覚器官を生み出す。

解除 〈盗賊〉DC 22(熟練)[感覚器官をトリガーすることなくルーンを消す]、もしくはディスペル・マジック(3レベル;無効化DC20)[ルーンの無力化]
火球/Fireball [reaction](秘術、力術、火炎);トリガー 生きているクリーチャーが感覚器官の範囲に侵入する。効果 ルーンはトリガーとなったクリーチャーのマスを中心に火球を炸裂させる。これは3レベルのファイアーボール呪文であり、6d6の[火炎]ダメージを与える(DC22の基本反応セーヴ)。

幻覚粉の罠 障害6 Hallucination Powder Trap

機械式 罠
〈隠密〉 DC 24(熟練)
説明 扉のノブなどの掛け金に、小型の爆薬をつけた幻覚製の粉が入った管をつなぐ。

解除 〈盗賊〉DC 26(熟練)[雷管を打つ槌を解除する]
AC 24;頑健+0、反応+0
硬度 0、HP 1;完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
粉の爆発/Powder Burst [reaction] (精神、毒);トリガー 掛け金が開くか管が破壊されるかする。効果 管は爆発し、30フィートの円錐形に幻覚剤の粉を撒き散らす。円錐内にいるすべてのクリーチャーはDC24の意志セーヴを行わねばならない。失敗すると1ラウンドの間混乱状態になり、1d4時間の間知覚判定と精神効果に対するセーヴに-2の状態ペナルティを受ける。大失敗の場合、ペナルティは代わりに-4になる。

ファラオの防護 障害7 Pharaoh’s Ward

魔法 罠
〈隠密〉 DC 25(熟練)
説明 入り口の境界に呪いが吹き込まれている。

解除 〈盗賊〉DC 27(達人)[魔法をトリガーすることなく楣石を丹念に取り除く]、もしくはディスペル・マジック(4レベル;無効化DC25)[ルーンの無力化]
侵入者への呪い/Curse the Intruders [reaction](呪い、信仰、死霊術);トリガー 墓所の封印が外から破られる。効果 60フィート以内にいる生きているクリーチャーはそれぞれDC23の意志セーヴを行わねばならず、失敗するとファラオの呪いの目標となる。呪われたクリーチャーは頑健セーヴに-2の状態ペナルティを受け、目標が受ける自然治癒および魔法による治癒の回復量は半分になる。この呪いはリムーヴ・カースあるいは同種の魔法によって除去されるまで持続する。

再設置 扉が閉ざされると罠は再設置される。

イエロー・モールド 障害8 Yellow Mold

環境 菌類
〈隠密〉 DC 28(修得)
説明 毒のあるかびの胞子が近くのクリーチャーを襲う。

解除 〈生存〉DC 26(熟練)[胞子をトリガーすることなくかびを取り除く]
AC 27;頑健+17、反応+13
HP 70;完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
胞子の爆発/Spore Explosion [reaction] トリガー クリーチャーがかびのマスに侵入したかかびにダメージを与える。直接日光にさらされていたり[火炎]ダメージを受けていたりすると、かびはこのリアクションを使用できない。効果 トリガーとなったクリーチャーとそこから10フィート以内にいる全てのクリーチャーは、イエロー・モールドの胞子にさらされる。
イエロー・モールドの胞子/Yellow Mold Spores(吸入型、毒)毒の持続時間が終了した後も奉仕による吸精状態は持続する。;セーヴィング・スローDC 26頑健;最大持続時間 6ラウンド;第1段階 1d8の[毒]ダメージ、加えて吸精状態1 (1ラウンド);第2段階 2d8の[毒]ダメージ、加えて吸精状態2 (1ラウンド);第3段階 3d8の[毒]ダメージ、加えて吸精状態3 (1ラウンド)

底なしの落とし穴 障害9 Bottomless Pit

魔法 機械式 罠
〈隠密〉 DC 30 (落とし戸が解除されているか破壊されている場合は0)、あるいはディテクト・マジック
説明 鉄製の落とし戸が10フィート四方の無限に続く穴を覆っている。

解除 〈盗賊〉DC 28(修得)[落とし戸の除去]
AC 28;頑健+12、反応+12
落とし戸の硬度 9、落とし戸のHP 36(BT18);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
無限の落とし穴/Infinite Pitfall [reaction] トリガー クリーチャーが落とし戸の上を歩く。効果 トリガーとなったクリーチャーは落下し、永遠に落下し続ける可能性がある。そのクリーチャーは、落下を避けるために“しがみつき”を試みることができる。壁の“登攀”と“しがみつき”DCは26。
 落とし穴には手を引っ掛けられる場所が多くあるので、落下するクリーチャーは6秒ごとに再度“しがみつき”を試みることができる。成功すれば、その地点から“登攀”を開始できる(ただし、クリーチャーの落下距離によっては“登攀”には非常に長い時間が必要になることもある)。クリーチャーは終わりなく落下するので、落下中に休息や呪文を準備することさえできる。通常、落下中に落としたアイテムは永遠に失われる。

再設置 罠に落ちるとクリーチャーが永遠に落下することに変わりはないが、罠を再び隠すには、罠の落とし戸を手動で再設置する必要がある。

血に飢えた衝動 障害10 Bloodthirsty Urge

霊障
〈隠密〉 DC 31(修得)
説明 凶悪な精神の残響に取り憑かれた物体が、近づく者を殺そうとしている。

解除 〈宗教〉DC 29(達人)[死霊を祓う]、もしくは〈交渉〉DC 31(熟練)[言い含める]
根絶/Quietus [reaction](即死、感情、恐怖、幻術、精神、伝承);トリガー 取り憑かれた物体の10フィート以内にクリーチャーが移動する。効果 霊障はトリガーとなったクリーチャーを操り、自分を攻撃させようと試みる。クリーチャーはDC29の意志セーヴを試みなければならない。
大成功 目標はなんの効果も受けない。
成功 目標は自分に対して“打撃”を1回行い、それは自動的に命中する。加えて、目標は恐れ状態1になる。
失敗 目標は自分に対して“打撃”を1回行い、それは自動的にクリティカル・ヒットする。加えて、目標は恐れ状態2になる。
大失敗 目標は頑健セーヴを試みる。目標が成功すると、代わりに目標は失敗と同じ効果を受ける。
 失敗した場合、目標のヒット・ポイントが0に減少して死亡する。

