はじめに Introduction
パスファインダーは、友人たちと共に、恐ろしいモンスターや素晴らしい財宝に満ちた世界で、勇敢な英雄や狡猾な悪党たちが織り成す物語を語るファンタジー世界の卓上ロールプレイング・ゲーム(RPG)だ。それよりも重要なのは、パスファインダーはキャラクターの選択が物語の展開を左右するゲームだということだろう。
パスファインダーの冒険の舞台は強大な帝国や多くの都市国家、無数の墓所、地下迷宮、財宝がひしめき合う危険なファンタジー世界、「失われた神託の時代」である。パスファインダーの中で、キャラクターは忘れ去られた水中の遺跡や悪霊に憑りつかれた古い墓所、それとも密林の都市にある魔法の大学で冒険を繰り広げるかもしれない。果てしない冒険の世界が待ち受けている!
ロール・プレイング・ゲームってなに? What is a Roleplaying Game?
ロールプレイング・ゲームとは、ゲームマスター(GM)である一人のプレイヤーが場面を設定して課題を提示し、他のプレイヤーたちがプレイヤー・キャラクター(PC)となって、その課題を乗り越えようとする対話で紡ぐ物語だ。パスファインダーではモンスターや巧妙な罠、敵対組織の手先の策略などといった形で危険が迫って来る。そして、政治的な陰謀や謎解き、人間関係のドラマ、他にも様々な出来事が待ち受けている。
このゲームは通常、4人から7人のプレイヤーで構成され、そのうちの1人がゲーム・マスターとして参加する。GMはゲームの世界や物語を準備し、提示し、進行し、課題を出したり敵や味方、時には傍観者を演じる。それぞれの場面が次の場面に繋がるように、プレイヤーはそれぞれのキャラクターの個性や能力に応じて状況に対応し、物語を作って行く。ダイスをロールし、あらかじめ設定されたデータと組み合わせ、そこに運の要素を加え、キャラクターが試みる行動が成功か失敗かが決定される。
ゲームの流れ The Flow of the Game
パスファインダーはセッションという形でプレイする。セッションではプレイヤーは数時間の間、対面かオンラインで集まってゲームをプレイする。パスファインダーの物語は一般的に「ワン・ショット」と呼ばれる1回のセッションで完結することもあれば、何回もセッションを重ね、数ヶ月から数年にも及ぶキャンペーンを形成することもある。ゲーム・マスターが物語を語ることを楽しみ、プレイヤーたちがプレイを楽しんでさえいれば、ゲームはいくらでも続けられる。
1つのセッションは主に、下劣な獣たちとの戦いや凶悪な罠からの脱出、英雄的な試練の完了などの行動がある。それ以外にも、公爵と交渉して砦の権利を獲得したり、巨大なフロスト・ジャイアントの軍隊に潜入したり、殺された友人を蘇らせるための霊薬に必要な髪の毛を手に入れるために天使と交渉したりすることもできる。究極的にはダンジョンの探検から微妙な政治の駆け引き、あるいはその中間にあるものなど、どのようなゲームをプレイするかは、君とその集まった者たちの行動に掛かっている。
プレイヤー The Players
パスファインダーのゲームに参加する者はゲーム・マスターを含めて全員がプレイヤーだが、判り易くするために、通常「プレイヤー」はGM以外の参加者を指す。ゲームを始める前に、プレイヤーは自分のキャラクターの経歴や性格を考え、ルールに基づいてキャラクターのデータ、能力、長所、短所を決定する。GMはキャラクター作成時の選択肢を制限するかもしれないが、その制限は事前に話し合われるため、誰もが楽しめる英雄を作ることができる。一般的にキャラクターを作成する際の制限は、プレイヤーの想像力とGMの方針だけだ。
ゲーム中、プレイヤーは自分のキャラクターが取る行動を述べ、キャラクターの能力を使ってダイスをロールする。これらの行動の結果はGMが解決する。プレイヤーの中には、自分の行動をキャラクターのように演じて(ロールプレイして)楽しむ者もいれば、物語を語るようにキャラクターの行動を描写する者もいる。最も楽しいと思うことをすればいいのだ!
初めてロールプレイング・ゲームをする人は、ルールや世界観に慣れるためにも、プレイヤーとしての役割を担うことをお勧めする。
ゲーム中、プレイヤーは自分のキャラクターが取る行動を述べ、キャラクターの能力を使ってダイスをロールする。これらの行動の結果はGMが解決する。プレイヤーの中には、自分の行動をキャラクターのように演じて(ロールプレイして)楽しむ者もいれば、物語を語るようにキャラクターの行動を描写する者もいる。最も楽しいと思うことをすればいいのだ!
初めてロールプレイング・ゲームをする人は、ルールや世界観に慣れるためにも、プレイヤーとしての役割を担うことをお勧めする。
ゲーム・マスター The Game Master
他のプレイヤーがキャラクターを作成して行動させるのに対し、ゲーム・マスター(GM)は物語や世界を担当する。GMはプレイヤー・キャラクターが冒険の中で経験するあらゆる状況を説明し、キャラクターの行動がストーリーにどのような影響を与えるかを考え、その過程でルールにより判断する。
GMは物語を作ることやモンスターの選択、財宝の割り当てなど、新しい冒険を創り出すことができる。あるいは、出版されている冒険を参考にして、それをセッションの基礎とし、必要に応じてプレイヤーやグループのプレイ・スタイルに合わせて修正することもできる。中には自作の内容と出版されている内容を混ぜ合わせ、新しい物語を作ってゲームを運営する人もいる。
GMはルールの裁定や物語の語り手など、様々な役割をこなさなければならないなど簡単ではない。
しかし、それは非常にやりがいのあることでもあり、良いゲームを運営するために必要なすべての作業を行うだけの価値があるだろう。初めてゲームを運営するのであれば、大切なのは君を含めたみんなが楽しい時間を過ごすことだということを忘れないで欲しい。それ以外のことは、練習と根気で自然とできるようになるものだ。
ゲームは参加者みんなのためにある Gaming Is for All
GMもプレイヤーも含め、卓上のロールプレイング・ゲームに参加する際には忘れてはならない共通の約束事がある。それは、「みんなで楽しく物語を作るために集まった」ということだ。
多くの人にとって、ロールプレイングは日常生活の悩みから逃れるための手段なのだ。卓にいる全員がゲームに何を求めているかを意識し、みんなが楽しめるようにしよう。
初めて集まるグループは、卓でどんなことを体験したいか、避けたい話題はないかなどを話し合う必要がある。プレイヤーの中には不快に感じる人や、歓迎されない人が出てくる可能性があることを理解し、プレイ中はその境界線を尊重することに全員が同意する必要があるだろう。そうすることで、皆でゲームを楽しむことができるのだ。
パスファインダーは年齢や性別、人種や民族、宗教、性的指向、その他の個性や人生経験に関わらず、誰もが楽しめるゲームだ。卓が楽しく、すべての人に歓迎されるようにするのは、GMだけではなく全てのプレイヤーの責任なのだ。
ゲームの道具 Tools of Play
