ルールの調整 Adjudicating Rules
出典 Gamemastery Guide 28ページ
ゲーム・マスターである君にはルールの裁定が課せられる。これは、特にルールの適用が不明瞭な場合に、ルールに関する判断や裁定を下すことを意味する。ロールプレイング・ゲームは創造性を刺激するものであり、どんなによく練られ、よくテストされた一連のルールであっても、プレイヤーは常にGMの解釈や判断を必要とする状況を見出すものだ。
ゲーム・マスターである君にはルールの裁定が課せられる。これは、特にルールの適用が不明瞭な場合に、ルールに関する判断や裁定を下すことを意味する。ロールプレイング・ゲームは創造性を刺激するものであり、どんなによく練られ、よくテストされた一連のルールであっても、プレイヤーは常にGMの解釈や判断を必要とする状況を見出すものだ。
ゲームを円滑に運営するためには、ルールをある程度熟知している必要がある。しかし、必ずしもルールの第一人者である必要はない。優れたGMになるためには、自分の卓のルールについて最もよく知っている必要もないのだ。ルールを「知る」ことと、ルールを「裁定する」ことの間には重要な違いがある。
GMは迅速かつ公平で、一貫した裁定を下すよう努めよう。君の裁定は、君のグループが協力してルールを解釈し、キャラクターの決定や行動で創造性を発揮することを促すものであるべきだ。もしも君のグループがその解釈に納得できたならば、君は正しい裁定を下したということになる。
基本原則 Core Principles
出典 Gamemastery Guide 28ページ
次に示す事柄は、最も重要なことである。
次に示す事柄は、最も重要なことである。
- ルールの基本を覚えておく。
- 過去の裁定に一貫性を持たせる。
- 特定のルールを覚えていなくても心配は要らない。調べればよいだけだ!
- 他のプレイヤーたちの意見に耳を傾ける。
- 重要な決断を下してプレイを進行させる。
- 必要であれば、セッションが終わった後に自分の決定を見直す。
基礎 The Basics
出典 Gamemastery Guide 28ページ
まず、Core Rulebookの491ページにある基本的な指針に目を通し、迅速かつ公平な裁定を下すのに役立つ基本原則を確認することから始めよう。遭遇、探索、余暇に関連するルールや、Core Rulebookの第10章:ゲーム・マスターに記されている、プレイ・モード毎の運営に関する項目にも精通しておくべきだろう。
まず、Core Rulebookの491ページにある基本的な指針に目を通し、迅速かつ公平な裁定を下すのに役立つ基本原則を確認することから始めよう。遭遇、探索、余暇に関連するルールや、Core Rulebookの第10章:ゲーム・マスターに記されている、プレイ・モード毎の運営に関する項目にも精通しておくべきだろう。
一貫性と公平性 Consistency and Fairness
出典 Gamemastery Guide 28ページ
ルールの裁定者として、また行動の場を取り仕切る者として、常に公平であると見えることが最善の利益となる。不公平に思われないための最大の対策は、裁定に一貫性を持たせることだ。
ルールの裁定者として、また行動の場を取り仕切る者として、常に公平であると見えることが最善の利益となる。不公平に思われないための最大の対策は、裁定に一貫性を持たせることだ。
一貫性を持たせるには、裁定を下す際に過去の裁定と比べて理由を説明し、プレイヤーに納得してもらえるようにするのが簡単だろう。例を示そう。「以前にトーベンがシャンデリアからぶら下がってエア・エレメンタルを攻撃した際に、アクションの一部として〈運動〉判定を要求し、攻撃ロールに+1の状況ボーナスを与えた。今回のロープの吊り橋からぶら下がってジャイアント・バットを攻撃するのも同じような状況だから、〈運動〉判定をロールしてみようか」裁定を下す場面に該当する場合にはこのように説明を行うのがよいが、全く新しい裁定を下す場合は無理に行う必要はない。プレイを続ける過程でこれまでに行った裁定は、君とグループの間で共有された好みや理解、あるいは正式なハウス・ルールとして定着することもあるだろう。時間を重ねれば、プレイヤーたちはそれまでの事例を参考にしながら行動を計画するようになり、プレイ中の一貫性を高めることができるようになるはずだ。