禁忌の槌 障害11 Hammer of Forbiddance

魔法 機械式 罠
〈隠密〉 DC 30(熟練)
説明 建物の入り口にある巨大な槌が振り下ろされ、範囲内に侵入したクリーチャーにダメージを与え、押し戻し、それ以上進ませないようにする。

解除 〈盗賊〉DC 28(熟練)[槌が振り下ろされないようにするため槌本体に1回と接合部に1回ずつ]
AC 32;頑健+24、反応+15
槌の硬度 22、槌のHP 88(BT44);接合部の硬度 16、接合部のHP 64(BT32);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
侵入能わず/Forbid Entry [reaction](防御術、攻撃、信仰);トリガー クリーチャーが入口を通って侵入を試みる。効果 槌が振り下ろされ、トリガーとなったクリーチャーに対して攻撃を1回試みる。
近接 槌+28、ダメージ 6d8+20[殴打]、加えて目標は10フィート後ろに押しやられ、DC30の意志セーヴを行わねばならず、失敗するとこの建造物に24時間侵入できない(クリティカル・ヒットの場合、目標は自動的に意志セーヴに失敗する);複数回攻撃ペナルティを受けない

再設置 この罠は1ラウンド経過後に再設置される。そのため、1ラウンド後には再び振り下ろせるようになる。

変身の罠 障害12 Polymorph Trap

魔法 罠
〈隠密〉 DC 34(修得)
説明 ドルイドの秘文は不審者を動物に変えようとする。

解除 〈盗賊〉DC 32(達人)[秘文の粉を害を受けることなく吸い取る]、もしくはディスペル・マジック(6レベル;無効化DC30)[秘文の無力化]
有害な変身/Baleful Polymorph [reaction](始原、変性術);トリガー クリーチャーがドルイド語の合言葉を口にすることなく碑文の30フィート以内を移動する。 効果 クリーチャーはベイルフル・ポリモーフ(DC32 の意志セーヴ)の目標になる。

次元界の裂け目 障害13 Planar Rift

魔法 罠
〈隠密〉 DC 35(修得)
説明 裂け目はクリーチャーらを他の次元界に引きずり込もうとする(GMが特定の次元界を選択する)。

解除 〈盗賊〉DC 33(達人)[次元界に強くつながっている物体を用いて裂け目の封印を構築する]、もしくはディスペル・マジック(7レベル;無効化DC31)[裂け目の無力化]
大いなる彼方へ/Into the Great Beyond [reaction](召喚術、始原、瞬間移動);トリガー クリーチャーが裂け目から10フィート以内に移動する。効果 トリガーとなったクリーチャーと、裂け目から30フィート以内にいる全てのクリーチャーは別の次元界へと引きずり込まれる。各クリーチャーはこの運命を避けるためにDC33の反応セーヴを試みることができる。

凍結の刹那 障害17 Frozen Moment

魔法 罠
〈隠密〉 DC 40(達人)
説明 結界魔法が侵入者や盗賊を乱れた時の流れに閉じ込めようとする。

解除 〈盗賊〉DC 38(伝説;呪文の無数の構成要素を瞬時に分解する)、もしくはディスペル・マジック(9レベル;無効化DC36;罠がトリガーされる前にその効果を無効化するか、罠が発動したあとにクリーチャー1体の効果を無効化する)
時流の漂流/Adrift in Time [reaction](伝承、変性術);トリガー クリーチャーが守護された物体もしくは範囲に触れる。効果 トリガーとなったクリーチャーとクリーチャーから30フィート以内にいるすべてのクリーチャーは、乱れた時間の流れの中に閉じ込められる(DC38の頑健セーヴにより無効化)。クリーチャーの精神の動きは非常に速く、1ラウンドが100年続いているように感じるが、彼らの身体と魔法のエネルギーの動きは非常に遅く、“知識の想起”以外のアクションを行えない。効果を受けたクリーチャーは直ちに、そして凍った刹那に囚われている間に現実時間が1分経過するたびに、ウォープ・マインド呪文に対するDC36の意志セーヴィング・スローを試みなければならない。この効果の持続時間は無制限だが、無効化できる。

斬首執行機 障害19 Vorpal Executioner

機械式 罠
〈隠密〉 DC 43(熟練)
説明 不気味で鋭利なのこぎり刃が降りてきて、部屋中に複雑に入り組んだ溝を伝って、中にいる者の首を切ろうとする。

解除 〈盗賊〉DC 41(熟練)[のこぎり刃が部屋を駆け抜けるのを防ぐために、異なる4つの接合部でのこぎり刃の通りうる経路を全て塞ぐ]
AC 43;頑健+32、反応+32
硬度 30;HP 接合部毎に120(BT60);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
完全断首/Total Decapitation [reaction](攻撃、即死);トリガー クリーチャー1体がこの部屋から出ようとする。効果 のこぎり刃は決められた経路に沿って移動し、部屋の中にいる各クリーチャーに1回ずつ“打撃”を行う。その際、斬首できる可能性を最大化するため、ねじりながら高さを変化させる。
近接 のこぎり刃+40 (致命的:d12)、ダメージ 6d12+25[斬撃]加えて断首;複数回攻撃ペナルティを受けない
断首/Decapitation クリティカル・ヒットにおいて、目標はDC39の頑健セーヴを行わねばならない。首がなくても生存できない限り、失敗すると目標は即座に死亡する。

再設置 この罠は1ラウンドを掛けて再設置され、1ラウンド後には再度トリガーされることができる。

やり直し 障害21 Second Chance

魔法 罠
〈隠密〉 DC 44(伝説)
説明 物や場所に結びついた強力な結界魔法は、クリーチャーとその味方の年齢を逆行させようとする。

解除 〈盗賊〉DC 46(伝説)[目を閉じて、呪文を一つずつ分解しながら、鮮明な人生の記憶を、最も古い記憶から順番に思い出していく]
原初へ/In the Beginning [reaction](信仰、変性術);トリガー クリーチャーが物体を盗み、ないし場所に侵入しようとする。もし誰かが代理人や手先を使って盗みや侵入をした場合、罠はどんな遠距離にいたとしても、それが他の次元界であったとしても、真犯人ないし加害者をも正確に目標とする。効果 発動したクリーチャーと最大5人の共謀者は瞬時に幼児に戻り、生前に得た全ての記憶、クラス能力、その他獲得した技能を失う(DC44の頑健セーヴにより無効化)。
 この効果を反転させることはほぼ不可能で、ウィッシュのような強力な魔法が必要となる。