このサイトに加え、パスファインダーをプレイするために必要な物がいくつかある。これらの道具は近くのホビー・ショップやpaizo.comのオンライン・ショップで購入することができる。
- キャラクター・シート/Character Sheet:各プレイヤーは自分のキャラクターを作成し、プレイ中にそのキャラクターに起こることを記録するためのキャラクター・シートが必要となる。キャラクター・シートはオンラインで無料のPDFファイルとして提供されている。公式のキャラクター・シートにはフルカラーのものと印刷用のものがある。
- ダイス/Dice:プレイヤーとGMには少なくとも1揃いの多面体ダイスを必要となるが、ほとんどの参加者は自分でダイスを持参する。6面体のダイスが一般的だが、このセットに含まれるすべてのダイスは、ホビー・ショップやオンラインで入手できる。ダイスの種類や説明については補足"ダイス"を参照して欲しい。
- 冒険/Adventure:GMが計画したものであれ、出版されている資料であれ、すべての卓にはプレイするための冒険が必要となる。opengamingstore.comでは多くの出版社から様々な胸が高鳴る冒険が提供されているほか、paizo.comでは公式キャンペーンとしてアドベンチャー・パスも提供されている。
- ベスティアリィ/Bestiary:恐怖のドラゴンから、いたずら好きのグレムリンまで、モンスターはPCたちが直面する可能性のある一般的な脅威であり、それぞれの種類には独自のデータ・ブロックと能力がある。これらの情報はGMにとって非常に重要な本となるパスファインダー・ベスティアリィに記載されている。また、モンスターのデータ・ブロックはpaizo.com/prdで無料で閲覧することができる。
- マップとミニチュア/Maps and Miniatures:混沌とした戦闘を想像するのは難しいため、多くのグループではマップを使って戦場を表現している。マップには1インチのグリッドが描かれており、1マスはゲーム上の5フィートに対応する。ミニチュアやポーンと呼ばれるイラスト入りのトークンを使用し、キャラクターや敵を表現する。
- その他の小道具/Additional Accessories:ゲームには戦闘中のターンを記録する道具や、共通のルールを参照するためのカード・デッキ、デジタル・キャラクター作成ツール、さらにはBGMや音響効果など、ゲームをより楽しむための小道具が数多く用意されている。
ゲームの基本 Basics of Play
最初のキャラクターや冒険を作成する前に、ゲームで使われるいくつかの基本的な概念を理解しておく必要がある。新たな概念は目に付きやすい様に太字で表示されている。
キャラクターを作る Defining Characters
パスファインダーでは、プレイヤーはプレイヤー・キャラクター(PC)を、ゲーム・マスターはノンプレイヤー・キャラクター(NPC)やモンスターを演じる。PCとNPCはいずれも物語の中で重要な存在だが、ゲーム内での役割は全く異なる。PCたちは物語の主人公であり、NPCやモンスターは味方や仲間、敵、そして悪役となる。とはいえ、PCやNPC、モンスターにはいくつかの特徴がある。
レベルは個々のクリーチャーのおおよその力と能力を伝えてくれる、ゲームで最も重要なデータの一つだ。PCたちのレベルは冒険者としての道を歩み始める1レベルから、その力が頂点に達する20レベルまである。キャラクターは困難を乗り越え、敵を倒し、冒険を終えると経験点(XP)を獲得する。1,000XPを獲得する毎にキャラクターのレベルが上昇し、新たな能力を身につけて、より大きな困難に挑戦することができる様になるのだ。1レベルのPCは巨大なネズミや山賊の集団たちと対峙するだろうが、20レベルに達したキャラクターは、たった1つの呪文で街全体を破壊することができるほどの力を獲得するかもしれない。
レベルに加え、キャラクターは能力値によって定義される。能力値はキャラクターの潜在的な能力を表し、他の様々なデータを算出するために使用される。このゲームには6つの能力値が存在する。【筋力】はキャラクターの肉体的な力を表し、【敏捷力】は機敏さや危機回避能力を表す。【耐久力】はキャラクターの総体的な健全さと健康を表す。【知力】はありのままの知識と問題解決能力を表し、【判断力】はキャラクターの洞察力と状況判断能力を表す。最後の【魅力】は人を引きつける力や説得力、個性の強さを表す。一般的な人々の能力値は3から18まであり、10が平均的な人間の能力を表している。高レベルのキャラクターは18よりもはるかに高い範囲の能力値を持つことができる。
能力値が平均以上のものは、その能力値に関連した動作が成功する確率が高くなり、平均以下のものは確率が低くなる。この調整を能力値修正と呼ぶ。
プレイヤー・キャラクターを定義づけるのは、他にもいくつかの重要な選択がある。最初の選択はPCの種族で、人間やエルフ、ゴブリンなどキャラクターの両親や先祖を表す。次はPCの来歴で、すさんだ通りの浮浪児から裕福な貴族に至るまでの生い立ちを説明している。最後に、最も重要な選択はPCのクラスで、強力な秘術の呪文を操るウィザードや、恐ろしい獣に変身するドルイドなど、PCの適性や能力の根幹となる部分を定義する。
これらの重要な選択に加えて、プレイヤー・キャラクターにはキャラクター作成時やレベル・アップ時に個別に選択できる数々の特技がある。全ての特技には、その説明がどこに記載されているか(例えばエルフの特技はエルフの種族で見つかる)や、そのテーマ(ウィザードの特技なら呪文を扱う能力を付与するなど)を示す種別がある。最後に、キャラクターには隠れる、泳ぐ、交渉するなどの一般的な動作を行う能力を測る技能がある。
物語を紡ぐ Creating a Narrative
キャラクターとその選択がパスファインダーの物語を紡いで行くが、キャラクター同士や周囲の世界との関わりはルールに則って判定される。つまり、キャラクターが恐ろしい敵を倒し、世界をより安全な場所にするために壮大な旅をすると決めたとしても、キャラクターがそれを成し遂げるか否かは、キャラクターの能力と君の選択、そしてダイスの目によって決まるのだ。
ほとんどの冒険ではGMが前提条件や背景を決定するが、キャラクターの生い立ちや個性も重要な要素となります。ゲームのセッションが始まると、プレイヤーは自分のキャラクターが何をしようとするのかを順番に説明し、GMは結果を決定する。そうして卓は特定の目標に向かって協力し合いながら進んで行くのだ。また、GMは環境や他のキャラクターの行動、イベントなどについても説明を行う。例えば、GMが"キャラクターの故郷がトロルの襲撃を受けている"と伝える。キャラクターたちがトロルを近くの沼地まで追跡すると、トロルは恐ろしいドラゴンによって沼地から追い出されたことが判明するかもしれない。そしてPCたちは自分たちが相手にするのはトロルの一族なのかドラゴンか、あるいはその両方なのかを選択する。
設定、筋道、結末を含めた1つの物語を冒険と呼ぶ。連続した冒険は、キャンペーンと呼ばれるさらに大きな物語を紡ぐ。冒険は数回のセッションで完了するが、キャンペーンは数ヶ月から数年かかることもあるだろう!
