クラス Classes
各クラス内に記載されているルールを活用することで、君は豊富なキャラクター・コンセプトを実現できる。ひょっとしたら君は、錬金術アイテムの複雑な処方をスラスラと暗唱することができるが親友の誕生日を思い出すのに苦労する、見事でおっちょこちょいなアルケミストを作りたいと思うかもしれない。あるいは、キャラクターを筋肉に縛られてるような剣士にしたい場合は、盾を持つと山のように動かなくなるキャラクターを作りたいかもしれない。おそらく、熱心なソーサラーになれば、その指はエンジェルの先祖からの光のパルスを放つだろう。クラス内でキャラクターに対して行う選択――クレリックの神格の選択、ファイターの武器の選択、ソーサラーの血脈など――はルールと世界の概念に沿って、この想像を実現する。各項目には、そのクラスのキャラクターを演じるのに必要な情報が含まれており、またそれを1レベルの控えめな始まりから、20レベルの目を見張るような高みまで進めるために必要な情報が含まれている。クラスの項目に加えて以下の項目を参照する必要がある。本項では、追加のキャラクターの選択肢の詳細とキャラクターのレベルを上げる方法について説明する。
- レベル上昇/Leveling Up 新しいレベルに達するために十分な経験点を獲得したときにキャラクターを強化する方法を説明する。
- 動物の相棒と使い魔/Animal Companions and Familiars 冒険を共有する動物の相棒または使い魔を作成するためのルールを提供する。このルールを使用するためには、動物の相棒や使い魔を与えるクラス特徴または特技が必要となる。
- アーキタイプ/Archetypes キャラクターの能力をさらに調整できる主題の選択肢を提供する。これらのルールは初心者にはお勧めしないが、この本のアーキタイプを使用すると、2レベルから開始する他のクラスからの能力を得られる。
クラスの項目の読み方 Reading Class Entries
全てのクラスの項目には、そのクラスの典型的なメンバーに関する情報に加えて、キャラクターとゲームの様々なモードにおける、そのクラスのキャラクターをプレイするための演出上の提案が含まれている。各クラスは君のキャラクターに重要能力値への能力値増強、各レベルで得られるヒット・ポイント、習熟ランク、様々な能力値、装備、技能、クラス特徴による特殊能力、などなどを提供する。キャラクターのクラスの項目には、レベルを得る時に必要な情報も提供しているため、キャンペーンの過程を通じて重要なリファレンスにもなる。
キャラクターの種族が個性と世界観を表現する上で重要な役割を果たしているように、クラスはそのキャラクターが持っている訓練を示しており、冒険者として強化されていくだろう。
キャラクターにおけるクラス選択は、おそらくそのキャラクターを形作る最も重要な決定事項である。プレイヤーのグループは、多くの場合、技能と能力がデータ的にお互いを補完するキャラクターを作成する――例えば、パーティにヒーラー、戦闘志向の術者、隠密の得意なキャラクター、魔法を指揮する者が含まれていたりする――そのため、決定する前にグループ内で選択を話し合うのがよいだろう。
クラスをプレイする Playing the Class
各クラスの最初の項目には、そのクラスの典型的な興味や傾向、および他人がクラスをどう見ているか、関する情報について説明する。これはキャラクターの行動を決定し、キャラクターの性格を定義する時に刺激を与えるのに役立つが、この項目で説明するようにキャラクターをプレイしなければならないというわけではない。
重要能力値 Key Ability
これはクラスに属するものが最も重視する能力値である。最も有用で強力な能力の多くは何らかの形でこの能力値と結びついている。
例えば、これはキャラクターのクラス特徴と特技に関連する難易度(DC)を決定するために使用する能力値である。これはクラスDCと呼ばれる。君のキャラクターが呪文発動能力クラスに属する場合、この重要能力値は呪文DCと同様の値を計算するために使用される。
ほとんどのクラスには1つの重要能力値が関連付けられているが、2つの選択肢から選択できるクラスもある。例えば、ファイターの場合、重要能力値として【筋力】または【敏捷力】を選択できる。【筋力】を選択するファイターは白兵戦に優れているが、【敏捷力】を選択するファイターは遠隔武器または巧技特性を持つ武器を好む。
さらに、キャラクターがクラスを選択すると、キャラクターは重要能力値に対する能力値増強を得て、その能力値が2増加する。
ヒット・ポイント Hit Points
この項目は、各レベルでキャラクターがクラスから得るヒット・ポイントの量を示す。キャラクターの開始時のヒット・ポイントを決定するためには、種族を選択した時に得たヒット・ポイントとこの項目にある値を加算する。この値は、固定値に【耐久力】修正値を加えたものに等しい。
キャラクターが武器を手にして戦闘に突入することを志向するクラスの場合、各レベルで他より多くのヒット・ポイントを獲得する。その一方で、呪文を発動したり風変わりなことを行ったりするキャラクター・クラスは得られるヒット・ポイントが少ない。
キャラクターがレベルを上げるたび、この項目に示された値だけ最大ヒット・ポイントが増加する。
開始時の習熟 Initial Proficiencies
キャラクターのクラスを選択すると、開始時の習熟として示された一式を得る。習熟は作業を実行し、能力を使用し、判定で成功するためのキャラクターの能力が示されている。
習熟ランクは修得から伝説まである。例えばロングボウの修得のキャラクターはロングボウを効率的に使用できるが、ロングボウに伝説の習熟ランクを持つ人は百歩先からでも矢で敵を真っ二つにするかもしれない!
