装備品 Equipment
世界に自らの足跡を示すためには、鎧や武器などといった適切な装備が必要となる。本章ではPCの作成中に購入できるさまざまな装備について解説している。通常、これらのアイテムは大半の都市や大きい居住地で購入できる。
この項にあるコモンのアイテムを購入するために、PCは15gp(150sp)を持ってゲームを開始する。アンコモンのアイテムは、PC作成時に選択した能力によって特別に使用できる場合、またはGMから購入許可を得ている場合にのみ購入できる。
開始時のアイテムを購入した後、新しいアイテムや機材を手に入れるには主に3つの方法がある。それは冒険の最中に見つけるか、〈製作〉技能を使って作成するか、商人から購入するか、である。
硬貨と流通貨幣 Coins and Currency
一部の地域では貴重品の物々交換が可能かもしれないが、市場での取引で最も汎用性が高いのは通貨による取引である。最も一般的な通貨は硬貨である。一般人や冒険を始めたばかりのほとんどの人にとって、標準的な単位は銀貨(sp)となる。銀貨は標準的な銀の重さで、通常はそれがどこで鋳造されたかにかかわらず、あらゆる商人や王国によって受け入れられる。硬貨には他に3種類あり、それぞれ重量と価値が同じになるよう標準化されている。1つ目は銅貨(cp)だ。銅貨は銀貨の1/10の価値を持つ。金貨(gp)は魔法の道具や高価な道具などを購入する際によく用いられ、銀貨10枚分、銅貨100枚分の価値がある。
白金貨(pp)は、貴族が財力を誇示したり、非常に高価な品物を購入したり、単に大量の通貨を簡単に輸送する手段として使用される。
白金貨は金貨10枚、銀貨100枚、銅貨1,000枚の価値がある。一般的な種類の硬貨の交換比率は表6-1:硬貨の価値を参照のこと。
表6-1:硬貨の価値 Coin Values
表6-1:硬貨の価値 Coin Values
硬貨 | cp | sp | gp | pp |
---|---|---|---|---|
銅貨(cp) | 1 | 1/10 | 1/100 | 1/1,000 |
銀貨(sp) | 10 | 1 | 1/10 | 1/100 |
金貨(gp) | 100 | 10 | 1 | 1/10 |
白金貨(pp) | 1,000 | 100 | 10 | 1 |
その他の流通貨幣 Other Currency
美術品、宝石、原材料(“作成”連続行動に使用されるもの)は通貨と同じように使用できる。これらは購入したときと同じ市価で売却できる。
市価 Price
以下の表のほとんどのアイテムには市価が設定されている。市価は、そのアイテムの購入に通常必要な通貨の量である。市価が「―」の商品は購入できない。市価が0のアイテムは通常無料だが、作成に使用された素材によっては価値が上がる場合もある。ほとんどの品は市価の半額で売却できるが、硬貨、宝石、美術品、原材料(“作成”連続行動の素材など)は市価と等価で交換できる。
アイテム・レベル Item Level
各アイテムにはアイテム・レベルがある。これはアイテムの複雑さとその構成に使用される魔法の強さを示す。レベルのより低いアイテムはより単純で製作しやすく、自分よりレベルが高いアイテムは“作成”できない。アイテムのレベルが一覧にない場合、そのレベルは0である。PCはどのレベルのアイテムでも使用できるが、GMは現在のレベルよりもはるかに高いアイテムをPCが使用できるようになると、ゲームに悪影響を与える可能性があることに留意すること。
アイテムの運搬と使用 Carrying and Using Items
キャラクターはアイテムを3つの方法――保持、着用、収納――で運搬する。保持したアイテムは手の中にある。通常、キャラクターには手が2つあり、それぞれの手にアイテムを1つずつ、あるいは両方の手で両手用アイテム1つを保持できる。着用アイテムはポケット、ベルトポーチ、弾帯、武器の鞘などに収められ、比較的素早く取り出したり収めたりすることができる。収納されたアイテムは背負い袋などに入っていて、取り出すのに手間がかかる。
着用アイテムを取り出したり運搬しているアイテムを変更したりする際には、通常は“扱う”アクション(アイテムを落とすときには、代わりに“手放す”アクション)が必要となる。「表6-2:装備の変更」には、保持しているものと着用しているものを変更する方法と、そのために必要な手の数が記載されている。
アイテムを使用する方法の多くは、複数のアクションを消費する必要がある。例えば、ベルトのポーションを飲むには“扱う”アクションを使って薬を取り出し、次に2つ目のアクションとして起動項に書かれたアクションでポーションを飲む必要がある。
バルク Bulk
特段に重いものや扱いにくいものを持ち歩くと、移動しにくくなることがある。また、装備が多すぎて重量超過になることもある。アイテムのバルク値は、そのアイテムの扱いにくさを示し、サイズ、重さ、取り扱いの難しさを表現している。【筋力】が高ければ、よほど大量のアイテムを運搬していない限り、バルクを気にする必要はないだろう。
バルク上限 Bulk Limits
バルクが【筋力】修正値+5以下であればペナルティなしで運搬できる。これより多くの荷物を運べば、君は過重状態となる。【筋力】修正値+10を超えるバルクを保持したり、運搬したりすることはできない。
バルク値 Bulk Values
アイテムにはそれぞれバルクが定められているが、軽バルク(「軽」と記載)あるいはバルクなし(「-」と記載)である場合もある。
例えば、フル・プレート・アーマーは4バルク、ロングソードは1バルク、ダガーや巻物は軽バルクで、チョークはバルクなしである。軽バルクのアイテムは10個で1バルクとして扱い、端数を切り捨てる(したがって、軽バルクのアイテム9個は0バルク、軽バルクのアイテム11個は1バルクとして扱う)。「バルクなし」のものはGM判断となるが、大量に持ち運ぼうとしない限りバルクなしとして扱う。
例えば、フル・プレート・アーマーは4バルク、ロングソードは1バルク、ダガーや巻物は軽バルクで、チョークはバルクなしである。軽バルクのアイテムは10個で1バルクとして扱い、端数を切り捨てる(したがって、軽バルクのアイテム9個は0バルク、軽バルクのアイテム11個は1バルクとして扱う)。「バルクなし」のものはGM判断となるが、大量に持ち運ぼうとしない限りバルクなしとして扱う。
アイテムのバルクの算出 Estimating an Item’s Bulk
一般的に、5~10ポンドの重さのアイテムは1バルク、数オンスのアイテムはバルクなしとし、その間のものは軽バルクのアイテムとして扱う。特にかさばるものや大きくて扱いにくいアイテムは、バルクが高くなることがある。例えば、10フィートの棒は重くはないものの、長いため持って歩くにはかさばるものだ。そのため、10フィートの棒のバルクは1となる。中型より大きい、または小さいクリーチャー向けに作られたアイテムには、それぞれ大きいまたは小さいバルクが設定されている。
硬貨のバルク Bulk of Coins
硬貨は持ち運びしやすいことからよく使われているが、全くかさばらないというわけではない。どの種類の硬貨でも、またどのような種類の組み合わせでも、硬貨1,000枚で1バルクとして扱う。通常、1,000枚まではバルクを決める必要はなく、1,000までの端数は切り捨ててよい。つまり、100枚の硬貨を軽バルクのアイテムと見なす必要はないし、1,999枚の硬貨は2バルクでなく1バルクとして扱う。
クリーチャーのバルク Bulk of Creatures
特に誰かを戦場から連れ出そうとするときなどには、そのクリーチャーのバルクを知る必要があるかもしれない。以下の表は、クリーチャーのサイズに基づく典型的なバルクを示しているが、GMは適宜この値を調整することができる。
クリーチャーのサイズ | バルク |
---|---|
超小型 | 1 |
小型 | 3 |
中型 | 6 |
大型 | 12 |
超大型 | 24 |
巨大 | 48 |
引きずる Dragging
ときに、アイテムやクリーチャーを持って運ぶのではなく、引きずることもある。何かを引きずる際には、そのバルクを半分として扱う。通常、一度に引きずれるのは1つだけで、それには両手が必要だ。速度を上げる手段がない限り、引きずる速度は遅い――大まかに1分毎に約50フィートである。荷物でいっぱいの袋などの場合は、引きずる荷物のバルクの合計を使用する。よって、袋の中の個々のアイテムではなく、その袋に入っているすべてのバルクの合計を使用する。
アイテムの装備 Wielding Items
能力の中には、武器など、アイテム1つを装備している必要があるものもある。君は有効的に使用するのに必要な手の数でアイテムを保持している時点で、君はそれを装備していることになる。アイテムを装備している間、君はそのアイテムを単に運搬しているわけではない――使用準備のできた状況にある。単にアイテムを着用していたり、保持していたり、単に所有しているだけで良い能力もある。
表6-2:装備の変更 Changing Equipment
変更方法 | 使用する手の数 | アクション |
---|---|---|
抜く、しまう、アイテムを取り出す1 | 1~2 | “扱う” |
アイテムを渡す、装備したものを取る2 | 1~2 | “扱う” |
アイテムを落とす | 1~2 | “手放す” |
盾を外す、アイテムをくくりつける | 1 | “扱う” |
両手で持っていたものを片手に持ち替える | 2 | “手放す” |
片手で持っていたものを両手に持ち替える | 2 | “扱う” |
背負い袋3や肩掛け鞄からアイテムを取り出す | 2 | “扱う” |
1 両手で使用するアイテムを片手だけで抜くことはできるが、装備したり使ったりする前に持ち手を変更する必要がある。
2 クリーチャーは、アイテムを渡すために少なくとも片手が空いていなければならない。両手を必要とするアイテムを受け取った場合など、後で装備したり使ったりする前に、そのアイテムの持ち手を変更する必要があるかもしれない。
3 自分の背負い袋に収納されたアイテムを取り出すには、まず別の“扱う”アクションで背負い袋を外す必要がある。
2 クリーチャーは、アイテムを渡すために少なくとも片手が空いていなければならない。両手を必要とするアイテムを受け取った場合など、後で装備したり使ったりする前に、そのアイテムの持ち手を変更する必要があるかもしれない。
3 自分の背負い袋に収納されたアイテムを取り出すには、まず別の“扱う”アクションで背負い袋を外す必要がある。
アイテムへのダメージ Item Damage
十分なダメージがあれば、アイテムは破損したり破壊されたりする。すべてのアイテムには硬度が決められている。アイテムがダメージを受けるたびに、アイテムが受けるダメージは硬度に等しい値だけ減少する。残りのダメージはアイテムのヒット・ポイントを減少させる。通常、アイテムがダメージを受けるのは、クリーチャーがそのアイテムを直接攻撃しているときだけだ。一般的に、こうして対象となるアイテムには扉や罠が挙げられる。クリーチャーが君に攻撃してきて、その攻撃が君に命中していたとしても、通常は鎧や他の装備にダメージを与えることはない。ただし、“盾を掲げる”リアクションを使用した場合、君自身へのダメージを防ぐために盾がダメージを受ける。また、一部のモンスターは、アイテムにダメージを与えることのできる特殊能力を持つ。
ダメージを受けたアイテムは破損状態となり、最終的に破壊される可能性がある。アイテムのHPが破損値(BT)以下になると破損状態となる。アイテムのHPが0になると破壊される。破損状態のアイテムは、BTを超えて修理されるまで破損状態となる。アイテムが(何らかの作用で)即座に破損状態になった場合、アイテムのHPがBTよりも高いなら、HPをBTと同じ値にまで即座に減少させる。アイテムにBTが設定されていない場合、破損状態になっても機能の変化はないが、HPが0になると破壊されるのは変わらない(詳細は273ページの破損状態の定義を参照)。破壊されたアイテムは“修理”できない。
アイテムの硬度、HP、およびBTは、通常その原材料によって決定される。この情報は素材のデータ項目で確認できる。
破損状態 Broken
破損状態は、物体に適用される状態である。ダメージによってアイテムのHPが破損値(BT)を下回ると、その物体は破損状態となる。破損状態の物体を通常と同様に使用することはできず、ボーナスを与えることもできない。ただし、鎧は例外である。鎧が破損状態となっても、依然としてACへのボーナスを与えるが、鎧の区分に応じてACにペナルティを受ける。鎧が破損状態になると、軽装鎧なら-1、中装鎧なら-2、重装鎧なら-3のペナルティを受ける。
アイテムが(何らかの作用で)即座に破損状態になったような場合、アイテムのHPがBTよりも高いなら、HPをBTと同じ値にまで即座に減少させる。
物体の完全耐性 Object Immunities
自律していない物体や障害は、[出血]、即死効果、病気、治癒、精神作用、死霊術、非致傷攻撃、毒の効果を受けない。また、凶兆状態、吸精状態、疲労状態、麻痺状態、不調状態、気絶状態にならない。精神のあるアイテムは精神作用への完全耐性を持たない。GMの判断に従い、多くの物体は、他の状態異常に完全耐性を持ちうる。例えば、剣には速度がないため速度に対するペナルティを受けることはないが、速度へのペナルティを引き起こす効果は、刃の罠の移動に効果を及ぼすかもしれない。
粗悪品のアイテム Shoddy Items
粗悪品のアイテムは即席で作られたものや作りの怪しいもので、非常に困窮している地域以外では購入できない。粗悪品のアイテムは通常、標準品の半額で販売されているが、売却はできない。粗悪品のアイテムを使った攻撃や判定には-2のアイテム・ペナルティを受ける。このペナルティは、粗悪品のアイテムが使用されるDC(粗悪品の鎧のACなど)にも適用される。粗悪品の鎧は、鎧による判定ペナルティが2だけ増加する。粗悪品のアイテムのHPおよび破損値は通常の半分となる。
鎧 Armor
鎧はキャラクターの防御力を高めるが、中装鎧や重装鎧の中には動作を妨げるものもある。キャラクターの防御力を鎧が提供するもの以上に高めたければ、盾を使うこともできる。鎧はキャラクターが着用している間だけキャラクターを保護する。
アーマー・クラス Armor Class
アーマー・クラス(AC)は、攻撃からどれくらい身を守れるかを示している。クリーチャーが攻撃する際、ACはその攻撃ロールにおけるDCとなる。
アーマー・クラス=10+【敏捷力】修正値(最大で鎧の【敏捷力】上限まで)+習熟ボーナス+ACに対する鎧のアイテム・ボーナス+その他のボーナス+ペナルティ
着用している鎧の区分(軽装鎧、中装鎧、重装鎧)もしくは特定の鎧種別に対応した習熟ボーナスを使用すること。鎧を着用していない場合は「鎧無し防御」の習熟ボーナスを使用すること。
鎧の着脱 Donning and Removing Armor
鎧の着脱には時間がかかるため、必要なときに着用しておかねばならない! 鎧の着脱は、多くの“扱う”アクションを含む連続行動となる。鎧を身につける場合、軽装鎧なら1分、中装鎧と重装鎧なら5分かかり、鎧を脱ぐ場合、種類に関わらず1分かかる。
鎧のデータ・ブロック Armor Statistics
「表6-3:鎧無し防御」は、鎧を着用していないときの様々な防御方法のデータを提供する。「表6-4:鎧」は、購入及び着用できる鎧のデータを区分別に整理している。両方の表の列には、以下のデータが掲載されている。
区分 Category
鎧は鎧無し、軽装鎧、中装鎧、重装鎧に区分されている。区分により、鎧を着用したときにどの習熟ボーナスを適用すればいいかが決定される。
ACボーナス AC Bonus
この数値はアーマー・クラスを決定する際に鎧が与えるアイテム・ボーナスを示す。
【敏捷力】修正上限(【敏】上限)Dexterity Modifier Cap(Dex Cap)
この数値は、対応する鎧を着用しているときにACに適用できる【敏捷力】修正値の最大値である。例えば、君の【敏捷力】修正値が+4でハーフ・プレートを着用している場合、その鎧を着用している間、【敏捷力】修正値から+1のボーナスだけを君のACに適用する。
判定ペナルティ Check Penalty
この鎧を着用している間、君は【筋力】もしくは【敏捷力】を基準とした技能判定にこのペナルティを受ける。ただし、そのアクションが攻撃特性を持つ場合はこのペナルティを受けない。君の【筋力】がその鎧の【筋力】のしきい値(下記【筋力】の項を参照)以上なら、君はこのペナルティを受けない。
移動速度ペナルティ speed Penalty