終末戦争のオーブ 障害23 Armageddon Orb

レア 魔法 罠
〈隠密〉 DC 10もしくはディテクト・マジック
説明 神ロヴァググの血一滴で鍛えられたこの赤く濁った球体は、特定の条件を満たすと点から火の雨を降らせる。

解除 〈盗賊〉DC 48(伝説)[盗賊道具にアスモデウスとサーレンレイを表す相を込め10分かけてオーブの力を抜き取る。この判定を行うキャラクターはオーブがなくなるまで毎ラウンド5ポイントの[火炎]ダメージを受ける]
燼滅/Burn It All [reaction](即死、信仰、力術、火炎);トリガー 罠の作成者が設定した特別な条件が発生する。一般には作成者の死だ。効果 半径100マイルの範囲に空から火の雨が降り注ぎ、その範囲にいるクリーチャーや物体に10d6の[火炎]ダメージを与える。各クリーチャーや物体はDC46の基本反応セーヴを試みることができる。このダメージによってヒット・ポイントが0になったクリーチャーは即座に死亡する。このダメージは森を完全に焼き払ったり、山や都市全体を平らにするほどではないが、通常、範囲内のほとんどのクリーチャーを殺せるほどのものだ。

複合障害 Complex Hazards

 複合障害は遭遇モードでモンスターと同様に振る舞い、イニシアチブをロールしアクションを行う。しかし通常定期処理として自動化された振る舞いをする。

招来ルーン 障害1 Summoning Rune

複合 魔法 罠
〈隠密〉 +7(修得)
説明 半径10フィートの不可視の魔法の感覚器官の雲が、壁や床にある招来するクリーチャー大の不可視のルーンを取り囲む。

解除 〈軽業〉DC 15[罠をトリガーすることなく近づく]の後に〈盗賊〉DC 17(修得)[ルーンの消去]もしくはディスペル・マジック(1レベル;無効化DC15)[ルーンの無力化]
モンスター招来/Summon Monster [reaction](秘術、召喚術、招来);トリガー クリーチャーが魔法の感覚器官の雲に侵入する。効果 この罠は特定のレベル1のクリーチャー(罠作成時に決定する)を1体招来する。クリーチャーはイニシアチブをロールして2d6ラウンドその場にとどまる。その後呪文は終了してクリーチャーは消滅する。持続時間が切れる前に誰かが罠を無効化した場合も、そのクリーチャーは消滅する。招来されたクリーチャーは毎ラウンド3アクションを使用でき、他の招来クリーチャーと異なりリアクションを使用できる。

再設置 罠は毎日夜明けに再設置される。

招来ルーンの改良 Upgraded Summoning Runes

 君はほぼすべてのレベルの招来ルーンを作ることができる。このルーンは、罠のレベルに等しいレベルのクリーチャーを招来する。表10-5:レベル基準DCで罠のレベルを使用し、困難の調整(+2)を適用して、〈盗賊〉DCと呪文DCを決定する。罠の〈隠密〉修正値はこの数値-10に等しい。より強力な招来ルーンは通常、見つけるために熟練以上の知覚を必要とする。また、装置無力化にはより高い熟練度の〈盗賊〉を必要とすることもある。

溺れ穴 障害3 Drowning Pit

複合 機械式 罠
〈隠密〉 +10(修得);DC 22(熟練)[落とし穴が開いたときに水の噴出があることに気づく]
説明 底に5フィートの水深がある深さ30フィート10フィート四方の穴を落とし戸が覆っている。壁にある4つの水の噴出孔は、隠された水槽に繋がっている。噴出口はそれぞれ別の壁から伸びており、穴の上部から6インチ離れている。

解除 〈盗賊〉DC 18(修得)[噴出孔それぞれの封をする]、〈盗賊〉DC 22(修得)[落とし戸を開ける]、もしくは〈運動〉DC 22[落とし戸に“こじ開け”をする]
AC 19;頑健+8、反応+5
落とし戸の硬度 15、落とし戸のHP 60(BT30);噴出孔の硬度 8、噴出孔のHP 32(BT16);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
Pitfall [reaction] トリガー クリーチャーが落とし戸の上を歩く。効果 トリガーとなったクリーチャーは水に落ちる。落下ダメージを受けるが、水に落ちることで5フィート軽減される(通常12の[殴打]ダメージ)。クリーチャーは落下を回避するために“しがみつき”を行える。その後、落とし戸は閉まり、障害はイニシアチブ・ロールを行う。
定期処理(4アクション)罠は、無効化された噴出孔1つにつき、毎ターン1アクションを失う。罠のアクション1つ毎に噴出口から水が注がれ、水深が5フィート増える。
 落とし穴が水で満たされると、落とし穴はアクションを使用しなくなり、落とし穴の中にいるクリーチャーは溺れはじめる。

再設置 罠は手動で扉を開き、水槽を再度水で満たせば再設置できる。落とし穴の水を抜かずに再設置することもできるが、効果は薄れてしまう。

流砂 障害3 Quicksand

複合 環境
〈隠密〉 +12(修得)(表面が乱れている場合、-10で最低習熟度なし)
説明 幅15フィートの水と砂の区画は、そこに足を踏み入れたクリーチャーを中に沈めようとする。

