B2/イルゴーント - p2rdj @ ウィキ

イルゴーント Irlgaunt

　イルゴーントは巨大なクモやカニに似ているが、キチン質で護られた脚の先端からは頭足類のような巻きひげが生えている。ぎざぎざの灰色の甲殻のお陰で、狩場となる高い峠や深い渓谷の岩壁に溶け込むことができる。その大きさにも関わらず、イルゴーントは驚くほど機敏に動き回り、間断なく谷を飛び越えて切り立った山の崖をよじ登る。イルゴーントは近接攻撃でも手強い相手だが、さらに強力な遠隔攻撃を行える。このクリーチャーは肉や骨を破壊するのに十分なほど強力な、凝固した胃石（消化酵素に包まれたメロン大の岩のような塊）を勢いよく吐き出すことによって、敵をなぎ倒すことができる。胃石は脆く、接触すると炸裂して破片と苛性酸を周辺に撒き散らす。

　イルゴーントを単なる残忍な獣と勘違いしがちだが、彼らは鋭い知性を持っており、狡猾な狩猟戦術を用いる。イルゴーントは旅人に対して罠を仕掛け、以前の犠牲者から奪った宝石や魔法のアイテムを餌として好んで使う。また、岩の崩落を引き起こしたり、通路を塞ぐなどで冒険者たちを自分たちの待ち受ける場所に誘いこんだりすることでも知られている。また、胃石を使って獲物の動きを誘導し、犠牲者を裂け目や崖の端の行き止まりに追い込むこともある。

　大抵の場合、イルゴーントは単体で生活を送っている。これは恐らく、共同体を維持するのに十分な食料を確保するのが難しいためであろう。しかし、それでも彼らは広範な地域共同体の感覚を維持しており、戦争のために集結したり、自分たちの種や共有の縄張りに影響を与える他の問題を議論するために積極的に集まる。時には巨人と手を結ぶことも知られているが、こうした休戦はたいてい漠然としたものである。
“知識の想起”――異形（〈伝承学〉） : DC 31
一般的な知識 : DC 29
専門知識 : DC 26

イルゴーント Irlgaunt クリーチャー13

NE 大型 異形 地

出典 Bestiary 2 148ページ
知覚＋24；暗視
言語 アクロ語、共通語、巨人語、地界語
技能 〈運動〉＋26、〈隠密〉＋27、〈軽業〉＋25、〈生存〉＋22、〈ペテン〉＋23
【筋】＋7、【敏】＋8、【耐】＋5、【知】＋4、【判】＋5、【魅】＋4

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AC 34；頑健＋22、反応＋25、意志＋24
HP 265；弱点 ［殴打］10

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移動速度 30フィート、登攀30フィート；岩渡り
近接 [one-action] 顎 ＋26［＋21／＋16］、ダメージ 3d8＋13［刺突］、加えて2d6［強酸］
近接 [one-action] 脚 ＋26［＋22／＋18］（機敏）、ダメージ 3d10＋13［殴打］
始原生得呪文 DC 31；6レベル ストーン・テル；4レベル シェイプ・ストーン（回数無制限）、メルド・イントゥ・ストーン（回数無制限）
胃石吐き／Regurgitate Gastrolith [two-actions] (強酸、力術、始原) イルゴーントは消化酵素が超自然的に注入されたメロン大の脆い石の塊を勢いよく吐き出す。この塊の射程は30フィートで、衝撃を受けると爆発して石と酸を撒き散らす。これは20フィートの爆発（DC33の基本反応セーヴ）で、範囲内のクリーチャーに7d6の［刺突］ダメージと7d6の［強酸］ダメージを与える。イルゴーントは1d4ラウンドの間、“胃石吐き”を行うことはできない。
岩渡り／Stone Step イルゴーントは岩や石による移動困難地形の影響を受けない。

追加の知識：イルゴーントの信仰 Irlgaunt Religion

　少数のイルゴーントは、自分たちの種の始祖であるとしてロヴァググを積極的に崇拝している。これらの混沌にして悪のイルゴーントたちは孤独な生活を送る代わりに、深い亀裂に棲み付いて陰の教団を結成する。そして、生贄の死体で亀裂を飾ることによって、その場所を陰惨な神殿に変えるのだ。彼らはまた、キチン質に祈りを刻み込み、身体に粗野で不穏な像を描くことで自らを飾る。これらのルーン文字がイルゴーントを守る神聖な力と、ロヴァググの異界の種を召喚する能力を与えると主張する者もいる。