この鎧を着用している間、君はこの項目に記載されているペナルティを移動速度に適用する。これには登攀速度や水泳速度などの他の移動種別にも適用される。また、これによって移動速度が5フィート未満になることはない。君の【筋力】がその鎧の【筋力】のしきい値(下記参照)以上なら、このペナルティが5フィート軽減される。
【筋力】 Strength
この項は、君がこの鎧のペナルティをいくらか克服するのに必要な【筋力】を示している。【筋力】がこの値以上であればその鎧の防具による判定ペナルティを受けなくなり、移動速度へのペナルティを5フィート分軽減させる(ペナルティが-5フィートならペナルティなし、-10フィートなら-5フィートのペナルティとなる)。
バルク Bulk
この項は、鎧を着用し、その重量を体全体に分散させた場合のバルクを示す。通常、運搬された鎧のバルクには、ここに記載されているよりも1大きい値を使用する(軽バルクの鎧の場合、合計1バルクとなる)。鎧のバルクは小型もしくは中型サイズより大きければ重く、小さければ軽くなる。
鎧種 Group
衣服と鎧は、それぞれ鎧種に分類されている。それぞれの鎧種には類似の鎧がまとめられている。一部の能力は鎧種を参照し、特に275ページに示される鎧開眼効果を与える際に用いられる。
鎧特性 Armor Traits
この項では、鎧ごとの特性が示される。以下に鎧特性を示す。
快眠/Comfort:この鎧は非常に快適であり、着用したまま普通に休息できる。
堅牢/Bulwark:この鎧は体をすっぽりと覆うため、いくつかのダメージを与える効果に対する利益を与える。ファイアーボール呪文のようなダメージ効果を避けるための反応セーヴにおいて、【敏捷力】修正値ではなく+3の修正値を加える。
騒然/Noisy:鎧が引き起こす音は大きく、着用するものの存在を周囲に知らせてしまう可能性が高い。例え【筋力】が記載されている値以上であったとしても、この鎧の判定ペナルティは〈隠密〉判定に適用される。
鎧開眼効果 Armor specialization Effects
クラス特徴の中には、特定の鎧を着用することで追加の利益を与えるものがある。これを鎧開眼効果と呼ぶ。以下の一覧に示すように、その正確な効果は鎧がどの鎧種に属しているかによって異なる。
鎖種:この鎧は非常に柔軟で、クリティカル・ヒットの際に曲がって衝撃の一部を吸収する。クリティカル・ヒットによるダメージを中装鎧の場合は4+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値だけ、重装鎧の場合は6+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値だけ減少させる。このダメージが、クリティカル・ヒット時に倍加される前の値(すなわち命中時のダメージ・ロールの結果)よりも小さくなることはない。
複合種:鎧を構成する、重なり合った無数のパーツが貫く攻撃から身を守る。中装鎧の場合は1+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値、重装鎧の場合は2+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値に等しい、[刺突]ダメージに対する抵抗を与える。
革種:この鎧が与える分厚い第二の皮膚は思い力を分散させ、[殴打]ダメージを減少させる。中装鎧の場合は1+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値、重装鎧の場合は2+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値に等しい、[殴打]ダメージに対する抵抗を与える。
板金種:この頑丈な板金は切り裂く刃をものともしない。中装鎧の場合は1+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値、重装鎧の場合は2+アーマー・ポテンシィ・ルーンの値に等しい、[斬撃]ダメージに対する抵抗を与える。
表6-3:鎧なし防御 Unarmred Defense
鎧なし | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | バルク | 鎧特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
鎧なし | ― | ±0 | ― | ― | ― | ― | ― |
探検家の服 | 1sp | ±0 | +5 | ― | ― | 軽 | 快眠 |
表6-4:鎧 Armor
軽装鎧 | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | 【筋力】 | バルク | 鎧種 | 鎧特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パデッド・アーマー | 2sp | +1 | +3 | ― | ― | 10 | 軽 | ― | 快眠 |
レザー・アーマー | 2gp | +1 | +4 | -1 | ― | 10 | 1 | ― | ― |
スタデッド・レザー | 3gp | +2 | +3 | -1 | ― | 12 | 1 | ― | ― |
チェイン・シャツ | 5gp | +2 | +3 | -1 | ― | 12 | 1 | ― | 軽快、騒然 |
中装鎧 | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | 【筋力】 | バルク | 鎧種 | 鎧特性 |
ハイド | 2gp | +3 | +2 | -2 | -5フィート | 14 | 2 | 革種 | ― |
スケイル・メイル | 4gp | +3 | +2 | -2 | -5フィート | 14 | 2 | 複合種 | ― |
チェイン・メイル | 6gp | +4 | +1 | -2 | -5フィート | 16 | 2 | 鎖種 | 軽快、騒然 |
ブレストプレート | 8gp | +4 | +1 | -2 | -5フィート | 16 | 2 | 板金種 | ― |
重装鎧 | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | 【筋力】 | バルク | 鎧種 | 鎧特性 |
スプリント・メイル(レベル1) | 13gp | +5 | +1 | -3 | -10フィート | 16 | 3 | 複合種 | ― |
ハーフ・プレート(レベル1) | 18gp | +5 | +1 | -3 | -10フィート | 16 | 3 | 板金種 | ― |
フル・プレート(レベル2) | 30gp | +6 | ±0 | -3 | -10フィート | 18 | 4 | 板金種 | 堅牢 |
鎧の説明 Armor Descriptions
鎧の各種別の説明は以下に細かく示されている。
スケイル・メイル/Scale Mail:スケイル・メイルは補強された革の裏地に多数の金属の鱗を縫い付けたもので、胴体、腕、足を保護する長いシャツの形を取ることが多い。
スタデッド・レザー/Studded Leather:この革鎧は、金属製の鋲や小さな金属板で補強されており、革鎧の柔軟性のほとんどを備えつつ、より強固な保護機能を備えている。
スプリント・メイル/Splint Mail:この種別の鎧は、柔軟な金属板で補強されたチェイン・メイルで、通常、着用者の胴体、上腕、脚に連動する板金が装着される。この鎧には、パデッド・アーマーの鎧下(上記参照)とガントレットが付属している。この鎧一式は鎧下としてパデッド・アーマー(上述)と、ガントレット1組が付属している。
探検家の服/Explorer's Clothing:鎧を着ない探検家は、耐久性のある服を着て旅をする。これは鎧ではなく、鎧なし防御の習熟を使用するが、それでも【敏捷力】上限を持ち、アーマー・ポテンシィ・ルーンが刻まれていればACにアイテム・ボーナスを付与できる。
チェイン・シャツ/Chain Shirt:ハウバークと呼ばれることもある、チェイン・メイルと同じ金属の輪で構成された長いシャツである。しかし、チェイン・メイルよりはるかに軽く、着用者の胴体、上腕、上肢のみを保護する。
チェイン・メイル/Chain Mail:チェイン・メイルは、小さな金属の輪を網目状につないだ鎧を何枚か組み合わせたものである。チェイン・シャツ、すね当て、腕甲、顔を守る頭巾が含まれ、身体の大部分を保護する。
ハーフ・プレート/Half Plate:ハーフ・プレートの上半身で使用される板金はフル・プレートとほとんど同じだが、腕と脚では軽量あるいはまばらな鋼鉄の板で保護されている。それにより、フル・プレートに匹敵する保護性能を持ちながら、より柔軟で素早い動きを行える。この鎧には、鎧下として用いるパデッド・アーマー(下記参照)とガントレットが付属している。
ハイド/Hide:毛皮や丈夫な皮、時には型押しされた茹でた革を混ぜた鎧だ。革の層によって保護されるが、かさばるため着用が遅くなり、機動性が低下する。
パデッド・アーマー/Padded Armor:この鎧は、重いキルト布を重ねただけのものだが、非常に安価なため、時々使われる。パデッド・アーマーは、他の種別の鎧よりもダメージを与えるのが容易で壊れやすい。重装鎧はその市価に含まれる鎧下として、パデッド・アーマーが付属している。しかし、重装鎧の下に身に着けている間は、快眠の特徴を失う。君は寝るときや重装鎧が破壊されたとき、その他重装鎧を全て着用できない状況で、鎧下のパデッド・アーマーだけを身につけることができる。これにより、君は鎧に充填し続けることができ、対応する重装鎧のルーンの力全てから利益を得ることができる。しかしパデッド・アーマーの鎧下を身につけることなく重装鎧を身につけることはできない。
フル・プレート/Full Plate:フル・プレートはほぼ全身を鋼鉄の甲羅で包む、連結した板金で構成されている。高価で重いため、正しく着用するためにはしばしば手助けが必要であるが、鎧の持つ最高の防御力を発揮する。この鎧には鎧下として用いるパデッド・アーマーとガントレットが付属している。
ブレストプレート/Breastplate:ブレストプレート(胸当て)と呼ばれるが、この鎧には胴体、胸、首、時には腰や下肢を保護するプレート・アーマーまたはハーフ・プレート・アーマーがいくつも重なったものだ。よりよい柔軟性と速度を実現しながら、板金による戦術的な防護を一部与えてくれる。
レザー/Leather:これは柔軟な茹でた革と成型された革の混合品で、ある程度の保護と最大限の柔軟性を備えた鎧だ。
盾 Shields
盾は鎧の持つ防御能力を超えてキャラクターの防御力を高めることができる。盾を使用するには、キャラクターは盾を片手に装備していなければならない。そして、“盾を掲げる”アクションを使用した場合にのみ、ACに盾のボーナスを与える。このアクションは、次のターンの開始時まで、状況ボーナスとしてACに盾のボーナスを与える。盾の移動速度ペナルティはキャラクターが“盾を掲げる”を使用しているかどうかに関わらず、盾を保持している限り適用される。
“盾を掲げる”は盾を使用する最も一般的なアクションだ。ほとんどの盾は片手で保持しなければならない。そのため、“盾を掲げる”をしている間、盾を保持する手で別のものを保持することはできない。しかし、バックラーは君の手を専有しないため、手がなにものにも占められていないならば(GMが許可するなら、武器でない単純な軽バルクのものを持っているなら)バックラーを用いて“盾を掲げる”ことができる。その手がなにものかに占められた場合、“盾を掲げる”の利益は失われる。
タワー・シールドで“盾を掲げる”を行っているならば、“遮蔽をとる”アクションで盾によるACへの状況ボーナスを+4に増加することができる。この効果は“盾を掲げる”の効果を得ている間持続する。通常なら攻撃に対して下級遮蔽を得られる場合、タワー・シールドで“盾を掲げる”を行っている間、その攻撃に対して通常の遮蔽の利益を得る(他のクリーチャーは、通常通りキャラクターのタワー・シールドを用いて“遮蔽をとる”を行える)。
クラスもしくは特技によって“盾防御”リアクションを使用できるなら、君は“盾を掲げる”を使用している間にこのリアクションを使用することで、盾の硬度に等しい値だけ受けるダメージを減少できる。その後、キャラクターと盾の双方が残りのダメージを受ける。
盾のデータ・ブロック Shield Statistics
盾は鎧と同じルールに従うデータである市価、移動速度ペナルティ、バルクを持つ。それらは対応するルールを参照のこと。他のデータを以下に示す。
ACボーナス AC Bonus
“盾を掲げる”を使用している間、盾はACに状況ボーナスを与える。そのため、利益を得るには“盾を掲げる”アクションを使用する必要がある。
硬度 Hardness
盾がダメージを受けるたびに、この値だけダメージが減少する。《盾防御》特技のため、この数値は特に盾に関連する値である。
HP(BT) HP(BT)
この列は盾のヒット・ポイント(HP)と破損値(BT)を示している。これらは盾が破壊されるまでにどれだけダメージを受けられるか(合計HP)と、破損状態になり使用できなくなるまでにどれだけダメージを受けられるか(BT)を示している。俺らは主に“盾防御”リアクションで参照される。
表6-5:盾 Shield
表6-5:盾 Shield
盾 | 市価 | ACボーナス 1 | 移動速度ペナルティ | バルク | 硬度 | HP(BT) |
---|---|---|---|---|---|---|
バックラー | 1gp | +1 | ― | 軽 | 3 | 6(3) |
木製シールド | 1gp | +2 | ― | 1 | 3 | 12(6) |
鋼鉄製シールド | 2gp | +2 | ― | 1 | 5 | 20(10) |
タワー・シールド | 10gp | +2/+4 2 | -5フィート | 4 | 5 | 20(10) |
1 盾によるACに対する状況ボーナスを得るには、“盾を掲げる”アクションを使用する必要がある。
2 タワー・シールドで高い方のボーナスを得るには、“盾を掲げる”アクションの利益を得ている間に“遮蔽をとる”アクションを使用する必要がある。
2 タワー・シールドで高い方のボーナスを得るには、“盾を掲げる”アクションの利益を得ている間に“遮蔽をとる”アクションを使用する必要がある。
盾での攻撃 Attacking with a Shield
表6-7:近接武器の「盾攻撃」で示されたデータを用いることで、攻撃用に盾を軍用武器として使用できる。盾攻撃は武器として使用されるように作られていない盾を武器として使用する選択肢だ。盾にはルーンを彫刻できない。盾をより実用的な武器にするために、シールド・ボスあるいはシールド・スパイクを購入して取り付けることができる。これらも表6-7に掲載されている。これらは他の武器と同様に機能し、ルーンを彫刻することもできる。
盾の説明 Shield Descriptions
各種の盾について、以下に詳細を示す。
鋼鉄製シールド/Steel Shield:木製シールドと同様、鋼鉄製シールドもさまざまな形や大きさがある。鋼鉄製シールドは木製シールドより高価だが、耐久性は高い。
タワー・シールド/Tower Shield:タワー・シールドはほぼ全身を覆うことのできる巨大な盾だ。その大きさのために、通常は木製で金属により補強されてる。
バックラー/Buckler:バックラーは決闘士や素早い軽装戦士が好んで使う、とても小さな盾だ。通常は鋼鉄製で、前腕に装着する。その手が空いているか、その手に武器でない軽バルクの物を保持しているかのいずれかなら、バックラーで“盾を掲げる”ことができる。
木製シールド/Wooden Shield:木製の盾にはさまざまな形や大きさのものがあるが、その防御力は素材の頑丈さに由来する。木製シールドは鋼鉄製シールドに比べて安価だが、その分壊れやすい。
武器 Weapons
パスファインダーのほとんどのキャラクターは武器を運搬する。その種類は強力な戦鎚から優雅な弓、単純な棍棒に至るまで多岐にわたる。攻撃ロールとダメージ・ロールに適用されるボーナス、修正値、ペナルティの計算方法の詳細は本項にまとめられている。その後、武器のルールと多数の武器の選択肢を紹介する。
攻撃ロール Attack Rolls
攻撃ロールを行う際、1d20をロールして出目を決定し、使用する武器攻撃あるいは素手攻撃の攻撃修正値を加算する。近接攻撃と遠隔攻撃の修正値は異なる方法で算出される。
近接攻撃修正値=【筋力】修正値(巧技武器の場合、【敏捷力】修正値を選択できる)+習熟ボーナス+その他のボーナス+ペナルティ