解除 〈生存〉DC 18(修得)[表面をかき乱す]
埋没/Submerge [free-action] トリガー 超大型かそれより小さいクリーチャーが流砂の中を歩く。効果 トリガーとなったクリーチャーは腰まで流砂に沈む。まだ行っていない場合、流砂はイニシアチブをロールする。
定期処理(1アクション)そのイニシアチブで、流砂はその中にいる各クリーチャーを引きずり込む。腰まで浸かっていたクリーチャーは首まで浸かり、首まで浸かっていたクリーチャーは砂の中に引き込まれ、窒息しないように息を止めなければならない。流砂の中にいるクリーチャーは、首かそれ以上に沈んでいる場合は1段階だけ身体を上昇させるため、腰までしか沈んでいない場合は5フィート移動するために、DC20の〈運動〉判定で“水泳”を試みることができる。大失敗をした場合、そのクリーチャーは1段階下に引きずりこまれる。流砂から“水泳”して出てきたクリーチャーは障害から逃れ、流砂の区画に隣接したマスで伏せ状態になる。他のクリーチャーはそのクリーチャーを“援護”でき、通常はロープや同様の補助具を使うか、自身のDC20の〈運動〉判定によりそのクリーチャーを引き出そうと試みる。判定の結果はクリーチャーの判定と同じ記述に従う。

再設置 障害は歩いている人を埋没させるが、24時間かけて落ち着くまで、その表面は隠蔽されない。

回転刃の柱 障害4 Spinning Blade Pillar

複合 機械式 罠
〈隠密〉 +11(修得)もしくはDC 26(熟練)[制御パネルに気づくため]
説明 カミソリのように鋭い3枚の回転刃が付いた金属製の柱が床に隠されており、最大8枚の床板にある制御板と30フィート以内にある隠れた制御盤に接続されている。----
解除 〈盗賊〉DC 21(修得)[2回、柱に対して]、もしくは〈盗賊〉DC 19(熟練)[1回、制御盤で罠全てを停止する]。制御盤を破壊すると、誰でも制御盤を使用して罠を停止することができなくなり、罠が自動的に解除されるのを防ぐことができる(下記の再設置を参照)。
AC 21;頑健+10、反応+12
柱の硬度 12、柱のHP 48(BT24);制御盤の硬度5、制御盤のHP 20(BT10);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
柱の上昇/Rising Pillar [reaction] (攻撃);トリガー クリーチャーが罠の床タイルの1つを踏む。効果 罠はマスの交点に出現し、もしいれば隣接するクリーチャー1体に回転刃の攻撃を1回行い、その後イニシアチブをロールする。
定期処理(3アクション)この罠は最初のアクションで隣接する各クリーチャーに回転刃による“打撃”を1回ずつ行い、2回目のアクションで無作為な方向に直進し(1d4を振って方向を決定する)、3回目のアクションで隣接する各クリーチャーに対して回転する刃による“打撃”を1回ずつ行う。この罠は複数回攻撃ペナルティを受けない。
移動速度 10フィート
近接 ? 回転刃+12、ダメージ 2d10+5[斬撃]

再設置 この罠は1分後に停止して再設置される。

悲嘆の車輪 障害6 Wheel of Misery

複合 魔法 機械式 罠
〈隠密〉 +16(熟練)[魔法の感覚器官を検知];車輪に気づくDCは0
説明 壁にはめ込まれた華麗な車輪は、6区画に分けられ、それぞれに色のついたルーンが描かれている。

解除 〈盗賊〉DC 26(熟練)[車輪の回転を止める]、〈盗賊〉DC 22(達人)[ルーンそれぞれの消去]、もしくはディスペル・マジック(4レベル;無効化DC22)[ルーンそれぞれの無力化]
AC 24;頑健+15、反応+13
硬度 14、HP 56(BT28);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
車輪の回転/Wheel Spin [reaction] トリガー クリーチャーが感覚器官の検出範囲に侵入する。効果 車輪は回転を始め、イニシアチブをロールする。
定期処理(2アクション)そのイニシアチブで、罠は最初のアクションで回転し、その後停止する。1d6を振って、車輪が回転を止めたときにどの区画が一番上になるかを決定する。輪は2回目のアクションで、その区画に示される呪文(3レベル、DC24、呪文攻撃ロール+14)を複製する。この呪文の目標は、範囲内にいる最も近いクリーチャーを中心とするか、そのクリーチャーを目標とする。必要であれば、この呪文の射程は100フィートまで延びる。この罠によって発動される呪文はすべて秘術である。

再設置 感覚器官の範囲内でクリーチャーが一切動くことなく1分が経過すると、罠は停止して再設置される。

毒ダーツの廊下 障害8 Poisoned Dart Gallery

複合 機械式 罠
〈隠密〉 +16(熟練) もしくはDC 31(達人)[制御盤に気づく]
説明 長い廊下には毒矢を放つ穴が無数に並び、その奥には操作盤が隠されている。

解除 〈盗賊〉DC 21(熟練)[制御盤で罠を停止する]
AC 27;頑健+13、反応+17
硬度 14;HP 56(BT28) [制御盤を破壊して罠を解除する];完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
ダーツの斉射/Dart Volley [reaction] (攻撃);トリガー クリーチャーが廊下に侵入するか、ターンの終了時に廊下にいる。効果 罠はトリガーとなったクリーチャーに毒ダーツによる“打撃”を1回行い、その後イニシアチブをロールする。
定期処理(1アクション)罠は1アクションで、廊下にいるすべてのクリーチャーに対してダーツを発射する。ダーツは連続して発射されるため、罠はフリー・アクションの“継続弾幕”(下記参照)により、そのクリーチャーのターン中に各クリーチャーに対してダーツを発射することもできる。
遠隔 毒ダーツ+21、ダメージ 3d4[刺突]に加えてフレセット毒;複数回攻撃ペナルティを受けない
“継続弾幕”/Continuous Barrage [free-action] トリガー クリーチャーが起動している廊下の中でアクションを終了する。効果 罠はトリガーとなったクリーチャーに対して毒ダーツによる“打撃”を1回行う。
フレセット毒/Flesset Poison(毒);セーヴィング・スローDC 22頑健;最大持続時間 6ラウンド;第1段階 1d6[毒]ダメージとよたつき状態1 (1ラウンド);第2段階 2d6[毒]ダメージとよたつき状態2 (1ラウンド);第3段階 3d6[毒]ダメージとよたつき状態3 (1ラウンド)

再設置 罠は1分後に停止して再設置される。

溶岩路 障害10 Lava Flume Tube

複合 機械式 罠
〈隠密〉 +19(修得)
説明 石に彫られた4つの門から、溶岩が高さ15フィートの部屋に流れ込む。床を引き下げると、固まった溶岩が下の部屋に落ちていく。