各クラスの項目には、知覚、セーヴィング・スロー、攻撃、防御、呪文DCまたはクラスDCの開始時の習熟ランクが示されている。君はクラスで重要な技能1つ以上に対する修得の習熟ランクを得、修得の習熟を得る技能を別に選択する――その正確な数はクラスによって異なる。通常は来歴によって既に修得である技能にクラスから修得のランクを得た場合、君は別の技能を1つ選択して修得にすることができる。
習熟ランクによって、君はさまざまな特技とクラス技能を使用できるようになる。またそのデータに関連して計算される、君の判定ロールやDCの修正値を決定するのにも役立つ。
知覚、セーヴィング・スロー、またはその他のデータに修得の習熟ランクを得ている場合、そのキャラクターはキャラクター・レベル+2に等しい習熟ボーナスを得る。熟練の習熟ランクを有する場合、そのキャラクターはキャラクター・レベル+4に等しい習熟ボーナスを得る。
呪文発動クラスは呪文攻撃とDCの習熟ランクを与えるが、これらは各クラスの項目でさらに詳しく説明されている。
キャラクターのクラスの項目に記載されていないなら、そのデータの習熟ランクは別の要素から修得を得ていない限り未修得である。君のキャラクターが未修得である場合、そのデータに関連する判定を試みたりDCを計算したりする際、君のキャラクターは+0の習熟ボーナスを加える。
成長表 Advancement Table
この表はレベルが上がるにつれてキャラクターが得られる特技、技能増加、能力値増加、その他の利益をまとめたものである。クラス毎のこの表の第一列にはレベルが、第二列にはキャラクターがそのレベルに達した時に得る各特徴が示されている。1レベルの項目には、忘れることがないよう、種族と背景を選択する旨が記載されている。
クラス特徴 Class Features
この項目には、クラスがキャラクターに付与する全ての能力が示されている。1レベルより高いレベルで得られる能力には、能力の名前の横に必要なレベルが併記されている。全てのクラスにはその後で詳しく説明されるクラス特徴があり、各クラスにはクラス固有の特別なクラス特徴も得られる。多くのクラス特徴では選択肢から1つを選ぶ必要がある。その特定の能力に記載されていない限り、そのような選択を再訓練することなく変更することはできない。
クラス特技 Class Feats
この項目では、キャラクターがクラス特技を得るレベルが示されている。これらは、そのクラスに属するものだけが使用できる、特別な特技である。クラス特技はクラスに応じて1レベルまたは2レベルの時点で初めて与えられる。具体的なクラス特技それぞれは各クラスの後半に詳しく説明されている。
技能特技 Skill Feats
この項目では、技能特技と呼ばれる、技能特性を持つ特技をキャラクターが得るレベルが示されている。ほとんどのクラスでは2レベルの時点と以降2レベル毎に技能特技を1つ得るが、ローグは通常より早いレベルから、通常より頻繁に得る。技能特技を選択するためには、キャラクターは対応する技能に修得のランクを有していなければならない。
一般特技 General Feats
この項目では、キャラクターが一般特技を得るレベルが示されている。ほとんどのクラスは3レベルの時点と以降4レベル毎に一般特技を1つ得る。キャラクターが必要条件を満たしているならば、この各レベル毎に、キャラクターは代わりに技能特技を含む一般特技を選択してもよい。詳細については特技を参照すること。
技能上昇 Skill Increases
この項目では、キャラクターが技能の習熟ランクを上昇させられるレベルが示されている。ほとんどのクラスでは3レベルの時点と以降2レベル毎に技能上昇を1つ得るが、ローグは通常より早いレベルから、通常より頻繁に得る。
キャラクターは技能上昇を使用して、未修得の技能1つを修得にするか、既に修得の技能1つを熟達にするかのいずれかを行うことができる。
キャラクターが7レベル以上なら、そのキャラクターは技能上昇を使用して、既に熟達の技能1つを達人とすることができる。15レベル以上なら、そのキャラクターは技能上昇を使用して、既に達人の技能1つを伝説とすることができる。