遠隔攻撃修正=【敏捷力】修正値+習熟ボーナス+その他のボーナス+ペナルティ
ボーナスとペナルティは他の種別の判定と全く同じようにこれらのロールに適用される。ポテンシィ・ルーンを持つ武器は、攻撃ロールにアイテム・ボーナスを加える。
複数回攻撃ペナルティ Multiple Attack Penalty
攻撃特性を持つアクションを同じターンに複数回使用する場合、2回目以降の攻撃には複数回攻撃ペナルティと呼ばれるペナルティを受ける。2回目の攻撃には-5のペナルティが、3回目以降の攻撃には-10のペナルティが与えられる。
複数回攻撃ペナルティは(リアクションの一部として行われる攻撃など)自分のターンでないときに行われる攻撃には適用されない。機敏特性を持つ武器を使用することで、複数回攻撃ペナルティを軽減できる。
ダメージ・ロール Damage Rolls
武器もしくは素手攻撃を用いた攻撃ロールの結果が目標のAC以上になったなら、攻撃は目標に命中する! 武器もしくは素手攻撃のダメージ・ダイスをロールし、関連する修正値、ボーナス、ペナルティを加算して与えるダメージ量を決定する。ダメージ・ロールの算出式は以下の通り。
近接ダメージ・ロール=武器または素手攻撃のダメージ・ダイス+【筋力】修正値+ボーナス+ペナルティ
遠隔ダメージ・ロール=武器のダメージ・ダイス+投擲武器であれば【筋力】修正値+ボーナス+ペナルティ
遠隔武器は通常ダメージ・ロールに能力値修正値を加算しない。しかし、推力特性を持つ武器なら【筋力】修正値の半分(【筋力】修正値がマイナスの場合はそのままの値)を、投擲武器なら【筋力】修正値をそのまま加える。
ストライキング・ルーン、グレーター・ストライキング・ルーン、メジャー・ストライキング・ルーンはダメージ・ロールに武器のダメージ・ダイスを1つ以上追加する。これらの追加ダイスは武器のダメージ・ダイスと同じダイス・サイズである。高レベルでは、ほとんどのキャラクターは武器開眼により追加ダメージを得る。
クリティカル・ヒット Critical Hits
攻撃ロールで出目20(ダイスの出目が20)で成功したか、攻撃の結果が目標のACを10以上上回ったなら、大成功となる。これはクリティカル・ヒットとして知られるものだ。
“打撃”で大成功したなら、君の攻撃は2倍のダメージを与える。呪文攻撃ロールや〈運動〉技能のいくつかの用法のような他の攻撃では、大成功した場合の結果は説明欄に記載されている。
素手攻撃 Unarmed Attacks
ほとんど全てのキャラクターは素手攻撃への修得を得てゲームを開始する。君は拳や他の体の一部で“打撃”を行うことができ、武器と同じように攻撃ロールとダメージ・ロールを算出する。素手攻撃は武器種に属すことができ、武器特性を持つこともあるかもしれない。しかし、素手攻撃は武器ではない。武器に作用する効果や能力は、特別に言及されていない限り素手攻撃には効果がない。
「表6-6:素手攻撃」には拳による素手攻撃のデータを示しているが、通常は他の体の部位で行う攻撃にも同じデータを使用する。ある種の種族特技、クラス特徴、呪文によって、特別な、より強力な素手攻撃を使用できるようになる。これらの素手攻撃の詳細は、それを与える能力に記載されている。
代用武器 Improvised Weapons
椅子や花瓶など、武器として作られていないものを使って攻撃するなら、代用武器で攻撃することになる。代用武器による攻撃ロールには-2のアイテム・ペナルティを受ける。
GMはその代用武器が与えるダメージの量と種別、そしてその代用武器が持つべき武器特性を決定する。代用武器は単純武器である。
武器のデータ・ブロック Weapon Statistics
武器の表には、購入可能な多様な近接武器と遠隔武器、そして拳(あるいは他の基本素手攻撃)による“打撃”のデータが掲載されている。この表には以下のデータが示されている。この項に掲載された武器のアイテム・レベルは全て0である。
武器の選択 Selecting Weapons
戦闘を重視するキャラクターは注意深く武器選択を検討する必要がある。近接戦闘をしたいのか、遠隔攻撃をしたいのか、武器のダメージ性能、多様な武器の特殊要素、など。主に術者として振る舞うキャラクターは、通常は自分が修得かより優れた区分の武器を呼び武器として選択すればよい。
武器を選択する際、まず、自分が得意とする武器種別を特定することから始めよう。次に、これらの種別に属する武器を比較し、最も高い近接攻撃修正値もしくは遠隔攻撃修正値を持つものを決定する。通常、キャラクター作成時に近接武器と遠隔武器を両方選択するのが最良とされている。そうすることで、幅広い敵や状況に対応できるようになる。
武器区分 Weapon Categories
武器は与えるダメージや特性によって多様な区分に分類される。軍用武器は単純武器より多くのダメージを与え、高度武器は同じダメージを与える軍用武器よりも優れた特性を持つ。一般にはより多くのダメージを出せる武器を選択したいと思うだろう。しかし高い戦闘技術を持つなら、たとえダメージ・ダイスが小くても面白い特性を持つ武器を選びたいと思うかもしれない。予算内で複数の武器を購入することもできる。そうすれば、異なる状況に合わせて武器を切り替えることができる。
ダメージ Damage
この項は武器のダメージ・ダイスとダメージ種別を示している。
ダメージ・ダイス Damage Dice
各武器には、そのダメージ・ロールに用いるダメージ・ダイスが記載されている。標準的な武器のダメージ・ダイスは1つだが、魔法のストライキング・ルーンや特殊なアクション、呪文はロールするダイス数を増やす。これらの追加ダイスは武器や素手攻撃の通常のダメージ・ダイスと同じダイス・サイズを用いる。
ダメージ・ダイスの数え方 Counting Damage Dice
武器のダメージ・ダイスの数に基づく効果は、武器のダメージ・ダイスとストライキング・ルーンによる追加ダイスのみを考慮する。能力、クリティカル開眼効果、性質ルーン、武器特性などによる追加ダイスは考慮しない。
ダイス・サイズの増幅 Increasing Die Size
武器のダメージ・ダイスのサイズを増幅させる効果を受けた場合、以下に示すように、通常の武器のダメージ・ダイスを使用する代わりに次に大きいダイスを用いる。d4を使用しているならd6を使用する、というように。既にd12を使用している場合、サイズは既に最大だ。一度に増幅されるダメージ・ダイスのサイズは1段階だけだ。
1d4→1d6→1d8→1d10→1d12
射程 Range
遠隔武器と投擲武器には射程単位がある。これらの武器による攻撃は、その距離までは通常通り機能する。武器の射程単位を超える攻撃ロールには、君と目標の間の距離に応じて、射程単位毎に-2のペナルティを受ける。射程単位の6倍を超える攻撃は行えない。
例えば、ショートボウは60フィート先の目標に対してまではペナルティを受けないが、60フィートを超えて120フィート先までの目標に対しては-2のペナルティを受け、120フィートを超えて180フィート先までの目標に対しては-4のペナルティを受ける。これはその先も続き、最大で360フィート先の目標までを攻撃できる。
装填 Reload
すべての武器は構えるのにある程度の時間が必要だが、多くの射撃武器には装填が必要になる。この項はその武器を装填するのに必要な“扱う”アクションの回数を示している。矢弾の取り出しと武器による攻撃を同じアクションで行える場合、0と書かれている。装填に2アクション以上必要なアイテムについては、連続行動として一緒に行わなければならないか、アクションの一部を1ターン中に行い、残りを次のターンに行うことができるかはGMが判断する。
「―」と書かれているアイテムは投擲のために抜く必要がある。これには他の武器を抜くのと同様、“扱う”アクションが必要だ。射撃武器の装填と投擲武器の取り出しには、いずれも空いている手が必要になる。
手を空けるために握りを変え、その後武器を装備するために必要な箇所に手を置くことは、いずれも武器の装填に必要なアクションに含まれる。
バルク Bulk
この項には武器のバルクが書かれている。武器のバルクは小型もしくは中型サイズでないクリーチャーのサイズに応じて増減する。
手 Hands
武器の中には装備するのに片手が必要なものもあれば、両手が必要なものもある。ロングボウなどの一部のアイテムは「手」項に「1+」と書かれている。君は「1+」の武器を片手で保持できるが、射出する過程ではもう一つの手で矢をつがえ、構え、放つ必要がある。つまり、ロングボウを保持したまま、握りを変えることなく、なにものにも占められていない手を別のことに使用することはできるが、矢を放つ際にはもう一方の手は空いていなければならない。「1+」武器を適切に装備するには、片手で保持し、片手を開けていなければならない。
両手が必要な武器は、通常より大きなダメージを与えることができる。片手武器の中には両手兼用特性を持つものがある。これは両手で使用する際に異なる武器のダメージ・ダイスを使用するものだ。また、能力の中には両手で武器を装備することを求めるものがある。両手を必要としない武器や両手兼用特性を持つ武器であっても、両手で保持している間はこの条件を満たす。
武器種 Group
武器や素手攻撃は類似の武器と一緒に同じ武器種に分けられる。武器種はいくつかの能力や、武器あるいは素手攻撃のクリティカル開眼効果(283ページ参照)を使用できる場合にクリティカル・ヒット時に与える効果に影響を及ぼす。
武器特性 Weapon Traits
武器や素手攻撃の特性は本項にまとめられている。「武器」を指す特性はその特性を持つ素手攻撃にも適用される。
矢弾 Ammunition
射撃武器の項目には、その武器が射出する矢弾の種類を示す項目が次の行に続いている。ダメージ・ダイスは矢弾の影響を受けず、武器によって決定される。そのため、矢弾の項目には名称、数量、市価、バルクのみが記載されている。使用した矢弾は破壊される。
表6-6:素手攻撃 Unarmed Attack
素手攻撃 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
拳 | ― | 1d4[殴打] | ― | 1 | 豪腕 | 機敏、巧技、非致傷、素手 |
表6-7:近接武器 Melee Weapons
単純武器 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガントレット | 2sp | 1d4[殴打] | 軽 | 1 | 剛腕 | 機敏、手不要 |
クラブ | 0 | 1d6[殴打] | 1 | 1 | 棍棒 | 投擲:10フィート |
シックル | 2sp | 1d4[斬撃] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、巧技、足払い |
スタッフ | 0 | 1d4[殴打] | 1 | 1 | 棍棒 | 両手兼用:d8 |
スパイクト・ガントレット | 3sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 剛腕 | 機敏、手不要 |
スピア | 1sp | 1d6[刺突] | 1 | 1 | 槍 | 投擲:20フィート |
ダガー | 2sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、巧技、投擲:10フィート、多用途:[斬撃] |
メイス | 1gp | 1d6[殴打] | 1 | 1 | 棍棒 | 突き飛ばし |
モーニングスター | 1gp | 1d6[殴打] | 1 | 1 | 棍棒 | 多用途:[刺突] |
ライト・メイス | 4sp | 1d4[殴打] | 軽 | 1 | 棍棒 | 機敏、巧技、突き飛ばし |
ロングスピア | 5sp | 1d8[刺突] | 2 | 2 | 槍 | 間合い |
アンコモンの単純武器 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
カタール | 3sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、致命的:d6、モンク |
クラン・ダガー | 2gp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、ドワーフ、受け、多用途:[殴打] |
軍用武器 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
ウィップ | 1sp | 1d4[斬撃] | 1 | 1 | フレイル | 武器落とし、巧技、非致傷、間合い、足払い |
ウォーハンマー | 1gp | 1d8[殴打] | 1 | 1 | 槌 | 突き飛ばし |
ウォー・フレイル | 2gp | 1d10[殴打] | 2 | 2 | フレイル | 武器落とし、薙ぎ、足払い |
ギザーム | 2gp | 1d10[斬撃] | 2 | 2 | 長柄 | 間合い、足払い |
グレイヴ | 1gp | 1d8[斬撃] | 2 | 2 | 長柄 | 致命的:d8、加圧、間合い |
グレートアックス | 2gp | 1d12[斬撃] | 2 | 2 | 斧 | 薙ぎ |
グレートクラブ | 1gp | 1d10[殴打] | 2 | 2 | 棍棒 | 付勢、突き飛ばし |
グレートソード | 2gp | 1d12[斬撃] | 2 | 2 | 剣 | 多用途:[刺突] |
グレートピック | 1gp | 1d10[刺突] | 2 | 2 | つるはし | 深手:d12 |
サイズ | 2gp | 1d10[斬撃] | 2 | 2 | 長柄 | 致命的:d10、足払い |
サップ | 1sp | 1d6[殴打] | 軽 | 1 | 棍棒 | 機敏、非致傷 |
シールド・スパイク | 5sp | 1d6[刺突] | ― | 1 | 盾 | 取付:盾 |
ショートソード | 9sp | 1d6[刺突] | 軽 | 1 | 剣 | 機敏、巧技、多用途:[斬撃] |
シールド・ボス | 5sp | 1d6[殴打] | ― | 1 | 盾 | 取付:盾 |
シミター | 1gp | 1d6[斬撃] | 1 | 1 | 剣 | 加圧、薙ぎ |
スターナイフ | 2gp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、致命的:d6、巧技、投擲:20フィート、多用途:[斬撃] |
盾攻撃 | ― | 1d4[殴打] | ― | 1 | 盾 | ― |
トライデント | 1gp | 1d8[刺突] | 1 | 1 | 槍 | 投擲:20フィート |
バスタード・ソード | 4gp | 1d8[斬撃] | 1 | 1 | 剣 | 両手兼用:d12 |
ハチェット | 4sp | 1d6[斬撃] | 軽 | 1 | 斧 | 機敏、薙ぎ、投擲:10フィート |
バトル・アックス | 1gp | 1d8[斬撃] | 1 | 1 | 斧 | 薙ぎ |
ハルバード | 2gp | 1d10[刺突] | 2 | 2 | 長柄 | 間合い、多用途:[斬撃] |
ピック | 7sp | 1d6[刺突] | 1 | 1 | つるはし | 深手:d10 |
ファルシオン | 3gp | 1d10[斬撃] | 2 | 2 | 剣 | 加圧、薙ぎ |
フレイル | 8sp | 1d6[殴打] | 1 | 1 | フレイル | 武器落とし、薙ぎ、足払い |
ボウ・スタッフ | 2sp | 1d8[殴打] | 2 | 2 | 棍棒 | モンク、受け、間合い、足払い |
マンゴーシュ | 5sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、武器落とし、巧技、受け、多用途:[斬撃] |
モール | 3gp | 1d12[殴打] | 2 | 2 | 槌 | 突き飛ばし |
ランス | 1gp | 1d8[刺突] | 2 | 2 | 槍 | 致命的:d8、騎上用:d6、間合い |
ライト・ハンマー | 3sp | 1d6[殴打] | 軽 | 1 | 槌 | 機敏、投擲:20フィート |
ライト・ピック | 4sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | つるはし | 機敏、深手:d8 |
ロングソード | 1gp | 1d8[斬撃] | 1 | 1 | 剣 | 多用途:[刺突] |
ランサー | 2gp | 1d10[刺突] | 2 | 2 | 長柄 | 武器落とし、間合い |
レイピア | 2gp | 1d6[刺突] | 1 | 1 | 剣 | 致命的:d8、武器落とし、巧技 |