ゲームの進行 Playing the Game
パスファインダーのゲームでは、物語の各場面に応じた3つの進行モードがあり、それぞれ時間の流れが変化する。キャラクターの時間の大半は謎の解明や問題の解決、他のキャラクターとの交流などの探索に費やされる。だが、失われた神託の時代は危険に満ちており、多くの場合キャラクターたちは野獣や恐ろしい怪物と戦う遭遇を行う。また、世界の問題を解決し、次の旅のために休息や訓練を行う余暇を満喫している際には時間の流れは速くなる。冒険中には物語に合わせ、この3つの進行モードを何度も切り替えながらゲームを進めて行くのだ。ゲームを何度かプレイする内に、それぞれの進行モードには固有の進行方法があることが判るだろうが、それぞれのモード間には明確な境界はほとんどない。
ゲーム中、君のキャラクターは結果が不確実な状況に直面するだろう。キャラクターは切り立った崖を登り、傷ついたキメラを追いかけ、眠っているドラゴンの側を密かに通り抜けるする必要があるが、これらはいずれも失敗の代償を伴う危険な行動である。このような場合、行動を取ったキャラクター(またはキャラクターたち)は、それが成功するかどうかの判定を試みることになる。判定は通常、20面体ダイス(d20)を1つロールし、その能力値に応じた数値を加えて行われる。判定の際には出目が高い程、良い結果に繋がる。
判定が行われると、GMはその結果を難易度(DC)と呼ばれる目標数値と比較し、結果を決定する。判定の結果が難易度の数値以上であれば判定は成功となり、難易度の数値以下であれば、判定は失敗となる。難易度を10以上上回ることを大成功と呼び、通常は特に好ましい結果が得られる。同様に、判定に難易度を10以上下回った場合は大失敗(ファンブルとも呼ばれる)となり、これは時に追加の悪い影響をもたらすことになるだろう。また、判定を試みた際に修正を加える前の出目が20だった場合も大成功となる。同様に、判定を試みた際に出目が1だった場合は大失敗となる。なお、全ての判定で大成功や大失敗に特別な影響があるわけではなく、そのような場合は代わりに通常の成功や失敗と同じように扱われる。
例えば、傷ついたキメラを追いかけている内に、流れの速い川に行く手を塞がれてしまうことがある。君は泳いで渡ることにしたが、GMはこれを危険な行動と判断し、君に〈運動〉の技能判定をするよう求めた(水泳は〈運動〉の技能に含まれる)。キャラクター・シートを確認すると、君のキャラクターはこの判定に対して+8の修正を受けていた。d20をロールすると出目は18で、修正値を加えると合計で26になった。GMはこの結果を難易度である16と比較し、難易度を10以上上回っているため大成功と判断した。君のキャラクターは素早く川を泳いで渡り、ずぶ濡れにはなったが無傷で追跡を続ける。もし結果が16以上26未満の結果が出ていたなら、君のキャラクターは川を半分ほど渡ったことになる。結果が16未満だったら、君のキャラクターは川に流されていたかもしれないし、最悪の場合は流れに引き込まれて溺れていたかもしれないのだ!
このような判定はこのゲームの中核であり、行動の結果を決定するために進行モードを問わず常に行われる。ダイスの出目は非常に重要であるが、その出目に加える修正値が、明暗を分けることもよくある。全てのキャラクターは、そのキャラクターが得意とするものを規定する多くの統計値で構成されている。それぞれの統計値は関連する能力値修正と習熟ボーナスで構成されており、さらに装備や呪文、特技、魔法のアイテム、その他の特別な状況によるボーナスやペナルティなどの要因によって修正されることもある。
習熟とはキャラクターの一般的な訓練水準と、与えられた行動に対する適性を簡単に評価するための方法である。習熟ランクは未修得、修得、熟練、達人、伝説の5段階に分かれており、ランク毎に異なる習熟ボーナスが付与される。習熟ランクが未修得の場合は習熟ボーナスは±0となり、君は能力値修正のみに頼らざるを得ないことになる。習熟ランクが修得、熟練、達人、伝説の場合、習熟ボーナスはキャラクターのレベルにランクに応じた数値(それぞれ2、4、6、8)を加えたものになる。習熟ランクはゲーム内のほとんど全てのデータ・ブロックに含まれている。
探索 Exploration
ほとんどの時間、君のキャラクターは世界を探検し、キャラクターたちと交流し、あちこちを旅し、課題を克服して行くが、これを探索と呼ぶ。探索中は比較的自由な形式で進行し、プレイヤーは次に何をすべきかを思いついた時に、物語に応じて行動する。例えば馬に乗って町を出る、略奪しているオーク族の跡を追う、部族の斥候を避ける、地元の猟師を説得して近々起こる戦いに協力してもらうなどが、探索中に起こり得るだろう。
この進行モードでは、GMがプレイヤーに対してキャラクターが何をしているのかを尋ねながら探索を進めて行く。これは衝突が発生した場合に重要となる。戦闘になった場合、PCたちが探索中に行った行動により有利になったり、戦闘の開始方法に影響を与える可能性もある。
遭遇 Encounters
冒険の中では、単純な技能判定だけでは解決できないこともある。それは、恐ろしいモンスターが君のキャラクターの前に立ちはだかり、唯一の選択肢が戦いである時だ。パスファインダーでは、これを遭遇と呼ぶ。遭遇は戦闘を伴うことがほとんどであるが、追跡や危険を回避する時など、タイミングが重要な場面にも使用できる。
探索は自由な形式で進められるが、遭遇はそれよりも手順に沿った形式で進められる。プレイヤーとGMはイニシアチブをロールし、誰がどのような順番で行動するかを決定する。遭遇の間は、ゲームの世界で約6秒の時間に相当するラウンドを繰り返す。1ラウンドの間で、参加者はそれぞれターンを得る。自分のターンでは最大3つのアクションを使用できる。武器を抜く、短い距離を移動する、扉を開ける、剣を振るなどの最も単純な行動は1つのアクションで実行できる。他にも行動にはアクションを1つ以上使用するものもある。キャラクターのクラスや特技による特殊能力がこれに該当することが多い。例えば呪文の発動は普通の行動であるが、通常ではアクションを2つ使用する。
物を落とすなどといったフリー・アクションは、君のターンに与えられる3つのアクションを使用しない。最後に、各キャラクターはラウンド中に最大で1つのリアクションを使用することができる。この特殊な種類のアクションは自分のターンでなくても使用できるが、特定の出来事に対応して、それを可能にする能力を持っている場合に限られる。例えば、ローグはリアクションを使用して攻撃を回避できる特技を選択することが可能だ。
他のクリーチャーを攻撃することは、戦闘における最も一般的な行動の1つであり、攻撃アクションを使用して行う。これには攻撃ロールが必要で、攻撃するクリーチャーのアーマー・クラス(AC)に対する判定の様なものだ。攻撃は武器や呪文、あるいは拳や爪、尻尾などのクリーチャーの体の一部を使って行うことができる。攻撃ロールには、使用している攻撃の種類に応じた習熟ランク、能力値、その他状況に応じたボーナスやペナルティに基づいた修正を加える。攻撃対象のACは、着用している鎧の習熟ランクと【敏捷力】修正値を使用して計算される。攻撃が命中すればダメージを与え、大成功が発生すればダメージは2倍になる!