解除 〈盗賊〉DC 29(熟練)[流れをせき止める]、もしくは〈盗賊〉DC 31(達人)[床の仕掛けを外して下の部屋へ逃げる]
AC 30;頑健+20、反応+16
溶岩路の硬度 12、溶岩路のHP 48(BT24)[溶岩ろの門の破壊(溶岩路が解除されることを防ぎ、再設置されなくなる)];床の硬度 18;床のHP 72(BT36);完全耐性 クリティカル・ヒット、物体の完全耐性、[精密]ダメージ
溶岩路の起動/Flume Activation [reaction] トリガー クリーチャーが部屋から出ようとする。効果 出口は即座に封鎖され、罠はイニシアチブをロールする。
定期処理(4アクション)罠は解除された溶岩路1つにつき毎ターン1アクションを失う。各アクションで異なる溶岩路1つが溶岩を噴出し、溶岩路から10フィート以内の各クリーチャーに4d6[火炎]ダメージを与え(DC27の基本反応セーヴ)、部屋の溶岩の深さを1フィート(全ての溶岩路が有効な場合、1ラウンドで4フィート)増加させる。
 溶岩の中でターンを開始したクリーチャーは8d6の[火炎]ダメージを受け、固まった溶岩から“脱出”するまで動けない状態になる(DC27)。
 溶岩に包まれたクリーチャーは窒息する可能性がある。前のラウンドの溶岩は罠のターン開始時に完全に固まり、部屋の床を効果的に上昇させる。部屋が溶岩で満たされると、罠はアクションを行うのを辞めるが、部屋の中のクリーチャーは床が開いて罠が再設置されるまで動けない状態のままである。

再設置 罠は1時間後に床を開き、固まった溶岩(と中に閉じ込められたクリーチャー)を部屋に投げ捨てることで停止し再設置される。クリーチャーは40フィート落下し、落下ダメージを受ける(通常17の[殴打]ダメージ)。

念動力による群衆の罠 障害12 Telekinetic Swarm Trap

複合 魔法 機械式 罠
〈隠密〉 +24(熟練)
説明 念動力の魔法がかけられた無害な装飾品3つが、部屋の物や破片を回転する瓦礫の雲に引き込み、部屋にいるすべてのクリーチャーを攻撃する。

解除 〈盗賊〉DC 27(熟練)[念動力の雲から引き離す]、〈盗賊〉DC 32(達人)[念動力の装飾品それぞれを解除する]、もしくはディスペル・マジック(6レベル;無効化DC30)[念動力の装飾品それぞれの無力化]
AC 33;頑健+24、反応+19
硬度 22、HP 88(BT44) 念動力の雲それぞれ
騒乱/Agitate [reaction](秘術、力術);トリガー クリーチャーがこの部屋に6秒以上とどまる。効果 それぞれの念動力の装飾品は部屋の中に物体の雲を形作り(合計雲3つ)、罠はイニシアチブをロールする。罠が発動したときに部屋にいたクリーチャーは、その部屋を出ようが、後で他のクリーチャーが部屋に入ろうが、罠の目標となる。可能であれば、各装飾品はそれぞれ異なるクリーチャーを目標とする。罠から少なくとも1マイル移動したクリーチャーは目標ではなくなり、その時点でその装飾品は新たな目標を指定する。
定期処理(9アクション)各装飾品は毎ターン罠の3アクションを使用し、罠は装飾品が解除されるたびに毎ターン3アクションを失う。装飾は最初のアクションで物体の雲を200フィートまで移動させ、2回目のアクションで物体に“打撃”を行わせ、3回目のアクションで物体を雲に追加してダメージを1d12増加させる(最大4d12+10)ことができる。装飾品の雲のダメージが既に最大である場合、3回目のアクションでは何もしない。
 装飾品の雲が破壊された場合、装飾品は代わりに1回目のアクションで部屋の中に新たな物体の雲を作り(開始時のダメージ値を使用する)、2回目と3回目のアクションでその雲を移動させたり攻撃させたりする。
近接 ? 物体+24、ダメージ 2d12+10[殴打]
再設置 クリーチャーが遠くに移動したか死亡したかして目標のクリーチャーがいなくなってから10分後、罠は停止して再設置される。

闇面鏡 障害14 Darkside Mirror

複合 魔法 機械式 罠
〈隠密〉 +24(達人)[通常の鏡でないことに気づく]
説明 魔法の鏡は、キャラクターを別次元の邪悪な鏡の複製に置き換える。
解除 〈盗賊〉DC 34(伝説)[入れ替わりから10分以内に異次元からクリーチャーを回収する(鏡の複製が死亡している場合のみ行える)]、〈盗賊〉DC 39(達人)[すべての複製が死亡したあとに鏡を永続的に無効化する]、もしくはディスペル・マジック(7レベル;無効化DC32)[1分間鏡を無効化し、その間追加の複製を防ぐ]
AC 34;頑健+25、反応+20
硬度 1、HP 4(BT2)、鏡の複製が生きている限り、鏡にダメージを与えることはできない
悪の鏡像/Reflection of Evil [reaction](秘術、召喚術、瞬間移動);トリガー 悪でないクリーチャーが鏡に像を映す。効果 鏡はクリーチャーを吸収し、悪の鏡の複製と入れ替え(DC34反応に成功すれば鏡への吸収を避けられる)、イニシアチブをロールする。
定期処理(1アクション)鏡は映したクリーチャーを鏡の中に吸収し、鏡の複製に置き換える。鏡の複製は自らの意思で攻撃し、元のクリーチャーと同じデータを用いるが、属性は悪である(属性の変化で変化する能力のみを変化させる)。鏡の複製は鏡に接触している間に3アクションを費やして元の次元界に戻り、複製したクリーチャーを解放することができる。しかしほとんどの鏡の複製はそうしないことを望む。

再設置 鏡は常にクリーチャーを異次元に吸い込む準備ができている。クリーチャーが鏡に吸い込まれてから10分後、味方が〈盗賊〉でクリーチャーを救出しなければ、異次元に到達してしまい、そこで捕獲されるか殺される可能性がある。鏡の次元では鏡の複製として扱われるため、吸い込まれたクリーチャーがそこにいる間、異次元の住人は自分側の鏡を破壊することができない。
 これらの次元は次元界ではなく別の現実なので、プレイン・シフトのような儀式でその中に入ることはできない。