アンコモンの軍用武器 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
エルヴン・カーヴ・ブレード | 4gp | 1d8[斬撃] | 2 | 2 | 剣 | エルフ、巧技、加圧 |
オーク・ナックル・ダガー | 7sp | 1d6[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、武器落とし、オーク |
カタナ | 2gp | 1d6[斬撃] | 1 | 1 | 剣 | 致命的:d8、両手兼用:d10、多用途:[刺突] |
カマ | 1gp | 1d6[斬撃] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、モンク、足払い |
ククリ | 6sp | 1d6[斬撃] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、巧技、足払い |
サイ | 6sp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 短剣 | 機敏、武器落とし、巧技、モンク、多用途:[殴打] |
スパイクト・チェイン | 3gp | 1d8[斬撃] | 1 | 2 | フレイル | 武器落とし、巧技、足払い |
テンプル・ソード | 2gp | 1d8[斬撃] | 1 | 1 | 剣 | モンク、足払い |
ドッグスライサー | 1sp | 1d6[斬撃] | 軽 | 1 | 剣 | 機敏、奇襲、巧技、ゴブリン |
ヌンチャク | 2sp | 1d6[殴打] | 軽 | 1 | 棍棒 | 付勢、武器落とし、巧技、モンク |
ノーム・フックト・ハンマー | 2gp | 1d6[殴打] | 1 | 1 | 槌 | ノーム、足払い、両手兼用:d10、多用途:[刺突] |
フィルチャーズ・フォーク | 1gp | 1d4[刺突] | 軽 | 1 | 槍 | 機敏、奇襲、致命的:d6、巧技、ハーフリング、投擲:20フィート |
ホースチョッパー | 9sp | 1d8[斬撃] | 2 | 2 | 長柄 | ゴブリン、間合い、足払い、多用途:[刺突] |
アンコモンの高度武器 | 市価 | ダメージ | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
オーク・ネックスプリッター | 2gp | 1d8[斬撃] | 1 | 1 | 斧 | 加圧、オーク、薙ぎ |
ソートゥース・サーベル | 5gp | 1d6[斬撃] | 軽 | 1 | 剣 | 機敏、巧技、双対 |
ドワーヴン・ウォーアックス | 3gp | 1d8[斬撃] | 2 | 1 | 斧 | ドワーフ、薙ぎ、両手兼用:d12 |
ノーム・フリックメイス | 3gp | 1d6[殴打] | 1 | 1 | フレイル | ノーム、間合い、薙ぎ |
表6-8:遠隔武器 Ranged Weapons
単純武器 | 市価 | ダメージ | 射程 | 装填 | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クロスボウ | 3gp | 1d8[刺突] | 120フィート | 1 | 1 | 2 | 弓 | ― |
ボルト10本 | 1sp | 軽 | ||||||
ジャヴェリン | 1sp | 1d6[刺突] | 30フィート | ― | 軽 | 1 | 投げ矢 | 投擲 |
スリング | 0 | 1d6[殴打] | 50フィート | 1 | 軽 | 1 | 投石具 | 推力 |
スリング・ブリット10個 | 1cp | 軽 | ||||||
ダーツ | 1cp | 1d4[刺突] | 20フィート | ― | 軽 | 1 | 投げ矢 | 機敏、投擲 |
ハンド・クロスボウ | 3gp | 1d6[刺突] | 60フィート | 1 | 軽 | 1 | 弓 | ― |
ボルト10本 | 1sp | 軽 | ||||||
ブロウガン | 1sp | 1[刺突] | 20フィート | 1 | 軽 | 1 | 投げ矢 | 機敏、非致傷 |
ブロウガン・ダーツ10本 | 5cp | 軽 | ||||||
ヘヴィ・クロスボウ | 4gp | 1d10[刺突] | 120フィート | 2 | 2 | 2 | 弓 | ― |
ボルト10本 | 1sp | 軽 | ||||||
軍用武器 | 市価 | ダメージ | 射程 | 装填 | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
コンポジット・ショートボウ | 14gp | 1d6[刺突] | 60フィート | 0 | 1 | 1+ | 弓 | 致命的:d10、推力 |
アロー10本 | 1sp | 軽 | ||||||
コンポジット・ロングボウ | 20gp | 1d8[刺突] | 100フィート | 0 | 2 | 1+ | 弓 | 致命的:d10、推力、遠射用:30フィート |
アロー10本 | 1sp | 軽 | ||||||
ショートボウ | 3gp | 1d6[刺突] | 60フィート | 0 | 1 | 1+ | 弓 | 致命的:d10 |
アロー10本 | 1sp | 軽 | ||||||
ロングボウ | 6gp | 1d8[刺突] | 100フィート | 0 | 2 | 1+ | 弓 | 致命的:d10、遠射用:30フィート |
アロー10本 | 1sp | 軽 | ||||||
錬金術爆弾* | さまざま | さまざま | 20フィート | ― | 軽 | 1 | 爆弾 | さまざま |
アンコモンの軍用武器 | 市価 | ダメージ | 射程 | 装填 | バルク | 手 | 武器種 | 武器特性 |
シュリケン | 1cp | 1d4[刺突] | 20フィート | 0 | ― | 1 | 投げ矢 | 機敏、モンク、投擲 |
ハーフリング・スリング・スタッフ | 5gp | 1d10[殴打] | 80フィート | 1 | 1 | 2 | 投石具 | ハーフリング、推力 |
スリング・ブリット10個 | 1cp | 軽 |
* 錬金術爆弾を参照。
武器特性 Weapon Traits
武器特性を持つ武器と素手攻撃は以下の特性を持つことができる。
足払い/Trip:空いている手がない場合であっても、この武器を使って〈運動〉技能による“足払い”を使用できる。これには武器の間合いを使用し(自分のものと異なる場合)、攻撃ロールに与える武器のアイテム・ボーナスを(もしあれば)〈運動〉判定にアイテム・ボーナスとして加える。武器を使用した“足払い”に大失敗したなら、武器を落とすことで大失敗ではなく失敗の効果を受けるだけですむ。
受け/Parry:この武器は、攻撃を防ぐために防御的に使用できる。この武器を使用している間、習熟度が修得以上であれば、単一アクションを費やして武器を防御に回すことができる。そうするなら、次のターン開始時までの間、ACに+1の状況ボーナスを得る。
エルフ/Elf:これらの武器はエルフが作成し使用する。
遠射用/Volley:この遠隔武器は近い距離では有効性が落ちる。付記された距離以内の距離にいる目標に対する攻撃は、-2のペナルティを受ける。
オーク/Orc:これらの武器はオークが作成し使用する。
加圧/Forceful:この武器は勢いがつけばつくほど危険度を増す。この武器で自分のターン中に2回以上攻撃したなら、2回目の攻撃のダメージに武器のダメージ・ダイスの数に等しい状況ボーナスを得る。さらに、その後の各攻撃のダメージに、武器ダメージ・ダイスの数の2倍に等しい状況ボーナスを得る。
奇襲/Backstabber:立ちすくみ状態のクリーチャーに攻撃した場合、この武器は通常のダメージに加えて1ポイントの[精密]ダメージを与える。武器が+3武器の場合、この[精密]ダメージは2ポイントに増加する。
騎上用/Jousting:この武器は、馬具を使った騎乗戦闘に適している。騎乗時、攻撃前のアクションで10フィート以上移動したなら、その攻撃のダメージに、その武器のダメージ・ダイスの数に等しい状況ボーナスを加える。さらに、騎乗中はこの武器を片手で装備でき、ダメージ・ダイスを特性に付記された値に変更する。
機敏/Agile:この武器の複数回攻撃ペナルティは、ターン中に2回目の攻撃を行った際に-5ではなく-4に、ターン中に3回目の攻撃を行った際に-10ではなく-8になる。
組みつき/Grapple:空いている手がない場合であっても、この武器を使って〈運動〉技能による“組みつき”を使用できる。これには武器の間合いを使用し(自分のものと異なる場合)、攻撃ロールに与える武器のアイテム・ボーナスを(もしあれば)〈運動〉判定にアイテム・ボーナスとして加える。武器を使用した“組みつき”に大失敗したなら、武器を落とすことで大失敗ではなく失敗の効果を受けるだけですむ。
巧技/Finesse:この近接武器を使用した攻撃ロールでは、【筋力】修正値の代わりに【敏捷力】修正値を使用してもよい。ダメージを算出する場合、依然として【筋力】修正値を用いる。
ゴブリン/Goblin:これらの武器はゴブリンが作成し使用する。
素手/Unarmed:素手攻撃では製造された武器ではなく、自分の体を用いる。素手攻撃は武器ではないが、武器種としては武器と一緒に分類され、武器特性を持つこともある。体の一部であることから、素手攻撃は“武器落とし”されない。これらの武器に手を使う必要はないが、拳やその他のつかむ必要のある付属物は手不要武器と同じルールに従う。
双対/Twin:これらの武器は一対として使用され、互いに補完し合う。双対武器で攻撃する場合、このターンに既に同じ種類の別の武器で攻撃していれば、その武器のダメージ・ダイスの数に等しい状況ボーナスをダメージ・ロールに加える。この特性の恩恵を受けるには、武器は同じ種類でなければならないが、同じルーンを持つ必要はない。
多用途/Versatile:多用途武器はダメージ項に記載されたものとは異なる種別のダメージを与えるために使用できる。この特性には置き換えられるダメージ種別が付記されている。例えば多用途:[斬撃]を持つ[刺突]武器は、[刺突]ダメージあるいは[斬撃]ダメージを与えるために使用できる。攻撃するたびにダメージ種別を選択すること。
致命的/Deadly:クリティカル・ヒットにおいて、この武器は記載したサイズの武器ダメージ・ダイスを加える。武器のダメージを2倍にした後にロールすること。武器にグレーター・ストライキング・ルーンがある場合はダイスを2つ、武器にメジャー・ストライキング・ルーンがある場合はダイスを3つロールする。例えば、グレーター・ストライキング・ルーンを添付したレイピアはクリティカル・ヒットで追加で2d8の[刺突]ダメージを与える。武器の通常のダメージ・ダイスを変更する能力は、致命的ダイスのサイズを変更しない。
突き飛ばし/Shove:空いている手がない場合であっても、この武器を使って〈運動〉技能による“突き飛ばし”を使用できる。これには武器の間合いを使用し(自分のものと異なる場合)、攻撃ロールに与える武器のアイテム・ボーナスを(もしあれば)〈運動〉判定にアイテム・ボーナスとして加える。武器を使用した“突き飛ばし”に大失敗したなら、武器を落とすことで大失敗ではなく失敗の効果を受けるだけですむ。
手不要/Free-Hand:この武器は通常、鎧に組み込まれており手を塞がない。手不要武器は“武器落とし”できない。手不要武器で覆われた手を使って、他のアイテムを装備したり、“扱う”アクションを行ったりすることができる。手不要武器は、その手で何かを装備していたり、その手を使ったりしているときは攻撃できない。何も装備せず、その手を使ってもいないならば、手が空いていることを要求する能力も、その手で武器を装備していることを要求する能力も使用できる。それぞれの手には、手不要武器を1つだけ装着できる。
投擲/Thrown:この武器は遠隔攻撃として投擲できる。投擲する際、この武器は遠隔武器である。投擲された武器は近接武器と同様に、【筋力】修正値をダメージに加える。この特性が近接武器に見られる場合、射程単位が付記されている。この特性を持つ射撃武器は、武器の射程項に書かれた射程単位を使用する。
取付/Attached:取付武器は他の装備と組み合わせて使用する必要がある。特性には、その武器がどのアイテムに取り付けなければならないかが示されている。その武器で攻撃するには、その武器が取り付けられたアイテムを装備するか着用するかしていなければならない。例えば、シールド・スパイクは盾に取り付けられ、その盾を装備している場合にのみ、盾攻撃の代わりにシールド・スパイクを用いて攻撃を行える。取付武器は通常アイテムにボルトで固定されるか、内蔵されるかのいずれかである。取付武器をアイテムに貼付するには、10分の作業の後、DC10の〈製作〉判定に成功しなければならない。必要な場合、この時間にはもともと取り付けられていた武器を取り除く時間も含まれる。アイテムが破壊された場合でも、通常なら取付武器は回収できる。
ドワーフ/Dwarf:これらの武器はドワーフが作成し使用する。
薙ぎ/Sweep:この武器は広範囲を薙いだり回転したりしながら攻撃するため、複数の敵を攻撃しやすくなる。この武器で攻撃するとき、このターンに既にこの武器で別の対象に対する攻撃を試みていたなら、攻撃ロールに+1の状況ボーナスを得る。
ノーム/Gnome:これらの武器はノームが作成し使用する。
ハーフリング/Halfling:これらの武器はハーフリングが作成し使用する。
非致傷/Nonlethal:この武器による攻撃は非致傷であり、クリーチャーを殺す代わりに気絶させるために使用される。非致傷武器を用いて致傷ダメージを与える攻撃を行う場合、攻撃ロールに-2の状況ペナルティを受ける。
深手/Fatal:深手特性にはダイス・サイズが付記されている。クリティカル・ヒットにおいて、武器のダメージ・ダイスは通常のダイス・サイズではなく深手特性で指定されたダイス・サイズになる。さらに、この武器は記載されたサイズの追加ダメージ・ダイスを1つ加える。
武器落とし/Disarm:空いている手がない場合であっても、この武器を使って〈運動〉技能による“武器落とし”を使用できる。これには武器の間合いを使用し(自分のものと異なる場合)、攻撃ロールに与える武器のアイテム・ボーナスを(もしあれば)〈運動〉判定にアイテム・ボーナスとして加える。武器を使用した“武器落とし”に大失敗したなら、武器を落とすことで大失敗ではなく失敗の効果を受けるだけですむ。大成功した場合、そのアイテムを手に取りたい場合は依然として片手が空いている必要がある。
付勢/Backswing:この武器で失敗したときの勢いを次の攻撃につなげることができる。この武器で攻撃を失敗した後、ターン終了までにこの武器で次に攻撃する際、攻撃ロールに+1の状況ボーナスを得る。
間合い/Reach:この武器は長く、隣接したクリーチャーだけでなく、最大で10フィート離れたクリーチャーを攻撃するのに使用できる。その武器を振るう手足に既に間合いがあるクリーチャーは、この武器を使用することで間合いが5フィート増加する。
モンク/Monk:多くのモンクがこれらの武器の使用方法を身につける。
両手兼用/Two-Hand:この武器は両手で装備することもできる。そうするなら、武器のダメージ・ダイスは付記された値に変更される。この変更はストライキング・ルーンによるものなど、全てのダメージ・ダイスに適用される。
クリティカル開眼効果 Critical specialization Effects
特定の特技、クラス特徴、武器ルーン、その他の効果により、特定の武器を用いた“打撃”で大成功した際に追加の利益を得られる。
これはクリティカル開眼効果と呼ばれる。以下に示すように、この追加効果は武器が属する武器種によって決定される。なお、武器のクリティカル開眼効果を追加しないことをいつでも選択できる。
斧:元の目標に隣接していて間合い内にいるクリーチャーを1体選択する。そのACがクリティカル・ヒットした攻撃ロールの結果よりも低いなら、そのクリーチャーに武器のダメージ・ダイスをロールした出目に等しいダメージを与える。このダメージ・ダイスには(もしあれば)ポテンシィ・ルーンによる追加ダイスが含まれる。この値は2倍にせず、このダメージに適用されるボーナスや他の追加ダイスも適用しない。
剣:目標は攻撃でバランスを崩し、次の使用者のターンの開始時まで立ちすくみ状態になる。
剛腕:目標はクラスDCに対する頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると次の使用者のターンの終了まで減速状態1になる。