自分のターンに複数の攻撃アクションを使用することができるが、追加の攻撃を行う度に精度が低下する。これを反映して2回目の攻撃では-5、3回目の攻撃では-10という複数回攻撃ペナルティが発生する。このペナルティを軽減する方法は沢山あるが、ターンの終わりにはリセットされる。
もし君のキャラクターが魔法の稲妻の矢や、恐ろしいホワイト・ドラゴンの凍てつくブレスの標的になった場合、危険を回避できるか、肉体や精神への攻撃に耐えれるかといったキャラクターの能力を示すセーヴィング・スローを試みるよう求められる。セーヴィング・スローとは、君のキャラクターを対象とした呪文や特殊能力の難易度に対抗を試みる判定である。セーヴィング・スローには3つの種類があり、それぞれの習熟によってキャラクターが耐えられるかどうかが大きく変わる。頑健セーヴィング・スローは、キャラクターの健康や生命力が毒や病気などによる攻撃を受けている際に行われる。反応セーヴィング・スローは、キャラクターが危険から身を躱さなければならない時に行われる。通常はファイアーボールの呪文による灼熱の爆風の様に、広い範囲に影響を与えるものなどが対象になる。最後は意志セーヴィング・スローで、チャームやコンフュージョンなど、キャラクターの精神を対象とした呪文や効果に対抗を試みる際に行われる。全てのセーヴィング・スローにおいて、成功すれば有害な影響が軽減され、大成功を収めたキャラクターは無傷で済むことになるだろう。
攻撃、呪文、障害、特殊能力などは、キャラクターにダメージまたは1つ以上の状態異常を与えるかのどちらかであるが、中には両方の場合もある。ダメージはクリーチャーの肉体の健全さを示すヒット・ポイント(HP)から差し引かれ、HPが0になると気絶状態となり、死ぬこともあり得るのだ。戦闘遭遇は通常、一方の側が敗北するまで継続する。敗北は撤退や降伏を意味することもあるが、多くの場合は一方の側が死亡したり瀕死状態になることを指す。状態異常はクリーチャーを一時的に妨げ、使用できるアクションを制限したり、将来的な判定にペナルティを適用させることができる。中には永久的なものもあり、その効果を元に戻すには強力な魔法を使わなければならない。
余暇 Downtime
キャラクターたちは起きている間、ずっと冒険しているわけではない。その代わりに傷を癒したり、待ち受ける敵の討伐を計画したり、取引を行ったりするのだ。パスファインダーではこれを余暇と呼び、キャラクターたちが長期的な任務や目標に向かって取り組んでいる間は時間の経過が早くなるようにしている。
ほとんどのキャラクターは、余暇の間に取引をして小銭を稼ぐことができるが、適切な技能を持ったキャラクターは代わりに製作に時間を費やし、新しい装備や魔法のアイテムを作ることができる。また、余暇を利用してキャラクターの再訓練も行うことができ、必用に応じてキャラクターの選択を入れ替えることができる。また、難しい問題を研究したり、新しい呪文を学んだり、商売や王国を運営したりすることさえあるだろう!
重要な用語 Key Terms
最初のキャラクターや冒険を作成する際に必要となる重要な用語がいくつかある。ここでは、前のページで紹介した重要な用語を参考までに紹介している。
能力値 Ability Score
それぞれのクリーチャーには次の6つの能力値がある:【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】。これらの値はクリーチャーの素の潜在能力や基本的な素養を示している。値が高いほど、クリーチャーの能力の素養は高いということだ。能力値については、この章の後半で詳しく説明する。
属性 Alignment
クリーチャーの基本的な道徳規範と倫理的態度を表す。
種族 Ancestry
キャラクターが属する広範な家系の指す。キャラクターの開始時のヒット・ポイント、言語、感覚、移動速度を決定し、種族特技を獲得できる。種族については第2章に詳細が記載されている。
アーマークラス(AC) Armor Class(AC)
このゲームの全てのクリーチャーはアーマー・クラスを持つ。この値はそのクリーチャーに攻撃が命中し、ダメージを与えることがどれだけ難しいかを表す。クリーチャーに攻撃を命中させる難易度として機能する。
攻撃 Attack
クリーチャーが他のクリーチャーに危害を加えようとする時には打撃や他の攻撃アクションを使用する。ほとんどの攻撃は武器による打撃だが、キャラクターは拳での打撃や、手で組みつきや押しのけ、または呪文で攻撃するかもしれない。
来歴 Background
来歴はキャラクターが冒険者としての生活を始める前に経験した事柄を表す。それぞれの来歴からは特技と1つ以上の技能が習得できる。来歴については第2章に詳細が記載されている。
ボーナスとペナルティ Bonuses and Penalties
ボーナスとペナルティは判定や特定の能力値に適用され、いくつかの種類がある。同じ種類のボーナスが複数ある場合は、その中で最も高いボーナスだけが適用される。同様に、ペナルティもそれぞれの種類毎に最も悪いものだけを適用する。
クラス Class
キャラクターが選んだ冒険者の職業を表す。キャラクターの習熟のほとんどはクラスによって決定される。レベルが上昇する毎にヒット・ポイントが付与され、クラス特技を利用することができる。詳細については第3章に記載されている。
状態 Condition
キャラクターの行動を変更したり、能力値の一部を変更したりする継続的な効果を指す。ゲームで使われる基本的な状態のルールは、本書の巻末にある付録に記載されている。
貨幣 Currency
ゲームの中で最も一般的な貨幣は、金貨(gp)と銀貨(sp)だ。1gpは10sp、1spは10銅貨(cp)、10gpは1白金貨(pp)に等しい。キャラクターは装備を購入するための15gp(または150sp)を所持した状態でゲームを開始する。
特技 Feat
種族、来歴、クラス、一般訓練、技能訓練によって、キャラクターが選択できる能力。一部には特別なアクションを与える特技もある。
ゲーム・マスター(GM) Game Master (GM)
ルールを裁定し、他のプレイヤーが探索するパスファインダーの物語や世界の様々な要素を伝えるプレイヤー。
ゴラリオン Golarion
パスファインダーの舞台は、失われた神託の時代におけるゴラリオンという惑星である。この世界は多様な人々や文化が共存する古代の世界で、恐るべき敵も存在する刺激的な場所を探索することができる。失われた神託の時代、ゴラリオンの世界、そしてその神々についての詳しい情報は第8章に記載されている。
ヒット・ポイント(HP) Hit Points (HP)
クリーチャーが意識を失って死に至るまでに受けることのできる物理的なダメージの量を示す。ダメージは1対1の割合でヒット・ポイントを減少させ、治癒は同じ割合でヒット・ポイントを回復させる。
イニシアチブ Initiative
遭遇の開始時に、関係する全てのクリーチャーは、行動する順番を決めるためにイニシアチブをロールする。その出目が高いほど、そのクリーチャーは早く行動できる。イニシアチブと戦闘については第9章で説明されている。
レベル Level
レベルとは物事の総合的な力を測る数値を指す。プレイヤー・キャラクターには1から20までのレベルがあり、積んできた経験の量を表している。 モンスター、NPC、障害、病気、毒には-1から30までのレベルがあり、その危険度を表す。アイテムのレベルは通常0から20であるが、それを超えることもあり、そのアイテムの持つ力や宝物としての適合性を示す。
呪文には1から10までのレベルがあり、その威力を指し示す。キャラクターやモンスターは通常、どのレベルの呪文も一定の回数しか使用できない。
ノンプレイヤー・キャラクター(NPC) Nonplayer Character(NPC)
ノンプレイヤー・キャラクターはGMが操り、プレイヤーと対話しながら物語を進めて行く。
知覚 Perception
キャラクターが隠れた物や異常な状況に気づく能力のことで、戦闘時にキャラクターがどれだけ素早く行動を起こすかを決定する際にも使用される。詳細については第9章に記載されている。
プレイヤー・キャラクター(PC) Player Character(PC)
プレイヤーが作成し、操るキャラクター。
習熟 Proficiency