バンシーの交響曲 障害18 Banshee’s Symphony

複合 魔法 罠
〈隠密〉 +30(伝説)
説明 魔法による伝染性のウェイル・オヴ・ザ・バンシーの呪文が、不可視状態のミイラ化したエルフの喉仏に仕掛けられている。

解除 〈盗賊〉DC 42(達人)[不可視状態の喉仏を正確に突き刺し、罠が起動する前に魔法を少しずつ解放する]、〈盗賊〉DC44(伝説)[3回、呪文を引き裂くようなために罠が作動している間に喉仏を解体する]、もしくは呪文DC 38(9レベル)[罠が起動する前にウェイル・オヴ・ザ・バンシーを無効化する]
絶叫/Scream [reaction] トリガー クリーチャー3体以上が6秒以上、罠の100フィート以内に留まる。効果 罠は半径40フィートではなく、半径100フィートのウェイル・オヴ・ザ・バンシー(DC40)を範囲内にいる全てのクリーチャーを目標に発動し、イニシアチブをロールする。
定期処理(1アクション)罠はそのアクションを使用して、前ターンにウェイル・オヴ・ザ・バンシーに対するセーヴに失敗した無作為なクリーチャー1体に、最初のものと同じデータのウェイル・オヴ・ザ・バンシーを発動するよう強制する。そのクリーチャーが死亡ないし会話できなかったとしても、罠からどれだけ離れていても発動する。呪文発動とは異なり、この罠のウェイル・オヴ・ザ・バンシー呪文による吸精状態は目標の吸精状態値を増加させる。いずれかのセーヴに大成功したクリーチャーは、以降のラウンドでもこの罠の影響を受けるものの、罠によるウェイル・オヴ・ザ・バンシーを強制されることはない。

再設置 罠はクリーチャーにウェイル・オヴ・ザ・バンシーを発動させることができなくなった時点で終了する(通常、前のターンにどのクリーチャーもセーヴに失敗しなかったか、それ以前にすべてのクリーチャーが大成功したかのいずれか)。その後24時間かけて、ミイラの喉仏に新たな絶叫が蓄積されると再設置される。
「ゲーム・マスター」をウィキ内検索
LINE
シェア
Tweet
p2rdj @ ウィキ
記事メニュー
  • トップページ


  • 翻訳用BBS
翻訳の進行報告や
訳語の相談などは
こちらにて
(PRDJーBBSと共用)
  • 翻訳のガイドライン
翻訳をしよう! 
と思ったら、まずは
ここを確認!
  • 対訳表
    • 対訳表
    • 来歴の対訳表
    • 技能の対訳表
    • 言語の対訳表
    • クリーチャー名(B1)の対訳表
    • NPC名(GG)の対訳表
    • Remasterの対訳表
    • 協会プレイの対訳表
  • index&進捗確認表
    • Bestiary 1(完成)
    • Bestiary 2
    • Bestiary 3
    • Gamemaster Guide
    • Advanced Player's Guide(完成)
    • Secrets of Magic
    • Guns & Gears
    • Rage of Elements(Secrets of Magicからの更新分のみ)
    • Lost Omen Character Guide
    • Lost Omen Ancestry Guide
    • Knights of Lastwall
  • index&進捗確認表 [Remaster]
    • Player Core(完成)
    • GM Core
    • Player Core 2(完成)
    • Monster Core
  • index&進捗確認表 [PRD外]
    • Player's Guide
ここを編集


Remaster

Player Core
  • はじめに
  • キャラクター作成
  • ゴラリオンと内海地域
  • 種族と来歴
    • 種族
      • エルフ
      • オーク
      • ゴブリン
      • ドワーフ
      • 人間
      • ノーム
      • ハーフリング
      • レーシー
    • 多様なる出自
      • アーユヴァリン
      • チェンジリング
      • ドロマール
      • ネフィリム
    • 来歴
  • 言語
  • クラス
    • ウィザード
    • ウィッチ
    • クレリック
    • ドルイド
    • バード
    • ファイター
    • レンジャー
    • ローグ
  • 相棒
  • アーキタイプ
    • ウィザード
    • ウィッチ
    • クレリック
    • ドルイド
    • バード
    • ファイター
    • レンジャー
    • ローグ
  • 技能
  • 特技
  • 装備品
  • 呪文
    • 呪文リスト
    • 呪文の詳細
    • 儀式
  • ゲームの進行
  • 状態
  • 特性

Player Core 2
  • 種族
    • キャットフォーク
    • コボルド
    • コロ
    • テング
    • トリプキー
    • ホブゴブリン
    • ラットフォーク
    • リザードフォーク
  • 多様なる出自
    • ダスクウォーカー
    • ダンピール
    • ドラゴンブラッド
  • 来歴
  • クラス
    • アルケミスト
    • インヴェスティゲーター
    • オラクル
    • スワッシュバックラー
    • ソーサラー
    • チャンピオン
    • バーバリアン
    • モンク
  • 使い魔
  • アーキタイプ
    • マルチクラス・アーキタイプ
      • アルケミスト
      • インヴェスティゲーター
      • オラクル
      • スワッシュバックラー
      • ソーサラー
      • チャンピオン
      • バーバリアン
      • モンク
    • そのほかのアーキタイプ
      • アーキラジスト
      • アーチャー
      • アクロバット
      • アサシン
      • ヴァイキング
      • ヴィジランテ
      • ウェポン・インプロヴァイザー
      • エルドリッチ・アーチャー
      • キャヴァリアー
      • グラディエーター
      • スカウト
      • スクロール・トリックスター
      • スクロンジャー
      • スネアクラフター
      • セレブリティ
      • センチネル
      • タリスマン・ダブラー
      • ダンディ
      • デュアルウェポン・ウォリアー
      • デュエリスト
      • ハーバリスト
      • パイレート
      • バウンティ・ハンター
      • バスチョン
      • ビーストマスター
      • ファミリア・マスター
      • ブレスト・ワン
      • ポイズナー
      • マーシャル
      • マーシャル・アーティスト
      • メディック
      • モーラー
      • リチュアリスト
      • リングィスト
      • レスラー
  • 特技
  • 呪文
    • 呪文リスト
    • 呪文の詳細
    • 儀式
  • 装備品
    • 武器
    • 素材
    • 鎧
    • 盾
    • 錬金術アイテム
    • 輪縄
    • 魔法のアイテム
      • 魔法の消耗品
      • 保持アイテム
      • スタッフ
      • ワンド
      • 着用アイテム
  • 特性