棍棒:目標を使用者から10フィートまで吹き飛ばす。距離は使用者が選択する。これは強制移動である。
盾:目標は使用者から離れる方向に5フィート下がる。これは強制移動である。
短剣:目標は1d6の持続[出血]ダメージを受ける。使用者はこの[出血]ダメージに、武器が攻撃ロールに与えるアイテム・ボーナスに等しいアイテム・ボーナスを得る。
槌:目標は倒れて伏せ状態になる。
つるはし:武器は荒々しく目標を貫き、武器のダメージ・ダイス毎に追加で2ダメージを与える。
投石具:目標は使用者のクラスDCに対する頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると朦朧状態1になる。
長柄:目標は使用者が選択した方向に5フィート移動する。これは強制移動である。
投げ矢:目標は1d6の持続[出血]ダメージを受ける。使用者はこの[出血]ダメージに、武器が攻撃ロールに与えるアイテム・ボーナスに等しいアイテム・ボーナスを得る。
爆弾:爆弾の飛散ダメージ(もしあれば)の半径を10フィートに増加させる。
フレイル:目標は倒れて伏せ状態になる。
槍:武器は目標を貫き、その攻撃を弱める。目標は次の使用者のターンの開始時までよたつき状態1になる。
弓:クリティカル・ヒットの目標が何らかの面に隣接しているなら、目標は矢弾によってその面に打ち付けられる。目標は動けない状態になり、“扱う”アクションを費やして、矢弾を引き抜くためにDC10の〈運動〉判定を試みなければならない。この判定に成功するまで、現在の接敵面から移動できない。そのクリーチャーが非実体であったり、液体(ウォーター・エレメンタルやある種の粘体など)であったり、その他苦労なく逃げられる場合は動けない状態にならない。
武器の説明 Weapon Descriptions
表6-7と6-8に記載された武器それぞれの詳細を以下に示す。
アロー/Arrow:この弾はボウの矢弾である。アローの軸は木製だ。一端には矢細工が固定され、もう一端に金属製の鏃を備えている。
ウィップ/Whip:太い革を編んで作られたこの長い紐は、離れた場所から痛みはあるが致命傷にはならない裂傷を与えることができる。使用すると、通常は独特の空を裂く音を発生させる。
ウォーハンマー/Warhammer:この武器には、木製の軸の先端に大きくて重い金属製の頭部が付いている。ウォーハンマーは片方だけ槌のついたものも両方についたものもあるが、いずれも常に強力な打撃力を発揮する。
ウォー・フレイル/War Flail:長い軸に頑丈な木や金属の短冊をつなげた大型のフレイルで、棘がはめ込まれていることもある。
エルヴン・カーヴ・ブレード/Elven Curve Blade:このエルフの伝統的な武器は本質的にはシミターを長くした形状だが、シミターよりも薄い刃を持っている。
オーク・ナックル・ダガー/Orc Knuckle Dagger:この頑丈な金属製の刃はオークによるもので、横長の両端から刃が突き出たかご状の形状をしていたり、カタールのように一本の刃であることもある。
オーク・ネックスプリッター/Orc Necksplitter:この片刃の鈎斧は、骨と腱や軟骨を切り離すのに最適なギザギザの刃を持つ。
カタナ/Katana:カタナは曲がった片刃の剣で、不気味なほど鋭い刃で知られる。
カタール/Katar:パンチング・ダガーとしても知られるカタールは、拳から刃が飛び出すようなH型の取手を特徴とする。
カマ/Kama:カマはシックルに似ており、穀物を刈り取るために使われる地域もある。刃は短く、わずかに曲がっていて、木の柄がある。
ガントレット/Gauntlet:この金属製の小手は、フル・プレート、ハーフ・プレート、スプリント・アーマーに付属する。手を保護するだけでなく、手を致傷ダメージを与える武器に変えることができる。
ギザーム/Guisarme:この長柄武器は長い片刃の刃を持ち、刃の鈍い部分から鈎が突き出ていて、遠くの相手をつまずかせることができる。軸の長さは通常8フィート。
ククリ/Kukri:このナイフの刃は1フィートほどの長さで内側に曲がっており、柄がない。
クラブ/Club:敵を殴打するために形作られた、あるいは再利用された頑丈な木片だ。クラブは、芸を凝らした複雑な彫刻を施したものから、木の枝や木片のような単純なものまである。
クラン・ダガー/Clan Dagger:この幅広のダガーはドワーフが武器や道具、氏族を示すために持ち運ぶ。クラン・ダガーを失ったり敗北して渡すことは、ほとんどのドワーフにとって恥ずべきことと見なされている。
グレイヴ/Glaive:7フィートの長柄の先に、長い片刃の刃を取り付けた長柄武器だ。遠距離から致命傷を与えるのに非常に役立つ。
グレートアックス/Greataxe:この大型の戦斧は、片手だけで振り回すには重すぎる。多くのグレートアックスは両刃で、下部に取っ手を設けて切り刻む力を強める「鈎付き」のものが多い。
グレートクラブ/Greatclub:多くのグレートクラブには複雑な彫刻が施されているが、中には頑丈な木の枝に過ぎないものもある。これらの巨大な棍棒は片手では重すぎて振り回すことができない。
グレートソード/Greatsword:この両手持ちの巨大な剣は、使い手の身長とほぼ同じ長さだ。近接戦闘で力を発揮できるように、持ち手に近い部分の刃はやや鈍らせていることも多い。
グレートピック/Greatpick:このピックは通常のピックよりも柄が長く、頭部の幅が広い。あまりにも重くて片手では振り回せない。
クロスボウ/Crossbow:この遠隔武器は、ティラーと呼ばれる柄の付いた枠に、弓に似た構造を取り付けた射撃武器だ。ティラーには弓の弦を固定する機構があり、その張力を解放してボルトを射出する引き金構造を取り付けてある。
コンポジット・ショートボウ/Composite Shortbow:このショートボウは角、木、腱を張り合わせて張力と矢弾の力を高めている。コンパクトで威力が高いことから、騎射を行う射手に愛用されている。ショートボウに限定された能力は、特に断りのない限りコンポジット・ショートボウにも適用される。
コンポジット・ロングボウ/Composite Longbow:この射出武器は角、木、腱を張り合わせて張力と矢弾の力を高めている。全てのロングボウのように、その大きさがボウの射程と力を強めている。射出には両手が必要で、騎乗時には使用できない。ロングボウに限定された能力は、特に断りのない限りコンポジット・ロングボウにも適用される。
サイ/Sai:この刺突用のダガーには金属の棘の両側に一対の突起があって、敵の武器を捉えるために使用される。
サイズ/Scythe:長粒種の穀物を刈り取る農具を起源としたこの武器は、長い木製の軸に柄を出し、直角に曲げた刃がついている。
サップ/Sap:サップは鉛の棒に革の鞘を巻き付けたものだ。この武器の目的は血を流すことではなく、犠牲者を気絶させることだ。そのため、一撃の力を分散させるために、その頭部は持ち手よりも広い。
シールド・スパイク/Shield spikes:これらの金属製の棘は盾の相手側の面にうまく配置されており、盾攻撃で[刺突]ダメージを与えることができる。
シールド・ボス/Shield Boss:通常、シールド・ボスは盾の中央に取り付けられた丸い凸型もしくは円錐型の厚い金属片だ。盾攻撃の[殴打]ダメージを増加させる。
シックル/Sickle:この片手用の武器は元々は穀物を刈り取るための農具で、短い木の柄の先に湾曲した刃があり、両側が研がれていることもある。
シミター/Scimitar:この片手用の曲剣は片刃である。
ジャヴェリン/Javelin:この細い槍は投擲用に重心が調整されており、近接戦闘には不向きだ。
シュリケン/Shuriken:この「投げ星」は鋭い刃を持つ平たい金属小片で、手首を動かして投げるように設計されている。
ショートソード/Shortsword:これらの剣は形状と様式は様々だが、一般に長さは2フィート。
ショートボウ/Shortbow:この小型のボウは単一の木片から作られ、軽装兵や騎兵に好まれる。
スターナイフ/Starknife:中央の金属製の輪から、先の細い金属刃が4本、羅針図の頂点のように伸びている。スターナイフを中心から握ると、近接武器として使用できる。また、短い距離まで投げることもできる。
スタッフ/Staff:この長い木片は歩く助けになり、強力な一打をお見舞いすることもできる。
スパイクト・ガントレット/Spiked Gauntlet:通常のガントレットと同様の防御機能を持ちながら、拳から突き出た棘により、拳で[刺突]ダメージを与えることができる。
スパイクト・チェイン/spiked Chain:この4フィート長の鎖は細かい棘で覆われ、両端にスパイクがついている。持ち手として金属製の指輪を備えたものもある。
スピア/spear:長い金属製の軸の先端には金属製のスパイクがあり、片手で近接武器として使用でき、投げることもできる。
スリング/Sling:スリングは、革製の碗に革紐を取り付けただけのもので、滑らかな石を投げたり、スリング・ブリットを投げたりすることができる。
スリング・ブリット/Sling Bullet:これらは小さな金属球で、通常は鉄あるいは鉛で作られている。これらはスリングの矢弾として使われることを想定している。
ソートゥース・サーベル/Sawtooth Saber:これは赤蟷螂の暗殺者を象徴する武器だ。その曲がった刃はのこぎりのようにぎざぎざで、名前の由来となっている。
ダーツ/Dart:アローより大きく、スピアより短い投擲武器だ。一般的に木の短い軸の先が金属製で、羽毛や毛皮がつけられていることもある。
ダガー/Dagger:この刃を持つ小さな武器は片手で持ち、近接戦闘でクリーチャーを刺すために使用する。また、投げることもできる。
盾攻撃/Shield Bash:盾攻撃は実際には武器ではなく、盾を突き出したり振り回したりして、即席の攻撃を的にぶつける戦技である。
テンプル・ソード/Temple Sword:この重い刃は宗教施設の護衛が好んで使用する。鎌と剣を合わせたような三日月型の刃特徴だ。刃や柄に穴を開け、鈴や聖なる装身具を取り付けて祈りや瞑想に用いることが多い。
ドッグスライサー/Dogslicer:この曲がった、粗末なその場しのぎの短い剣には、重量を減らすために穴が開けられていることが多い。ゴブリンが好んで用いる武器だ。
トライデント/Trident:スピアに似た三叉の武器で、柄は通常4フィート。スピア同様、片手で装備したり投擲したりすることができる。
ドワーヴン・ウォーアックス/Dwarven Waraxe:このドワーフのお気に入りの武器は大きく、装飾が施された頭部にふと家が取り付けられている。この強力な斧は片手でも両手でも装備できる。
ヌンチャク/Nunchaku:ヌンチャクは、2本の木製または金属製の棒を短いロープや鎖でつないだものだ。
ノーム・フックト・ハンマー/Gnome Hooked Hammer:このノームの道具兼武器は、片方の端がハンマーで、もう片方が曲がったピックになっている特徴的なものだ。この奇妙で不格好な武器は、他の人から見ると、ノームがこれを使うのは少し異常だと思われるほどだ。
ノーム・フリックメイス/Gnome Flickmace:メイスというよりフレイルに近いこの武器は、短い柄の先に玉がついた鎖が取り付けられたものだ。手首の動きで球を弾き飛ばし、その勢いで球を手元に戻す。
ハーフリング・スリング・スタッフ/Halfling Sling Staff:この杖の先端はY字型に分かれており、スリングを挟むことができる。両手に持って石やブリットをスリングから投げるとき、杖の長さが威力を発揮する。
バスタード・ソード/Bastard Sword:この幅広の武器は片手半剣とも呼ばれる。持ち手が長いので片手で持つことも、両手で使って貫通力や斬撃力を高めることもできる。
ハチェット/Hatchet:この小さな斧は近接戦闘や投擲に使用できる。
バトル・アックス/Battle Axe:これらの斧は道具ではなく武器として明確に設計されている。一般に重量は軽く、軸は金属帯や鋲で補強され、刃は通常の斧より鋭く、木よりも手足を切断するのに適している。
ハルバード/Halberd:この長柄武器は比較的短い5フィートの柄を備える。先端は長いスパイクで斧の刃が付いている。
ハンド・クロスボウ/Hand Crossbow:ローグやごろつきが裏道弓と呼ぶこともあるこの小型のクロスボウは、小さなボルトを発射し、目標に毒を送り込むために使われることもある。片手で射ることができるほど小さいが、装填には両手を必要とする。
ピック/Pick:戦闘専用に作られたピックは、頑丈な木製の軸と重く尖った頭部で構成され、破壊的な打撃を与えることができる。
ファルシオン/Falchion:この武器は曲がった刃を持つシミターをより重く両手で持つ形にしたものだ。矢先に重心があるため、強力な斬撃武器となっている。
フィルチャーズ・フォーク/Filcher's Fork:このハーフリングの武器は長い二又のフォークのような形をしていて、武器としても調理器具としても使用される。
フレイル/Flail:この武器は木製の柄に鎖、縄、革紐などで棘のついた玉や円筒を取り付けたものだ。
ブロウガン/Blowgun:この細長い筒は、勢いよく吐いた息の力だけでブロウガン・ダーツを放つことができる。
ブロウガン・ダーツ/Blowgun Dart:この薄くて軽いダーツは、一般に広葉樹で作られており、羽毛や毛皮を繋いで安定化したものだ。毒を注入するために中空になっていることが多い。
ヘヴィ・クロスボウ/Heavy Crossbow:この大きなクロスボウは通常のクロスボウよりも装填が難しく、重量も重いのだが、その分威力は抜群だ。
ボウ・スタッフ/Bo Staff:強靭でありながら細身のこの杖は両端の先が細くなっており、うまく重心が取られている。攻撃と防御の両方に使える武器として設計されている。
ホースチョッパー/Horsechopper:ゴブリンが馬と戦うために作ったこの武器は、一般に長い柄の先に大きなフックの付いた刃がついている。
ボルト/Bolt:ボルトは伝統的なアローよりも短いが構造は似たもので、クロスボウで使われる矢弾である。
マンゴーシュ/Main-Gauche:この受けに用いられるダガーは、手元を守る頑丈な防護を特徴とする。
メイス/Mace:頑丈な柄と重い金属製の頭部を持つメイスは、使い手が強力な打撃を与え、鎧をへこませることができる頑丈なものだ。
モーニングスター/Morningstar:この武器には短い軸の先にスパイクの生えた金属球がついている。
モール/Maul:モールは両手で振り回さなければならない巨大なウォーハンマーである。
ライト・ハンマー/Light Hammer:このウォーハンマーの小型版は木製もしくは金属製の軸の先に金属製の頭部が付いたものだ。同種のより重いものとは異なり、投擲できるほど軽い。
ライト・ピック/Light Pick:ライト・ピックは木製の柄の先にピックの頭部がついた採掘器具だが、岩を削るよりも鎧や肉を貫くために改良が施されている。
ライト・メイス/Light Mace:ライト・メイスは、短い木製または金属製の軸の先端に金属製の重い頭部が付いたものだ。クラブのように使用し、重い打撃を与えるが、頭部の金属製の突起やスパイクのお陰でより大きな力を発揮する。
ランサー/Ranseur:この長柄武器は三叉になっており、中央の突起が他の2つよりも長い。
ランス/Lance:このスピアに似た武器は騎乗したクリーチャーが使用して大ダメージを与えるのに使用される。
レイピア/Rapier:レイピアは細長い刺突用の剣で、柄に目貫がついている。血糖用の武器として多くの人に珍重されている。
錬金術爆弾/Alchemical Bomb:これらの爆弾は様々な種類と力を示すレベルがある。しかしその種類に関係なく、爆弾を目標に投擲すると爆発し、錬金術による爆風が吹き荒れる。
ロングスピア/Longspear:この非常に長い槍はパイクと呼ばれることもあり、投擲よりも純粋に突き刺すためのものだ。多くの兵士や市警が群衆整理や突進してくる敵への防御に使用している。両手で装備しなければならない。
ロングソード/Longsword:ロングソードには片刃のものと両刃のものがある。刃は重く、その長さは3~4フィート。
ロングボウ/Longbow:この長さ5フィートの弓はニレ、ヒッコリー、イチイの一枚板から作られている。強く引くことができ、アローを勢いよく、極めて遠くまで飛ばすことができる。ロングボウは両手でいる必要があり、騎乗しながら使用することはできない。
装備品 Gear
キャラクターは探索と余暇の両方で様々なアイテムが必要になる。それは保存食から登攀用具、おしゃれな洋服まで、状況に応じて様々だ。