ルールの参照 Looking Up Rules
出典 Gamemastery Guide 28ページ
セッション中にルールを参照することは全く問題ない。そして、君はそれを一人で行う必要はない。君が本に目を通したり、デジタル・データの資料を検索する最中には、君のプレイヤーたちは待ちの状態となる。このような時間をプレイヤーにとってより好ましいものにするための手法を少し紹介しよう。君が何かを調べていることを伝えることで、一部のプレイヤーたちもルールを読むようになるかもしれない。そうすることで、共同作業が行える可能性が高まり、休止時間の長さが短縮される期待も高まるだろう。また、「ちょっと時間をとってルールを確認するよ」ということをプレイヤーたちに伝えることで、飲物の補充など卓の外での用事を済ませるのに丁度良い時間であることを皆に知らせられる。
セッション中にルールを参照することは全く問題ない。そして、君はそれを一人で行う必要はない。君が本に目を通したり、デジタル・データの資料を検索する最中には、君のプレイヤーたちは待ちの状態となる。このような時間をプレイヤーにとってより好ましいものにするための手法を少し紹介しよう。君が何かを調べていることを伝えることで、一部のプレイヤーたちもルールを読むようになるかもしれない。そうすることで、共同作業が行える可能性が高まり、休止時間の長さが短縮される期待も高まるだろう。また、「ちょっと時間をとってルールを確認するよ」ということをプレイヤーたちに伝えることで、飲物の補充など卓の外での用事を済ませるのに丁度良い時間であることを皆に知らせられる。
プレイヤーたちに耳を傾ける Listen to the Players
出典 Gamemastery Guide 28ページ
君と共にゲームの卓を囲む仲間たちは、迅速かつ公平で一貫性のある裁定を実現するための最良の手段と言えるだろう。ルールを覚えるという作業を共有することで、ルールに関する議論は闘争的ではなく協調的になる。記載されたルールや君自身の過去の裁定を正確かつ包括的に思い起こせる可能性が高まる上に、パスファインダーの共に物語を紡ぐ精神に当てはまる。
君と共にゲームの卓を囲む仲間たちは、迅速かつ公平で一貫性のある裁定を実現するための最良の手段と言えるだろう。ルールを覚えるという作業を共有することで、ルールに関する議論は闘争的ではなく協調的になる。記載されたルールや君自身の過去の裁定を正確かつ包括的に思い起こせる可能性が高まる上に、パスファインダーの共に物語を紡ぐ精神に当てはまる。
特定のルールの使い方を知っている人がいるかどうかを尋ねることは、ルールの習得に時間を費やしたプレイヤーたちに報いることになり、より多くの人を議論に参加させることになる。これは、裁定を下す前に意見を聞こうという意思を他のプレイヤーたちに向けて示すことになり、より協力的な環境を構築するものとなる。さらに、多くのソースブックやルールの出典を利用できるグループである場合、複数のプレイヤーたちに別々のソースを調べてもらうこともできる。これにより、グループの裁定を下すスピードと正確性を大幅に向上させられる。
ルールをグループの問題として捉えるということは、ルールに関するプレイヤーの懸念を決して矮小化すべきではないということでもある。また、各プレイヤーのことを考慮し、ルールが各プレイヤーにとって実際にどの程度重要であるかを評価する必要がある。しかし、ルールの確認はグループの課題であるが、ルールの解釈に関する最終的な決定とセッションの再開は君に委ねられていることを忘れてはならない。
重要な決断 Make the Call
出典 Gamemastery Guide 29ページ