GM Core
  • はじめに
  • ゲームの運営
    • 迎え入れる環境
    • 冒険の準備
    • キャラクター作成
    • セッションの計画
    • セッションの運営
    • 特に考慮すべきこと
    • 遭遇の運営
    • 探索の運営
    • 余暇の運営
    • 難易度
    • 報酬
  • ゲームの構築
    • キャンペーンの構築
    • 冒険のデザイン
    • 遭遇のデザイン
    • 選択ルール
    • 苦難
    • 環境
    • 障害
    • 障害の構築
    • クリーチャーの構築
    • アイテムの構築
    • 世界の構築
  • 失われた神託の時代
  • サブシステム
    • 勝利ポイント
    • 感化
    • 調査
    • 追撃
    • 潜入
    • 評判
    • 決闘
    • 統率力
    • へクス探索
    • 乗り物
  • 宝物庫
    • 鎧と武装
      • ルーン
      • 鎧のルーン
      • 鎧
      • 盾のルーン
      • 盾
      • 武器のルーン
      • 武器
    • 錬金術
      • 錬金術爆弾
      • 錬金術霊薬
      • 錬金術毒
      • 錬金術道具
    • 素材
    • 即時の魔法
      • オイル
      • ポーション
      • 巻物
      • 魔除け
      • その他の消耗品
    • 力を有する品々
      • 極上アイテム
      • 相棒アイテム
      • 保持アイテム
      • スタッフ
      • ワンド
      • 着用アイテム
    • 宝石と芸術品
    • アーティファクト
    • 知性のあるアイテム
    • 呪われたアイテム
    • 遺物
  • 特性

  • Legacy から Remaster への移行に伴う差分

Legacy

Core Rulebook
  • はじめに
  • キャラクター作成
  • 種族
    • 種族
    • エルフ
    • ゴブリン
    • ドワーフ
    • 人間
    • ノーム
    • ハーフリング
  • 来歴
  • 言語
  • クラス
    • クラス
    • アルケミスト
    • ウィザード
    • クレリック
    • ソーサラー
    • チャンピオン
    • ドルイド
    • バード
    • バーバリアン
    • ファイター
    • モンク
    • レンジャー
    • ローグ
    • 動物の相棒と使い魔
    • アーキタイプ
  • 技能
  • 特技
  • 装備品
  • 呪文
    • 呪文(ルール)
    • 呪文リスト
    • 呪文の索引
    • 呪文の詳細
    • 儀式
  • ゲーム・マスター
  • 製作と宝物
    • 製作と宝物
    • 錬金術アイテム
    • 魔法の鎧
    • 消耗品
    • 保持アイテム
    • 素材
    • ルーン
    • 盾
    • 輪縄
    • スタッフ
    • 構造物
    • ワンド
    • 武器
    • 着用アイテム
  • 神格
  • ゲームの進行
    • ゲームの進行
    • 判定
    • ダメージ
    • 状態
    • 効果
    • 苦難
    • 無効化
    • ヒット・ポイント、治療、瀕死
    • アクション
    • 移動
    • 知覚
    • ヒーロー・ポイント
    • 遭遇モード
    • 探索モード
    • 余暇モード
  • 状態
  • 用語集

Gamemastery Guide
  • はじめに
  • 第1章:ゲーム運営の基本
    • ゲーム運営の基本
    • 基本的な助言
    • 遭遇の運営
    • 探索の運営
    • 余暇の運営
    • ルールの調整
    • 問題の解決
    • 物語の共同創作
    • 特別な環境
    • ゲームに登場する稀少性
  • 第2章:道具
  • 第3章:サブシステム
    • サブシステム
    • サブシステム使用の判断
    • 勝利ポイント
    • 感化
    • 研究
    • 追撃
    • へクス探索
  • 第4章:選択ルール
  • 第5章:NPCギャラリー
    • NPCギャラリー
    • NPCの一覧

Advanced Player's Guide
  • はじめに
  • 種族と来歴
    • 種族と来歴
    • 追加種族
      • オーク
      • キャットフォーク
      • コボルド
      • テング
      • ラットフォーク
    • 多様なる出自
      • 多様なる出自(ルール)
      • ダンピール
      • チェンジリング
      • アアシマール
      • ダスクウォーカー
      • ティーフリング
    • 既存種族の拡張
      • エルフ
      • ゴブリン
      • ドワーフ
      • 人間
      • ノーム
      • ハーフリング
    • 来歴
  • クラス
    • クラス
    • 追加クラス
      • インヴェスティゲーター
      • ウィッチ
      • オラクル
      • スワッシュバックラー
    • 既存クラス
      • アルケミスト
      • ウィザード
      • クレリック
      • ソーサラー
      • チャンピオン
      • ドルイド
      • バード
      • バーバリアン
      • ファイター
      • モンク
      • レンジャー
      • ローグ
    • 動物の相棒
    • 使い魔
  • アーキタイプ
    • アーキタイプ(ルール)
    • インヴェスティゲーター
    • ウィッチ
    • オラクル
    • スワッシュバックラー
    • アーキラジスト
    • アーチャー
    • アクロバット
    • アサシン
    • ヴァイキング
    • ヴィジランテ
    • ウェポン・インプロヴァイザー
    • エルドリッチ・アーチャー
    • キャヴァリアー
    • グラディエーター
    • シャドウダンサー
    • スカウト
    • スクロール・トリックスター
    • スクロンジャー
    • スネアクラフター
    • セレブリティ
    • センチネル
    • タリスマン・ダブラー
    • ダンディ
    • デュアルウェポン・ウォリアー
    • デュエリスト
    • ドラゴン・ディサイプル
    • ハーバリスト
    • パイレート
    • バウンティ・ハンター
    • バスチョン
    • ビーストマスター
    • ブレスト・ワン
    • ファミリア・マスター
    • ポイズナー
    • ホライズン・ウォーカー
    • マーシャル
    • マーシャル・アーティスト
    • メディック
    • モーラー
    • リチュアリスト
    • リングィスト
    • ローアマスター
  • 特技
  • 呪文
    • 呪文
    • 呪文リスト
    • 呪文の詳細
    • 儀式
  • アイテム
    • アイテム
    • 冒険用装備
    • 武器
    • クラス用具
    • 錬金術アイテム
    • 輪縄
    • 魔法の消耗品
    • 特定の魔法の武器
    • 特定の魔法の鎧
    • 特定の盾
    • スタッフ
    • ワンド
    • 着用アイテム
    • 保持アイテム
    • その他
    • ルーン
  • 特性