装備品のデータ・ブロック Gear Statistics
表6-9と表6-10には、多様な装備品の市価とバルクが示されている。市価の後に数字が括弧付きで示されているものはその数量分の価格である。しかしそのようなアイテムであっても、バルクは1つ単位の値が書かれている。アイテム名の後に括弧付きで高いアイテム・レベルが記載されていない限り、本項の全てのアイテム・レベルは0である。
手 Hands
そのアイテムを効果的に使用するために必要な手の数を示している。両手を必要とするアイテムのほとんどは片手で運搬できるが、そのアイテムを使用するためには“扱う”アクションで握り方を変えなければならない。GMは、そのアイテムが片手で持つには大きすぎると判断することがある。特に大きなアイテムの場合は両手ですら持てないと判断することもあるだろう。
道具の着用 Wearing Tools
錬金術師道具や治療道具などの道具一式を着用することで、使いやすくすることができる。これにより、道具を使用するアクションの一部として、道具を取り出したり交換したりすることができる。この方法で装着できる道具は2バルクまで。それ以上の道具は使用するために、“扱う”アクションで収納するか取り出すかしなければならない。
冒険用装備 Adventuring Gear
これらのアイテムは特別なルールや要件に従う。以下に詳細を示す。
表6-9:冒険用装備 Adventure Gears
アイテム | 市価 | バルク | 手 |
---|---|---|---|
10フィートの棒 | 1cp | 1 | 2 |
油(1パイント) | 1cp | ― | 2 |
衣服 | |||
普通 | 1sp | ― | ― |
探検家 | 1sp | 軽 | ― |
上質 | 2gp | 軽 | ― |
おしゃれで上質(3レベル) | 55gp | 軽 | ― |
防寒 | 4sp | 軽 | ― |
鏡 | 1gp | ― | 1 |
枷 | |||
粗悪な枷(0レベル) | 3sp | ― | 2 |
単純な枷(1レベル) | 3gp | ― | 2 |
平均的な枷(3レベル) | 20gp | ― | 2 |
良い枷(9レベル) | 250gp | ― | 2 |
素晴らしい枷(17レベル) | 5,000gp | ― | 2 |
楽器 | |||
手持ち式 | 8sp | 1 | 2 |
手持ち式の名器(3レベル) | 50gp | 1 | 2 |
大型 | 2gp | 16 | 2 |
大型の名器(3レベル) | 100gp | 16 | 2 |
金槌 | 1sp | 軽 | 1 |
かなてこ | 5sp | 軽 | 2 |
取っ手付きかなてこ(3レベル) | 20gp | 軽 | 2 |
鎖(10フィート) | 4gp | 1 | 2 |
鞍袋 | 2sp | 軽 | 2 |
携帯用寝具 | 2cp | 軽 | ― |
小型望遠鏡 | 20gp | 軽 | 2 |
上質の小型望遠鏡(4レベル) | 80gp | 軽 | 2 |
作成指南書基礎編 | 1sp | 軽 | 2 |
宗教印 | |||
木製 | 1sp | 軽 | 1 |
銀製 | 2gp | 軽 | 1 |
宗教書 | 1gp | 軽 | 1 |
修理用具 | 2gp | 1 | 2 |
呪文書(白紙) | 1gp | 軽 | 1 |
商人の天秤 | 2sp | 軽 | 2 |
錠前 | |||
粗悪な錠前(0レベル) | 2sp | ― | 2 |
単純な錠前(1レベル) | 2gp | ― | 2 |
平均的な錠前(3レベル) | 15gp | ― | 2 |
良い錠前(9レベル) | 200gp | ― | 2 |
素晴らしい錠前(17レベル) | 4,500gp | ― | 2 |
職人道具 | 4gp | 2 | 1~2* |
高級職人道具(3レベル) | 50gp | 2 | 1~2* |
処方書(白紙) | 1gp | 軽 | 1 |
ずだ袋 | 1cp | 軽 | 1 |
砂時計 | 3gp | 軽 | 1 |
背負い袋 | 1sp | ― | ― |
石鹸 | 2cp | ― | 1 |
松明 | 1cp | 軽 | 1 |
宝箱 | 6sp | 2 | 2 |
探検家用具一式 | 15sp | 1 | ― |
釣具 | 8sp | 1 | 2 |
専門家用釣具(3レベル) | 20gp | 1 | 2 |
調理道具 | 1gp | 2 | 2 |
チョーク(10本) | 1cp | ― | 1 |
治療道具 | 5gp | 1 | 1~2* |
拡張版治療道具(3レベル) | 50gp | 1 | 1~2* |
テント | |||
小型 | 8sp | 軽 | 2 |
4人用 | 5gp | 1 | 2 |
大型(2レベル) | 40gp | 12 | 2 |
道具 | |||
長い道具 | 1gp | 1 | 2 |
短い道具 | 4sp | 軽 | 1~2 |
盗賊道具 | 3gp | 軽 | 1~2* |
交換用ピック | 3sp | ― | ― |
潜入用盗賊道具(3レベル) | 50gp | 軽 | 1~2* |
潜入用ピック(3レベル) | 3gp | ― | ― |
登攀用具 | 5sp | 1 | 2 |
特別登攀用具(3レベル) | 40gp | 1 | 2 |
馬具一式 | 4gp | 1 | ― |
梯子(10フィート) | 3cp | 3 | 2 |
ヒイラギとヤドリギ | 0 | ― | 1 |
火打ち石と打ち金 | 5cp | ― | 2 |
ひっかけ鉤 | 1sp | 軽 | 1 |
筆記用具一式 | 1gp | 軽 | 2 |
予備のインクと紙 | 1sp | ― | ― |
ピトン | 1cp | ― | 1 |
物質構成要素ポーチ | 5sp | 軽 | 1 |
変装用具 | 2gp | 軽 | 2 |
入れ替え用化粧品 | 1sp | ― | ― |
上級変装用具(3レベル) | 40gp | 軽 | 2 |
上級化粧品(3レベル) | 5sp | ― | ― |
方位磁針 | 1gp | ― | 1 |
高精度方位磁針(3レベル) | 20gp | ― | 1 |
保存食(1週間) | 4sp | 軽 | 1 |
上級修理用具(3レベル) | 25gp | 1 | 2 |
まきびし | 3sp | 軽 | 1 |
マグカップ | 1cp | ― | 1 |
水袋 | 5cp | 軽 | 1 |
虫眼鏡(3レベル) | 40gp | ― | 1 |
呼子 | 8cp | ― | 1 |
ランタン | |||
投光式 | 1gp | 1 | 1 |
覆い付き | 7sp | 軽 | 1 |
錬金術師道具 | 3gp | 1 | 1~2* |
錬金術実験器具 | 15gp | 6 | 2 |
拡張版錬金術実験器具(3レベル) | 55gp | 6 | 2 |
ろうそく(10本) | 1cp | ― | 1 |
ロープ | 5sp | 軽 | 2 |
輪縄用具 | 5gp | 2 | 2 |
専門輪縄用具(3レベル) | 55gp | 2 | 2 |
* 君は道具を使用する際、着用している場合は1、保持している場合は2つの手を用いる。
表6-10:アンコモンの冒険用装備 Uncommon Adventuring Gear
アイテム | 市価 | バルク | 手 |
---|---|---|---|
学術書(3レベル) | 6gp | 軽 | 1 |
学術書集(3レベル) | 30gp | 軽 | 2 |
測量地図(3レベル) | 10gp | 軽 | 1 |
測量地図帳(3レベル) | 50gp | 軽 | 2 |
10フィートの棒/Ten-Foot Pole:この長い棒を装備している間、最大で10フィート離れたマスを調査するために“捜す”を行える。10フィートの棒は武器として使えるほど頑丈ではない。
油/Oil:油はランタンの燃料として使用できるが、油1パイントに火をつけて投擲することもできる。まず“扱う”アクションで油を準備し、別のアクションで遠隔攻撃としてそれを投擲する。命中した場合、油はクリーチャーにかかるか、目標とした5フィート四方の範囲に飛散する。命中した油に火がつくかどうかは、DC10の平目判定に成功したかどうかで判断する。油が発火したなら、目標は1d6の[火炎]ダメージを受ける。
衣服/Clothing:一般的な衣服は農民服、僧衣、作業着など、基本的な仕立てで機能的である。
探検家の服は鎧ではないものの、身を守るために補強できる。最も一般的なものは、クレリックの衣服、モンクの服、ウィザードのローブである。これらの3クラスいずれも鎧の着用を避ける傾向がある。
上質な衣服は貴族や王族にふさわしいもので、高価な生地や貴金属が使われ、複雑な模様で飾られている。おしゃれで上質な衣服を着用しているとき、貴族や上流階級の人々を“懐柔する”ための判定に+1のアイテム・ボーナスを得る。
防寒着は極めて寒い環境下での寒さによるダメージを無効化し、猛寒によるダメージを酷寒のダメージに軽減できる。
探検家の服は鎧ではないものの、身を守るために補強できる。最も一般的なものは、クレリックの衣服、モンクの服、ウィザードのローブである。これらの3クラスいずれも鎧の着用を避ける傾向がある。
上質な衣服は貴族や王族にふさわしいもので、高価な生地や貴金属が使われ、複雑な模様で飾られている。おしゃれで上質な衣服を着用しているとき、貴族や上流階級の人々を“懐柔する”ための判定に+1のアイテム・ボーナスを得る。
防寒着は極めて寒い環境下での寒さによるダメージを無効化し、猛寒によるダメージを酷寒のダメージに軽減できる。
学術書/Scholarly Journal:学術書はアンコモンである。ヴァンパイアや特定の町あるいは地域の歴史など、非常に特殊な話題に関する冊子である。その話題に関する“知識の想起”の技能判定を行う前に1分かけて学術書を参照すると、その判定に+1のアイテム・ボーナスを得られる。学術書集は、学術書1冊の5倍の市価であり、使用するのに両手が必要だ。学術書集には複数の学術書が含まれており、すべてのアンデッドや都市全体など、より広い話題に対してそのボーナスを得られる。どの場所でどのような学術誌が利用できるかは、GMが決定する。
枷/Manacles:同意するもの、あるいは意のままになるものに枷をかけることができる。枷をかける行為はクリーチャーのサイズと手錠の数に応じて、10~30秒かかる探索行動となる。足を縛られた二本脚のクリーチャーはその速度に-15フィートの状況ペナルティを受け、手首を縛られた二本腕のクリーチャーは操作アクションを使うたびにDC5の平目判定を行い、失敗するとそのアクションは失敗する。枷が手をどれだけ強く拘束しているかによって、DCが高くなることもある。静止した物体に縛られたクリーチャーは動けない状態になる。手足の数の多少によって枷が及ぼす効果はGMが決定する。クリーチャーを粗悪な枷から解放するにはDC17の〈盗賊〉判定に2回成功する必要がある。単純な枷ならDC22で3回、平均的な枷ならDC27で4回、良い枷ならDC32で5回、そして素晴らしい枷ならDC42で6回成功する必要がある。
楽器/Musical Instrument:手持ち式の楽器にはバグパイプ、チャイムの小さな組、小太鼓、ヴァイオリンやヴィオラ、フルートやリコーダー、小さなハープ、リュート、トランペット、それに類する大きさの楽器が含まれる。GMは特に大きな手持ち式の楽器はより高いバルクを持つと判断してもよい。大太鼓、チャイム一式、鍵盤楽器などの大型楽器は携帯性に劣り、一般に演奏中は静止している必要がある。名器とされる楽器は、その楽器を使用した〈芸能〉判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
かなてこ/Crowbar:握りにくい物体への“こじ開け”にかなてこを使うことで、必要な力を容易にかけることができる。かなてこがない場合、何かを開く目的において、“こじ開け”のための〈運動〉判定に(粗悪品のアイテムを使用している場合と同様に)-2のアイテム・ペナルティを受ける。取っ手付きかなてこは開くことができるものに“こじ開け”を使用する際の〈運動〉判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
鞍袋/Saddlebags:鞍袋は2個一組だ。それぞれが最大で3バルクのアイテムを収納できる。鞍袋それぞれに入れられた最初の1バルクは乗騎のバルク上限に加えない。このバルク値は乗騎に装着された鞍袋のものだ。鞍袋を運搬したり収納したりする場合、軽バルクではなく1バルクとして扱う。
小型望遠鏡/spyglass:一般的な小型望遠鏡を使用すると、通常の8倍遠くを見通せるようになる。上質の小型望遠鏡は遠くにあるものの詳細に気付くための知覚判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
作成指南書基礎編/Basic Crafter's Book:この本には本項に掲載された0レベルのコモンアイテムの“作成”に用いる処方が全て収められている。
宗教印/Religious Symbol:これは木あるいは銀のかけらに神格を表す絵を刻みつけたものだ。クレリックのような信仰術者は特定の能力を使ったり一部の呪文を発動したりする際に、信仰の焦点具として自分の信仰する神格の宗教印を使用する。宗教印は、片手で保持しなければ使用できない。
宗教書/Religious Text:これは特定の宗教の経典の写本だ。クレリックのような信仰術者は特定の能力を使ったり一部の呪文を発動したりする際に、信仰の焦点具として自分の信仰する神格の宗教印を使用する。宗教印は、片手で保持しなければ使用できない。
修理用具/Repair Kit:修理用具があれば、旅先でも簡単な修理を行える。これには携帯用の金床、トング、木工用具、砥石、革や木の手入れ用の油などが入っている。〈製作〉技能を用いたアイテムの“修理”に修理用具を使用する。上級修理用具はこの判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
呪文書/Spellbook:呪文書は様々な呪文を学び準備するのに必要な知識が書かれた書物である。ウィザードにとっての必需品で(通常、1冊無料で入手できる)、追加で呪文を学ぶ方法を探している他の術者にとっては便利な贅沢品だ。呪文書1冊には呪文が100個まで書き込める。記載された市価は白紙の呪文書のものだ。
錠前/Lock:粗悪な錠前の解錠には、DC15の〈盗賊〉判定に2回成功する必要がある。単純な錠前の解錠には、DC20の〈盗賊〉判定に3回成功する必要がある。平均的な錠前の解錠には、DC25の〈盗賊〉判定に4回成功する必要がある。良い錠前の解錠には、DC30の〈盗賊〉判定に5回成功する必要がある。素晴らしい錠前の解錠には、DC40の〈盗賊〉判定に6回成功する必要がある。
職人道具/Artisan's Tools:〈製作〉技能で素材からアイテムを“作成”する際に必要な道具である。高級職人道具は、その判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。GMの判断に従うが、異なる道具は異なる作業用に必要なものだ。例えば、鍛冶屋用の道具と木工用の道具は異なる。
処方書/Formula Book:処方書はコモン以外の装備品を作るために必要な処方を記したもので、通常、アルケミストは無料で1冊を入手する。処方書1冊には100種類までのアイテムの処方を収めることができる。処方は羊皮紙や石版など、あらゆる媒体に記録される。手元において参照することができる限り、特定の書物に写し取る必要はない。
ずだ袋/Sack:ずだ袋1つには8バルクまでのアイテムを収納できる。2バルク以下市価収納されていないずだ袋は、ベルトに通すなどして体に装着できる。ずだ袋は片手で運搬できるがアイテムの出し入れには両手を使う必要がある。
背負い袋/Backpack:背負い袋には、最大で4バルクのアイテムを収納できる。背負い袋に入れる最初の2バルクは、使用者のバルク上限に加えない。背負い袋を着用するのではなく、運搬したり収納したりする場合、そのバルクはなしではなく軽バルクになる。
測量地図/Survey Map:測量地図はアンコモンである。手に入る測量地図のほとんどは 単純だが機能的なものだ。測量地図は1つの場所を非常に詳しく説明している。このような測量地図は、その場所に関連する〈生存〉判定と“知識の想起”の技能判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。測量地図は、同じ品質の地図が何枚も入っている測量地図帳になっていることもある。測量地図帳は測量地図1枚の5倍の市価で、使うには両手が必要だ。どの場所にどのような地図があるかはGMが決定する。