能力値増強 Ability Boosts
5レベルの時点と以降5レベル毎に、キャラクターは異なる能力値4つを増強できる。これらの能力値増強を使用して、キャラクターは能力値を18より高い値に増加させることができる。能力値増強により、既に18以上の場合は1、18未満の場合は2だけ、その能力値が増加する。
種族特技 Ancestry Feats
この項目は5レベル、9レベル、13レベル、17レベルでキャラクターが得た種族特技を思い出させるものとして機能する。
種族特技は種族の各項目で詳細が示されている。
クラスの概要
アルケミスト Alchemist
アルケミストは錬金術アイテム――爆弾、霊薬、毒など――を作成するために製作の技能を使用する。アルケミストは敵を倒し、味方を支援するためにこれらのアイテムを使用する。賢く機知に富んだアルケミストは、仕事に適した道具と、友人が窮地から抜け出すのに役立つ秘密の知識を持っていることが多い。
ウィザード Wizard
ウィザードは複雑な呪文の公式を通じて現実では信じられないほどの力を引き抜く、秘術呪文発動の達人である。彼らは鎧や武器を必要とせず堂々と歩き、世界に彼らの意志を貫き、敵に災いをもたらす。
クレリック Cleric
クレリックは単一の神の信仰にその身を捧げ、その献身から信仰魔法を引き出す。
クレリックは信仰の対象によって大きく異なる。また、神格の領域1つを探求する修道院司祭か、神の剣として仕える戦神官であるかによっても大きく異なる。
ソーサラー Sorcerer
ソーサラーが命じる強烈な魔法は勉強によるものでも信仰によるものでもない――それは彼らの血脈に由来する。彼らの魔法の能力は竜、エンジェル、フェイ、異形クリーチャー、その他の存在の血がその血管を流れ、呪文に力を与えているかによって決まる。
チャンピオン Champion
チャンピオンは鎧を身にまとい正義の武器を振るう善の守護者である。彼らは罪のない者を守り、悪を打ち負かす。信念に固執し、神と善の側面両方に祈りを捧げ、世界をより良い場所にするために戦うために厳格な規範に従う。
ドルイド Druid
ドルイドは世界の荒野の原始的な部分を恐れることなく歩き回り、自然の始原魔法を利用し、穏やかな方法で自然を制御する。
自然の信徒であるドルイドは、自然の力から滋養を、自然のクリーチャーから味方を、自然の怒りから力を見出す。
バード Bard
芸術家にして学者のバードは芸能と難解な学習を使用して仲間を強化し、敵を食い止める。ときには卑劣でしばしば魅惑的なバードの冒険は、印象的な伝承魔法のレパートリーに裏打ちされた活力と才能を備えている。
バーバリアン Barbarian
バーバリアンは恐ろしい激怒の体現であり、邪魔する者に対する危険な怒りの力に注力している。バーバリアンはすぐさま戦闘に参加し、憤怒が解き放たれると予測不可能であり、ほぼ止めることはできない。
ファイター Fighter
計算された大胆不敵な決意により、ファイターは敵を追跡し、敵に立ち向かい、味方を危害から守る。戦場の達人であるファイターは機会を即座に活かし、剣や弓の届く場所でまごつく者を攻撃する。
モンク Monk
モンクはあらゆる者に十全を求める。それには自分の体を十全な武器に変化させることもまた、その一つだ。彼らは冷静に目的を持って歩き、ある瞬間で存在の機微について熟考していたと思うと、次の瞬間には危険な打撃の残像へと変化する。
レンジャー Ranger
機知に富むレンジャーは自然界を守り荒廃から文明を保護する、狩人、追跡者、戦士である。
使用するのがボウ、クロスボウ、2つの武器、輪縄のいずれであれ、レンジャーは自然の中では恐ろしい敵であり、偉大な味方にもなる。
ローグ Rogue
狡猾で素早いローグは仲間のほとんどとは比較にならない技能と専門知識をもたらす。戦闘では急所攻撃と待ち伏せを得意とする。彼らの領分は、仕事を成し遂げるために必要な道具を与え、幅広い技能群によって自分に合うように自身を専門化させる。