キャラクターの特定の作業や資質に対する素養を測る尺度で、未修得、修得、熟練、達人、伝説の5つのランクがある。習熟は次の修正や能力値を決定する際にボーナスを付与する:AC、攻撃ロール、知覚、セーヴィング・スロー、技能、呪文の効果。未修得の場合は習熟ボーナスは±0であるが、修得、熟練、達人、伝説の場合、習熟ボーナスはそれぞれ君のレベルに2、4、6、8を加えたものになる。
稀少性 Rarity
ゲームの要素の中には、ゲームの世界で遭遇する頻度を示す稀少性が示されている。稀少性は主に装備品や魔法のアイテムに適用されるが、呪文や特技、その他の要素にも稀少性が存在する。アイテムや呪文、その他のゲーム要素の特性に稀少性が記載されていない場合は稀少性はコモンとなる。アンコモンのアイテムは特別な訓練を受けた者や、特定の文化圏で育った者、世界の特定の地域の出身者だけが手に入れられる。レアのアイテムは、ほとんど見掛けることはなく、GMから与えられることがほとんどだろう。ユニークのアイテムは、ゲーム内で文字通り唯一無二のアイテムである。GMは物語に合わせて稀少性の仕組みを変えたり、個々のアイテムの稀少性を変化させたりすることもできる。
ロールプレイ Roleplaying
多くの場合はそのキャラクターの視点で行動を描写することをロールプレイと呼ぶ。プレイヤーがキャラクターの視点で話したりすることもある。
ラウンド Round
遭遇中に全ての参加者が行動する機会を持つ時間区分を指す。1ラウンドはゲーム時間にして約6秒を表す。
セーヴィング・スロー(セーヴ) Saving Throw(Save)
クリーチャーが回避すべき危険な効果を受けた場合に、その効果を軽減するためにセーヴィング・スローを試みる。セーヴィング・スローはアクションやリアクションを使用せず、自動的に試みることができる。ほとんどの判定とは異なり、受けた側のキャラクターがセーヴィング・スローのためにd20を振り、行動した方のクリーチャーがDCを提示する。セーヴィング・スローには次の3つの種類がある:頑健(病気や毒、物理的な効果に抵抗)、反応(キャラクターが素早く避けられる効果を回避)、意志(精神や人格を対象とした効果に抵抗)。
技能 Skill
指導や練習を必要とする特定の作業を実行するためのクリーチャーの能力を表す。技能の詳細については第4章に記載されている。各技能には未修得者が使用する方法と、その技能を修得したキャラクターが使用する方法がある。
移動速度 Speed
キャラクターが1回のアクションで移動できる距離をフィート単位で表したもの。
呪文 Spell
特別な訓練を受けた者や先天的な能力を持つ者のみが知り得る、神秘的な詠唱や身振りを行うことで生み出される魔法効果のことである。呪文を発動するには、通常2アクションを必要とする。それぞれの呪文には、対象となるもの、呪文を唱えるために必要なアクション、効果、抵抗方法などが記載されている。呪文を獲得できるクラスであるならば、その基本能力は第3章のクラスに説明されており、呪文自体は第7章に詳述されている。
特性 Trait
魔法系統や稀少性などのルール要素に関する追加情報を伝えるキーワードである。多くの場合、特性は他のルールがその特性を持つ能力、クリーチャー、アイテム、他のルール要素とどのように相互作用するかを示している。本書で使用されている全ての特性をここに示す。
ターン Turn
遭遇中の1ラウンドの間、各クリーチャーはイニシアチブに従ってターンを1つ得る。クリーチャーは通常、自身のターン中に最大3つのアクションを使用することができる。
プレイの例 Example of Play
出典:Core Rulebook 14ページ
パスファインダーのゲームが実際にどのようにプレイされているかを理解してもらうために次の例を示す。このアドベンチャーではエリックがGMを務めている。リズは大胆な人間のファイターであるヴァレロスを、ジェイムズは強力なエルフのローグであるメリシールを、ジュディは熱き人間でサーレンレイのクレリックであるキラを担当している。一行はアンデッドの大群を倒し、古代の霊廟に向かっている所であった。
パスファインダーのゲームが実際にどのようにプレイされているかを理解してもらうために次の例を示す。このアドベンチャーではエリックがGMを務めている。リズは大胆な人間のファイターであるヴァレロスを、ジェイムズは強力なエルフのローグであるメリシールを、ジュディは熱き人間でサーレンレイのクレリックであるキラを担当している。一行はアンデッドの大群を倒し、古代の霊廟に向かっている所であった。
エリック:君たちの目の前には地下室への入り口があり、崩れた階段が暗闇へと続いている。入り口からは、古くて腐った肉のような酷い臭いが漂っている。
リズ:汚い臭いなんか怖くないわ! 私は剣を抜いて、盾を構えるわよ。
ジュディ:サーレンレイの光が我々を導いてくれる。私は信教印にライトの呪文を発動しましょう。
エリック:それでは、光り輝く明かりが放たれて階段を照らす。階段は10フィート程下までしか続いていないようで、その先には部屋があるのが見える。凹凸のある石のタイルの隙間には水が溜まっている。
ジェイムズ:俺が先に行って安全を確認すべきだろう。レイピアを抜いて、罠を探しながら慎重に階段を降りて行く。
エリック:わかった。だけど、罠を探すのは非公開判定だから、僕が代わりにやるよ。君の知覚修正値は?
ジェイムズ:+5だよ。
リズ:汚い臭いなんか怖くないわ! 私は剣を抜いて、盾を構えるわよ。
ジュディ:サーレンレイの光が我々を導いてくれる。私は信教印にライトの呪文を発動しましょう。
エリック:それでは、光り輝く明かりが放たれて階段を照らす。階段は10フィート程下までしか続いていないようで、その先には部屋があるのが見える。凹凸のある石のタイルの隙間には水が溜まっている。
ジェイムズ:俺が先に行って安全を確認すべきだろう。レイピアを抜いて、罠を探しながら慎重に階段を降りて行く。
エリック:わかった。だけど、罠を探すのは非公開判定だから、僕が代わりにやるよ。君の知覚修正値は?
ジェイムズ:+5だよ。
エリックがプレイヤーから見えないようにGMスクリーンの後ろでd20をロールすると出目は17で合計22となり、3段目のある仕掛け線を見つけるには十分な結果となった。
エリック:その慎重さが役にたった! 階段の3段目の上に、足首くらいの高さに細い仕掛け線があるのを見つけた。
ジェイムズ:それを他の者に教えて、下に向かおう。
リズ:私はメリシールのすぐ後ろに付いて行って、仕掛け線を避けながら警戒するわ。
ジュディ:私も同じく。
エリック:じゃあ進めよう!階段を降りると、そこは墓所だった。部屋のあちこちに古代の木棺が並べられ、クモの巣や埃に覆われている。真正面の一段と高くなった台には、邪悪そうな印で飾られた石の棺がある。かつては鉄の鎖で巻かれていたようだが、今はねじれた鎖の破片が部屋中に散らばっていて、棺の蓋だっただろう部分の破片も散らばっている。壊れ具合から見て、内部から砕け散ったように見える!
ジュディ:サーレンレイよ、我らに加護を。武器を抜いて前に進み、あの印をもっとよく見たい。
リズ:私は彼女の動きに合わせる。なんだか嫌な雰囲気ね。
ジェイムズ:俺はここに残って、棺の後ろに“隠れ身”を実行する。
エリック:メリシールが遮蔽をとり、他の2人は前進する。近付くに連れて腐ったような臭いは強くなり、圧倒されそうになる。突然、その臭いの原因が姿を現す。棺から出てきたのは悪夢のような死骸だ。かつては人間だったのかもしれないが、その干からびた体からは判断できない。皮膚は新しいあざのような色をしていて、骨に強く引っ張られている箇所が所々裂けている。髪の毛はなくて耳は尖っている。最悪なのは、口には小さくて鋭い歯が並び、その舌は長過ぎることだ。
リズ:どうやら友達じゃあなさそうね?
エリック:そのようだね。君たちに飛びかかって攻撃する準備ができているようだ。イニシアチブをロールしてくれ!ヴァレロスとキラは知覚を、メリシエルは〈隠密〉だ。
ジェイムズ:それを他の者に教えて、下に向かおう。
リズ:私はメリシールのすぐ後ろに付いて行って、仕掛け線を避けながら警戒するわ。
ジュディ:私も同じく。
エリック:じゃあ進めよう!階段を降りると、そこは墓所だった。部屋のあちこちに古代の木棺が並べられ、クモの巣や埃に覆われている。真正面の一段と高くなった台には、邪悪そうな印で飾られた石の棺がある。かつては鉄の鎖で巻かれていたようだが、今はねじれた鎖の破片が部屋中に散らばっていて、棺の蓋だっただろう部分の破片も散らばっている。壊れ具合から見て、内部から砕け散ったように見える!
