GG/はじめに - p2rdj @ ウィキ

はじめに Introduction

出典 Gamemastery Guide 4ページ
　パスファインダーのゲームの焦点はプレイヤーである。プレイヤーたちのキャラクターはショーの主役であり、ゲームの中で繰り広げられる全ての場面に登場する。しかし、それはどんな場面だろうか？どんな物語が語られているのだろうか？　どんな古い伝説が発見され、どんな新しい伝説が作られるのか？　敵、味方、裏切り者、恋人、モンスター、そして神々は誰なのか？　誰がこの世界を動かしているのか？君がゲーム・マスターになった時、それら全てを君が握っているのだ！

ゲーム・マスター The Gamemaster

出典 Gamemastery Guide 4ページ
　パスファインダーのゲームにおいて、ゲーム・マスター（GMと略される）は、他のプレイヤーたちがキャラクターと共に探索する物語と世界を担当するプレイヤーなのだ。GMとして君は冒険の舞台を設定し、それを取り巻く世界がプレイヤー・キャラクターの行動にどう反応するかを示し、魅力的な物語に沿って行動を導いていく。キャラクターを取り巻く環境、彼らが直面する脅威、そして彼らが関わるクリーチャーを描写するのが君の役目となる。例えば、古代の財宝の山が眠る墓所に仕掛けられた恐ろしい呪いの刃の罠や、英雄たちの住む村を脅かす凶暴なトロルなど、英雄たちが乗り越えなければならない課題を提示するのだ。ルールの解釈や裁定を行うのも君だ。ゲームの運営はキャラクターを演じるよりも多くの要素を用いるが、楽しくてとてつもなくやりがいのある経験だ。

　GMの肩書きには「マスター」という言葉が含まれているが、絶対主義を必要とする役割でもなければ、絶対主義が有利となる役割でもない。パスファインダーは皆で協力して作り上げる体験である。ゲーム・マスターとして君は裁定者や司会者のような役割を担うが、君が卓の全てを制御することを意味している訳ではなく、特にプレイヤーとそのキャラクターを制御することを意味しない。また、この役割にはルールや設定に精通している必要もない。ゲームを理解することは必要だが、すべてのルールを暗記する必要はないのだ。共に楽しみ、物語を作り上げるという目標を皆が共有さえすれば、細かいことは自然と解決するものなのだ。

本書の使い方 How to Use This Book

出典 Gamemastery Guide 4ページ
Gamemastery Guideはパスファインダーの中心的なルール・ブックの1つである。ゲームをプレイするのに必須という訳ではないが、Pathfinder Core Rulebookのゲーム・マスターの章で提供される基本的な手引きを基礎としており、本書を読み進める前にその章を読んでおくと役に立つだろう。本書ではそれらの項目についてより詳しく説明すると共に、関係者全員にとってゲームを楽しく思い出に残るものにするための道具も多数紹介している。

　本書の大部分において、「君」とはゲーム・マスターを指す。しかし、プレイヤーに特化した選択ルールや特定のサブシステムのアクションなどプレイヤー向けの一部の項目では、代わりに「君」とはその項目を適用するプレイヤーを指す。

　パスファインダーは必要に応じて変更を加えることが重要なゲームである。本書はプレイヤーが自分のキャラクターに調整を加えるするように、ゲーム・マスターとしてゲームを調整する方法を提供する。Gamemastery Guideは道具箱のようなもので、運営しているゲームに必要な要素をいつでも簡単に取り出して使用することができる。どんな道具でもそうだが、一度に全てを使う必要はないのだ！

道具の選択 Choosing Your Tools

出典 Gamemastery Guide 5ページ
　本書の中で最も使うべき道具は、君がどのようなゲーム・マスターなのか、プレイヤーは何を望んでいるのか、そして君が共に紡ごうとする物語によって変化する。