Secrets of Magic
  • はじめに
  • 来歴
  • クラス
    • サモナー
    • メイガス
    • マルチクラス・アーキタイプ
  • 呪文
    • 呪文リスト
    • 呪文の詳細
    • 儀式
  • 魔法のアイテム
    • 魔法のアイテム
    • 呪符
    • 魔導書
    • 魔法の刺青
    • 特注スタッフ
    • 呪文の触媒
    • 呪核
    • 消耗品
    • 永続アイテム
    限りない魔法の書
    • 限りない魔法の書
    • 情動魔法
    • 元素主義
    • 柔軟な呪文準備
    • 地相学
    • レイ・ライン
    • 普及魔法
    • 影魔法
    • ソウル・シード
    • 鍛魂の武具
    • サーシロンのルーン魔法
    • 真名
    • 源泉魔法
  • 特性

Lost Omens World Guide
  • 来歴
  • アーキタイプ
  • 装備品
  • 呪文
  • 特性

Bestiaries
  • はじめに
  • クリーチャーの能力
  • Bestiary 索引
  • 特性
  • 儀式
  • アイテム
  • 障害
  • 言語
  • 神格

Knights of Lastwall
  • ルール
  • 装備品
  • 来歴
  • 特技
  • 呪文
  • 神格

協会プレイ

  • 協会プレイ案内書
  • 作成済みキャラクター
  • 協会FAQ


PRD外

  • Player's Guide
  • 種族
    • シューニー


ここを編集
記事メニュー2

更新履歴

取得中です。


ここを編集
人気記事ランキング
  1. CR/呪文/呪文
  2. CR/呪文/呪文の索引
  3. Re/PC2/呪文/呪文
  4. Re/PC/技能
  5. Re/PC/特技
  6. Re/PC/呪文/呪文
  7. Re/PC/装備品
  8. CR/クラス/バード
  9. APG/特技
  10. Re/PC/状態
もっと見る
最近更新されたページ
  • 2日前

    KotL/来歴
  • 2日前

    B2/アハッハ
  • 2日前

    B2/ハウンド・オヴ・ティンダロス
  • 2日前

    B2/リノーム/ケルン・リノーム
  • 4日前

    B2/マンドラゴラ
  • 4日前

    B2/デニズン・オヴ・レン
  • 4日前

    KotL/呪文
  • 13日前

    index/Re/MC
  • 13日前

    Re/MC/ゾンビ/彷徨いゾンビ
  • 13日前

    Re/MC/ゾンビ/ゾンビのでかぶつ
もっと見る
人気記事ランキング
  1. CR/呪文/呪文
  2. CR/呪文/呪文の索引
  3. Re/PC2/呪文/呪文
  4. Re/PC/技能
  5. Re/PC/特技
  6. Re/PC/呪文/呪文
  7. Re/PC/装備品
  8. CR/クラス/バード
  9. APG/特技
  10. Re/PC/状態
もっと見る
最近更新されたページ
  • 2日前

    KotL/来歴
  • 2日前

    B2/アハッハ
  • 2日前

    B2/ハウンド・オヴ・ティンダロス
  • 2日前

    B2/リノーム/ケルン・リノーム
  • 4日前

    B2/マンドラゴラ
  • 4日前

    B2/デニズン・オヴ・レン
  • 4日前

    KotL/呪文
  • 13日前

    index/Re/MC
  • 13日前

    Re/MC/ゾンビ/彷徨いゾンビ
  • 13日前

    Re/MC/ゾンビ/ゾンビのでかぶつ
もっと見る
ウィキ募集バナー
新規Wikiランキング

最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!

  1. R.E.P.O. 日本語解説Wiki
  2. シュガードール情報まとめウィキ
  3. SYNDUALITY Echo of Ada 攻略 ウィキ
  4. ガンダムGQuuuuuuX 乃木坂46部@wiki
  5. ドタバタ王子くん攻略サイト
  6. ありふれた職業で世界最強 リベリオンソウル @ ウィキ
  7. パズル&コンクエスト(Puzzles&Conquest)攻略Wiki
  8. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  9. Merge Cooking 攻略 @ ウィキ
  10. アサシンクリードシャドウズ@ ウィキ
もっと見る
人気Wikiランキング

atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!

  1. アニヲタWiki(仮)
  2. ストグラ まとめ @ウィキ
  3. ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
  4. 初音ミク Wiki
  5. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  6. 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  7. 発車メロディーwiki
  8. Grand Theft Auto V(グランドセフトオート5)GTA5 & GTAオンライン 情報・攻略wiki
  9. 鬼レンチャンWiki
  10. 英傑大戦wiki
もっと見る
全体ページランキング

最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!

  1. 魔獣トゲイラ - バトルロイヤルR+α ファンフィクション(二次創作など)総合wiki
  2. 参加者一覧 - ストグラ まとめ @ウィキ
  3. 参加者一覧 - MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  4. ニャアン(GQuuuuuuX) - アニヲタWiki(仮)
  5. 右園死児報告 - アニヲタWiki(仮)
  6. 発車メロディー変更履歴 - 発車メロディーwiki
  7. ロスサントス警察 - ストグラ まとめ @ウィキ
  8. 意味が違っている実は言ってない台詞(架空人物) - アニヲタWiki(仮)
  9. 姫崎莉波 - アニヲタWiki(仮)
  10. 参加者一覧 - GTA5 MADTOWN(β)まとめウィキ
もっと見る

  • このWikiのTOPへ
  • 全ページ一覧
  • アットウィキTOP
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

2019 AtWiki, Inc.