ジュディ:サーレンレイよ、我らに加護を。武器を抜いて前に進み、あの印をもっとよく見たい。
リズ:私は彼女の動きに合わせる。なんだか嫌な雰囲気ね。
ジェイムズ:俺はここに残って、棺の後ろに“隠れ身”を実行する。
エリック:メリシールが遮蔽をとり、他の2人は前進する。近付くに連れて腐ったような臭いは強くなり、圧倒されそうになる。突然、その臭いの原因が姿を現す。棺から出てきたのは悪夢のような死骸だ。かつては人間だったのかもしれないが、その干からびた体からは判断できない。皮膚は新しいあざのような色をしていて、骨に強く引っ張られている箇所が所々裂けている。髪の毛はなくて耳は尖っている。最悪なのは、口には小さくて鋭い歯が並び、その舌は長過ぎることだ。
リズ:どうやら友達じゃあなさそうね?
エリック:そのようだね。君たちに飛びかかって攻撃する準備ができているようだ。イニシアチブをロールしてくれ!ヴァレロスとキラは知覚を、メリシエルは〈隠密〉だ。
全員が自分のイニシアチブを決定するためにロールする。リズはヴァレロスのロールを行って出目は2で合計8、ジュディはキラのロールを行い結果は合計14。ジェイムズは戦闘開始時にメリシールが隠れていたためイニシアチブに〈隠密〉を使用し、出目が17で合計25になった。エリックはアンデッド・クリーチャーにロールを行って出目は12。エリックはこの結果を記録し、キャラクターを結果が高い順に並べる。
エリック:最初の行動はメリシールだね。あれが何であれ、君がそこにいることを知らないのは確かだろう。
ジェイムズ:いいね!最初のアクションはダガーを投げて、次のアクションで接近する。
エリック:歩行アクションを1回行えば15フィート以内まで近付くことができるね。
ジェイムズ:完璧だ。最後のアクションはダガーを投げる!
ジェイムズ:いいね!最初のアクションはダガーを投げて、次のアクションで接近する。
エリック:歩行アクションを1回行えば15フィート以内まで近付くことができるね。
ジェイムズ:完璧だ。最後のアクションはダガーを投げる!
ジェイムズはロールを行い出目は13。メリシールのダガー投擲の技能により8を加えて合計21となるが、距離の関係で-2のペナルティを受けて結果は19となった。エリックはメモを見て、このモンスターのACが18であることを知る。
エリック:命中だ!さあ、ダメージをロールしてくれ。
ジェイムズ:わかった。さらに急所攻撃による追加ダメージを加えることができるぞ。
ジェイムズ:わかった。さらに急所攻撃による追加ダメージを加えることができるぞ。
ローグは遭遇時にまだ行動していない敵に追加ダメージを与える能力を持っている。この追加ダメージは何かに気を取られている敵に対する攻撃にも適用される。ジェイムズはダガーで1d4、急所攻撃で1d6をロールし、メリシールの【敏捷力】修正値の4を加えて、結果は9となった。
エリック:刃がシュッという音を立てて肩に刺さる。損害は与えたようだがアンデッドの動きは鈍っていない。ジェイムズ、君のアクションは3つとも終わった。次はキラだの番だ!
ジュディ:相手はアンデッドですね。私はこれについて何か知っている?
エリック:君はアクションを使って、この動く死体についての訓練を思い出す。〈宗教〉の技能判定をしてくれ。
ジュディ:相手はアンデッドですね。私はこれについて何か知っている?
エリック:君はアクションを使って、この動く死体についての訓練を思い出す。〈宗教〉の技能判定をしてくれ。
ジュディのロール結果は16で、キラの〈宗教〉修正値である8を加えて合計は24となった。
エリック:最初は、死者の肉を食べるアンデッドの一種であるグールではないかと思ったが、ひどい臭いによって正体が判った。これはグールの中でも特に強力な種類のガストだ。その悪臭は君を病気にし、その爪は触れただけで麻痺させることができるだろう。
ジュディ:これは不味い。最後の2回のアクションを使ってブレスを詠唱して、隣にいる人の攻撃ロールに+1のボーナスを与えます。
ジュディ:これは不味い。最後の2回のアクションを使ってブレスを詠唱して、隣にいる人の攻撃ロールに+1のボーナスを与えます。
この呪文を発動するにはアクションが2つ必要となり、2つの構成要素がある。呪文を詠唱するのに必要な複雑な所作は動作要素であり、キラが神に祈るのは音声要素となる。
エリック:わかった! ガストが棺からメリシールに向かって飛び出してくる。腐った体から放たれる悪臭は間近に来るとより一層恐ろしいものになる。頑健セーヴを試みてくれ!
ジェイムズの出目は8で、結果は14。
エリック:頑健セーヴは失敗した。君は不調状態1になり、ほとんどのd20ロールに-1のペナルティが課せられる。続いてガストは君に向かって突進して噛み付こうとする!
ジェイムズ:やばい、リアクションで《素早い回避》だ!
ジェイムズ:やばい、リアクションで《素早い回避》だ!
エリックはガストの攻撃ロールを行って出目は9。モンスターのデータを確認し、11を加えて結果は20となる。メリシールのACは通常19であるが、《素早い回避》特技により、リアクションを使って1回の攻撃に対してACを2増加させることができる。この場合、ガストの攻撃は失敗したことになる。
エリック:20だと君に命中かい?
ジェイムズ:いいや、失敗だ!
エリック:君が素早く身をかわしたので、ガストの舌が君の鎧にネバネバする跡を残す。最後のアクションで、そのアンデッドの脅威は爪で襲い掛かる。
ジェイムズ:いいや、失敗だ!
エリック:君が素早く身をかわしたので、ガストの舌が君の鎧にネバネバする跡を残す。最後のアクションで、そのアンデッドの脅威は爪で襲い掛かる。
エリックはガストの爪による2回目の攻撃をロールする。通常、この攻撃には-5の複数回攻撃ペナルティが課せられるが、爪には機敏の武器特性があるため、ペナルティは-4に減少する。ロールした出目は19で、グールの攻撃修正の11を加えて4を引くと、結果は26となる。
エリック:ガストの噛みつきは避けられたが、ガストの骨ばった爪が君の顔面を襲う!
エリックはこれが命中したことを知り、ガストの爪によるダメージをロールして結果は8であった。
エリック:8のダメージを受け、傷口から痺れるような感覚が広がるため、頑健セーヴィング・スローで防御を試みてくれ。
ジェイムズは頑健セーヴィング・スローをロールする。出目は4で、自分のボーナスと不調状態によるペナルティを加えると、結果は9にしかならない。
ジェイムズ:今日はついてない。9でも行けるのか?
エリック:残念ながら、失敗だよ。君は麻痺状態になった!
エリック:残念ながら、失敗だよ。君は麻痺状態になった!
エリックはメリシールが麻痺状態となって行動できなくなったことを記録し、その効果を振り払うために各ターンの終わりに新たなセーヴィング・スローを得ることができると伝える。
エリック:ガストのめくれ上がった唇から乾いた軋んだ笑い声が漏れるが、ターンは終わりだ。ヴァレロス、君がこのラウンドの最後の行動者だ。
リズ:ようやくね! “盾を掲げる”を使って、最後の2アクションで《急突撃》を行うわ!
リズ:ようやくね! “盾を掲げる”を使って、最後の2アクションで《急突撃》を行うわ!