松明/Torch:松明は明るい光を半径20フィート、薄暗い光をその先20フィートに放つ。代用武器として使用すると、松明は1d4の[殴打]ダメージと1の[火炎]ダメージを与える。
宝箱/Chest:木製の宝箱は8バルクまでのアイテムを収納できる。
探検家用具一式/Adventurer's Pack:探検やサバイバルに必要なアイテムを集めた、探検者用の基本セットだ。バルク値は一式全体をまとめたものだが、必要に応じて個々のアイテムの説明を参照すること。この一式には背負い袋(他のアイテムが入っている)、携帯用寝具、チョーク10本、火打ち石と打ち金、ロープ50フィート、保存食2週間分、石鹸、松明5本、水袋が入っている。
治療道具/Healer's Tools:この包帯、薬草、縫合用具の一揃いは、“応急手当”、“病気の手当て”、“毒の手当て”、“傷の手当て”のための〈医術〉判定に必要となる。拡張版治療道具は、これらの判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。治療道具をあちこちに持ち運ぶ場合、道具を小分けにしてポケットなどに入れて手近に置いておくことができる。
釣具/Fishing Tackle:折りたたみ式の釣り竿、釣り針、釣り糸、疑似餌、釣り網をまとめたものだ。専門家用釣具は、釣りをするための判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
道具/Tool:この項目は特定の冒険における目的を持たない、基本的な手工具をまとめたものだ。鋤、シャベル、金槌などは長い道具、ハンド・ドリル、氷用フック、こてなどは短い道具になる。道具は通常、代用武器として使用できる。短い道具なら1d4、長い道具なら1d6のダメージを与える。GMは適切なダメージ種別を決定し、必要ならダメージを調整する。
盗賊道具/Thieves' Tools:〈盗賊〉技能で“解錠”や(ある種の)“装置無力化”を行うには盗賊道具が必要だ。潜入用盗賊道具は“解錠”と“装置無力化”の判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。盗賊道具が破損状態になると、盗賊道具に対応した交換用ピックに鍵開けピックを置き換えることで修理できる。これには“修理”アクションは不要である。
登攀用具/Climbing Kit:このかばんには、50フィートのロープ、滑車、12個のピトン、ハンマー、ひっかけ鉤、スパイク底1組が含まれる。登攀用具を使用すると、登っている壁に取り付き、通常の半分の速度(最低5フィート)で移動できる。加えて、落下を防ぐための判定に大失敗するたびに、DC5の平目判定を試みることができる。特別登攀用具を使用すると“登攀”における〈運動〉判定に+1のアイテム・ボーナスを得る。登攀用具一組には1人分しか入っていない。各自が自分専用の登攀用具を準備しなければならない。
馬具一式/Tack:馬具一式は騎乗用の動物に必要な装備一揃いであり、鞍、はみ、くつわや手綱、必要ならばあぶみといったものが含まれている。特に大きな動物や代わった形をした動物には、特別な鞍が必要になることがある。GMの判断により、これらはより高価であったり見つけるのが難しかったりする。記載されたバルクはクリーチャーが着用した馬具一式のものだ。運搬時、バルクは2増加する。
ヒイラギとヤドリギ/Holly and Mistletoe:超自然的な意味を持つ植物は、ドルイドのような始原術者が特定の能力を使ったり一部の呪文を発動したりする際に、始原の焦点具としてヒイラギとヤドリギを使用する。ヒイラギとヤドリギ一揃いは、片手で保持しなければ使用できない。ドルイドの原始の焦点具は他にもあり、自然の他の側面に焦点を当てている。
火打ち石と打ち金/Flint and Steel:火打ち石と打ち金は火花を捉えるのに十分な時間があれば火を熾すのに便利だが、時間がかかりすぎるために遭遇モードでは現実的な手段ではない。理想的な条件であっても、火打ち石と打ち金を用いて着火には3アクション以上かかり、多くの場合はそれよりも長い時間を要する。
ひっかけ鉤/Grappling Hook:ロープが結ばれたひっかけ鉤を投げて、登りやすくすることができる。ひっかけ鉤を固定するには、対象に応じたDC(通常、少なくともDC20)に対して非公開特性を持つ攻撃ロールを行う。成功すればひっかけ鉤はしっかりと固定される。大失敗をすると、ひっかけ鉤は固定されているように見えるが、実際には登っている途中で落下する。
筆記用具一式/Writing Set:筆記用具一式を使用することで、手紙を記したり巻物を書いたりすることができる。一式には文房具、すなわち様々な紙や羊皮紙、インク、羽ペンないしインクペン、封蝋、簡易の印鑑が収められている。あまりにも多くの文章を書いたなら、予備のインクと紙を一式に補充することもできる。
ピトン/Piton:この小さな杭を支えとして使用することで、登山を容易にできる。ピトンを打ち込むには、片方の手でピトンを保持し、もう片方の手で金槌を使って打ち込む必要がある。打ち込んだピトンにロープを取り付ければ、“登攀”中の大失敗で地面まで落ちないようにすることができる。
物質構成要素ポーチ/Material Component Pouch:このポーチには呪文に必要な物質要素が入っている。時間が経過すると使い切ってしまうが、消費した構成要素は日毎の準備で補充できる。
変装用具/Disguise Kit:この小さな木箱には化粧品、つけ毛、ガム、簡単なかつらなどが入っている。通常、〈ペテン〉技能で誰かに“なりすます”には変装用具が必要だ。上質変装用具は、関連する判定に+1のアイテム・ボーナスを加える。多人数に変装を施した場合、変装用具の種別に応じた化粧品を補充する必要がある。
方位磁針/Compass:地場が均一な場所であれば、方位磁針は自分の場所がわかることで“方向感覚”や道案内の助けになる。方位磁針がない場合、これらの判定には(粗悪品のアイテムを使用している場合と同様に)-2のアイテム・ペナルティを受ける。高精度方位磁針はこれらの判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
まきびし/Caltrops:この4本足の金属製のトゲは、クリーチャーの足にダメージを与えることができる。“扱う”アクションで、自分に隣接する誰にも占められていないマスにまきびしを撒くことができる。そのマスに最初に移動したクリーチャーは、DC14の〈運動〉判定を行わねばならず、失敗すると1d4の[刺突]ダメージと1の持続[出血]ダメージを受けてしまう。まきびしから持続[出血]ダメージを受けているクリーチャーは、その速度に-5フィートのペナルティを受ける。まきびしを摘出するために“扱う”アクションを消費すると、止血のためのDCが減少する。一度クリーチャーがまきびしからダメージを受けると、まきびしがある程度取り除かれ、そのマスに移動する他のクリーチャーは害を受けなくなる。配置されたまきびしは、それによってダメージを受けたクリーチャーがいなければ回収して再利用できる。ダメージを受けたクリーチャーがいる場合、十分な量のまきびしが破壊されて回収することはできなくなる。
水袋/Waterskin:水袋は小型ないし中型のクリーチャーのおおよそ1日分の水を収納できる。
虫眼鏡/Magnifying Glass:この質の良い携帯用のレンズを使用することで、書類や布などの細部に気付くために行う知覚判定に+1のアイテム・ボーナスを得る。
呼子/Signal Whistle:呼子を鳴らすと、開けた場所なら半マイル先まではっきりとその音が聞こえる。
ランタン/Lantern:ランタンは明るい光を放ち、油1パイントで6時間機能する。投光用ランタンは60フィートの円錐形に光を(そしてさらに60フィート先に薄暗い光を)放つ。覆い付きランタンは半径30フィートに光を(そしてさらに30フィート先に薄暗い光を)放ち、付いている覆いを閉じると光を遮ることができる。覆いの開閉には1回の“扱う”アクションが必要だ。
錬金術師道具/Alchemist's Tools:これらの持ち運びできるビーカーや薬品の一式を使うことで、簡単な錬金術の作業をこなすことができる。
錬金術実験器具/Alchemist's Lab:余暇の間に錬金術アイテムの“作成”を行うには、錬金術実験器具が必要だ。拡張錬金術実験器具は、錬金術アイテムの“作成”における〈製作〉判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
ろうそく/Candle:火のついたろうそくは8時間の間、半径10フィートに薄明りを放つ。
輪縄用具/Snare Kit:この一式には輪縄を作るための道具と素材が入っている。輪縄用具を使うことで、〈製作〉技能を用いて輪縄を“作成”できる。専門輪縄用具はこの判定に+1のアイテム・ボーナスを与える。
クラス用具 Class Kits
クラスに必要なものへの着手金の使い道をすぐに決めたい場合は、これらのクラス用具の中から選んでゲームを開始するとよいだろう。。
尚、各用具に含まれる探検家用具一式には、背負い袋、携帯用寝具、チョーク10本、火打ち石と打ち金、ロープ50フィート、保存食2週間分、石鹸、松明5本、水袋が入っている。
アルケミスト用具 Alchemist
市価 8gp、4sp、2cp;バルク 3バルク、7軽;残金 6gp、5sp、8cp
鎧 スタデッド・レザー;武器 ダガー、スリングとスリング・ブリット20個
装備品 探検家用具一式、錬金術師道具、作成指南書基礎編、まきびし2組、鞘
追加の選択肢 修理用具(2gp)
ウィザード用具 Wizard
市価 3gp;バルク 2バルク、2軽;残金 12gp
武器 スタッフ
装備品 探検家用具一式、物質構成要素ポーチ、筆記用具一式
追加の選択肢 クロスボウとボルト20本(3gp、2sp)
クレリック用具 Cleric
市価 2gp、2sp;バルク 1バルク、3軽;残金 12gp、8sp
装備品 探検家用具一式、まきびし2組、宗教印(木製)
追加の選択肢 神格の好む武器(神格の項を参照;記載された市価を用いること)、ハイド・アーマー(2gp)
ソーサラー用具 Sorcerer
市価 2gp、3sp、2cp;バルク 1バルク、6軽;残金 12gp、6sp、8cp
武器 ダガー、スリングとスリング・ブリット20個
装備品 探検家用具一式、まきびし2組
チャンピオン用具 Champion
市価 4gp、7sp;バルク 3バルク、7軽;残金 10gp、3sp
鎧 ハイド・アーマー;武器 ダガー、ジャヴェリン4本
装備品 探検家用具一式、かなてこ、ひっかけ鉤
追加の選択肢 神格の好む武器(記載された市価を用いること)、鋼鉄製シールド(2gp)
ドルイド用具 Druid
市価 4gp、4sp;バルク 4バルク、4軽;残金 10gp、6sp
鎧 レザー・アーマー;武器 ジャヴェリン4本、ロングスピア
装備品 探検家用具一式、ヒイラギとヤドリギ
追加の選択肢 治療道具(5gp)
バード用具 Bard
市価 7gp、5sp、2cp;バルク 4バルク、4軽;残金 7gp、4sp、8cp
鎧 スタデッド・レザー・アーマー;武器 ダガー、レイピア、スリングとスリング・ブリット20個
装備品 探検家用具一式、手持ち式の楽器
バーバリアン用具 Barbarian
市価 4gp;バルク 3バルク、5軽;残金 11gp
鎧 ハイド・アーマー;武器 ジャヴェリン4本
装備品 探検家用具一式、ひっかけ鉤
追加の選択肢 グレートアックス(2gp)、グレートクラブ(1gp)、グレートソード(2gp)、バトル・アックスと鋼鉄製シールド(3gp)の組み合わせ
ファイター用具 Fighter
市価 3gp、8sp;バルク 3バルク、2軽;残金 11gp、2sp
鎧 ハイド・アーマー;武器 ダガー
装備品 探検家用具一式、ひっかけ鉤
追加の選択肢 グレートソード(2gp)、ロングボウとアロー20本(6gp、2sp)、ロングソードと鋼鉄製シールド(3gp)の組み合わせ
モンク用具 Monk
市価 5gp、3sp;バルク 3バルク、2軽;残金 9gp、7sp
武器 ロングスピア、スタッフ
装備品 探検家用具一式、登攀用具、ひっかけ鉤、発煙棒(下級)
追加の選択肢 スタッフ(0sp)、ロングスピア(5sp)
レンジャー用具 Ranger
市価 3gp、7sp;バルク 2バルク、1軽;残金 11gp、3sp
鎧 レザー・アーマー;武器 ダガー
装備品 探検家用具一式
追加の選択肢 ロングボウとアロー20本(6gp、2sp)、ロングソードと鋼鉄製シールド(3gp)、ショートソード2本(1gp、8sp)、輪縄用具(5gp)の組み合わせ
ローグ用具 Rogue
市価 6gp、2sp;バルク 4バルク、1軽;残金 8gp、8sp
鎧 レザー・アーマー;武器 ダガー、レイピア
装備品 探検家用具一式、登攀用具
追加の選択肢 盗賊道具(3gp)
錬金術装備 Alchemical Gear
表6-11に示したアイテムは、1レベルのキャラクターが入手しうる、最も一般的な錬金術アイテムである。以下の説明文は短い概要である。各アイテムの完全な情報は表に示したページに掲載されている。GMは状況に応じて他の錬金術アイテムを持ってゲームを開始することを許可することもある。
表6-11:錬金術装備
錬金術爆弾 | 市価 | バルク |
---|---|---|
足留め袋(下級) | 3gp | 軽 |
氷液(下級) | 3gp | 軽 |
酸の瓶(下級) | 3gp | 軽 |
瓶詰め稲妻(下級) | 3gp | 軽 |
雷石(下級) | 3gp | 軽 |
錬金術師の火(下級) | 3gp | 軽 |
霊薬 | 市価 | バルク |
生命の霊薬(最下級) | 3gp | 軽 |
耐毒剤(下級) | 3gp | 軽 |
耐病剤(下級) | 3gp | 軽 |
錬金術道具 | 市価 | バルク |
発煙棒(下級) | 3gp | 軽 |
火おこし棒(10) | 2sp | ― |
陽光棒 | 3gp | 軽 |
錬金術爆弾 Alchemical Bombs
錬金術爆弾はダメージを与えたり特殊な効果をもたらしたりする消耗品の武器で、時に飛散ダメージを与える。詳細は錬金術爆弾の項を参照。
足留め袋(下級)/Lesser Tanglefoot Bag:この錬金術爆弾は1分の間目標の移動速度に-10フィートの状態ペナルティを与え、クリティカル・ヒットしたなら目標が“脱出”するまで動けない状態にする。
氷液(下級):この錬金術爆弾は1d6の[氷雪]ダメージと1の[氷雪]飛散ダメージを与え、目標の次のターンの終了時まで、目標の移動速度に-5フィートの状態ペナルティを与える。
酸の瓶(下級)/Lesser Acid Flask:この錬金術爆弾は1の[強酸]ダメージ、1d6の持続[強酸]ダメージ、1の[強酸]飛散ダメージを与える。
瓶詰め稲妻(下級):この錬金術爆弾は1d6の[雷撃]ダメージと1の[雷撃]飛散ダメージを与え、目標を立ちすくみ状態にする。
雷石(下級)/Lesser Thunderstone:この錬金術爆弾は1d4の[音波]ダメージと1の[音波]飛散ダメージを与え、10フィート以内にいる全てのクリーチャーはDC17の頑健セーヴを行わねばならず、失敗するとそのクリーチャーの次のターンの終了時まで聴覚喪失状態となる。
錬金術師の火(下級)/Lesser Alchemist's Fire:この錬金術爆弾は1d8の[火炎]ダメージ、1の持続[火炎]ダメージ、1の[火炎]飛散ダメージを与える。
霊薬 Elixirs
霊薬は飲むことで様々な珍しい効果を得られる錬金術アイテムだ。詳細は霊薬の項を参照のこと。
生命の霊薬(最下級)/Lesser Elixir of Life:生命の霊薬(下級)を飲むと、ヒット・ポイントを1d6回復し、10分間病気と毒に対するセーヴィング・スローに+1のアイテム・ボーナスを得る。
耐毒剤(下級)/Lesser Antidote:耐毒剤(下級)を飲むと、6時間の間毒に対する頑健セーヴに+2のアイテム・ボーナスを得る。
耐病剤(下級)/Lesser Antiplague:耐病剤(下級)を飲むと、24時間の間病気に対する頑健セーヴに+2のアイテム・ボーナスを得る。このボーナスは病気の進行に対するセーヴに対しても得られる。
錬金術道具 Alchemical Tools
錬金術道具は飲んだり投げたりする以外の方法で使用する種別の錬金術アイテムを指す。詳細は錬金術道具の項を参照のこと。
発煙棒/Smokestick:使用すると1分間、半径5フィートの煙幕を発生させる。