上記はすべて良い裁定を下すための素晴らしい方法であるが、多くの場合、最良の裁定はゲームを動かし続けることだ。どのような裁定を下すかを決定するのに数分を要する様な泥沼にはまらないように注意して欲しい。近いものを選んでプレイを続けるようにしよう。必要であれば、「今はこうやってプレイしているけど、セッションの間にもう少し議論してもいいかもね」とグループに伝えてもよい。こうすることで君はプレイの進行に戻り、これがその場における君の決定であるという事実を明確に印象付けて、後で裁定について意見を述べる許可をプレイヤーに与えることができるのだ。疑問がある場合にはプレイヤーの要求を支持する裁定を下し、後で状況を見直そう。
上記はすべて良い裁定を下すための素晴らしい方法であるが、多くの場合、最良の裁定はゲームを動かし続けることだ。どのような裁定を下すかを決定するのに数分を要する様な泥沼にはまらないように注意して欲しい。近いものを選んでプレイを続けるようにしよう。必要であれば、「今はこうやってプレイしているけど、セッションの間にもう少し議論してもいいかもね」とグループに伝えてもよい。こうすることで君はプレイの進行に戻り、これがその場における君の決定であるという事実を明確に印象付けて、後で裁定について意見を述べる許可をプレイヤーに与えることができるのだ。疑問がある場合にはプレイヤーの要求を支持する裁定を下し、後で状況を見直そう。
生死を分けるような状況やキャラクターの物語に大きな影響を与えるような場合は、話を深く掘り下げる前に、グループで束の間の休息を挟むには最適な頃合だろう。
振り返りの時間 Take Time for Review
出典 Gamemastery Guide 29ページ
判断に迷った時は、セッションの終わりや合間に振り返ってみよう。考えが変わるかもしれないが、それはそれで問題ないのだ! 最初の裁定を変更したり明確にする場合は、次のセッションの前にプレイヤーたちに知らせよう。誰もルールの変更に驚きたいとは思わないだろう。セッション中に行う場合と同様に、ルールについて話し合う機会を持てれば尚のこと良いだろう。ルールについてプレイヤーたちと話し合うことに関する指針は、セッションの合間にも適用される。卓内でのルールの議論とは異なり、セッションの合間であれば、既存の公式の裁定や情報源を読む時間がより多くある。
判断に迷った時は、セッションの終わりや合間に振り返ってみよう。考えが変わるかもしれないが、それはそれで問題ないのだ! 最初の裁定を変更したり明確にする場合は、次のセッションの前にプレイヤーたちに知らせよう。誰もルールの変更に驚きたいとは思わないだろう。セッション中に行う場合と同様に、ルールについて話し合う機会を持てれば尚のこと良いだろう。ルールについてプレイヤーたちと話し合うことに関する指針は、セッションの合間にも適用される。卓内でのルールの議論とは異なり、セッションの合間であれば、既存の公式の裁定や情報源を読む時間がより多くある。
最初から否定しない Saying "Yes、But"
出典 Gamemastery Guide 29ページ
最も記憶に残る瞬間の幾つかは、プレイヤーが環境を利用して何か創造的なことをしたいと考えた時など、本質的なルールの解釈を必要とする場面から生まれる。このような状況の種類は、プレイヤーたちの想像力によってのみ制限される。通常は否定するよりも、合理的な範囲で認める方が良い。例えば、スパイダーを掴んで絞り、強制的に蜘蛛の糸による攻撃をさせたいと、合理的かどうか微妙なことを希望するプレイヤーを想像して欲しい。しかし、火の呪文を使って油の入った樽にわざと火をつけようとするプレイヤーはどうだろう? きっと、何らかの効果があるはずだ!
最も記憶に残る瞬間の幾つかは、プレイヤーが環境を利用して何か創造的なことをしたいと考えた時など、本質的なルールの解釈を必要とする場面から生まれる。このような状況の種類は、プレイヤーたちの想像力によってのみ制限される。通常は否定するよりも、合理的な範囲で認める方が良い。例えば、スパイダーを掴んで絞り、強制的に蜘蛛の糸による攻撃をさせたいと、合理的かどうか微妙なことを希望するプレイヤーを想像して欲しい。しかし、火の呪文を使って油の入った樽にわざと火をつけようとするプレイヤーはどうだろう? きっと、何らかの効果があるはずだ!