《急突撃》はファイター特技で、ヴァレロスは移動速度の2倍の距離まで移動し、移動後に攻撃を行うことができるが、これらを2アクションで行うことが可能となる。
エリック:近付いてみると、恐ろしい臭いがする。頑健セーヴをしてくれ。
リズが頑健セーヴをロールすると、結果は19だった。
エリック:悪臭による吐き気を抑えた。攻撃ロールを行ってくれ。
リズがダイスをロールすると出目は20。
リズ:20が出たわ! 大成功ね!
エリック:君の剣は下劣なクリーチャーの首に命中し、2倍のダメージを与えた!
エリック:君の剣は下劣なクリーチャーの首に命中し、2倍のダメージを与えた!
リズはd8をロールして出目は5、ヴァレロスの【筋力】修正値による4を加える。そして、大成功なので合計値を2倍にする。
リズ:18の大ダメージよ! これでやっつけたでしょ!
エリック:残念ながらまだ倒れてはいない。首の深い傷からは黒い血が流れ、ただ君の方を向いている。その目は憎悪に燃えている!
リズ:嘘でしょ。
エリック:残念ながらまだ倒れてはいない。首の深い傷からは黒い血が流れ、ただ君の方を向いている。その目は憎悪に燃えている!
リズ:嘘でしょ。
以上で第1ラウンドの戦闘が終了となる。第2ラウンドは、この後すぐに先程と同じイニシアチブ順で始まる。戦いはまだ終わっていない……。
本書の使い方 Using This Book
出典:Core Rulebook 16ページ
この章ではパスファインダーの基本を学ぶことができる。このルールブックの残りの部分では、プレイ中の参照マニュアルとしての役割を果たしており、必要なルールをできるだけ簡単に見つけられるように構成されている。ルールは章毎にまとめられており、序盤の章ではキャラクター作成に焦点が当てられている。最後の2章にはGM向けのルールがあり、パスファインダーのゲームを運営するための助言や、貴重な情報が豊富に掲載されている。以下に各章の内容をまとめたものを記す。
この章ではパスファインダーの基本を学ぶことができる。このルールブックの残りの部分では、プレイ中の参照マニュアルとしての役割を果たしており、必要なルールをできるだけ簡単に見つけられるように構成されている。ルールは章毎にまとめられており、序盤の章ではキャラクター作成に焦点が当てられている。最後の2章にはGM向けのルールがあり、パスファインダーのゲームを運営するための助言や、貴重な情報が豊富に掲載されている。以下に各章の内容をまとめたものを記す。
第1章:はじめに Chapter 1: Introduction
この章はパスファインダーの基本を理解するためのものである。この章ではキャラクターの作成とレベル・アップに関するルールも紹介している。この章の最後には、1レベルのキャラクターの作成例を示している。
第2章:種族と来歴 Chapter 2: Ancestries & Backgrounds
この章では失われた神託の時代に登場する最も一般的な種族のルールと、その種族特技の選択肢を説明する。来歴についてはこの章の最後に記載されている。言語に関する項目があるが、これは種族の選択によって影響を受けることが多いためである。
第3章:クラス Chapter 3: Classes
この章では12のクラス全てに関するルールが記載されている。各クラスの項目には、そのクラスをプレイするための手引き、そのクラスのキャラクターを作成するためのルール、構成例、そのクラスの者が使用できるクラス特技が全て含まれている。また、この章では一部のクラスの者が獲得できる動物の相棒や使い魔に関するルールも記載されている。この章の最後にはアーキタイプに関するルールが記されている。アーキタイプとは、レベルが上昇した際にキャラクターが利用できる特別な選択肢の指す。このルールにより、キャラクターは他のクラスやコンセプトの能力を試すことができる。
第4章:技能 Chapter 4: Skills
この章では技能を使用するためのルールが記されている。キャラクターの習熟ランクに基づき、キャラクターが特定の技能で何ができるかについて詳しく説明している。キャラクターの技能の習熟ランクは種族、来歴、クラスによって決定されるが、キャラクターの性格や訓練を反映し、さらにいくつかの技能を選択することも可能である。
第5章:特技 Chapter 5: Feats
キャラクターのレベルが上昇すると、成長した能力を表すための追加の特技を獲得する。この章では一般特技と技能特技(一般特技の副分類)について説明する。
第6章:装備 Chapter 6: Equipment
この章では鎧や武器などの装備品やサービスの価格、生活費、動物(馬、犬、荷物を運ぶための動物)などを紹介している。
第7章:呪文 Chapter 7: Spells
この章では最初に呪文の発動方法、その効果の決定、敵の呪文を打ち消す方法(無効化と呼ぶ)に関するルールを説明している。その後、各呪文の体系に応じた呪文表が記載されている。呪文はレベル別に並んでいるため、目的の呪文をすぐに見つけることができる。続いて全ての呪文のルールがアルファベット順に記載されている。呪文の説明の後には全ての焦点化呪文(特定のクラス能力や特技によって与えられる特別な呪文)が記載されている。ほとんどの呪文は複数の呪文表に記載されているが、焦点化呪文は特定のクラスの者にのみ与えられるものであるため、参照しやすいようにクラス毎にまとめられている。この章の最後には、キャラクターなら誰でも発動することのできる複雑で危険な呪文である儀式のルールが記されている。
第8章:失われた神託の時代 Chapter 8: The Age of Lost Omens
この章ではゴラリオンの設定が解説されており、世界と人々の簡単な概要、そして過去の出来事に関する年表が含まれている。最も重要なのは、神を信仰するキャラクターは、その信仰に関するルールはこの章を参照することで見つけることができる。
第9章:ゲームの進行 Chapter 9: Playing the Game
パスファインダーをプレイするために必要な一般的なルールが記載されている重要な章である。様々なプレイ・モードに関するルール、全てのキャラクターが実行できる基本アクション、戦闘のルール、そして死と瀕死に関するルールなどが記載されている。全てのプレイヤーと、特にGMはこの章に精通している必要がある。
第10章:ゲーム・マスター Chapter 10: Game Mastering
この章では、ゲーム・マスタが面白くて魅力的な物語を語るための手引きや助言が豊富に記載されている。また、面白くて楽しいゲーム空間を作るための助言や、プレイヤーが演じたいと思うキャラクターを作成するための手引きも含まれている。罠や環境的な危険、苦難(呪い、病気、毒など)を扱う際のルールや、難易度の設定、プレイヤー・キャラクターへの報酬の与え方など、GMが知っておくべきルールも含まれている。
第11章:製作と宝物 Chapter 11: Crafting and Treasure
キャラクターたちが冒険の途中で発見する宝物は、金や宝石、強力な魔法の武器など様々な形をしている。この章ではキャラクターに宝物を配布する際の手引きや、数百種類に及ぶ魔法のアイテムの説明が記載されている。また、この章では錬金術アイテムのルールについても記載されている。
付録 Appendices
本書の巻末にはゲーム中に出てくる全ての状態に関するルールが記載された付録が示されている。また、空白のキャラクター・シートや、ゲーム中に遭遇する用語や特性をまとめた索引も付属している。
ルール要素の書式 Format of Rules Elements
出典:Core Rulebook 17ページ
このルール・ブックでは少し独自の書式が用いられている。具体的には、ゲームのルールは特殊な大文字やイタリック体を使い、文章中で区別されている。これは、この本のルール要素をわかりやすくするための基準である。
このルール・ブックでは少し独自の書式が用いられている。具体的には、ゲームのルールは特殊な大文字やイタリック体を使い、文章中で区別されている。これは、この本のルール要素をわかりやすくするための基準である。
パスファインダーでは特定のデータ・ブロック、技能、特技、アクション、その他の機械的な要素の名称は大文字で表記される。こうすることで、「“打撃”はアーマー・クラスを目標とする/Strike targets Armor Class」という記述を見た際に、「“打撃”/Strike」と「アーマー・クラス/Armor Class」の両方がルールを指していることが判別できる(訳注:日本語版では対応付がなされていない。アクションは“”で、技能は〈〉で、特技は《》で、ダメージ種別は[]で、特性は特性で示している)。