　ゲーム・マスターは十人十色である。君は経験豊富なゲーム・マスターで、ゲームを調整する新たな方法を探しているかもしれないし、自分やプレイヤーたちの興味に合うようにゲームを仕立てているかもしれない。或いは新米のGMで、自分のゲームを快適に進めるための指南書を探しているかもしれない。もしくは長年に渡りゲーム・マスターを務めているが、パスファインダーのゲームを運営するのは今回が初めてかもしれない。君がゲーム・マスターとしてどのような立場であろうと、本書は君がプレイヤーたちと紡ぎたいと思う物語を作り上げる手助けをしてくれる便利な道具箱なのだ。

　もし君がゲーム・マスターを始めて間もないのであれば、自信を持ってゲームを運営するための情報が豊富に掲載されている。特に第1章では各プレイ・モードでのゲームの進め方、ルールを迅速かつ公平に裁定する方法、卓で特殊な状況や問題が発生したときの対処法などをよりよく理解するのに役立つだろう。この章ではゲームにおける稀少性の使用と決定、プレイヤーたちとの共同作業による物語の作成、卓のプレイヤーたちの求めに応じたゲームの調整に関する助言も含まれている。また、第5章の「NPCギャラリー」はゲーム内で活躍する手持ちのNPCのとして、また第2章のルールを使って独自のモンスターやNPCを構築する際の比較する対象として役立つだろう。

　もし君が出版されているパスファインダーの冒険を運営しているゲーム・マスターであれば、第1章に出版された冒険を運営するための特別な指針が記載されている。第1章のゲーム運営に関する助言のほとんどは、出版された冒険にも適合する。多くの冒険、特にPathfinder Society Organized Play CampaignやPathfinder Adventure Pathのシナリオには、第3章のサブシステムが使用されている。この内の勝利ポイント・サブシステムは最も基本的なものであるが、多くの冒険では「乗り物」、「追撃」、「感化」などの第3章にある他のサブシステムも使用している。

　もし君がパスファインダーの冒険を自分で作りたいと考えているのなら、第1章でキャンペーン全体の大枠から個々の冒険、そして特定の遭遇に関する考察に至るまでの作成に関する手引きを示している。第2章は冒険で使用するクリーチャーや障害、アイテム、その他の要素を構築するために使用できる、正に道具箱と言える内容となっている。もし冒険の舞台を自分たちで作成するのであれば、第2章の「世界の構築」の項を参考に、素敵な冒険の舞台とするために必要な細部を組み立てて欲しい。第5章にある「NPCギャラリー」では、物語や世界観に必要なNPCたちが紹介されているため、全ての要素を一から作り上げる必要はない。

　経験豊富なゲーム・マスターであれば、プレイヤーたちの要望に合わせてゲームを調整するための豊富な選択肢を見つけることができるだろう。第1章にある、遭遇をより動的なものにするための手引きなどの助言は、君のGMとしての技能を磨き上げ、ゲームの質をより豊かなものにするために役立つ。第2章の道具を用いれば、いかなるゲームであろうとも必要な選択肢を的確に組み立てることができるだろう。第3章では追撃や決闘から社会的影響や陸路での探検に至るまで、特定の試みや状況のための枠組みを提供する、様々なサブシステム・ルールが用意されている。第4章では、背景からゲームの数学的基盤全体に至るまで、ゲームの特定の要素を君の好みや特定の設定や物語の必要性に合わせて微調整できる、変則ルールの選択肢が紹介されている。

最も大切なルール Remember the First Rule

出典 Gamemastery Guide 5ページ
　パスファインダーで最も大切なルールは、このゲームは君のものだということである。残りのルールは君が紡ぎたい物語を語り、わくわくする冒険を友人たちと共有するために存在するのだ。この本にはたくさんのルールがあるが、そのどれもがこの最も大切なルールを覆すものではない。君が望むゲームを作り上げるのに役立つルールを採用し、思う通りに機能しないルールは変更し、役に立たないルールは使用しない。これは君のゲームなのだ。皆（もちろん君も含んで！）が楽しんでいる限り、GMに正解も不正解もないのだ。