本ページのポイント
- アナログスティックの
ドリフト現象
はコントローラーを分解しなくても直ることがある
- アナログスティックの
根本
に
クリーナー液
を
流し込む
だけ
- 接点復活剤ではなくて
エレクトロニッククリーナー
を使った方が安全
ドリフト現象とは?
- アナログスティックを触ってないのに機体が
勝手に
前に歩く
- アナログスティックを触ってないのにカメラが
勝手に
動いてエイムがブレる
これらはアナログスティックの角度センサー(ポテンショメーター)の
汚れによる誤作動
です.
汚れを落としてやればドリフト現象は収まります.
ドリフト現象以外にも
といった症状の改善もOKです.
※
PS5のDualSense
の場合,ソフトウェアの不具合の可能性もあります.
アップデートファイルの適用
でドリフト現象が治まったという報告が寄せられています.
角度センサー
アナログスティックの根本には上図のような2軸センサーが基板に取り付けられています.このセンサーの側面に張り付いている緑色の部品が
ポテンショメーター(可変抵抗器)
です.このポテンショメーターにはカーボン可変抵抗器が使われておりこの
カーボン被膜
が汚れるとドリフト現象が発生します.よってカーボン抵抗の汚れを落としてやればいいわけです.
汚れ落としケミカルの選定
ネットで検索すると「接点復活剤」を使用して簡易的に直す方法がヒットします.ですが
接点復活剤は使用しない
でください.いや,使用しても直るのですが,余計な成分が含まれているために基盤には余りよろしくありません.出来れば下記の
エレクトロニッククリーナー
を使用してください.
呉工業株式会社からは下記の3つの関連ケミカルが発売されています.
-
エレクトロニッククリーナー
-
接点復活スプレー
-
コンタクトスプレー
このうち
- 【1】が
使用して欲しい
製品
- 【2】【3】は中身は同じ成分で出来れば本用途には使用して欲しくない製品
です.なぜ【2】と【3】がダメなのかですが
接点を復活・維持させる成分
はセンサーの清掃には不必要であり,基盤周りの部品に
ダメージ
をあたえる可能性があります.
以下3商品を順に見ていきましょう.
エレクトロニッククリーナー
- 用途:
- 各種電気・電子機器のプリント基板や電源部、コネクター、各種アッセンブリーパーツ、ピンジャック、ソケット類の
洗浄
- 特徴:
- プリント基板や
センサー
など、デリケートな部分に付着した油汚れなどをすばやく取り除きます
- 速乾性で、
残渣がなく
、拭き取りが不要
- 缶を逆さにしてもスプレーできます
- ※ディスプレイ画面、キーボード、電卓、リモコンなどには使用しない
- 成分:
接点復活スプレー
- 用途:
- スイッチ、リレー、配電盤、プリント配線回路、コンピューター、テレビ、コピー、ファックス、通信電話機器などの接点復活
- 特徴:
- 接点部に付着したカーボンや汚れなどを除去し、
接点を復活
させます。
- 接点表面に
薄い被膜を形成
し、通電状態を変えません。
- ※フレキシブルケーブル(フィルムケーブル)、導電性ゴムには
使用しない
- 成分:
コンタクトスプレー
- 用途:
- 精密機器、テレビ・オーディオ・パソコンの端子、コネクター、プラグソケットなどの電気接点の機能回復
- 特徴
-
特殊置換性オイル
がカーボンや汚れ、異物を除去し、電気接点の接触不良を解消
- 接点部の摩擦を軽減し、腐食から保護
- ゴムやプラスチックにかかっても安心
- ※フレキシブルケーブル(フィルムケーブル)、導電性ゴムへは
使用しない
- 成分:
ケミカルまとめ
このように、【2】【3】の商品はゴムやプラチックにかかっても安全ではありますが,フィルムケーブルや導電性ゴムには使用しないようにとの注意書きがあります.【2】【3】に含まれていて1に含まれていないのは
鉱物油
および
防錆剤
です.この成分は「
接点に長く残り被膜を形成
して
金属表面を保護
する」ために添加されています.これら成分・機能がセンサーやフィルムケーブルにとってはあまりよろしくないわけです.
よって【1】の
エレクトロニッククリーナー
を使用しましょう.
応急処置方法
下記の方法は自己責任でお願いします
症状の確認
まずは
物理的・電気的な汚れ
が原因で
ドリフト現象
・
無反応現象
が起きているのかをPCで確認します.
- DualShockをPCにUSBで接続する
- 自動で認識されてドライバがインストールされます
- 「コントロールパネル」→「デバイスとプリンター」を開きます
- コントローラーが認識されています(Wireless Controlle等)
- 右クリックします
- 「ゲームコントローラーの設定」を選択
- コントローラーを選択して「プロパティ」をクリック
- 以下のパネルが表示されますので,スティックを動かして不具合があるかどうか確認します.
- ドリフトがあれば勝手に動いていますし,特定の方向に認識しないようであればその方向にスティックを倒して変化量を確認します.
※
PS5
の場合,
ドライバの不具合
によるドリフト現象が報告されています.
物理的・電気的不具合
なのか
ソフトウェア的不具合
なのかの問題切り分けのためPCで確認することをおすすめします.
ポテンショメーターの位置
PS4のコントローラーのセンサー位置は上図の緑色の部分(左/上)に4箇所あります.ここにクリーナー液があたるようにスプレーのノズルを当てましょう.
お掃除
- 上図のようにPS4の場合にはアナログスティックを右下に倒します.
- PS5の場合には
右上
に倒します.
- 出来た隙間にスプレーのノズルを当ててクリーナー液を流し込みます.
- ノズルがセンサーに直接当たらないため,ある程度の量のクリーナー液を流し込んでOKです.
- 十字キーの裏までクリーナー液が流れると,導電ゴムが膨潤するという報告が1例あがっています.念のため十字キー回りにはクリーナー液が流れないように少し傾けて拭いてください.
- クリーナー液を流し込んだらスティックをグリグリ動かしてクリーニングします.
- グリグリ動かす時にPSボタンに触れてコントローラーのスイッチが入ってしまってもクリーナー液は絶縁剤なので大丈夫です.
- 数分間グリグリ動かしたら中のクリーナー液が揮発するまで半日乾かします.
テストプレイ
再度PCにつないでスティックの状態を確認します.
いかがでしょうか?愛機がビルの上を勝手に歩いて落ちたり,狙撃しようと思った瞬間にカメラが地面をむいたりしなくなりましたか?
注意事項
- 本方法はあくまで
応急処置
となります.症状が改善しなかったり
再発
する場合があります.
- 症状が改善しない場合には
分解洗浄
,
ポテンショメーターの交換
などもご検討下さい.
-
自己責任
でお願いします.
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最終更新:2022年04月26日 22:46