単語や熟語がイタリック体になっている場合、それは呪文や魔法のアイテムを表している。これにより、"扉はロックで施錠されている」という文を見たとき、この場合のロックは物理的なアイテムではなく、ロックの呪文を表していることが判別できる。
パスファインダーでは、AC(アーマー・クラス/Armor Class)、DC(難易度/Difficulty Class)、HP(ヒット・ポイント/Hit Points)のように、一般的に略語で表現される用語も多く使われている。ゲーム用語や略語について不明な点があれば、628ページから記載されている「用語集・索引」で調べることができる。
アクションの理解 Understanding Actions
出典:Core Rulebook 17ページ
キャラクターとその敵対者は、アクションを使用して効果を発生させることにより、パスファインダーの世界に影響を与える。これは、全てのアクションが重要となる遭遇時に特に当てはまる。アクションを使用すると、効果が発生する。この効果は自動的なものもあるが、アクションによってはダイス・ロールが必要な場合もあり、その際にはロールした結果に応じた効果が得られる。
キャラクターとその敵対者は、アクションを使用して効果を発生させることにより、パスファインダーの世界に影響を与える。これは、全てのアクションが重要となる遭遇時に特に当てはまる。アクションを使用すると、効果が発生する。この効果は自動的なものもあるが、アクションによってはダイス・ロールが必要な場合もあり、その際にはロールした結果に応じた効果が得られる。
本書ではアクションを示す特別なアイコンが示されている。
[one-action] 単一アクション Single Actions
単一アクションにはこの記号が使用される:[one-action]。最も単純で一般的なアクションの種類である。遭遇時のターン中に、3つの単一アクションを好きな順番で使用できる。
[reaction] リアクション Reactions
リアクションにはこの記号が使用される:[reaction]。リアクションは自分のターンでなくても使用できる。リアクションは遭遇ラウンド毎に1つだけ得られ、その特定のトリガーとなる条件が満たされた時に限り使用できる。ほとんどの場合、他のクリーチャーのアクションがトリガーとなる。
[free-action] フリー・アクション Free Actions
フリー・アクションにはこの記号が使用される:[free-action]。フリー・アクションは3回分の単一アクションやリアクションを消費しない。フリー・アクションにはリアクションのようにトリガーとなる条件が設定されている場合がある。その場合はリアクションと同様に、自分のターンでなくても使用できる。ただし、1つのトリガーにつき、1つのフリー・アクションしか使用できないため、同じトリガーのフリー・アクションが複数ある場合は、どれを使用するかを選択することになる。トリガーとなる条件が設定されていないフリー・アクションであれば、そのターンに与えられたアクションを消費せずに、単一アクションのように使用できる。
連続行動 Activities
連続行動とは、1つまたは複数のアクションを組み合わせて行う特別な行動である。通常、連続行動は2以上のアクションを使用し、1つのアクションでは実行することのできない行動を行う。連続行動の効果を得るためには、必要なアクションを全て消費する必要がある。“呪文発動”は最も一般的な連続行動の1つで、ほとんどの呪文は発動するために2以上のアクションを必要とする。
2つのアクションを使用する連続行動にはこの記号が使用される:[two-actions]。3つのアクションを使用する連続行動にはこの記号が使用される:[three-actions]。即座に発動できる呪文などの一部の特別な連続行動は、フリー・アクションやリアクションを使用して実行できる。
1ターン以上を要する行動はすべて連続行動となる。探索活動中に使用する連続行動は探索特性を持つ。1日以上の時間を要し、余暇活動中にしか使用できない連続行動は余暇特性を持つ。
ルールの読み方 Reading Rules
出典:Core Rulebook 18ページ
本書には、ゲーム中の状況に応じてキャラクターが新たな興味深い方法で対応できるようにするための、数百にも及ぶルール要素が含まれている。全てのキャラクターは、第9章にある基本的なアクションを使用できるが、個々のキャラクターには他のキャラクターができないことを可能にする特別なルールが定められていることも多い。このような選択肢の多くは、キャラクター作成時やレベル・アップ時に特定の選択をすることで得られる特技と呼ばれるものである。
本書には、ゲーム中の状況に応じてキャラクターが新たな興味深い方法で対応できるようにするための、数百にも及ぶルール要素が含まれている。全てのキャラクターは、第9章にある基本的なアクションを使用できるが、個々のキャラクターには他のキャラクターができないことを可能にする特別なルールが定められていることも多い。このような選択肢の多くは、キャラクター作成時やレベル・アップ時に特定の選択をすることで得られる特技と呼ばれるものである。
ルール要素が伝えるゲームの仕組みに関係なく、ゲーム中ではモンスターやキャラクター、アイテム、または他のルール要素を常に活用するために必要なルールが要約されたデータ欄と呼ばれる形式で示される。必要に応じ、データ欄がその形式の説明とともに示される。例えば、第2章の種族の項ではこのゲームの基本となる6つの種族それぞれに関するルールが記載されており、そのルールの説明がその章の最初に記載されている。
データ欄の一般的な様式を以下に示す。該当しない項目は省略されるため、全てのルール要素に関する項目がある訳ではない。アクション、リアクション、フリー・アクションには、その種類を示すアイコンが名前の横に表示されている。1ターンで完了する連続行動には、それを完了するために必要なアクション数を示すアイコンが示されているが、完了までに時間を要する連続行動にはこの様なアイコンは示されていない。また、ある能力を発揮するために一定のレベルに達している必要がある場合、そのレベルがデータ欄の名称の右側に表示される。また、ルールには特性が付与されていることがある(特性については用語集と索引を参照)。
呪文、錬金術アイテム、魔法のアイテムについても同様の形式だが、そのデータ欄にはいくつかの独自の要素が含まれている(呪文の読み方については第7章、錬金術アイテムと魔法のアイテムについては第11章を参照)。
“アクション名”または《特技名》 [one-action] Action or Feat Name
特性
前提条件:このルール要素を使用するために必要となる最小の能力値、特技、習熟ランク、その他の前提条件がここに記載されている。特技にも前提条件となるレベルが定められており、上部に示されている。
頻度:一定の時間内にこの能力を使用できる回数制限を示す。
作動:リアクションや一部のフリー・アクションには、使用する前に満たさなければならないトリガーとなる条件がある。
必要条件:能力を使用するために特定のアイテムの所持や、特定の状況になければならないことがある。その場合はこの項目に記載される。
頻度:一定の時間内にこの能力を使用できる回数制限を示す。
作動:リアクションや一部のフリー・アクションには、使用する前に満たさなければならないトリガーとなる条件がある。
必要条件:能力を使用するために特定のアイテムの所持や、特定の状況になければならないことがある。その場合はこの項目に記載される。
この項目ではルール要素の効果や利益について説明する。ルールがアクションであれば、その効果が何であるか、あるいは効果を決定するために何をロールしなければならないかを説明する。既存のアクションを修正したり、一定の効果を与えるような特技であれば、その利益をここで説明する。
特殊:ルールの特別な性質は、この項目に記載される。通常、この項目は複数回選択できる特技に登場し、選択した際に何が起こるかを説明する。
特殊:ルールの特別な性質は、この項目に記載される。通常、この項目は複数回選択できる特技に登場し、選択した際に何が起こるかを説明する。