また、一般的な対応の手法である「イエス・アンド法」の変形として、「イエス・バット法」を用いることもできる。「イエス・バット法」ではプレイヤーの創造的な発想を受け入れるが、何らかの追加的な結果を介して世界とゲームのルールに結びつけ、追加ロールという不確実性を潜在的に追加する。
ここでは、この手法を用いるための簡単な方法をいくつか紹介しよう。これらの例のほとんどはアクションを必要とするか、他のアクションの一部である。
- ロールなしで一時的な利益を得る。例:燃え盛る火鉢に剣を刺し入れ、次のトロルに対する攻撃で1の[火炎]ダメージを追加する。
- 判定を要求し、その後のPCの行動に状況ボーナスを適用する。例:敵の頭上にあるシャンデリアからぶら下がる。
- 判定を要求し、敵に状況ペナルティや状態を適用する。例:モンスターの頭上に樽を投げる。
- 攻撃ロールや技能判定を必要とし、軽度のダメージを与え、別の利益を得る。例:高い場所から敵の上に飛び降り、少量のダメージを与えて敵を伏せ状態にする。
- 物体に対する直接攻撃を要求し、対象となった物体の効果に対して、君が指定するDCでセーヴィング・スローを試みることを敵に許可する。例:爆薬の入った樽に{プロデュース・フレイム呪文を発動する。
ゲームに与える影響に確信が持てない場合、「イエス・バット法」を適用させるために使える、もう一つの強力な手段がある。それは、その発想を使えるのは一度限りとし、プレイヤーたちにそれが君の判断であることを知らせよう。例えば、PCたちがスパイダーを掴んで蜘蛛の糸を他の敵に向けて放つという試みは非常に愉快であるため、やらせてみようと思うかもしれない。反面、その効果が強力過ぎて、PCがスパイダーを持ち歩き、キャンペーン中ずっと蜘蛛の糸を放ち続ける様になってしまうのではないかと心配になるだろう。これを一回限りの効果とすることで、楽しみながらも後々まで続く破壊的な前例を作ってしまわないか心配する必要はなくなる。
ハウス・ルール House Rules
出典 Gamemastery Guide 29ページ
君とプレイヤーたちは、どうしても納得できないルールや、ゲームの主題に反するルールに出くわすことがあるだろう。また、ルールに書かれていない部分に特定のルールを追加することもあるかもしれない。この様なルールや変更、追加を総称してハウス・ルールと呼ぶ。ハウス・ルールはグループ内で簡単に参照できる場所や、新たにプレイヤーになる可能性のある人が見つけることができる場所に記録しておくとよいだろう。このような記録の管理は、プレイヤーに委ねるのがよいだろう。
君とプレイヤーたちは、どうしても納得できないルールや、ゲームの主題に反するルールに出くわすことがあるだろう。また、ルールに書かれていない部分に特定のルールを追加することもあるかもしれない。この様なルールや変更、追加を総称してハウス・ルールと呼ぶ。ハウス・ルールはグループ内で簡単に参照できる場所や、新たにプレイヤーになる可能性のある人が見つけることができる場所に記録しておくとよいだろう。このような記録の管理は、プレイヤーに委ねるのがよいだろう。
このような状況での最も適した大まかな方向性は、文書化されたルールを変更するのは慎重に、問題のある裁定やハウス・ルールを元に戻すのは迅速に行うことだ。その理由は明快で、書かれたルールを守ることこそが、公平で一貫したルールを維持する最も簡単な方法だからだ。しかし、グループのプレイ様式を知るに連れて、君とグループがハウス・ルールなどを制定することが正しいと感じることが多くなるだろう。まずは第4章の選択ルールに目を通してみて欲しい。