火おこし棒/Tindertwig:火おこし棒を使用することで、1回の“扱う”アクションで可燃物に着火できる。これは火打ち石と打ち金を使用するよりも素早い。
陽光棒/Sunrod:“扱う”アクションで陽光棒を固い面に打ちつけると、陽光棒は6時間の間、半径20フィートの範囲に明るい光を、次の20フィートに薄暗い光を放つ。
魔法の装備品 Magical Gear
表6-12に掲載されたアイテムは、魔法のアイテムの中でも1レベルのキャラクターが頻繁に使用するであろうものだ。以下に示す説明文は簡単な要約である。GMは状況に応じて、他の魔法のアイテムを所持してゲームを開始することを認めるかもしれない。
表6-12:魔法の装備品 Magical Gear
消耗品の魔法のアイテム | 市価 | バルク |
---|---|---|
アンホーリィ・ウォーター | 3gp | 軽 |
ホーリィ・ウォーター | 3gp | 軽 |
ポーション | 市価 | バルク |
マイナー・ヒーリング・ポーション | 4gp | 軽 |
巻物 | 市価 | バルク |
1レベルのコモン呪文の巻物 | 4gp | 軽 |
魔除け | 市価 | バルク |
ポテンシィ・クリスタル | 4gp | ― |
消耗品の魔法のアイテム Consumable Magic Items
通常、居住区ではホーリィ・ウォーターとアンホーリィ・ウォーターを購入できる。善の居住区ではアンホーリィ・ウォーターを、悪の居住区ではホーリィ・ウォーターを禁止することが多い。
アンホーリィ・ウォーター/Unholy Water:邪水を爆弾のように投擲することで、セレスチャルや[悪]ダメージに弱いクリーチャーに1d6の[悪]ダメージと1の[悪]飛散ダメージを与える。
ホーリィ・ウォーター/Holy Water:聖水を爆弾のように投擲することで、フィーンド、アンデッド、その他[善]ダメージに弱いクリーチャーに1d6の[善]ダメージと1の[善]飛散ダメージを与える。
ポーション Potions
ポーションは飲むと様々な利益を与える魔法のアイテムである。詳細はポーションの項を参照のこと。
マイナー・ヒーリング・ポーション/Minor Healing Potion:マイナー・ヒーリング・ポーションを飲むと、ヒット・ポイントを1d8回復する。
巻物 Scrolls
巻物は必要な魔力を保持した魔法の文書のことで、呪文スロットを使用することなく特定の呪文を発動することができる。
表に示した市価は、1レベルのコモン呪文の巻物のものだ。さらなる詳細は巻物の項を参照のこと。
魔除け Talismans
魔除けは鎧や武器、その他のどこかに貼付する特別な使い捨てのアイテムで、後で発動させて特別な効果を得ることができる。さらなる詳細は魔除けの項を参照のこと。
ポテンシィ・クリスタル/Potency Crystal:武器に貼付して起動すると、ポテンシィ・クリスタルはそのターンの間武器に力を与え、攻撃ロールに+1のアイテム・ボーナスと2つ目の武器ダメージ・ダイスを与える。
処方 Formulas
処方は“作成”連続行動でアイテムを作るための説明書だ。通常、書かれた言語を読めるなら処方を読み解けるが、そのアイテムを“作成”する技能が不足していることもある。アルケミストや製作者組合は、同業者から処方を守るために、しばしば不明瞭な言語を使用したり、暗号を作ったりする。
コモンの処方は表6-13の市価で購入できる。また、NPCを雇って同じ市価でその処方書から処方を移させてもらうことができる。購入した処方は、通常、軽バルクの丸めた羊皮紙に書かれた図解である。図解から、あるいは他人の処方書から直接自分の処方書に書き写すには、1時間を費やす必要がある。処方があれば、〈製作〉技能を用いて書かれたものを“作成”できる。アンコモンあるいはレアのアイテムの処方は一般により価値がある――もし、見つけることができればの話だが。
アイテムを持っているなら、その処方を解析しようと試みることができる。これには“作成”連続行動を使用し、処方からアイテムを作成するのと同じ時間がかかる。まず、アイテムを分解する必要がある。基本的な余暇の後、君はそのアイテムを“作成”するのに必要なものと同じDCに対して〈製作〉判定を試みる。成功したなら、処方をその市価と同じ価格で“作成”し、通常通り市価を下げるために作業を続けることができる。失敗した場合、原材料が残され、処方は得られない。大失敗の場合、通常なら回収できるはずの原料の10%を無駄にしてしまう。
分解されたアイテムのパーツは、そのアイテムの市価の半分の原材料に相当し、処方の解析に成功するか、他の方法で処方を入手しない限り、再び組み上げることはできない。分解されたパーツは、必要な原材料として使用される。
表6-13:処方 Formulas
アイテム・レベル | 処方の市価 |
---|---|
0* | 5sp |
1 | 1gp |
2 | 2gp |
3 | 3gp |
4 | 5gp |
5 | 8gp |
6 | 13gp |
7 | 18gp |
8 | 25gp |
9 | 35gp |
10 | 50gp |
11 | 70gp |
12 | 100gp |
13 | 150gp |
14 | 225gp |
15 | 325gp |
16 | 500gp |
17 | 750gp |
18 | 1,200gp |
19 | 2,000gp |
20 | 3,500gp |
* 0レベルのコモンアイテムの処方は、作成指南書基礎編でまとめて購入できる。
複数の種別があるアイテム Items with Multiple Types
アイテムに異なるレベルの複数の種別がある場合、それぞれの種別が独自の処方を持ち、“作成”したいアイテムの特定の種別の処方が必要になる。例えば、バッグ・オヴ・ホールディングのタイプIの処方を持っているがバッグ・オヴ・ホールディングのタイプIIの処方は持っていない場合、バッグ・オヴ・ホールディングのタイプIIの“作成”には別の処方を入手する必要がある。
サービス Services
表6-14にまとめたサービスはコモンなサービスや消耗品に対する支出を表している。
表6-14:基礎的なサービスと消耗品 Basic Services and Consumables
アイテム | 市価 | バルク | 手 |
---|---|---|---|
飲料 | |||
エール(ジョッキ1杯) | 1cp | 軽 | 1 |
エール(小樽あたり) | 2sp | 2 | 2 |
コーヒーまたは紅茶(ポットあたり) | 2cp | 軽 | 1 |
ワイン(瓶) | 1sp | 軽 | 1 |
高級ワイン(瓶) | 1gp | 軽 | 1 |
雇い人(1日) | |||
未熟 | 1sp | ||
熟練者 | 5sp | ||
宿泊(1日) | |||
部屋のみ | 3cp | ||
ベッド(1人用) | 1sp | ||
個室(2人用) | 8sp | ||
豪華客室(6人用) | 10gp | ||
食事 | |||
貧相な食事 | 1cp | 軽 | 2 |
十分な食事 | 3cp | 軽 | 2 |
素晴らしい夕食 | 1gp | 軽 | 2 |
馬屋(1泊) | 2cp | ||
通行料 | 1cp以上 | ||
移動手段(5マイルあたり) | |||
幌馬車 | 3cp | ||
四輪馬車 | 2sp | ||
渡し船もしくは川船 | 4cp | ||
帆船 | 6cp |
雇い人 Hirelings
仕事をしてもらうために労働者を雇うことができる。未熟な雇い人は簡単な手作業ができる程度で、ほとんどの技能を未習得である。熟練者の雇い人は特定の技能1つに熟練の習熟を持つ。雇い人はレベル0である。技能判定が必要な場合、未熟な雇い人は±0の修正値を持つが、熟練者の雇い人はその専門領域においては+4、それ以外の技能判定には±0の修正値を持つ。君とともに冒険に出かける場合、雇い人の費用を2倍にすること。
移動手段 Transportation
移動手段を雇う料金には、快適ではない標準的な移動が含まれている。ほとんどの移動手段は基本的な寝具を提供し、表6-14に記載されている料金で食事を提供するものもある。危険な土地への移動の手配は、より費用がかかる場合もあれば不可能なこともある。
呪文発動サービス spellcasting
表6-15に掲載された呪文発動サービスはアンコモンである。
呪文を発動してもらうには、その呪文を知っていて発動に同意する術者を探す必要がある。レベルの高い呪文を発動できる人物を探すのは難しく、アンコモンの呪文ならば費用は最低でも100%追加される。また、発動に1分以上時間のかかる呪文なら、通常、費用は25%以上高くなる。表に書かれた市価に加えて、呪文に記載されている費用を支払わなければならない。
表6-15:呪文発動サービス Spellcasting
呪文レベル | 市価* |
---|---|
1 | 3gp |
2 | 7gp |
3 | 18gp |
4 | 40gp |
5 | 80gp |
6 | 160gp |
7 | 360gp |
8 | 720gp |
9 | 1,800gp |
* 特定の呪文を発動する際に必要なコストが追加で必要となる。
生活費 Cost of Living
表6-16には生活するのに必要な費用を示している。これは部屋代、会費、税金、その他の費用が含まれている。
表6-16:生活費 Cost of Living
生活の程度 | 週毎 | 月毎 | 年毎 |
---|---|---|---|
最低限* | 4sp | 2gp | 24gp |
快適 | 1gp | 4gp | 52gp |
申し分ない | 30gp | 130gp | 1,600gp |
豪奢 | 100gp | 430gp | 5,200gp |
動物 Animals
動物の市価には、賃借市価と購入市価の両方が記載されている。賃借料は通常前払いで、動物が危険にさらされる可能性があると業者が判断した場合、購入市価と同額の補償金を要求されることが多い。ほとんどの動物は戦闘中にパニックに陥る。戦闘が始まると、これらは恐れ状態4になり、恐れ状態である限り逃亡状態となる。〈自然〉を用いて“動物に命令する”に成功すればその動物の逃亡状態を解除できるが、恐れ状態を解除することはできない。その動物が攻撃されたりダメージを受けたりすると、同様の例外を除いて恐れ状態4かつ逃亡状態となる。
表6-17:動物 Animals
動物 | 賃借市価(1日あたり)&sup{*} | 購入市価 |
---|---|---|
犬 | ||
番犬 | 1cp | 2sp |
ライディング・ドッグ | 6cp | 4gp |
馬 | ||
ライディング・ホース | 1sp | 8gp |
ウォーホース | 1gp | 30gp(レベル2) |
荷獣 | 2cp | 2gp |
ポニー | ||
ライディング・ポニー | 8cp | 7gp |
ウォーポニー | 8sp | 24gp(レベル2) |
* 購入時の市価と同額の保証金を要求されることがある。
バーディング Barding
バーディングと呼ばれる、動物用の特別な鎧(表6-18に示す)を購入できる。すべての動物は軽装バーディングに修得の習熟ランクを持ち、戦闘訓練を受けた動物は重装バーディングの修得でもある。バーディングは鎧と同じルールを用いるが、以下の点が異なる。バーディングの市価とバルクは動物のサイズに従って決まる。鎧とは異なり、【筋力】項は能力値ではなく修正値で示されている。バーディングは魔法のルーンを彫刻出来ないが、特別な魔法のバーディングは存在しうる。
表6-18:バーディング Barding
軽装バーディング | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | バルク | 【筋力】 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
小型または中型 | 10gp | +1 | +5 | -1 | -5フィート | 2 | +3 |
大型 | 20gp | +1 | +5 | -1 | -5フィート | 4 | +3 |
重装バーディング | 市価 | ACボーナス | 【敏】上限 | 判定ペナルティ | 移動速度ペナルティ | バルク | 【筋力】 |
小型または中型(2レベル) | 25gp | +3 | +3 | -3 | -10フィート | 4 | +5 |
大型(3レベル) | 50gp | +3 | +3 | -3 | -10フィート | 8 | +5 |
アイテムとサイズ Items and Sizes
バルクのルールは小型あるいは中型のクリーチャー向けであり、アイテムはこれらのクリーチャー用に作られている。表6-19に示すように、大型のクリーチャーはより多くのものを運搬できるが、より小型のクリーチャーはわずかしか運搬できない。
これらのバルク制限のルールは、グループが乗騎や動物の相棒に荷物を運ばせようとするときにしばしば発生する。異なるサイズのアイテム用のルールは、キャラクターが装備品を持つ大きなクリーチャーを倒したときにも直面するだろう。小型でも中型でもないクリーチャーは、ほとんどの場合GMの制御下にあるからだ。ほとんどの場合、小型あるいは中型のクリーチャーは大型用の武器を装備できるが、扱いにくいのでよたつき状態1を受けてしまう。また、大きなサイズは武器を扱う難しさで相殺され、特別な利益は得られない。大型用の鎧は、単に小型あるいは中型のクリーチャーには大きすぎる。
異なるサイズへのバルクの変換 Bulk Conversions for Different Sizes
表6-19に示すように、大型あるいはそれより大きいクリーチャーは、小型あるいは中型のクリーチャーよりもかさばるアイテムに邪魔されにくく、超小型のクリーチャーはすぐに負担を感じるようになる。大型のクリーチャーは1バルクのアイテム10個を1バルクとして、超大型のクリーチャーは2バルクのアイテム10個を1バルクとして扱う、というようになる。超小型のクリーチャーはバルクなしのアイテム10個を1バルクとして扱う。バルクなしのアイテムも同様に扱われる――超大型のクリーチャーは1バルクのアイテムをバルクなしとして扱う。そのため、超大型のクリーチャーは1バルクのアイテムをいくつでも運搬できる。超小型のクリーチャーはどのアイテムもバルクなしのアイテムとしては扱わない。
表6-19:バルクの変換 Bulk Conversions
クリーチャーのサイズ | バルク上限 | 軽バルク | バルクなし |
---|---|---|---|
超小型 | 半分 | ― | なし |
小型もしくは中型 | 標準 | 軽 | ― |
大型 | ×2 | 1バルク | 軽 |
超大型 | ×4 | 2バルク | 1バルク |
巨大 | ×8 | 4バルク | 2バルク |
異なるサイズ用のアイテム Items of Different Sizes
小型あるいは中型以外のサイズのクリーチャーには、そのサイズに合ったアイテムが必要だ。これらのアイテムは異なるバルクを持ち、市価が違うこともある。表6-20にこれらのアイテムの市価とバルクの変換式を示す。
表6-20:異なるサイズ向けのアイテム Differently Sized Items
クリーチャーのサイズ | 市価 | バルク | 軽バルク | バルクなし |
---|---|---|---|---|
超小型 | 標準 | 半分* | ― | ― |
小型もしくは中型 | 標準 | 標準 | 軽 | ― |
大型 | ×2 | ×2 | 1バルク | 軽 |
超大型 | ×4 | ×4 | 2バルク | 1バルク |
巨大 | ×8 | ×8 | 4バルク | 2バルク |
* この結果1バルクを下回る場合、軽バルクになる。
例えば、中型クリーチャー用のモーニングスターは市価1gpで1バルクである。そのため、超大型クリーチャー用に作られたモーニングスターは市価4gpで4バルクとなる。超小型クリーチャー用に作られたモーニングスターの市価は(その複雑さのために)1gpのまま、1/2バルクとなって切捨てられて軽バルクとなる。
バルクの扱いと装備のバルクの大きさは同じなので、超小型や大型(及びそれより大きい)クリーチャーも、適切なサイズの装備品を中型クリーチャーとおおよそ同じ量だけ装備し運搬できる。
ありふれたアイテムの8倍以上の市価を持つ高レベルの魔法のアイテムは、サイズに関わらず記載された市価を用いる。ただし、貴重な素材はアイテムのバルクによって市価が決定されるため、表6-20に書かれた倍率をバルク値に乗算し、貴重な素材の項目にある計算式を用いて市価を算出すること。